ガリア戦記
カエサル(前102頃‐前44)の率いるローマ軍のガリア(今のフランス)遠征の記録。
この書から学ぶポイントとして、よく語られることとしては、
カエサルの軍事的才能とリーダーシップ、彼が直面した困難な状況に対する勇気と決断力
異なる部族をまとめ上げてチームを鼓舞していく大切さなどである。
しかし、力でねじ伏せたようなイメージにもとらえられがちだが
実際は、面倒なことを怠らずに防御を含めた戦略、戦術を積み重ねたと思われる。
例えば、アレシア包囲戦の戦いにおいて、
カエサルは包囲の防衛と攻撃の両方に充分な兵力を割くことができず、
さらに敵の増援も到着するなど厳しい状況であった。
しかし、カエサルは包囲する敵に対して高い柵と堀を築き、
さらに内側に防御施設を築いてアレシアを守った。
そして、自軍の攻撃においても、
包囲網の一部を突破し、敵の補給路を遮断することで
包囲軍を弱体化さえたとされている。
また、食糧不足に悩む自軍に対しても、
カエサルは近隣のガリア部族からの食糧調達を巧みに行い、
短期間で軍の補給を確保し、自軍の士気を高めることに成功し勝利に導いた。
このようなエピソードから想像できることは、
敵と対峙することだけに視野狭窄に陥らないように、
まずは防御、食料調達といった面倒なロジスティクスの強化を
重視して積み重ねて成功に導いた例であると思う。
知恵を使う、戦術、戦略を練って実行に移す。
そこには、面倒なことから逃げずにやり通した胆力を学ぶことができる。