【公開】採用ナレッジVol.02「候補者ターゲットの具体化（前編）」

Attack（株）代表取締役の村上篤志です。弊社は【TARGET】という採用コンサルティングサービスを提供しています。特にWantedlyやビズリーチ、Greenなどダイレクトリクルーティングメディアでの採用支援が中心となっており、Wantedlyの公式パートナーやforkwell jobsの認定パートナーにも選定されています。

さらに多くのお客様に弊社の採用コンサルティングサービスをご利用していただきたく、実績のアピールも兼ねて、2021年は弊社がこれまで手掛けてきた採用コンサルティングの現場から得た「採用ナレッジ」（ノウハウ）を定期的に公開していきたいと思います。

今回のナレッジは「候補者ターゲットの具体化（前編）」です。経営者の方や採用責任者の方にとって参考になる内容かと思いますので、ぜひご覧ください。

■スキルとマインドの2つの領域で考える

事業戦略や組織構成などから、おおよそ採用したい人材の仕事内容や役職は決まってくると思います。その後、候補者ターゲットを具体化していくためには、まず採用要件を「スキル」と「マインド」の2つの領域に分け、それぞれ「ポジション共通／ポジション個別」、合計4つの項目で考えることからスタートします。

・スキル　　×　ポジション共通　　：　①汎用スキル
・スキル　　×　ポジション個別　　：　②専門スキル
・マインド　×　ポジション共通　　：　③価値観
・マインド　×　ポジション個別　　：　④性格

特に中途採用においては「②専門スキル」がフォーカスされ、候補者ターゲットの具体化においては、細かい「スキルセット」を固めることが多いかと思います。しかし入社後の「配置転換の可能性」や他メンバーとの「協働」や「チームワーク」などの視点も踏まえると、「①汎用スキル」や「③価値観」、「④性格」などの項目も重要です。

■①汎用スキルと③価値観

①汎用スキルと③価値観に関してはポジション共通の項目のため、採用活動をスタートさせる前に「会社」もしくは「部門」ごとに、あらかじめ制定しておいた方が良いでしょう。

基本的には「電通：鬼十則」や「トヨタ自動車：トヨタウェイ2020」など、「行動指針」や「Value」として会社が掲げているものがベースになります。

ちなみに弊社の場合は「心構え（MIND）」という形で、このポジション共通の項目を定めています。
https://www.attack-inc.co.jp/companyprofile/

上記の5項目と「①汎用スキル」と「③価値観」の対応に関しては、以下のような関係になっています。（弊社は社員の「価値観」を優先して経営しているため、5つの項目は「価値観⇒汎用スキル」という順番になっています。）

③価値観　　　：　《1》利他自責、《2》誠実真摯、《3》自考自動
①汎用スキル　：　《4》細心万全、《5》迅速並行

弊社の採用活動においては、すべてのポジションにおいて、候補者にはこの「心構え（MIND）」の要素を求めています。

少ないとは思いますが、もしスタートアップ企業やベンチャー企業などで「行動指針」や「Value」を策定していない場合、採用活動の前にまずそれらを定めることを優先した方が良いと思います。

■④性格（≒ペルソナ、タイプ）

性格に関しては、例えば広告代理店の社員でも「電通っぽい人」と「博報堂っぽい人」はまったく違うように、前提として全社的に共通の「人物タイプ」というものがあるかと思います。これらの要素に関しては無理やり言語化するのではなく（そもそも言語化が難しいので）、面接を通じて「うちの会社っぽい」、「一緒に仕事をしているイメージが持てる」などで判断することをお勧めします。

一方で「営業」、「エンジニア」、「経営企画」など、職種ごとにフィットする性格は異なりますが、意外と採用活動に関わる人たち同士で認識が異なる場合があります。そのためポジションごとに求める候補者ターゲットの性格は事前に明確にすることで、

・現場と人事の目線が合いやすくなる
・面接官ごとに評価がズレにくくなる
・人材紹介会社からの候補者推薦の質が向上する

という効果が期待できます。

一例ですが、下記のような志向性やキャラクター、好みなどの項目を「二項対立」で用意し、採用に関わる方々同士で「それぞれの項目において、どちら寄りの人を求める」かをディスカッションすると、候補者ターゲットの性格を明確にしやすくなります。

《性格の構成要素》
・機能 ⇔ 容姿　：　機能性重視か、見た目重視か
・寡黙 ⇔ 饒舌　：　黙々と作業するタイプか、流暢に語るタイプか
・集中 ⇔ 発散　：　1つのことを続けるか、次々と違うことをするか
・勝利 ⇔ 正義　：　勝ち負けを優先するか、正しさを優先するか
・最新 ⇔ 伝統　：　最新を好むか、伝統を好むか
・迅速 ⇔ 丁寧　：　スピード重視か、丁寧さにこだわるか
・攻撃 ⇔ 守備　：　攻めが得意か、守りが得意か
・仲間 ⇔ 個人　：　チームワーク優先か、個人優先か

■次回「候補者ターゲットの具体化（後編）～②専門スキル～」

今回は具体的な採用ナレッジ（採用ノウハウ）のうち「【1】戦略立案：候補者ターゲットの具体化」について、「①汎用スキル」、「③価値観」、「④性格」の3つをお話しさせていただきました。

残り「②専門スキル」に関しては、採用ターゲットの具体化における「メインコンテンツ」で、少しボリュームがある内容になるので、次回「候補者ターゲットの具体化（後編）」にて、説明させていただければと思います。

【1】戦略立案：採用ターゲットの具体化と適切な採用ルートの選定
- 候補者ターゲットの具体化
　　・スキル　　×　ポジション共通　：　①汎用スキル　※今回
　　・スキル　　×　ポジション個別　：　②専門スキル　←次回はここ
　　・マインド　×　ポジション共通　：　③価値観　　　※今回
　　・マインド　×　ポジション個別　：　④性格　　　　※今回
　- 採用予算の条件整理
　- 採用ルートの選定
　- 選考ステップの検討
　- 目標KPIの設計

【2】採用準備：社員インタビューなど採用広報コンテンツの拡充
【3】募集活動：定常的なスカウト送信による母集団形成
【4】応募管理：目標KPIの進捗確認と改善策の検討
【5】選考管理：スピーディーな候補者対応と選考結果の管理