こんにちは。
株式会社エアークローゼットの藤川です。
今回はエアクロのエンジニアや開発組織を知っていただくためのストーリーの第5弾となります。
これまでエンジニア評価方法やプロダクト開発の優先度を決める方法を紹介してきましたが、今回はエンジニア・デザイナーが所属するプロダクトグループがどんな組織なのかを、グループ長の市塚がまとめた記事のご紹介です。
エンジニアの方、デザイナーの方そしてエアークローゼットにご興味ある方はぜひご覧ください!
Profile
市塚 諒 ICHIZUKA RYO 1990年生まれ
ニックネーム:Icchi(イッチー)
慶應義塾大学在学中に公認会計士試験合格。卒業後、新卒でコンサルティングファームに就職し、事業戦略策定から業務改善(BPR)、経営管理、基幹システム導入まで幅広いプロジェクトに従事。2017年10月から株式会社エアークローゼットに入社。サプライチェーンマネジメントグループとプロダクトグループのグループ長を務める。
はじめに
エアークローゼットはプロダクト作りの内容を外に発信する機会は多くなかったので、このストーリーでは僕らがどんなことを考えなから仕事をしているのか、どんな人たちがどんな技術を使っているのかを少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
普段着のファッションレンタルという今まで世の中に無いサービスをつくったスタートアップが、今どんな想いでプロダクトを作っているのか、僕が所属するプロダクトグループがどんな組織なのか、話したいなと思ったので、つらつら綴ろうと思います。
プロダクトグループとは?
エアークローゼットには、マーケティングのグループや物流のグループなど、機能ごとにグループと呼ばれる部門があります。
IT×ファッションの会社なので、社内にスタイリストの方もいれば、物流の専門家やエンジニアといった色々な職種が存在しており、それぞれチームアップして自部署の役割を全うしています。
その中の1つに、エンジニアやデザイナーが在籍している我々プロダクトグループがあります。
開発部門と呼ばずに、あえてプロダクトグループと呼んでいるのには意味があります。
プロダクトグループのミッションは、「最高のUXを実現する」こと
エアークローゼットの中では、UXというキーワードをよく耳にするのですが、それは社員全員がお客様体験を何よりも大事にしているからです。
9Heartsという行動指針があり、これが全ての判断基準になっています。
生活に溶け込み、長く愛されるようなサービスを作ることで、この世界にひとつでも多くの笑顔を生んでいきたい。そのために、自分たちが常にユーザーである意識を持ち、単なる利便性や使い勝手を越えたユーザー体験を追求し、「感動」と「出会い」を届けるサービスをつくる。
そんな想いで始まった会社なので、UXを考えることは社員であれば全員あたりまえに意識しています。
一方で、それをお客様体験として最終的に形にできるのは、デザイナーやエンジニアだけだと思ってます。
どんなにお客様のことを考えてアイデアを出しても、それが実現できなかったら価値がありません。
最後に、社員全員の想いを形にしてUXを"実現"させるためのチームが、プロダクトグループです。
プロダクトグループで取り組んでいること
プロダクトのつくり手たちが集まる我々のグループですが、成長に貪欲なメンバーが集まっているので、成長支援の仕組みをいくつか実施しています。
ランチLT
毎週有志でお昼の時間に社内LT会を行い、新しい技術を試してみた話や業務の中で学んだ有用な知識のシェアをしています。
個人での成長もそうですが、チームとして強くなる意識が高いです。
デザイン制作物共有会
デザイナーの場合は、毎週直近のアウトプットを共有する会を開催しています。
個別にプロジェクトを回しているだけだと周りがどんなことを考え、アプローチして課題解決しているのか見えなくなるので、出来上がったクリエイティブだけでなく、そのクリエイティブに至った背景まで含めて共有しています。
1on1/メンター制度
進捗確認のためではなく、成長のきっかけを得る場として毎週1on1を実施しています。
仕事をしていく上で「技術的に詰まった」「どんなレイアウトにしたら良いか悩んでる」など業務的なつまづきだけではない、仕事の進め方のアドバイスの時間を取っています。
また、新メンバーにはメンターを1名つけて、「分からないときにはとりあえずこの人に聞いて!」と言って、チームに早く馴染めるように工夫しています。
プロダクト開発体制の歴史
そんな中、実際のプロダクト開発をどんな体制でやっているか紹介したいと思います。
現在の体制の紹介の前に、今までどんな体制を組んでいて、それがどう変化していったのか、経緯から紹介します。
ユーザー側/コンソール側別チーム時代
ユーザーが使う画面側と、社内で使っている"コンソール"と呼んでいる管理画面側でチームを分けていた時代がありました。
ただし、バックエンドとフロントエンドの関係と同じく、ユーザー側の開発は社内の管理画面側にも大きく影響するため、片方のチームだけで開発を進めると最も効果的な設計にならないことがしばしば発生していました。
メリット
・開発の効率が良い(良い意味で属人化していた)
デメリット
・設計の効率が悪い
部署別担当チーム時代
ユーザー側/コンソール側ではなく、部署別に担当チームを分けていた時代は、それぞれのチームが1つの機能について設計から実装まで担当するので、片方の領域に偏った設計は無くなりました。
一方で、各グループ側とのコミュニケーションが増え、実際エンジニアがミーティングだらけになって開発時間が取れない問題が発生しました。
メリット
・エンジニアとしての知見が広がる
デメリット
・コミュニケーションコストが高い
設計/実装別チーム時代
プロダクトの設計をしようにも目の前の制作・開発業務に追われ、かつ相談や打ち合わせも多く、制作・開発業務にも集中できない状態だったところから、設計チームと実装チームに分けました。
コミュニケーションのチャネルを設計チームに集約したため、実装チームの集中時間は増えたものの、設計者と実装者が分かれることで責任範囲があいまいになり、かつ開発人数もこの頃から多くなってきたため、設計が回らないことが発生し始めました。
メリット
・開発集中時間が増加
デメリット
・当事者意識が低くなりがち
・規模の拡大に柔軟に対応できない
(ex. 設計を1人でやるには多いけど、2人でやるには少ない)
ドメインリード時代(現在)
現在は、設計と実装で分けることをやめ、各ドメイン知識(※)に特化したドメインリードエンジニアというポジションを作り、ドメインリードが設計とレビューを行う体制にしています。
エアークローゼットではここ数年ドメイン駆動設計(DDD)を取り入れており、体制としてもそれがやりやすい形にしようとした結果このような体制になりました。
(※)ここでいうドメインとはマーケティング・物流等の業務知識の意味
現在の体制イメージ
エンジニアだけでなく、デザイナーもドメインごとに担当を設けています。
まず、ドメインリードエンジニアとデザイナーが、各グループとどんな改善をしたらいいのか、何が優先度が高いのかをディスカッションし、優先度が高いものから情報設計、基本設計、見積、メンバーアサインという風に進みます。
各グループとは、プロダクトバックログと呼んでいる、やりたい施策や追加・改善したい機能の優先順位を設定したリストを作ってコミュニケーションを取っており、上から順に準備ができたプロジェクトからフレキシブルにアサインしていきます。
ドメインリードは、場合によっては各グループの定例ミーティングに参加してKPIの状況を確認し、課題発見から一緒に企画を始めることもあります。
ただし、大規模プロジェクトの場合はこの限りではありません。
例えば、WMS開発のプロジェクトでは、スクラム開発のように、そのプロジェクトチームだけで独自にPDCAを回して開発する、といったチャレンジもしていました。
開発体制変更の進め方
かなり柔軟に体制を変えていっていますが、それはお客様に良いものをより早くリリースするためにそうしています。
今の体制に変えるのも、マネージャーである私がトップダウンで決めるというよりは、それぞれのメンバーからより良くするための声があがって、そこからディスカッションして組織体制を決めています。
メンバーと一緒にディスカッションしてるときのボード
よく組織体制を変える時には慣性の法則のような「現状維持しようとする力」が働くと思いますが、エアークローゼットの場合はそんな摩擦はほとんど起きません。
それは、先に説明した9Heartsという行動指針/判断基準が明確にあって、それをメンバー全員が体現しようとしているというのが大きいと思っています。
考えているだけでは何も変わらない。まずは動いて、動く中で改善していくというのが姿勢として身についているので、変化に柔軟に対応できるのだと思います。
失敗の捉え方も、「失敗したらどうしよう」と考えるのではなく、「失敗は改善の元。改善に一歩近づいた」と捉えるので、どんどん失敗しようという文化です。
ベースの組織文化があるので、ちょっと変でもまずはやってみようと動いてくれるのが我々の組織の一番良いところだなと感じています。
これからも進化をし続けていくために
これまで色々な体制を試してきましたが、どんな体制でも一長一短があります。
なのでそもそも、正解というものはないと思います。
色々な会社の開発体制は調査しましたが、それぞれの会社の文化や規模、フェーズによってもあるべき組織は変わるため、参考にしつつ最終的には自分達がどうしたいのかで今回は決めました。
とはいえ、我々のシステムも現在、「モノリシックからマイクロサービスへ」という流れで動いています。
そうしたときに組織が同じ体制かどうかは分かりません。
ただ、1つ確実に言えるのは組織は変わっても、組織の文化は変わらないということ。
我々は、常に最高のUXを求めて、変化し続けるのだと思います。
おわりに
この他にもいろんなチャレンジをしていて、1ヶ月スプリントを廃止した話や世界的なデザインファームと協業してる話など、お伝えしたいことはまだまだたくさんあるのですが、取り止めもなくなってしまいそうなのでやめておきます(笑)
最後に、まだまだエンジニア・デザイナーの方を積極的に募集中です!
エアークローゼットの雰囲気を知っていただくためにYouTubeに新卒だけで作った新卒エンジニアの1日の採用動画を載せているのでこちらもぜひご覧下さい!
興味がある方は是非カジュアルにお話しできればと思いますので、「話を聞きに行きたい」からご連絡をお待ちしております。