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弁護士ドットコムが提供するWeb完結型クラウド電子契約サービス『クラウドサイン』。2015年の提供開始以来、企業や自治体などで幅広く導入されている、電子契約市場No.1(※)の電子契約サービスです。大規模な組織へのサービス拡充が進む中、品質に対する期待値も上がっています。特にエンタープライズ企業の場合、権限管理と内部統制における機能は複雑になり、この流れは不可逆であると考えられます。
そこで今回は品質保証の課題に関して解決していくQAチームの立役者、芳賀さんにインタビュー。クラウドサインのQAならではの醍醐味や今後の展望などを語ってもらいました。
※株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2021年版」(電子契約ツール2020年度実績)市場占有率
【Profile】
クラウドサイン事業本部 プロダクト部 エンジニアマネージャー
芳賀 将⾄(Haga Masashi)
高専の専攻科卒業後、新卒でSIerに⼊社。⾦融業界向けのシステムエンジニアとしてキャリアをスタート。要件定義〜テストの全工程を担当後、開発リーダーや企画を経験。その後、IT/AI企画・開発企業にて官公庁向けパッケージサービスの開発を経て2017年7月より弁護士ドットコムに入社。 クラウドサインのフロントエンド開発をメインに担当し、2020年10⽉にはチームマネージャーに就任。プロダクト開発を加速させるためQAチームの発⾜に関わるなど、プレイングマネージャーとして活躍中。
専門特化させることで全体最適を目指す
ー芳賀さんの役割を教えてください
2020年10月からフロントエンドのエンジニアを中心としたチームマネージャーに就任し、自ら手を動かしながら数名のチームマネジメントを行っています。「クラウドサイン」は開発ロードマップに基づいた新規機能開発と並行して、技術的負債の解消にも取り組んでいます。特に私がメインで携わっているフロントエンドに関しては、jQueryからVue.jsへのリプレイスを実施しており、プロダクトの成長と改善を推進中です。さらに、直近ではQAチームの立ち上げも並行して行っています。
ーQAチームはどのような背景からスタートしたんですか
企業によるリモートワークの普及後、クラウドサインでは以前にも増してエンタープライズ企業のお客様の導入が加速しました。お客様のニーズにお応えしていくためには、さまざまな新たな機能を開発しながらも、品質を高く維持しなければならないという課題があったんです。エンタープライズ企業は、権限管理や内部統制などの面で非常にシステムが複雑化する傾向にあり、ただエンジニアを増やすだけでは開発スピードは向上しません。そこで、より効率的に開発ができる体制を考え始めたのがきっかけでした。
ー QAチームの立ち上げにも関わることになった理由は?
マネージャーになり、フロントエンド開発だけを推進していくのではなく、開発組織全体を円滑に運営することが必要になってきました。そこで当時、フロントエンドの取り組みの一つとして、E2E(end to end)テストを効率化するツールを運用していた流れから、私がQAチームを立ち上げることになったんです。
ー本質的な課題解決のために必要な役割という
もともとチームにはテスト文化が根付いており、全員でテストコードを書いています。しかし、複雑な開発かつ、さまざまな機能追加が求められたため、それまでエンジニアが担っていたテスト業務を分離し、より高度な専門性をもって品質保証に取り組むことにしました。それがQAチーム立ち上げの経緯です。
やはり品質管理にかけるコストを専門部隊が担えるのは大きいですね。エンジニアがより開発にフォーカスできればスピードアップにもつながりますし。今後のクラウドサインのさらなる拡大を考えると、ここはまず専門分化を進めていくべきではないかと考えています。
「守り」ではなく「攻め」の品質保証
ー「クラウドサインのQA」のミッションは?
「クラウドサインの品質保証文化を引き上げる」ことがミッションです。そのためには、守りではなく攻めの品質保証が重要だと考えています。具体的には、プロジェクトの立ち上げフェーズからQAが関わり、仕様検討や要件定義の段階でそもそもバグが起きにくい状態を作りたいですね。テストの書き方をQAから提案し、ディスカッションしましょう、というアプローチが継続的にできるような体制を構築していく予定です。
ーいまチームはどのような体制ですか?
チームとしては立ち上げフェーズなので、まずはやってみよう、というところからスタートしておりトライアルの要素も多分に含まれています。メンバーを増やして体制を整えてから実行するのでは事業成長スピードに追いつけないので、現段階からさまざまな取り組みをスタートさせていますね。
ー現在注力されている取り組みは?
直近ではテストの自動化を進めています。せっかく人が関わる以上、できるところは自動化し、我々は高度化された・抽象化された問題に取り組みたいですし、プロダクトを良くするための品質保証のあり方とは、というところを追求しています。
ーかなり上流から入り込んでいくという
ただのテスターで終わらないよう意識しています。プロジェクトの立ち上げフェーズからQAが関わり、仕様検討や要件定義の段階で可能な限りバグを取り除いていくことができるようにしたいんです。このようなアプローチが継続的にできるような体制を構築していきたいですね。
ー実際の業務の流れとしてはどういった感じなんでしょうか
開発中盤から終盤のタイミングでジョインすることががほとんどですね。機能の大小にもよりますが、要件をヒアリングし、テスト計画を策定。テストパターンを作って実行まで担うというのが大まかな流れです。だいたい2~3週間程度のスケジュール感で進めています。そして一つのテストが終わりかける頃に別の機能のテストがはじまるといった感じですね。
ー切れ間がなさそうですね
発見されたバグが実装のミスなのか、仕様の漏れだったのかを解析してプロジェクトチームにフィードバックする業務もあるので、絶え間なく続きます。この部分は、メンバーが増えて本格的に組織化が進めば解消できると見込んでいます。
品質保証を事業部レベルの文化へ引き上げる
ー今後、QAチームをどう成長させていきたいですか
まずはチームのプレゼンスを確立します。その後にQAだけでなく事業部レベルで品質保証の知識を保有し、文化へと一段階引き上げていきたい。そして、高い専門性を共有するだけでなく、いかにしてそれをプロダクトに溶け込ませるかに、チーム一丸となって取り組んでいきたいですね。
ー壮大なプランですね。ネックとなりそうなものは?
あるとすれば…組織間の分断ですね。専門性が高くなればなるほど、「それはQAチームのやること」という空気が生まれてしまう可能性は低くはない。そのリスクを最小限にするために、部署間のコミュニケーションをきちんと取りつつ、品質保証を開発プロセスに盛り込みたいと考えています。
ーチームとしてまさにこれからというフェーズ
将来性と成長性は、クラウドサインの中でも頭一つ抜けていると感じています。今まさに始まったところですから。品質保証に熱い思いを抱き、プロダクトをより良くしていきたい!という方にとってはベストなタイミングではないでしょうか。才能を余すところなく発揮できますから。
ー芳賀さんご自身が心がけていくことは?
個人的にはQAのミッションを達成するために、まず自分が手を動かすということ。そして襷を繋ぐ前に、あらかじめ私が壁にぶち当たっておくことですね。私が躓いた部分を失敗談として共有することで、最短距離でQAのミッション達成がのではないかと思っています。
ーフロントエンドのマネージャーとしてはどういったアクションを?
QAのミッション達成のための橋渡し的な存在になりたいと思っています。テスト自動化についてもエンジニアは関わってきますからね。QAの文化をプロダクトに馴染ませるにしても、僕らフロントエンドエンジニアチームではこういうアプローチをしよう!とメンバーを巻き込み、推進してきたいです。
ー芳賀さん自身がフロントエンドとQAを両方見ていることが相乗効果を生み出せますね。本日はお忙しいところありがとうございました!