後藤 航
2022年入社 関西支社
前職はメガバンクの法人営業。関西、関東の拠点で中小企業から大手企業まで、様々な顧客に向き合い融資などの提案を実施。セルムには2022年に入社。前職で培った大手企業に対する提案力や企画力を活かし、現在、大手電機メーカーやハウスメーカーなどを担当。
地域の人々への貢献に憧れ、メガバンクへ入社しました。
――前職でのご経験を教えてください。
メガバンクで13年間働きました。関西や関東の拠点に配属され、キャリアの後半はグループの信託銀行で大手企業向けの営業を担当しました。メガバンクを就職先として選んだのは両親も銀行に勤めており、働く姿を見て、「地域への貢献」「多くの人々の暮らしへの貢献」を感じたからです。
入社してからは関西の支店で、融資業務などを担当。顧客は売上100億円クラスの中小企業。提案の内容は融資だけでなく、総合的な提案力を身につけられました。
――「経営者」に向き合う営業だったんですよね?
「経営者に直接向きあい、提案できたこと」が一番勉強になりました。20代の若手が50代、60代の経営者に提案できる機会は貴重です。「経営者が良いと認めてくれれば成立する」という世界の中で様々な力を磨きました。
その後、神奈川の支店に配属されました。誰もが知っている上場企業を担当し、提案の幅も広げられました。それに加え、新規開拓も担当。2年半で20社の新規取引に成功し、やりがいを感じていました。「後藤さんだから取引する」という経営者からの言葉が嬉しかったです。
大手企業の課題に向き合い、営業の手法や心構えを学びました。
――グループ企業への出向も経験したんですね。
信託銀行で、地方銀行向けのプロダクト導入プロジェクトに参加。その後は関西へ移り、大手企業の営業を担当しました。
顧客層は大手企業です。日本を代表するメーカーやアパレル企業などですね。「プロジェクトのキーパーソンをつかむ」「顧客内で起案する際の論点」など、前職時代に身につけた、大手企業へ向き合う姿勢は今でも役立っています。
「手触り感」のある仕事を希望。将来を考え、動くなら今しかないと考えました。
――転職を考えた理由は何ですか?
「仕事をこなしていないか」「結論ありきの作業になっていないか」など、やりがいを感じつつもモヤモヤする気持ちがありました。一度、立ち止まり次のキャリアを考えたいと感じたのです。この時、34歳。「動くならいまがチャンスかな」と考えました。
銀行内でのキャリアチェンジはなかなか難しいんですよね。例えば「営業」から「経営企画」への異動は非常にハードルが高い。今後のキャリアを想像した際に、自分がワクワクしなかったというのが本音です。
――転職活動で大切にしたことは何ですか?
「金融業界以外の仕事」を第一に考えました。自分自身の可能性を広げる転職を希望しました。「大手企業への営業経験」「財務的な知見」を活かせる企業や仕事を探しました。それに加え、大切にしたのが「手触り感」です。
――「手触り感」のある仕事とは?
例えば、結論が見えているなかで、机上で検討するのは、自分には「バーチャル」な感じがします。そうではなくて、「実際に目の前の困っている人たちに価値を届ける」「逃げずに徹底的に一緒に考え続ける」「提案だけでなく効果がでるまで向き合う」など、「手触り」がある仕事がしたかったのです。
「人」「組織」から企業を変える。あるべき姿を議論できる環境を求めていました。
――セルムを選んだ理由は?
実は前職時代にセルムと仕事をしたことがあるのです。正直に言うと、その当時は大きな期待はしていませんでした。希望を伝えれば、定型の研修がいくつか提案されると思っていたんです。
――セルムの営業はイメージと違っていましたか?
研修会社ではなく、「人材開発、組織開発」のプロフェッショナルという認識に変わりました。企業として抱えている課題の裏にある背景を何度も深堀されましたし、その情報をもとに「あるべき姿」を議論しました。何回もラリーを繰り返し、形作っていったのが印象深いですね。その過程で、セルムの営業担当とともに「実現したいこと」を言語化できたのが、新鮮でした。そういった経験があり、セルムの存在は頭に浮かんでいました。
――しかし、「人材開発、組織開発」は未経験ですよね?
未経験でしたが、以前から興味を持っていた分野ではありました。前職では経営の重要な要素である「お金」に携わることができました。次は「人」なのかなと。前職時代でも、「人」の意識を変えることで企業の復活を支援できた経験があり、企業の強みの源泉は「人」だと考えていたからです。転職活動時にセルムから「人」「組織」を変えることで「企業」を変え、その先の「社会」を変えることのやりがいも聞き、挑戦したいと考えました。
――躊躇した点はありますか?
正直に言うと、企業の規模感はかなり変わるので、不安がなかったと言えば嘘になります。なぜ挑戦したいかを家族にも話し、理解してもらいました。最後は自分で決めたことですし、「絶対に結果を出す」と決意し、新たな一歩を踏み出しました。
「何のためにするのか」本質から絶対に逃げない姿勢が求められました。
――入社した後の仕事内容を教えてください。
2022年2月に入社してからは関西支社に所属し、国内有数の大手企業それそれが抱える人と組織にまつわる課題に向き合い、提案を行っています。総合電機メーカーやハウスメーカーなど、業界も様々です。
――思い出深いプロジェクトは?
現在も進行中の総合電機メーカーのグループ会社のプロジェクトです。私自身は受注が決定した後のフェーズからの関わりです。顧客のとある部門の90名超のリーダーにコーチングを浸透させるプロジェクトですが、受注後の設計で難しい局面が多くありました。
――苦戦したのはどんなことですか?
プロジェクトの大きな方向性から詳細な具体に落とし込む際の進め方です。例えば、ターゲットとする階層ごとに方向性を決めたり、コーチの人選を行うなど。プロジェクトの起点となった方の想いや背景も大切です。また、時には顧客が選んだ方向性に対して「それではうまくいかない」と伝えることも必要です。特に大手企業では、How(方法論)で解決できると考えがちです。本プロジェクトでも顧客に対して、必ずしもその方法で解決できるとは限らないという自分の考えををぶつけ、とことん議論しています。
――どのような提案を心がけましたか?
具体的な打ち手ややるべきことはたくさんありましたが、絶対に忘れてはいけないのが、「何のためにするのか」という前提。どうしても議論を繰り返していると、手法論に流れがちです。前提をしっかりと意識しながらプロジェクトを牽引しました。もちろん何度も議論し、顧客に納得いただきました。実際にプログラムがスタートしていますが、とても満足いただける内容となり、顧客からも感謝されました。
答えがないから面白い、難しい。答えがないから楽しい、大変。
――前職の経験で活かせていることは何ですか?
2022年入社で大手企業の複雑な課題に向き合い、難易度の高いプロジェクトに参加できているのは前職の経験があってこそだと感じています。大手企業に向き合った際の「ゴール設定」「社内の複雑さを理解したプロジェクト進行」などですね。
――前職とは違った動き方はありますか?
「なぜ、やるのか?」を突き詰める営業の仕方でしょうか。前職では定型化されたルールが無数にありましたが、そもそも「このルールは本当に必要なのか?」などを考えることは少なかった。難しさももちろん感じていますが、「なぜ、やるのか」という本質を常に考え続けることがセルムの営業としての本質であり、今はその原則に向き合いながら議論や提案を組み立てることができています。
――難しさを感じるのはどういう時でしょうか?
「正解がない」ということですね。プロダクトアウト型ではないので、全てが自分次第なんです。総合電機メーカーのグループ会社のプロジェクトでも、正解を出すために、徹底的に考え、戦略を練りました。そのうえで最後に大切にするのは「心が動くか」ということ。「こちらのほうが楽しそう」「こちらのほうがうまくいく」「喜んでくれそう」などの直感も大事にしています。
――「人」「組織」を扱うビジネスの難しさは感じていますか?
「この領域は費用対効果を示しにくい」という人も多いですね。だからこそ、面白いし、難しい。そしてやりがいが大きいし、大変。「サービスを導入して、顧客の売上がいくらあがるはず」という単純な話ではないので、提案も難しい。だからこそ、先ほどもいった「なぜ、やるのか」という本質をセルムが顧客と共に考え抜き、言語化するプロセスが営業として大事になります。つくることにかかる費用ではなく、それをきっかけに起こる影響も含めて、自信を持ち提案するようにしています。
相手の心に火をつける。その起点になることが一番のミッションです。
――セルムの営業をやってみての素直な感想を教えてください。
仕事で一番求めていた「手触り感」があります。やっていて嬉しいのは、一緒にプロジェクトを進めた顧客の担当者やプログラムの参加者の反応ですね。プログラム当日の朝は難しい顔をしていたのが、終わった際に明るくなっていたりします。「人の心のスイッチが入った瞬間」を自分自身が生み出せた喜びは格別です。そういった動きから組織や企業が変わっていく「手触り感」を顧客と一緒に感じ取れ、セルムが手掛けている仕事や顧客の変化を通じて社会も変わっていく実感もあります。
――顧客だった側から立場が変わって感じたことはありますか?
大手企業で働く方々の葛藤などは理解しているつもりです。向き合う顧客の人事担当者なども、前職時代に自分自身が感じていた歯痒さをやはり抱えています。そのままだと何も変わりません。共に議論する中で、向き合う人の心に火をつけ、willを生み出すことが使命だと考えています。willのある人とタッグを組み、「なぜ、必要か」「どういう影響をもたらすか」など、より大きな視野で仮説を組み立て、言語化する機会をつくり、真のパートナーになることを目指しています。
――外部のプロフェッショナルとの協働の面白さは?
各領域のスペシャリストである外部の方々との協働も重要ですね。外部のプロフェッショナルタレントも結果を出すために、我々に対して、熱い思いをぶつけてきます。顧客の要望も考慮しながら、ともにベストな答えを模索します。顧客、プロフェッショナルタレント、それぞれの強みや特徴、条件を理解し、牽引していくことが顧客から期待されるセルムの介在価値であり、セルムの営業としての醍醐味です。
――どんな方がセルムの営業に向いていますか?
「圧倒的な当事者意識を持っている人」「オーナーシップを掘り下げられる人」でしょうか。一定のルールややり方は当然ありますが、それが答えでもありません。あくまでも顧客やプロフェッショナルタレント、自分自身でゼロから考え、形作っていく必要があります。私自身、2022年2月に入社して、3月には企画書を書き、5月にははじめての受注を経験しました。冷や汗をかきながら前線に立って、知恵を絞ることを楽しめることが重要だと思います。
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