お客様と向き合う中で、小井土さんが感じたのは、「どう進めるか」だけでなく、「何のために取り組むのか」を揃えることの重要性でした。
一歩踏み込んで伝えたその提言は共感を呼び、やがてお客様が目指す組織風土のテーマとして位置づけられました。
今回はこのエピソードを通じて、セルムが大切にするパートナーシップのあり方と、自身の言葉がお客様に届くことの重みについてひもときます。
小井土 由紀
2023年入社 パートナーシップ開発部
大学卒業後、アパレル業界でキャリアをスタート。店舗での接客販売を通じて、お客様のニーズを捉えた提案力を培ったのち、医療機関にて受付・レセプト業務に従事。
その後、人材業界に転身し、新卒採用支援の営業として大手メーカーを中心とした顧客を担当。自社サービスの提案にとどまらず、顧客課題に応じた新規サービスの企画・実行や学生面談まで、一貫して携わったのち、2023年10月に株式会社セルムへ入社。現在は大手メーカーなどの組織・人材開発を伴走支援するコンサルティング営業を担当。
採用支援のその先にある、組織の課題に向き合いたかった
――これまでのキャリアについて教えてください。
大学卒業後はアパレル業界でキャリアをスタートし、店舗での接客販売を担当していました。大学時代に始めた販売のアルバイトを通じて自分に向いていると感じたことから、新卒でそのままアパレル業界に進みました。
その後、医療機関へ転職し、受付やレセプト業務に従事しました。キャリアの方向性を模索する中での転職でしたが、改めて成果や手応えを強く感じながら働ける環境に身を置きたいと考えるようになり、法人営業へ転職しました。
3社目の人材会社では新卒採用支援の営業として、大手メーカーを中心としたお客様を担当していました。採用支援サービスの提案だけでなく、顧客の課題に合わせた新規サービスの企画や学生面談などにも携わり、企業と学生の双方に向き合っていました。
――転職を考えるようになったきっかけは何だったのでしょうか。
「採用支援に関わる中で、採用課題にとどまらず、企業の組織や人の課題により踏み込んで関わりたいという思いが強くなったことが、転職を考えるきっかけでした。
前職では、経験を重ねるにつれて、お客様に頼っていただける場面が少しずつ増えていきました。採用のご相談のみならず、組織のことや現場で感じている悩みまで打ち明けていただくことも増えていったんです。
そうしたお話を伺う中で、企業が抱える課題は採用のみで切り分けられるものではなく、組織全体のあり方と深く結びついているのだと感じるようになりました。採用がうまくいったとしても、組織の問題が解消されていなければ、同じような課題に繰り返し向き合うことになってしまう。
だからこそ、お客様の事業や組織そのものにもっと深く向き合いたい。そんな思いが、次のキャリアを考えるようになったきっかけでした。
――転職活動の中で大切にしていた軸は何でしたか。
大きく2つありました。
1つは、企業が抱える課題に広く深く向き合える仕事であることです。採用というテーマだけでなく、事業や組織の課題そのものにも踏み込んで支援できる仕事に携わりたいと考えていました。
もう1つは、大手企業の変革に関わることができるという点です。前職で大手メーカーを担当する中で、日本を代表する企業が持つ影響力や、そこで働く方々の可能性に強く惹かれるようになりました。そうした企業の変革に伴走できる仕事に魅力を感じていました。
一方的にサービスを提供するのみならず、お客様と対話を重ねながら長い時間軸で課題に向き合っていけるかどうか。その点を特に大切にしていました。
――数ある会社の中で、なぜセルムを選んだのでしょうか。
決め手になったのは、面接の中で感じた対話に納得できたことです。
セルムの面接では、「なぜそう考えるのか」「その背景には何があるのか」といったことを深く聞かれる場面が多くありました。そのやりとりを通じて、お客様に対しても目先の課題だけではなく、背景まで含めて向き合おうとしているのだろうと感じたんです。
自分自身も、採用という枠に限らず、企業が抱えるさまざまな課題に広く向き合う仕事がしたいと考えていました。事業内容だけでなく、そこで働く方々のコミュニケーションの取り方にも惹かれ、ここで挑戦したいと思って入社を決めました。
手探りの毎日から、自分なりの価値を見つけるまで
――入社後、最初に感じたギャップや難しさは何でしたか。
一番大きかったのは、求められる水準の高さでした。入社当時は本当に何もわからなくて、打ち合わせで出てくる用語や議論の内容を理解するだけでも必死でした。話していることが「外国語みたい」だと感じるくらいでした。
また、最初は上司との間で視点の違いを感じることもありました。求められていることのレベルが高い一方で、自分はその水準に全然届いていない。事業理解やセルムの役割、自分たちがどんな価値を届けているのかを捉えることが、当時はとても難しかったです。
外部のプロフェッショナルの方々がいらっしゃる中で、セルムとしてどんな価値を発揮すべきなのか、自分の中でうまく言葉にできない時期もありました。入社直後は、そうした難しさに向き合いながら、一つひとつ理解を深めていった感覚があります。
――その中で、どのように自分なりの価値を見つけていったのでしょうか。
最初は上司とのやりとりに戸惑うこともありましたが、一緒に商談に参加したときに、「こんなふうにお客様と向き合うのか。すごい」と率直に思ったんです。求められる水準の高さに難しさを感じる一方で、いただく指摘やフィードバックには毎回きちんと理由があり、次第にその意味がわかるようになっていきました。
だからこそ、自分の見えている範囲だけで判断するのではなく、まずは相手の視点を理解してみよう、自分の捉え方を変えていこうと思うようになりました。
同時に、自分自身がどこで価値を発揮できるのかも考えていました。上司はすでにお客様の人事部門の方々と深い関係性を築いていたので、同じ土俵で価値を出すのは簡単ではない。でも、事業部門側にはまだ提案や関係構築の余地があるように思え、そこを自分の役割にしていこうと考えるようになりました。
――立ち上がりのプロセスについて教えてください。
最初の1か月は、基本的に上司と一緒に動くことが中心でした。ただ、2か月目からは自身がメインでアテンド(※)する場面もあり、かなり早い段階から実践の機会をいただいたと思います。
実際、入社して1か月ほどでお客様との打ち合わせに参加して、事前に上司と相談しながら、自身でもヒアリングを担当しました。その後、初めて提案書も作成して、2か月目の頭には初めての受注につながり、ご支援の機会をいただくことができました。
もちろん、最初からすべてが理解できていたわけではありませんが、早い段階から実践の場に入ったことで、動きながら少しずつ覚えていけた感覚があります。
また、事業部門との関係構築に取り組んだことも自分にとっては立ち上がりの大きな一歩でした。プログラム参加者との接点をきっかけに関係性を築き、まずは相手の役に立てることを考えながら対話を重ねる。いきなり提案するのではなく、情報提供やコミュニケーションを通じて信頼関係をつくり、そこから具体的なテーマにつなげていく形です。実際に、そうした動きから新たな取組みにつながったケースも複数ありました。
(※)アテンド:お客様のプロジェクトについて円滑に遂行されるよう、現場の当日の進行や運営に立ち会うこと。
――入社後、前職との違いを感じたのはどんなところでしたか。
大きく違いを感じたのは、向き合う相手の広がりと、必要になる情報の捉え方の幅や深さです。前職では、その会社をどう魅力的に伝えるかという観点でお客様と向き合うことが多く、会社の歴史やエピソードの中から、学生に伝わるポイントを見つけていくような情報収集が中心でした。
一方で、今はお客様の人事部門の方に加えて、経営層や事業部の責任者と対話する場面もあります。そうした方々と向き合う中で、事業の状況や経営数値、組織の構造まで含めて理解しておくことの重要性を強く感じるようになりました。
日々のニュースや新聞に触れること自体は前職から変わりませんが、情報の見方は大きく変わりました。最初の頃は「このエピソードは使えそうだな」という見方をしていたんです。でも今は、一見その会社と直接関係がない出来事でも、それが経営や事業にどのような影響を与えるのかまで考えて、自分なりに意味づけしながら捉えるようになりました。
事実をもとに考えるという点は前職も同じですが、今は一つの情報だけで判断するのではなく、複数の角度から事実を集めた上で考えることが求められています。情報収集の目的が、相手に魅力を伝えるための理解から、課題解決に向けて状況を立体的に捉えるための理解へと広がった感覚があります。
踏み込んだ提言が生んだ、手応えと責任
――印象に残っている取り組みについて教えてください。
特に印象に残っているのは、次世代リーダーを発掘・育成するプログラムの参加者の方からご相談をいただいた取り組みです。ご自身が参加したプログラムに高い価値を感じてくださり、「自分たちの組織でも実施を検討したい」と事務局経由でご連絡をいただいたことがきっかけでした。
そこから、組織風土の変革を目的とした大規模なワークショップを一緒につくっていくことになりました。参加者は100名規模にのぼり、組織としても非常に重要なテーマを扱うプロジェクトでした。
――その取り組みでは、どんな難しさがあったのでしょうか。
一番難しかったのは、お客様の実現したいことと外部プロフェッショナルの方が大切にしている考え、その両方を合わせていくことでした。お客様として実現したいことがある一方で、外部プロフェッショナル側にも重視している視点がある。その間に立ちながら、どうすれば双方が納得できる形にできるのかを丁寧に探っていく必要がありました。
実際、1回のワークショップを形にするまでに、20回近く打ち合わせを重ねたと思います。そのくらい、関係者の認識を揃えていくプロセスには難しさがありました。
ただ、最終的に実施した後は、お客様からも非常に高い評価をいただき、その後も追加のご相談につながりました。さらにその次年度に向けても、組織体制の変化を踏まえた新たな取り組みの構想へと発展していきました。
――その取り組みを進める中で、小井土さん自身はどんなことを感じていたのでしょうか。
次年度に向けた構想について事務局の方とやり取りを重ねる中で、一番強く感じていたのは、議論が「どう進めるか」に寄りがちで、「何のために取り組むのか」という点が十分に共有しきれていないのではないか、ということでした。
もちろん、進め方を考えることはとても大切です。ただ、変化が大きいタイミングだからこそ、最初からやり方を固めすぎるのではなく、まずは「何のために取り組むのか」関係者で認識を合わせることのほうが重要なのではないか、と感じていました。
その上で、まずは実際にやってみる。そして、うまくいかなければ振り返り、また挑戦する。そうした試行錯誤を重ねられる組織になっていくことが、変化に向き合う上では必要なのではないかと思ったんです。
実は、それまでお客様に対してここまで自分の考えを強くお伝えしたことはあまりありませんでした。ただ、このときはそれだけ大事なテーマだと感じていたからこそ一歩踏み込んでお伝えしてみようと思いました。
――その出来事は、小井土さんにとってどんな意味を持つ経験になりましたか。
自分の提案が、お客様の組織に影響を与えうるのだと実感した経験でした。
私が提案をお伝えした際に、お客様から「そこまで見てくれていたんですね」と言っていただいたんです。それがまずとても印象に残っています。その言葉自体もうれしかったですし、さらにその考え方が、これからその企業で目指したい組織風土のテーマとして受け止められたと聞いたときは、本当に感動し大きな手ごたえを感じました。
その一方で、強い責任も感じました。自分の提案や言葉が、組織の方向性に少なからず影響を与えることがあるのだと知ったからです。
この経験を通じて、対話を重ねる中で見えてきたことを、自分の言葉でお返しすることの重みをあらためて実感しました。相手の中でまだ明確に言葉になっていないものが、提案を通じて少しずつ形になっていくことがある。そうした仕事の意義を感じてうれしく思うと同時に、その分だけ責任の大きさも強く意識するようになりました。
一つ先の役割を目指して、成長を重ねる。目指しているのは、チームで価値を広げること
――今後の目標について教えてください。
一番大きな目標として、「マネージャーになる」というものがあります。それは、自分にとってかなり大きな原動力になっていると思います。
その目標があるからこそ、目の前の経験一つひとつを自分の成長につなげていきたいと考えています。どんな経験からも学べることがあると思っていますし、提案活動をはじめとする日々の業務の中でも、その姿勢は常に意識しています。
また、成果についても強く意識しています。数字的な成果を追うこと自体が目的ではありませんが、お客様に価値を提供した結果として、それが数字にも表れているかはしっかり向き合う必要があると考えています。目標との差分についても、その背景を捉えながら、半期ごとの目標の中で大切にしています。
――なぜマネージャーとしてチームで成果を生み出すことを目標に置いているのでしょうか。
一番大きいのは、自分一人でできることには限界があると感じているからです。
私はもともと「より大きな影響を生み出せる仕事がしたい」「日本を変えたい」と思うくらいの気持ちでセルムに入社していて、そう考えると、やはり一人ではできることに限界があります。より大きな変化や価値を生み出していくためには、自分自身の影響範囲を広げていく必要があると感じています。
そのため、役職そのものを目指しているというよりは、チームを持ち、チームとして価値を発揮できる状態をつくりたいという感覚のほうが近いかもしれません。実際、今のチームもとても好きですし、チームで仕事をしていることそのものが大きなモチベーションになっています。
また、目指したいマネージャー像としては、売上にしっかり責任を持てる存在でありたいと思っています。メンバーそれぞれが力を尽くしている中で、最後にもう一歩必要な場面があれば、そこを支えられる存在でありたい。自分自身も最前線に立ちながら、チームの成果にも責任を持てるマネージャーを目指しています。
――その目標に向けて、今後経験したいことは何ですか。
必要な視点や、身につけるべきことについては、少しずつ広がってきている感覚があります。一方で、これからさらに経験していきたいことも明確です。
特に今後は、お客様の経営アジェンダに関わるテーマを自ら捉え、ゼロから構想して形にしていく経験を積んでいきたいと考えています。経営に近いテーマに向き合いながら、構想し、提案し、実際の取組につなげていく。そうした経験を重ねることが、次のステップに向けて必要だと感じています。
その意味でも、今の自分にとっては、目の前のお客様とその課題に向き合いながら視野を広げていくことを大切にしています。今後マネージャーとしてチームで価値を生み出せるようになるという目標に向けて、これからも一つひとつ経験を積み重ねていきたいと思っています。
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