卒論:『フザリウム菌液胞アミノ酸トランスポーター遺伝子多重破壊株の作製』
多くのカビで病原性とオートファジー(細胞内のタンパク質を分解する仕組み)に関連があることがわかっており、オートファジー関連遺伝子を破壊することで病原性が弱くなることが報告されています。 カビのひとつであるフザリウム菌は植物の根に付着したのち、根から侵入後導管内で増殖分化し、導管を詰まらせてこのように枯らしてしまう病原性のカビです。 フザリウム菌においてオートファジーに必須の遺伝子であるATG8を破壊すると病原性の低下や、形態の変化が起こります。オートファジーが起こらないことがその原因と考えられますが、オートファジーによる栄養源のリサイクルが上手く行われないせいかどうかはよくわかっていないため、アミノ酸のリサイクルに関わる液胞アミノ酸トランスポーターを同定し病原性との関連を調べるために遺伝子多重破壊株の作製に取り組みました。