サポート付き貸し農園「シェア畑」や、農業求人サービス「あぐりナビ」など、様々な農業ビジネスを展開するアグリメディアの社員インタビュー。
今回は、2022年新卒として入社された横田さんと高瀬さんにお伺いしたお話を、前編・後編にわたってお伝えします。 横田さんは「あぐりナビ」の営業部に、高瀬さんは新規事業部に所属されています。
前編では、お二人と農業との出会いや農業に対する思い、現在担当されている業務についてお話をお伺いしました。
私たちの役割は「農業と人を繋ぐこと」
ーー現在はどのような業務を担当されていますか?
横田さん(以下、横田):農業専門求人サイト「あぐりナビ」の営業部で、農家さんと求人採用に関する打ち合わせなどを担当しています。
求人を掲載して終わりというわけではなく、掲載終了後も定期的に農家さんに連絡していくなかで採用活動の状況を伺ったり、採用のシーズンが近づいてきたら次の採用に向けて提案をしたりしています。
これまでの農業界では、知り合いの紹介などから働き手を見つけることが主流でした。しかし最近では、規模を拡大して多くの人員を必要としている農家さんや、そもそも人手不足で働き手が見つからないという農家さんも増えてきています。
そういった農家さんと農業に興味のある若い人たちを繋げることが「あぐりナビ」の役割です。
高瀬さん(以下、高瀬):私は新規事業部で、主に社内のデータ戦略を進める業務と、観光農場の立ち上げに関わる業務を行っています。
現在アグリメディアでは、農業求人サービス「あぐりナビ」というtoB向けのサービスと、サポート付き貸し農園「シェア畑」というtoC向けのサービスを持っており、両方でサービスを展開しています。農業界においてこのような業態の企業は他にないため、アグリメディア独自の情報を集積することができるんです。
社内のデータ戦略の業務では、この強みを活かしてデータを集め、既存サービスを強化したり新規サービスの立ち上げに活用したりする仕組みづくりを行っています。
観光農場の立ち上げでは、例えば現在立ち上げている農場では、週末のおでかけやレクリエーション需要を想定し、ゲーム要素を取り入れた収穫体験や里山の知恵を学べる体験などの企画を準備しているところです。
アグリメディアのコアサービスとなっている「シェア畑」は、一定の頻度で野菜の世話をする必要があるため参加へのハードルが少し高くなっているのが現状です。そこで農業に対するハードルを下げて接点を生み出すことができるように、「楽しい」「もっと知りたい」と思ってもらえるように、気軽に農業に触れられるような農業体験の提供を行っています。
ーー業務のなかで、どんなところにやりがいや面白さを感じますか?
横田:「あぐりナビ」から採用が決まって、農家さんから「良さそうな方が採用できたよ」と言ってもらえたり、しばらくして連絡をしてみた時にも「よく働いてくれているよ」といった声をいただけたりするとやりがいを感じます。
そのためにも、どうすれば農家さんの魅力がより伝わるかや求人を見た人に働きたいと思ってもらえるかを考えています。
また、農家さんによってやっていることも違えば規模も違うので、いろいろな農家さんと直接お話ができるのも営業の面白いところだと思います。農家さんとやりとりしていくなかで「最近ではこういうやり方があるのか」と勉強していくことも多いです。自分のなかでどんどん新しい知識が増えていくことは面白いなと感じます。
高瀬:今は、社内で任せられる仕事が増えてきていることにやりがいを感じています。今後仕事の幅が広がるにつれ、産業変革に対する貢献度や社外からの感謝といった自分の社会的意義のような部分にもやりがいを増やせていけたらと思っています。
また実を言うと、農業をマネタイズしていくことに対してはじめは少し抵抗があったんです。ただ、観光農場を立ち上げることで農業に興味を持ってくれる人が増えて、それが結果的に農業界の発展に繋がることを業務のなかで実感するようになってきました。
そうやって農業を楽しんでくれる人が増えるのなら、マネタイズしていくことで農業を支えていくことに繋がるのかもしれないと感じるようになりましたし、今はそこに面白さを感じていますね。
ーー農業でお金をいただくことにはじめは抵抗があったと。
高瀬:日本の農業って、かなり守られているんですよね。例えば関税をかけることで、日本の農産物が海外産の安い農産物にとって代わられないようにしてきたのが分かりやすい例かと思います。
でもこれって、自分たちが助けているのではなくて国や公的機関が力を入れて守っている部分がほとんどで、そのことを私たちも当たり前のこととして知らないうちに受け入れている。そうやって守られているもので儲けるのってどうなんだろう?という感覚がありました。
でも、やっぱりお金を動かすことで農家さんと我々がWin-Winになったり、農業界と消費者に接点が生まれたりするところを目の当たりにして、新たな価値を生むためにもマネタイズは必要なんだなと。それをするからこそ、農業界を変えていける部分もあるんじゃないかと今では感じています。
農業界の発展に関わりたい。きっかけは違えど想いは同じ
ーー横田さんはご実家が米農家なんですよね。農業分野に興味を持ったのは、やはりその影響も大きいですか?
横田:そうですね。小さい頃から田んぼでよく遊んでいましたし、農業は身近な存在でした。
実家はもともとは家族経営の農家だったのですが、祖父から父親に引き継がれるタイミングで法人化をしたんです。人を雇用したり農地を広げたりして大きくなっていく過程を見てきて、幼いながらかっこいいなと思っていました。やっぱり近くで見ているうちに、自分も農業に関わりたいと自然と思うようになりましたね。
ーーそのなかで、ご実家を継ぐという選択肢もあったのでしょうか?
横田:米作りをやりたいという思いもありましたが、それ以外の部分にももっと関わっていきたいという思いもありました。
実家でも、一時期米作り以外の加工部門にも取り組んでいた時期があったのですが、最終的にはやめてしまったんですよね。せっかく新しい取り組みをしたのにうまくいかなかったところを見て、米作りだけじゃなくて農業界全体に広くアプローチできるような関わり方ができればいいなと考えるようになりました。
ーー高瀬さんは農学部出身とのことですが、何をきっかけに農業分野に興味を持ったのですか?
高瀬:私も、祖母が米作りをしていたことからなんとなく影響を受けて興味を持ち出しました。ただ、大学入学当初は「農業を良くしたい」といった強い目的意識は持っていませんでした。
意識が変わったのは、フィリピン大学に交換留学した大学3年生の時です。「緑の革命」の功罪や開発途上国の食料問題を目の当たりにしたのをきっかけに、農業経済の勉強に没頭するようになりました。勉強すればするほど、今のままだと私たちが生きていくために十分な食べ物を作ることができなくなるのではないかと考えるようになったんです。
また修士課程では研究のためにアフリカに滞在したのですが、そこでも世界の食料需給の天秤がすでに傾いていることを実感しました。
ーーご自身の目で見たからこそ、実感されたのですね。
高瀬:そうですね。経済的にまだ豊かな日本にいると、その歪みを感じることは少ないですよね。ただ、現地での現状を目の当たりにして「このままではいけない」と思うようになりましたし、少し先の未来に目を向けると、日本でも同じことが言えるのではないかと感じています。
日本でも世界でも、農業の「効率化」と「低負荷化」を目指さなければならないのではと考えるようになりました。
後編では、アグリメディアに入社を決めた時のエピソードや現在のお二人から見るアグリメディアについて、さらに詳しくお話をお伺いしていきます。
後編のインタビューはこちら
株式会社アグリメディアでは一緒に働く仲間を募集しています
ご興味のある方はWantedlyからご連絡ください。
編集・取材・撮影:みえだ舞子
執筆:momoka