インフルエンザQ&A|厚生労働省
インフルエンザQ&Aについて紹介しています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
毎年秋頃からチラホラ出始め、冬の訪れと共に流行するインフルエンザ。当社でも毎年多数の罹患者が出ています。企業の規模や業種に関わらず、メンバーの欠勤による業務遅延や機会損失は少なからずあるのではないでしょうか。というわけで、毎年恒例となるこの問題を、労務側の目線で検証してみようという話です。
感染率:14人に1人
これは100人規模の会社なら7.1人、500人規模の会社なら35.7人くらいの割合です。当社の平均年齢は30歳弱。社員の体力が平均的であると仮定すれば、都心部にある企業はこれくらいの割合で感染があってもおかしくないと言えます。
一人当たりの平均休暇日数:4.3日/人
こちらはほぼ想定通りの結果でしょう。ひとたびインフルエンザにかかってしまうと、約一週間のお休みとなってしまいます。当の私も2月にインフルエンザにかかってしまい、チームのみんなに迷惑を掛けてしまいました。反省。
上記の感染割合と平均休暇日数に企業の社員数を乗じる事で、インフルエンザによる企業の欠勤数を推定できます。みなさんの会社ではいかがでしょうか。当社では半年間で延べ百数十日の欠勤でしたが、改めて試算してみると結構な数字になるのではないかと思います。
延べ欠勤数(日) = 従業員数(人) × (1/14) × 4.3(日/人)
また、企業の規模が大きくなればなるほど感染者との接触機会が多くなりがちです。結果として感染率が高くなり、その感染割合が上記より高くなる可能性もあります。
インフルエンザ対策は企業のリスク管理です。企業はインフルエンザに対して何ができるのか。"従業員数"や"平均休暇日数"は労務管理でコントロールできない要素であり、やはり"感染率"を緩和するための施作が有効そうです。では、現実に何ができるでしょうか。
接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、また、たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。ただし、この効果も100%ではないことに御留意ください。
「予防接種を受けたのに感染した」とか「インフルエンザワクチンは意味がない」という意見もありますが、ここは厚生労働省やWHOを信じるしかないです。予防接種を受けた人と受けない人の感染率に差があるのか、当社内で検証できれば良かったのですがここは別の機会にします。少なくとも予防接種で"感染率"は抑える事が出来るものとします。
インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染です。したがって、飛沫を浴びないようにすればインフルエンザに感染する機会は大きく減少します。
これも上記の「インフルエンザQ&A」より。感染経路としては圧倒的に飛沫感染が多いわけですから、家族経由の感染も一定の割合があるはずです。という事は、従業員だけでなく、寝食を共にする家族への予防対策も感染率の抑制には有効だと言えます。
毎年ほぼ変わらないもの。それは時期的なトレンドです。下記のグラフからも一目瞭然ですが、対策を講じる時期は非常に重要な要素となります。ワクチンの効果は接種後1ヶ月でピークを迎え、徐々に低下していくことからも、流行前の時期に予防接種を促す事が効果的な啓蒙となるはずです。
もちろん会社としては、インフルエンザに"かかった社員"や"あやしい社員"を出社させたくないですが、ある種の責任感から出社してくるような風潮がまだまだ残っているのではないでしょうか。もし病気を押しての出社を美徳と考える管理者や社員がいるならば、彼らの意識改革が極めて重要です。インフルエンザは伝染病であり、その損害は経過時間に対して乗算的な拡大になる事を知るべきです。
結論、従業員(+家族)のインフルエンザ予防は、多くの企業にとって価値があります。また、労務管理者はその責任と役割において、そうした被害を抑える義務があることを周知徹底までする必要があります。インフルエンザによる損害額は企業によって考え方は異なりますが、少なくとも"感染率を抑える施作"が重要であると認識頂けたのではないでしょうか。それでは。
厚生労働省のインフルエンザに関するページ。
啓発のために引用させて頂きました。プンプン匂いますが、そっとしておきましょう。