CINRA, Inc.(以下CINRA)には、自社メディア「CINRA」に関わる「メディアプランナー」という職種があります。編集者のようにプランニングを担当することもあれば、タイアップ記事の営業をかけていくことも。独特な立ち位置の職種ではあるけれど、メディア出身の方だけでなく広告代理店出身の方も活躍できるのがこのポジション。一体どんなお仕事? どんな醍醐味があるの? CINRAでメディアプランナーとして活躍する妹尾ちあきに語ってもらいました。
取材・執筆・編集:山本梨央 撮影:佐藤麻美(CINRA, Inc.)
妹尾ちあき
CINRA, Inc.メディアプランナー。1995年生まれ。大分県出身。
新卒で広告代理店グループのデジタル広告部門に入社し5年間勤め、2022年にCINRA, Inc.入社。タイアップ記事の営業・企画・制作・進行を担当。趣味は既視感のないものを自力で発見すること、経験したことのない感情に出会うこと。
クライアントとフラットな関係で仕事をできるのが「CINRA」の営業
ーまず、メディアプランナー(以下MP)という職種はどんなお仕事をしているのか、教えていただけますか?
妹尾:基本的に自社メディア「CINRA」を活用したタイアップ記事の営業、制作、進行、企画などを担当しています。そのなかでも、プッシュ営業をする人もいれば、案件確度を上げていく人もいたり、アップセルをどうしていくかなど得意なところで役割分担をしていますね。
私はもともと前職で広告代理店グループにいたのですが、そのときは広告を掲載するプラットフォーム側の担当をしていて。メディア営業という立ち位置だったので、クライアント営業は経験したことがありませんでした。クライアント営業はお付き合いやケアなどもとても大変そうなイメージだったので、営業として入社し最初は不安がありましたが、「CINRA」のMPは想像していた「営業」とは違いました。もっとクライアントと営業がフラットな関係というか、ビジネスパートナーという感じで。
メディアプランナーの妹尾ちあき
ーどんなところで「フラット」だと感じるのでしょう?
妹尾:たとえば、クライアントの要望どおりそのままというわけではなく、読者にしっかり伝えるためにはこうしたほうがいいと企画の切り口や記事の中での表現・言い回しを提案したり、「CINRA」の編集方針に沿うかどうかをしっかり伝えたり。クライアントが届けたいことをしっかりうかがいながら、なぜほかのメディアではなく「CINRA」で伝えたいのか、という方向性もヒアリングしていきます。「CINRA」側でも案件ジャッジがあるので、惰性でやっている案件が一つもない、というのは良いところだと感じていますね。
また、売っていくためにはクライアントに読者の情報もしっかり出していきたいなと思い、自主的に読者アンケートというものも実施してみました。PVやUUなどの数字だけでなく、読んでいる人たちの質をしっかり把握した上で、クライアントにお伝えしたいと思って。
最初はどれくらい集まるかあまり期待していなかったのですが、思った以上に回答が集まったのには驚きました。特に印象的だったのは「CINRAは信頼できるメディアですか?」という質問に対して、元々読んでくれている読者だけでなく新規の読者もいる中で、96%が「信頼している」と答えてくれたこと。前職で、様々なプラットフォーマーやメディアをみてきましたが、これだけ情報が飽和するインターネットの世界の中で、これほどまでに信頼してもらえるメディアはなかなかないと思います。ここまで読者が信頼してくれているなら、自信を持って売っていけるな、と思いました。
読者アンケートの回答
ー「CINRA」という媒体でタイアップすべき理由を明確にしていくことで、営業としての売上目標だけでなく「CINRA」らしさを守る肝心な役割につながっているんですね。企画も担当するとのことですが、編集者の職域とはどういった違いがありますか?
妹尾:編集者とMPでブレストを1時間くらいして、企画に落とし込んでいくのをMPが担当することもあります。取材自体は編集者におまかせしますが、MPがスケジュール管理やクライアント視点での原稿チェックもしています。もともと編集のお仕事に興味はあったけど未経験で、憧れはありました。だけどいまは、MPの仕事がすごく自分に向いているなと思っています。
営業の勉強もしつつ、企画も考えるし、アイデアが採用されることもある。理想だった環境で働けているな、という実感がありますね。
歴史や伝統芸能への興味が仕事につながったプロジェクト「まつりと」
ーどんなところで「理想だった環境」だと感じたのかお聞かせください。
妹尾:個人的に、去年「世界遺産検定」というのを受けたんです。それくらい、歴史や伝統芸能にすごく興味があって。そんな興味が仕事につながったなと感じたのは、コロナ禍で打撃を受けた全国各地の伝統行事や民俗芸能をサポートする文化庁とキヤノンマーケティングジャパンのプロジェクト「まつりと」。お祭りという伝統芸能をデジタル上に残していくというもので、CINRAメディアでの連載記事だけでなく、Webサイトの制作やブランディング映像の制作も行なっています。
コラボレーションした連載「日本のまつりと出会いなおす」では、アーティストやクリエイター、文化人などへのインタビューを通じて、日本のお祭りの魅力をさまざまな角度から解き明かしています。そのうち一つの記事では、アーティストのコムアイさんにご登場いただきました。コムアイさんがインドの民俗芸能などにも精通している方なので、海外の視点も入れられたらいいなと企画に参加してアイデアを出したのですが、自分の提案が企画の質問案に追加してもらえることもありました。
自分もこのプロジェクトのなかに入れていると手応えを感じられるだけでなく、お祭りというものをデジタルでしっかり残していくというのはシンプルに社会にとっていいことだな、という感覚があります。
ー「CINRA」は2021年10月にリニューアルし、これまで扱ってきたカルチャーに関する情報だけでなく社会的な問題も取り上げるメディアとして生まれ変わりましたが、これはまさに、CINRAメディアらしさの軸ともいえる「カルチャー × ソーシャル」という企画ですね。
妹尾:はい。私自身、このプロジェクトを通して、日本各地に根づく伝統芸能に出会いなおし、その出会いを心から楽しんでいます。「CINRA」を通して、より多くの人に「まつり」に出会いなおすきっかけを届けていきたいですね。
先ほどの読者アンケートのなかで、「CINRAの情報から行動に移したことがあるか?」という設問があったのですが、舞台を見に行ったり、社会問題を勉強したり、二人に一人がアクションを起こしていることがわかったんです。
ただ記事で発信するだけでなく、きちんと社会を動かせるメディアで、コンバージョンにつなげられている、という実感が沸いています。
ソーシャルとカルチャーは、別物じゃなくて地続き
ーリニューアル後の「CINRA」では、これまでの「カルチャー」だけでなく「ソーシャル」という軸が入ったことで新しさが出てきているように感じています。
妹尾:そうですね。でも、入社してから感じているのは「ソーシャルイシューとカルチャーを切り分けて話す必要はないのかも」ということ。どちらも別物ではなく、地続きの一つのこと、という感覚があるんです。カルチャー好きの人たちは、もともとソーシャルイシューへの興味の土壌があるというか。
ーなるほど。社内でもソーシャルイシュー勉強会というものがあるとお聞きしました。
妹尾:はい、この会社のなかで一番好きな勉強会です。その週で気になった記事を持ってきて話して、アイデアを募って企画まで話してみる、というものなのですが、毎週20人くらい参加していますね。
ソーシャルイシュー勉強会の様子
妹尾:もともと、世の中で起こっている社会的な話について友達に問題提起するというのはハードルが高いと感じていました。本当に話せる限られた友人としか話しづらい。真剣に語ろうとすると、嘲笑う人も少なくはないじゃないですか。たとえば、コンテンツを倍速で見る文化がこれだけ広がっているということのメリット・デメリットは何なのか? とか、婚姻数が減少しているのは結婚以外の方法でも一緒にいる選択肢があることに人々が気づいたからという理由もあるのではないか、とか。
ちゃんと熱い想いを持って一緒によくしていこうと思っている人が社内には多い。だからソーシャルイシューについて当たり前のように会社の同僚たちと話せて、いろんな意見が出てくるというのも、自分にとっては良い環境だなと感じています。
誰も置いてけぼりにしない。「心を撫でてもらうような感覚」で読んでいた「CINRA」で、いま働けているということ。
ー同僚との話しやすさ、というのはMPの仕事をするうえでも、企画力やアイデアの種を増やすことに直結しそうですね。
妹尾:そうですね。もともと前職でマーケティングの仕事をしていたのですが、たとえばひとつのクリエイティブがあったとして、7割が支持して3割が支持しなかったら、7割側の意見を採用し続けていくものだと思っていました。クリエイティブのテストに限らず多数決という方法は様々な場所で使われますが、選ばれなかった残り3割側の人たちはどうなるんだろう? 置いてけぼりにされていく人たちの気持ちを誰がどう背負っていくんだろう? と考えていて。
ソーシャルイシューの話しづらさもそうですが、私自身が「大衆ではない3割」側にいることが多い人生だったんです。それゆえに生きづらいなと思うことも多かった。そんなときに「CINRA」のコンテンツはフラットな優しさがあって、心を撫でてもらうような感覚がありました。
こういう会社にいけば、同じ側にいる人がいるのではないかな、と思って入社してみたら、思っていたとおり、語り合える仲間が増えた気がします。
ーお聞きしていると、妹尾さんにとっては本当にぴったりなんだなと感じます。CINRAは基本的にフルリモートでの働き方だと思いますが、お仕事以外のことも語り合える仲間は見つかりましたか?
妹尾:入社前から、映画や舞台を観たり、漫画を読んだりしたらレポートを書くのが趣味だったんです。CINRAでは、どんなニッチなカルチャーの話をしても、社内で誰かしらが反応してくれる。なおかつ、どんな文化の話でも、前提の話を飛ばして深いところから語り合える。カルチャーに関して話す肥沃な大地がある! と、いつも思っています(笑)。
ほかにも、同世代の女子4人でたまにご飯に行っていたり、エンジニアの男性2人が音楽活動が好きということで一緒にスタジオに入ってセッションしたりとか。
ー本当の意味で「仲間」という感じがしますね。これからMPとしてCINRAに参加する人には、どんなことを期待しますか?
妹尾:MPの役割は、営業や記事企画などの業務はもちろんなのですが、先程お話しした「7割の人たちと3割の人たち」を混ぜ合わせていく融点をつくっていく、対立や分断ではなく融合できる部分をつくって広げていくのが大事なのかな、と思っています。
そもそも社会なんて変えられない、と思っている人だと、きっとプロジェクトに乗る想いも強くならない気がします。小さなことでも本気で社会を変えていける、そういう気持ちのある人と一緒に働いていきたいですね。
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