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最大の差別化は"人"にある。「あまり儲けない」を掲げるアシストが、最高益を更新し続ける理由

大塚 辰男 プロフィール
1983年にアシストに入社。 アシストのグループ会社であるパンソフィックの東日本営業部部長、同じくグループ会社であるエー・シー・エーの開発プロダクト営業本部事業部長を経て、アシストのシステム管理事業部 事業部長、東日本営業本部 本部長、ネットワーク・ソフトウェア事業部 事業部長、西日本支社長、営業統括などを歴任。2012年に代表取締役社長に就任し、現在に至る。

こんにちは、アシスト採用担当です。

アシストは、1972年設立以来、パッケージソフトウェア市場の先駆者として、50年にわたり「IT×商社×コンサル」という独自のポジションを築いてきました。これまでお取り引きさせていただいた企業は2万社以上にのぼります。Oracle(オラクル)の総代理店を立ち上げた会社としても知られています。

今回は、そんなアシストの代表取締役 大塚に、アシストが大切にしている価値観や哲学、今後の展望などについて聞きました。

アシストが、パッケージ・インテグレーターとして、確固たる地位を築いている理由とは

ーーさっそくですが、改めてアシストの事業内容について教えてください。

一言で表すと、ソフトウェアで課題を解決する「パッケージ・インテグレーター」です。

具体的には、コンピュータ用パッケージソフトウェアの販売、技術サポートや教育およびコンサルティングを行っています。アシストはSIerでもなければ、メーカーでもありません。

私は二代目の社長ですが、先代は非常に良いビジネスモデルを作ったなと思っています。在庫を持たないので、倉庫はいらない。何よりも、一番良いと思ったものを選択し、それをお客様におすすめできるということが大切です。もし自分たちで製品を作っていたら、自社の製品を一番にお客様に売らなければいけません。お客様のことを一番に考えられるビジネスモデルになっているんです。

今後も、自社製品と呼ばれるものは作らない。今もやってないし、これからもやらないと思っています。

ーー自社製品がない分、参入障壁も低く、他社と競争が激化する傾向にあると思うのですが、どのように差別化を図っているのでしょうか?

それはずばり、アシストの「人」と「ポジション」がもたらす安心です。

自社の製品がないため、会社の価値=人の価値といっても過言ではありません。当社ではただ単に製品を販売しているわけではなく、まだ日本にソフトウェア市場がなかった頃からソフトウェアプロダクトに特化して、どうやったらお客様がうまく使っていただけるかということを一番に考えて製品を提供してきました。そのノウハウと、お客様を一番に考える文化が安心を与えていると思っています。

また、メーカーでも開発会社でもない「独立系」という自由な立場だからこそ、M&Aなどの派閥争いに巻き込まれることもありません。この変わらない「安心」がお客様から選ばれる理由になっていると思います。

ーー収益の主軸となっている事業について教えてください。

ライセンス事業と、サブスクリプション(継続保守ビジネス)事業が収益の主軸を担っています。特に、サブスクリプションが50%を占めている点が、他社にはない大きな特徴と言えるでしょう。当社では、「サブスクリプション」という言葉が世に出る50年前から事業を行っていたんですよ。

ーーサブスクリプションビジネスを継続・拡大させるために、意識されていることは何かありますか?

継続・拡大するために、技術サポートの充実や教育体制の構築など、今で言う「カスタマーサクセス」や「カスタマーエクスペリエンス」などに注力しています。現在では、カスタマーサクセス、カスタマーエクスペリエンスの重要性に気付き、取り組みを始める競合も増えてきているため、当社の主力となる「人」に磨きをかけ、さらなる差別化に努めています。

あまり儲けず、利益はお客様と社員に還元する。代表が大切にする「人」にかける思いとは

ーーアシストが掲げるスローガン「めげない、逃げない、あまり儲けない」について教えてください。

まず「めげない」は、「お客様に何か言われてもめげない」だけではなく、「何度も提案をする僕らにめげないでくださいね」というお客様に対するメッセージも込められています。

次に「逃げない」は、「お客様の課題やトラブルから逃げずに、最後までやり抜きます」という意味になります。

最後に「あまり儲けない」は、文字通りの意味ですね。当社は非上場企業のため、株主への還元が不要です。もちろん利益を出し続けて内部留保をする必要はありますが、売上を増やしても使う場所がないため、利益はお客様と新規事業への投資、社員への還元に使います。

ーー社員への還元とは、具体的にどのような方法で行われるのでしょうか?

給与や賞与への反映ですね。平均で、決算賞与で8.5ヵ月、ボーナスなどを合わせると年間で約15ヵ月近くの賞与を社員に還元してます。ただ、みんながこの金額をもらえる訳ではなくて、成果に応じて金額が変わります。多い人は約30ヵ月、少ない人で約8ヵ月です。

ーー頑張りが給与や報酬に反映される社風や文化なんですね。サービスを提供する上で大切にしている事やこだわりはありますか?

お客様ファーストで奔走する姿勢を社内外に示すため、アシストが行っている事業や取り組みを「超サポ」と呼んでいます。この「超サポ」の根底にある哲学が、「よろこんで、おかげさまで、やったるで」です。噛み砕いて言えば、「問題、トラブル上等」という姿勢や心構えを指します。

ソフトウェアの仕事では、お客様の要求水準も高く、ときには難しいトラブルの解決をしなければならないこともあります。我々は、すぐに現場に駆けつけて、お客様と一緒に問題を解決します。これは、至極当たり前のことに聞こえますが、現実的には「提携の業者と相談して問題の切り分けをする」「上司の承認をとる」など、実行に移すには時間がかかります。しかし、当社では迷わず迅速に駆けつけます。

誤解がないようにお伝えすると、全てお客様の指示に従うわけではありません。ときには、お客様と異なる意見を進言することもあります。お客様と一緒に考え、行動することを何より大切にしていますし、社員にも浸透していると自負しています。そこがお客様にも評価いただいている点だと感じています。

ーー最終的な決め手は、技術力や仕組みではなく、やはり「人」なんですね。大塚さん自身が、社員や人に対する考え方で持っているモットーはありますか?

私は歴史小説が好きで、特に吉川英治さんの小説「宮本武蔵」に登場する「我 以 外 皆 我 師」という言葉を大事にしています。これは、「自分以外の人は、自分に学びを与えてくれる先生」という意味です。お客様はもちろん、社員も含め、周りの人は全て何かを教えてくれる先生です。常に、この気持ちを忘れないように、自分に言い聞かせています。

「強み」を追究できるキャリアを実現できる会社でありたい

ーー現在、人事制度の改定を検討されているとお聞きしました。目指している方向性やコンセプトについて教えてください。

現在の人事制度をつくったのが2015年です。実績重視や年功序列の色が強かった旧制度や運用から脱却し、現在の成果やパフォーマンスを重視して評価し、役割が変化する制度に変更しました。その人事制度のアップデートから7年、当初抱えていた課題が解決できた部分もあれば、制度や運用上で新たな課題も生じてきました。

現在、2024年に向けて、あるべき将来像を人事と検討しています。まだ、具体的にはなっていませんが、「職人構想」を考えてます。これは、メンバー各人がそれぞれの専門性の向上を目指していける体制・状態のことです。もちろん、専門性と言っても、一つの専門分野を極める道もあれば、一つの専門分野から他の分野に拡張していく道や、事業創造を通して、価値を生み出す道もあるでしょう。また、マネージャー職については、専門性が磨かれずに活躍の場が狭まってしまうため、一定の期間で課せられたミッションを達成し、任期を終えたら、引き続き現場で専門家として活躍できる体制の構築を検討しています。

時代の変化には適応しつつも左右されずに、アシストの核である「人」を大切にした、当社らしい人事制度をつくっていきたいです。

ーー今後、特に力を入れたい事業領域はありますか?

既存事業の維持・拡大をしつつ、アシストの資産やナレッジ、強みを生かせる新規事業の立ち上げを行いたいです。

新規事業としては大きく四つ考えています。

一つ目が開発事業です。長年、アシストは情報活用ツールを使って、ローコードのレポート開発支援を行ってきました。また自社においても、Salesforceの導入および活用などを通じて、周辺システムとのデータ連携やレポート開発、データウェアハウス構築などにおけるノウハウが貯まってきています。これらノウハウを活用して、SaaSやクラウドサービスとのデータ連携やレポート開発などの支援・コンサルティング事業を立ち上げられないか検討しています。

二つ目がCX(カスタマーエクスペリエンス)事業です。我々が長年取り組んできたCX(カスタマーエクスペリエンス)の価値をさらに向上させるため、2022年からCX推進室を設立しました。将来的には、ここで積み上げたノウハウをお客様に提供できる事業として発展させていければと思います。

三つ目が、サポート事業の海外展開です。企業活動の根幹にかかわるデータベースや運用管理製品に関しては、24時間365日サポート体制を構築しています。今後も、サポート体制を維持・強化するため、海外拠点を設置して時差を利用した体制と人財の確保を計画しています。

最後が、「アシストカレッジ」構想です。アシストには製品の使い方を教えることに長けたメンバーが数多くいます。近年、DX改革が叫ばれる中で、どの組織や会社でもITにおける人財育成が課題になっています。そこでアシストがこれまで社内でIT人財を育成してきたノウハウを生かして、お客様企業の教育機関として代わりに人を育成していきます。「アシストカレッジ」を展開することは、お客様との関係強化だけでなく、アシスト社員の成長にもつながると考えています。

ーー今後に向けて、どんな人に加わってほしいですか?

自ら変化を起こし、それを楽しめる人と一緒に働きたいですね。人とのつながりやコミュニケーションがあるに越したことはありませんが、この専門領域なら負けない、一番になりたい気骨のある人も歓迎です。

50年という歴史がありながら、今後さらにお客様のサポートを充実させるべく新しい事業に取り組む方針です。今回の記事をお読みいただき、アシストの文化やスローガンに少しでも共感できた方、お客様のことを第一に考えて働くことに興味がある方はぜひお気軽に話を聞きに来てください。

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