会津大学 The University of Aizu / コンピュータ理工学研究科 コンピュータ・情報システム学専攻 博士後期課程
レガシーWebフレームワークに対する、人間が検証可能なAPIドキュメント生成:マルチエージェントLLMを用いたアプローチ
タイトル レガシーWebフレームワークに対する、人間が検証可能なAPIドキュメント生成:マルチエージェントLLMを用いたアプローチ (Human-Verifiable API Documentation Generation for Legacy Web Frameworks Using Multi-Agent LLMs) 要旨 レガシープロジェクトにはAPIドキュメントが存在しないことが多く、既存の自動生成ツールは、命名の不統一、コメントの欠如、構造的負債の蓄積といった、ドキュメントを最も必要とするコードベースほど性能が低下する。本研究では、Djangoの標準的な3つのソースファイルを入力とし、自然言語のAPIドキュメントを生成するマルチエージェントパイプラインを提案する。本手法は、Djangoフレームワークが課す標準的なファイル構造に依拠することで、コードレベルの構造に関する仮定を最小限に抑えている。ルールベースの解析層が、言語モデルを用いずにエンドポイントごとのコンテキスト単位を抽出する。次に、ドキュメント作成エージェントが構造化されたパラメータ記述を生成し、監査エージェントが最大3回の修正ラウンドを通じて、その内容をソースコードと照合して独立に検証する。その後、整合性エージェントが、完成したドキュメント全体を対象に、エンドポイント間の不整合を特定する。解決できなかったエンドポイントは、そのまま後段に渡されることなく、人間によるレビュー対象として明示される。51個のエンドポイントからなる合成Djangoコードベースで評価した結果、本パイプラインはパラメータレベルのドキュメント正確率95.6%、ノイズフィルタリング適合率100%を達成した。今後の課題として、監査エージェントについて、既知の追加パターンにも適応できるより包括的な設計が、システム改良における主要な観点であると考えられる。