2026年9月11日(金)、東京大学本郷キャンパスで開催された「第43回日本物流学会全国大会」の統一論題セッションに、株式会社アイディオット代表・井上智喜がパネリストとして登壇しました。
本年の統一論題は「物流分野におけるAIの活用」
慢性的な労働力不足やEC市場の拡大に伴う小口多頻度配送の増加など、物流を取り巻く環境が大きく変化する中、AIの活用も急速に進んでいます。
当日は、需要予測や在庫最適化、配送ルート最適化、生成AIの活用可能性など、物流におけるAI活用の現在地と今後の可能性について、研究者・実務者双方の視点から活発な議論が交わされました。
パネルディスカッション登壇者
モデレーター
西野成昭教授(東京大学)
パネリスト
北村尚夫氏(ハコベル株式会社)
田中謙司教授(東京大学)
井上智喜(株式会社アイディオット)
ディスカッションハイライト
1.AI活用の前提となる「データ」をどう捉えるか
最初の論点となったのは、AI活用の前提となる「データ」の集め方と、その活用方法です。
ハコベル・北村氏からは、配車手配などのソリューションを提供する中で自然にデータが蓄積されていく「データ取得」における自社の強みが紹介されました。
これに対し井上は、アイディオットは「取得されたデータを、いかに活用するか」という領域に強みを持つと説明。生成AIやAIエージェントが進化しても、企業固有のデータに適切な意味付け(オントロジー)がなければ、AIはそのデータを正しく理解・活用することができません。
また、多くの企業では「ビジネス」と「データ」が分離してしまっていることが、データ活用を阻む根本的な課題の一つであると指摘しました。
北村氏からは、企業がこれまでデータ収集に積極的に取り組んでこなかった背景に加え、近年の物流関連法制度への対応が、業務改善やデータ収集を進める新たな動機になっているとの見解が示されました。
また田中教授からは、研究現場で実際に直面してきたデータクレンジングの難しさについて、単位や集計期間の違いなど具体的な事例が紹介され、データ整備の質は経営層の意識にも大きく左右されるとの指摘がありました。
2.AIは物流ビジネスをどこまで変えられるのか
続いて、「AIをどのようにビジネス変革につなげていくか」という本質的なテーマについて議論が行われました。
井上からは、物流現場では一つの判断ミスが大きな影響につながるため、LLMやAIエージェントがそのまま現場の意思決定を担う段階にはまだ至っていないとの見解を示しました。
現時点では、物流におけるAI活用の中心は最適化計算であり、AIエージェントについては、意思決定を直接担うというよりも、分析結果をもとにした提案など、補助的な活用が中心であると説明しました。
一方、北村氏は、生成AIの強みとして、大量のデータやさまざまなコンテキストを読み込んだ上での分析・文章生成を挙げ、行政への提出書類や社内レポートの作成支援など、業務効率化への活用に期待を示しました。
田中教授からは、ミッションクリティカルな領域については、従来の数理モデルで十分対応可能である一方、これまで数値化が難しかったベテランの経験や知見の取り込み、センサーなどのマルチモーダルデータの活用には、生成AIならではの可能性があるとの見解が示されました。
「AIを導入する」から「AIで何を変えるか」へ
今回のパネルディスカッションでは、物流分野におけるAI活用について、単なる技術導入ではなく、「どのようなデータを持ち、そこから何を読み取り、どのような意思決定につなげるのか」という視点から議論が行われました。
特に、データそのものを集めることだけでなく、そのデータに意味を与え、ビジネス上の判断につなげていくことの重要性は、当社が日々の事業を通じて向き合っている課題とも深く重なるものです。
AI技術が急速に進化する今、重要なのは「AIを導入すること」そのものではなく、企業が持つデータをどのように経営や現場の意思決定に結びつけ、事業を変えていくかにあります。
株式会社アイディオットは、これまで培ってきた物流・データ活用の知見をもとに、AI・データを活用した物流の高度化と、企業の意思決定を支援する取り組みをさらに推進してまいります。
今後も、物流分野におけるAI・データ活用の実践知を発信してまいります。
株式会社アイディオットについて
2014年11月の創業以来、「データプラットフォームを用いて、ビジネスの価値を最大化・最適化する」というミッションのもと、物流DXの推進に取り組んできました。
データとAIを融合したテクノロジーを強みに、サプライチェーン全体に点在するデータやネットワークを統合的に管理。物流現場の可視化・最適化を通じて、企業の経営課題解決と競争力向上を支援しています。
また、DX推進における中核機能を自社で内製化することで、現場で培われる知見やノウハウを継続的に蓄積。企画・構想段階から、システム開発、実装、運用までをワンストップで提供できる体制を構築しています。
物流という社会インフラ領域において、テクノロジーの力で新たな価値を創出し、持続可能なサプライチェーンの実現を目指しています。
会社名 : 株式会社アイディオット
代表者 : 代表取締役 井上 智喜
本社 : 東京都渋谷区神南1丁目12番16号 アジアビル6階
設立日 : 2014年11月7日
従業員数 : 72名(パート・業務委託含む) ※2026年3月時点
URL : https://aidiot.jp/
【本件に関するお問合せ先】
株式会社アイディオット 広報担当:町田
Email: pr@aidiot.jp