2025年12月12日、渋谷ストリームホールにて「CREATORS MATCH FESTA 2025」が開催されました。フリーランスクリエイターやインハウスデザイナーを中心に333名が来場し、14の講演・ワークショップや複数のアワード贈賞式が行われるなど、クリエイターの成長・挑戦が交差する1日となりました。
今回は、本イベントに込めた想いや舞台裏の奮闘を、企画プロジェクトメンバーの座談会を通してお届けいたします。
【座談会参加者】
・伊良皆 光一:Creative Div. 部長
・大友 湧矢:地域連携推進室 マネージャー
・佐々木 はる:Business Promotion Div. パートナーサポートグループ リーダー
・西島 雅偉:Sales Marketing Div. アカウントエグゼクティブ マネージャー
「AWARD」から「FESTA」へ。取り組みが進化した理由
──これまでの「CREATORS MATCH AWARD」から、「FESTA」という形に変えた背景を教えてください。
伊良皆:当社では2014年から、制作パートナーとして登録いただいているクリエイターを表彰する場として、年に一度「CREATORS MATCH AWARD」を開催してきました。ただ、表彰できるのは一部の方に限られ、毎年顔ぶれが似てくるという課題も感じていたんです。
佐々木:インナー向けイベントの色合いが強かったですよね。
伊良皆:そうなんです。そこで、より多くのクリエイターにスポットライトを当てたいと考えるようになりました。2024年はパートナー企業と組み、公募型のデザインコンテストとしてリニューアルしたのですが、想像以上に反響が大きくて。外部のクリエイターにも門戸を開いたことで、可能性が一気に広がりました。
大友:応募数も増えて、反応の熱量が全然違いましたよね。
伊良皆:そうですね。これまでの手応えを踏まえ、2025年はさらにスケールを広げようと決めました。表彰にとどまらず、全国のクリエイターの1年の労をねぎらい、交流や学びの機会も含めた“場”として届けたい。その考えを軸に企画を組み立てていった結果、生まれたのが「CREATORS MATCH FESTA」でした。
実際に本イベントでは、「発信・成長・挑戦」という3つのテーマを軸に、参加したクリエイターが次の一歩を踏み出すきっかけを持ち帰れることをゴールとして、全体設計を行いました。
──この企画を最初に聞いたとき、みなさんはどう感じましたか?
大友:率直に全体設計には共感できました。普段は現場に近いところでパートナーさんと関わることが多いのですが、現場ではない機会、しかも、全国のクリエイターさんにまで広げて、交流の場をつくるという趣旨が「いいな」と思いました。
西島:僕は普段、セールスやマーケティングの立場で、どんな価値をどう届けるか、外部との接点をどうつくるかを考えていますが、FESTAの企画は純粋に「面白そうだな」と思いました。本当に応援したいクリエイターに、イベントという形で直接価値を届けられる。ブランドや事業のメッセージとしても分かりやすい取り組みだと感じましたね。
佐々木:私は普段、「thinc Journal」の運営とパートナークリエイターのサポートを担当しています。だからこそ、「実現できたらすごい」と思う一方で、クローズドだった接点が外に広がる分、「これは大変そうだな」という不安も正直ありました(笑)。ただ、実務経験が浅い方や、これから挑戦したいクリエイターにも光を当てられる場になると考えると、とても意義のある挑戦だと感じました。
正解のない中で進めた、ゼロからの挑戦
──コンテンツはどのように決めていったのですか?
伊良皆:とにかく「現場のクリエイターのためのコンテンツ」で固めたい、という思いがありました。世の中にはマーケティングサミットのようなイベントは多いですが、実際に手を動かしている商業クリエイター向けの場は、意外と少ないんですよね。
一方で、企画を進める中で、業界が抱える課題やこれからの未来、クリエイターのキャリアパスやライフプランといった視点も重要だという話が出てきました。現場のスキルだけでなく、「どう生きていくか」というテーマも含めて届けたいという思いが広がっていったんです。
その結果、限られた時間とスペースの中で、現場に直結する内容と、より中長期的な視点を扱う内容のバランスをどう取るかには悩みました。
大友:前例がないことに挑戦する分、すべてを新しい切り口で揃えるのは正直勇気がいりますよね。実績のある定番コンテンツも必要だ、という判断もあったと思います。
伊良皆:そうですね。ただ、実際にやってみると、現場向けのコンテンツのほうが明らかに人気が高かった。
大友:そこは大きな発見でしたよね。「現場向けだけで本当に成立するのか」という不安はありましたが、今後は自信を持って、現場クリエイターにフォーカスした構成でも十分成り立つと感じました。
佐々木:やってみたからこそ、見えてきたことが本当に多かったですよね。特に印象的だったのは、実際にクリエイターが登壇するセッションへの反応の大きさです。キャリアの話や現場での試行錯誤、具体的なノウハウやTipsなど、リアルな声が詰まったコンテンツほど反応が良かった。「クリエイターが本当に求めていたもの」が、人気セッションを通じてはっきり見えた気がします。
──みなさんが、このプロジェクトで一番大変だったことは何ですか?
佐々木:一番は、イベント運営の経験がほとんどないメンバーで、ゼロから大規模なイベントを企画・運営しなければならなかったことですね。何から手をつければいいのかもわからず、スケジュールを立てても予定通りに進まない。「これも必要だったんだ」と、やってみて初めて気づくことの連続でした。
私は広報と集客を担当していたのですが、手探りで進める中で思うような成果が出せず、途中で大きく方向転換できなかった点は個人的な反省です。また、担当領域は決めていたものの、動き出すと誰も見ていない“空白の役割”が次々に見えてきて、それを埋めていく作業も大変でした。
伊良皆:正直、僕自身も見落としていたことはたくさんありました(笑)。だから今回は、最初から「完璧にコントロールしよう」とは考えていなかったんです。一つ意識していたのは、部署を超えて全社員をこのイベントに関わらせること。これまで一部の部署だけの取り組みになりがちだったので、「自分たちの会社のイベントなんだ」という実感を持ってほしかった。
もう一つは、細かいところまで口を出さず、リーダーたちに任せることです。結果的に、佐々木さんや大友くんを中心に空白だった役割も自然と埋まっていきました。経験のないことを自分たちの手で形にした、そのプロセス自体が一番の成果だったと思います。
西島:僕は協賛企業対応がメインだったのですが、これが通常の営業とはまったく違う難しさでした。普段は自社サービスのメリットを明確に提示しますが、協賛では「このイベントを応援したい」という気持ちの部分が大きい。
その中で、これまでの関係性に本当に助けられていると感じました。最終的に協賛いただいた企業様からは温かい言葉を多くいただき、人として、会社としてどう見られているかが問われる取り組みだったと思います。
クリエイターを支える“場”をつくり続ける
──本イベントを通じて、改めて感じたクリエイターズマッチの存在意義は?
大友:デザイン系の会社で、単に制作物をつくって届けるだけでなく、クリエイターさんのためになる「場」や「機会」まで提供している会社って、実はそんなに多くないと思うんです。それを理念として掲げるだけでなく、実際にやり続けている。そこが、クリエイターズマッチの存在意義なんじゃないかなと、今回改めて感じました。
佐々木:仕事の機会をつなぐだけでなく、キャリアのヒントになる情報を届けたり、まだ光が当たっていない人にスポットライトを当てたり。「クリエイターとしてどう生きていくか」を支える取り組みを一貫して行っているのが、クリエイターズマッチらしさだと思います。
西島:本当にそうですね。ゼロイチで挑戦するクリエイターを幸せにするために、できることは何でもやる。そのスタンスが一貫していると、改めて感じました。
伊良皆:現場のクリエイターに、一番寄り添う会社でありたい。今回のフェスタを通して、改めてそう感じました。当社が展開する、教育事業、パートナーサポート、仕事の機会の創出、労働環境の改善。どの取り組みも、軸足は常に現場のクリエイターにあります。クリエイター側に立つからこそ、「面白そうだな」と協賛企業や来場者が集まってくれる。その循環が、より良い仕事や、社会への価値提供につながっていくんだと思います。
一方で、今回新たなイベントに挑戦してみて、まだまだできることがあると強く感じました。
大友:次は、もっと多くのクリエイターのみなさんにこの体験を届けたいですね。内容には自信があるので、どう広げていくか、どう継続していくかが次のテーマだと思っています。
佐々木:クリエイターさんの挑戦の入口として、FESTAが機能していくといいですよね。
西島:協賛企業様も含めて、「このイベントに関わると面白いことが起きる」と感じてもらえる場に育っていったら嬉しいです。続けることで、FESTA自体が一つの価値になっていく気がします。
伊良皆:FESTAから生まれる出会いや挑戦が、クリエイター一人ひとりの次のステップにつながっていく。そんな循環を、これからもつくり続けていきたいですね。
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