【M&A(グループジョイン)対談②】「条件」よりも、共に歩む「志」を。カンリー初のグループジョインが成功した理由。|株式会社カンリー 公式note
株式会社カンリーは、一つの大きな転換点を迎えました。 店舗支援領域における3事業のM&A(グループジョイン)。そして、世界170カ国以上で利用される情報管理プラットフォーム「Uberall」との国内独占契約の締結。 ...
https://note.com/canly/n/nc05f37f389dd
※このストーリーは、noteで発信した記事を転載しています。
株式会社カンリーは、一つの大きな転換点を迎えました。
店舗支援領域における3事業のM&A(グループジョイン)。そして、世界170カ国以上で利用される情報管理プラットフォーム「Uberall」との国内独占契約の締結。
これらは単なる規模の拡大を目指した「事業買収」ではありません。私たちが掲げる「店舗経営を支える、世界的なインフラを創る」というミッションを完遂するために欠かせない、必然的な「共創」の形です。
私たちはM&Aを、単なる「買収」ではなく、志を同じくする仲間が合流することと捉え、「グループジョイン」と呼んでいます。
しかし、異なる文化や歴史を持つチームが一つになることは、決してきれいごとだけでは進みません。
今回、この大きな決断の裏側にあるドラマを紐解くべく、グループジョインに至った各社のインタビューを実施しました。
第二弾となる本記事では、J&I株式会社代表・尾中 博俊氏との対談をお届けします。
株式会社J&I / 株式会社NEXT GAME代表取締役。大学卒業後、米テキサス・レンジャーズとマイナー契約を結ぶなど野球選手として活躍。引退後、独学でWeb制作・EC事業を立ち上げ成長させ、株式会社カンリーへM&A(グループジョイン)を実現。現在はJ&Iの事業を牽引する傍、体育会系出身者の人材支援事業に挑戦している。
Web制作、E-Commerce、制作サービスなど、インターネットを通じてお客様のサービスや商品を日本中、世界中に届けられるようなサービスを提供。
ーー 今回のJ&I社との提携は、カンリーにとって「初のM&A(グループジョイン)」という大きな決断でした。どのような背景でこの決断に至ったのでしょうか。
辰巳:
僕らのミッションは「店舗経営を支える、世界的なインフラを創る」ことです。当時、エンタープライズ(※1)向けの支援は順調でしたが、SMB(※1)のお客様を本気で支援できなければ、このミッションは到底達成できないという強い危機感がありました。
SMBのお客様は、エンタープライズ企業とは抱えている課題も予算感も異なります。SMBのお客様にとってのデジタル活用は、単なる「業務効率化」ではなく、自分たちの魅力を正しく発信し、一組でも多くのお客様に来店していただくための「生存戦略」そのものだと捉えています。
ーー つまり、「カンリー店舗集客(MEOツール)」を提供するだけでは不十分だったということでしょうか。
辰巳:
その通りです。予算やリソースが限られているSMBのお客様こそ、単一のツールを提供するだけでは支援とはいえません。例えば、どんなに地図上での露出を増やしても、その先の「Webサイト」が整っていなければ、お客様は来店を決意してくれない。
だからこそ、Webサイト制作はもちろん、SNSや広告運用までを包括的に、かつ店舗の負担にならない「良心的な価格」で支援できる体制が不可欠だと考えていました。
ーー その包括的な支援のパートナーとして、J&I社がいたのですね。
辰巳:
はい。店舗の方々に寄り添い、来店に直結する「質の高いクリエイティブ」をフルラインナップで届けられるパートナー。自社でゼロからその体制を築くには時間がかかりすぎる。ミッションを加速させるためのピースを埋める存在を探していた時に出会ったのが、尾中さんだったんです。
(※1)カンリーでは10店舗以上をエンタープライズ、9店舗以下の店舗事業者をSMBと定義しています
ーー 尾中さんがWeb制作事業の売却を決断されるまでには、どのような経緯があったのでしょうか。
尾中:
僕はもともと野球一筋で生きてきて、引退後、僕は幸運にも、周りの先輩経営者や仲間に支えられながら、新しい道を見つけることができましたが、すべてのスポーツ経験者が、そんな環境に恵まれているわけではありません。
多くの人が、競技に打ち込んできたその経験を、「社会のどこで活かせるのか」を知らないまま、不安を抱えているのが現実です。努力する力も、継続する力も、チームで戦う力もあるのに、それをどう仕事に結びつければいいのか分からない。だからこそ、その橋渡しが必要だと感じ、新しい事業をすることを決めました。
ーー 新しい使命への挑戦。そのために、今の事業を「手放す」という選択肢が生まれたのですね。
尾中:
そうです。ただ、僕が現場で格闘しながら守ってきたお客様や、一緒に走ってくれたスタッフたちのことを思うと、単に「事業を売る」という感覚にはなれませんでした。
ちょうどその頃、ある本で「会社は伸びているときに売りなさい」という言葉に出会い、ハッとしました。
中途半端に僕が持ち続けて成長を止めてしまうくらいなら、この子たちを僕よりも高く、遠い場所へ引き上げてくれるパートナーに託すべきではないか。そう考えることが、お客様とスタッフに対する誠実さだと自分を納得させたんです。自分の「分身」だからこそ、最高の舞台へ送ってやりたい。その一心で、M&Aを決断しました。
ーー 尾中さんは当時、16社もの企業と面談をされていたそうですね。その中で、カンリーはどのような印象でしたか?
尾中:
最初はオンラインでの面談でした。正直に白状すると、最初は「ここ(カンリー)との縁はないな」と思っていたんです。というのも、僕が緊張をほぐそうと思ってボケを挟んでも、画面越しのCFOが微塵も笑わなくて(笑)。「あ、この硬い空気感の中でやっていくのは難しいな」と、当時は半分本気で思っていました。
また、当時のカンリーは飛ぶ鳥を落とす勢いでしたから、僕のような一介の制作会社は、正直相手にされないだろうという先入観もありましたね。
辰巳:
そんな風に思われていたとは(笑)。でも、僕は全く逆でした。尾中さんが掲げていた「月額9,800円のサブスク型HP制作」というモデル。利益効率だけを考えれば非効率極まりないその挑戦の裏側にある、「中小店舗を救いたい」という尾中さんの純粋な思想に、僕は一瞬で引き込まれたんです。
お客様にとって、ホームページは重要な武器です。でも、いざ作ろうとすると、数十万、数百万という高い壁が立ちはだかる。そこを月額9,800円という店舗に寄り添った価格で、かつ誠実に提供し続けている。僕らが目指す「店舗経営を支えるインフラ創り」に、絶対に欠かせないピースがここにある、と確信しました。
尾中:
辰巳さんの「確信」が本物だと知らされたのが、面談のわずか3日後でした。他の会社が「条件提示のメール」を送ってくる中で、辰巳さんだけは違った。「今から大阪に行きます。まずは直接会って、人間同士として話がしたい」と。
たった一人の僕に会うためだけに、一人で飛んできてくれた。メールの数字ではなく、顔を合わせて熱量をぶつけてくる。その、良い意味でスマートではない「泥臭い熱量」に触れたとき、僕の心は一気にカンリーへ傾きました。
ーー 大阪での夜、お二人はどんなお話をされたのでしょうか。
辰巳:
焼肉屋で、3時間。数字の話は一切せず、お互いがこれから何を成し遂げたいのか。ただそれだけを、熱く語り合いました。
尾中:
僕はあの夜、「この人には、自分を全部見せないと失礼だ」と思ったんです。だから、本来なら契約の最終局面まで明かさないような事業の核心部分や、僕が現場で格闘しながら作り上げてきた仕組みの裏側まで、すべてを辰巳さんの前にさらけ出しました。
「これが僕のすべてです。この中身ごと、受け止めてくれますか」と。いわば、リスクを承知で「裸の自分」をぶつけたんです。
辰巳:
その姿を見て、僕は確信したんです。カンリーが何より大切にしているバリュー「正直であれ」。これを、まだ契約書も交わしていない人間同士が、焼肉の煙の中で、誰よりも深く体現している。
ビジネスの条件が良い悪い以前に、「この人となら、たとえ最悪の逆境に立たされても、背中を預けて一緒に戦える」と。あの日、あの場所で、僕らの中ではすべてが決まっていました。
尾中:
正直に言えば、条件面でいうと他社の方が良いところもありました。でも、辰巳さんが僕という人間と本気で向き合ってくれた、あの熱量。
「条件」を並べたメールには心は動きませんでしたが、目の前でビジョンを語る辰巳さんの姿に、僕の直感は「この人だ」と叫んでいました。今思うと、あの夜の乾杯の瞬間に、僕の心はもう決まっていたんだと思います。
ーー カンリーにとって、J&I社との統合は「初めてのM&A」でした。社内に迷いや不安はなかったのでしょうか。
辰巳:
正直に言えば、社内には慎重な意見もありました。「未知の領域にリソースを割くべきではない」「自社開発に集中すべきだ」という、初の試みゆえの当然の反応です。
実は、僕自身も決断の前に共同代表の秋山に相談したのですが、彼は「辰巳が信じられる人なら、俺も信じるよ」と言って背中を押してくれました。この言葉には本当に救われましたし、良きパートナーを持ったと感謝しています。
秋山の後押しで迷いが消えたからこそ、僕はメンバーに「尾中さんという人間を見てほしい。彼を信じてほしい」と自信を持って説得し続けることができました。会社が非連続な成長を遂げるためには、システムや機能だけでなく、尾中さんが持つ「泥臭い熱量」がどうしても必要だったんです。
尾中:
その期待と信頼に応えたい。当時はその一心でした。ただ、僕自身も大きな変化を迫られました。これまで「1人商店」の延長として、自分の背中を見せてチームを引っ張ってきたスタイルから、100名を超える組織の一員になる。そこで得た学びは、まさに衝撃の連続でした。
有給管理といった労務の細部から、評価制度の構築、そして何より「ビジョンを言葉にし、仕組みとして組織を動かす」という作法。10人、20人の規模ではなあなあになりがちな部分まで、カンリーは徹底して言語化し、文化として定着させている。自分が経営者として一皮むけるために必要なピースを、この場所で学ばせてもらいました。
ーー J&Iから転籍した10名のメンバーの皆さんは、どのような反応でしたか?
尾中:
驚くべきことに、転籍したメンバー10名全員が、今この瞬間も誰一人欠けることなくカンリーで戦い続けています。これには僕自身も驚きましたし、何より経営者として本当に嬉しいことですね。
最初は戸惑いもあったはずですが、カンリーの現場メンバーが本当に温かく、かつプロフェッショナルとして真摯に迎えてくれた。役員陣はもちろん、現場の皆さんが僕のところのクリエイター陣と何度も対話を重ねて、不安を一つずつ解消してくれたおかげです。
ーー 異なる文化を持つカンリーメンバーに対し、どのような印象を持たれましたか?
尾中:
正直、「急成長しているIT企業だから、もっとドライで機械的な人が多いのかな」と思っていたら、実態は全く逆でした。夜遅くまで未来の店舗支援について熱く語り合い、目標達成のために一歩も引かない。そんな若手リーダーたちの圧倒的な「当事者意識」に驚かされました。
その姿を見て、スタッフたちも「このチームなら、自分たちのクリエイティブでもっと面白いことができる」と確信してくれた。今では全員がカンリーのカルチャーを自分たちのものにしながら、独自の強みを発揮してくれています。
辰巳:
カンリーにとって、これは1件目のM&A(グループジョイン)でした。正直に言えば、もしここで失敗すれば会社の勢いだけでなく、将来そのものすら左右しかねない。そんな大きなプレッシャーのかかる挑戦でした。
ただ、僕が旗を振ったから成功した、というわけでは決してありません。僕がしたのはきっかけ作りに過ぎず、実際に数々の困難な壁を乗り越え、結果を出してくれたのは間違いなく現場のメンバーたちです。
石井を中心にメンバーの皆んなが、泥臭く、かつ誠実にJ&Iのメンバーと向き合い、一つのチームを作り上げてくれた。このプレッシャーのかかる挑戦を、自らの手で成功に変えてくれたみんなには、心から感謝をしてます。
その結果、SMB領域の売上は1年で3〜4倍の増加、という驚異的な成長を遂げました。数字はもちろん大きな成果ですが、それ以上に「新しい風」が組織に吹き込み、それまでとは違うフィールドで才能を開花させるメンバーも出てきました。多様な才能が一つになって目標を追う文化が確立されたことは、カンリーにとって、これ以上ない「最高の成功体験」になったと感じています。
ーー ロックアップ(コミット期間)が終了した後も、尾中さんは現場で共に走り続けてくださっていますね。
尾中:
はい。今はマーケティングチームのメンバーと、マーケティング支援の内製化を推進したり、メンバーの商談に同席したりと、多角的に動いています。正直、ロックアップが終わったからといって、ここで歩みを止めるという選択肢は僕の中にありませんでした。何より、今のメンバーが本当に最高なので、もっと一緒にいたいと思ったんです(笑)。
今の感覚は、仕事というより「チームスポーツ」に近い。野球選手時代もそうでしたが、最高のチームで、最高の仲間と一つの目標に向かって汗をかいている。そんな今の環境は、本当に幸せです。
ただ、いつかは僕も、自分の本来の使命である「人材支援事業」に本腰を入れるため、カンリーを卒業する日が来るかもしれません。でも、それは決して「終わり」ではないと思っています。
辰巳:
終わりではなく、新しい始まりですよね。
尾中:
そうですね。僕の目標は、10年後、楽天の三木谷さんとビジョナルの南さんのように、それぞれの領域で日本を代表する経営者になって再会することなんです。僕が新しい道で成功し、カンリーが世界的なインフラになった時、「あの時のグループジョインが、僕らのすべての原点だったね」と笑い合いたい。それが、今の僕にとって経営者としての最大のモチベーションになっています。
辰巳:
最高ですね。尾中さんがいつか「次のマウンド」へ向かうその日まで、この最高のチームで共に戦い抜きましょう。尾中さんとメンバーが築き上げてくれた「店舗経営を支えたい」という純粋な意思。それを僕らはカンリーというプラットフォームでさらに磨き上げ、必ず世界を代表するインフラへと昇華させてみせます。
ーー 最後に、この記事を読んでいる読者の皆さん、そしてカンリーの未来の仲間へメッセージをお願いします。
尾中:
もし今、自分の会社をどこに託すべきか、あるいはどの船に乗るべきかと悩んでいる経営者やリーダーの方がいたら、僕は「最後は、理屈じゃない直感を信じてほしい」と伝えたいです。
条件や数字も大切ですが、それ以上に「この人たちと一緒にいて、自分はワクワクできるか」「この人たちを勝たせたいと思えるか」という感覚。僕がカンリーを選んだのは、まさにその直感が「YES」と言ったからです。グループジョインから約2年、あの時の直感は、今の最高のチームと成果に繋がっています。
辰巳:
僕らはこれからも、自社だけで完結することに固執しません。店舗産業が抱える深い課題を解決するには、志を同じくする「プロフェッショナル」の力がもっと必要です。
尾中さんのように、強烈な個性と専門性を持ちながら、泥臭く現場に寄り添える仲間を、僕らは全力で求めています。今回のグループジョインは、私たちが目指す「世界的なインフラ」への一歩に過ぎません。この大きな山を共に登り、店舗ビジネスの歴史を塗り替える景色を一緒に見たい。そう思ってくれる方は、ぜひ一度、カジュアルに僕らと「人間同士」の話をしましょう。
尾中:
最高ですね。僕もカンリーという修行場を楽しみ尽くして、もっと大きな男になります。未来の仲間と一緒に、まだ誰も見たことのない店舗支援の形を創れることを楽しみにしています!
カンリーにとって初の挑戦となった今回のグループジョインは、単なる「事業の譲受」ではありませんでした。それは、志を同じくする一人の経営者と出会い、共に高い山を目指す「仲間」が増えた瞬間でした。
「条件や数字も大切ですが、それ以上に『この人たちと一緒にいて、自分はワクワクできるか』」。対談中、尾中さんが口にしたこの言葉に、すべてが集約されています。
ロジックを超えた熱狂が、非連続な進化を生む。私たちはこれからも、誠実に、泥臭く、店舗経営の未来を切り拓く仲間と共に歩み続けます。
店舗経営を支える、世界的なインフラへ。 “第2創業期” を迎えたカンリーの挑戦は、ここからさらに加速していきます。
Uberallの活用・パートナーシップ
https://uberall.recovery-run.jp/lp/alliance-partner/
M&A(グループジョイン)・アライアンス
https://biz.can-ly.com/m-and-a