MDS reinvents through electronics shift - The Recycler
業界紙Recyclerに記事を投稿しました。 ==日本語訳== エム・デー・エス(MDS)――受け継がれた技術と革新で進化を遂げる中堅メーカー 2025年5月16日 The Recycler掲載 著者:吉塚康一(株式会社キュリエ 代表取締役) 印刷物の需要が世界的に減少する中、多くのリマニュファクチャラーは変化への適応を迫られています。日本の中堅企業である**株式会社エム・デー・エス(MDS)**は、そうした困難な市場環境の中でも、着実な進化を遂げた注目すべき存在です。 下請けから始まり、環境ビジネスへ 同社のルーツは1950年(昭和25年)、合資会社三星電機製作所として創業されたことに遡ります。長年にわたり、パナソニック電工(現パナソニック)向けにコイルやコネクタなどの電子部品加工を担ってきました。しかし、1社依存という取引構造のもと、発注元の業績に左右される構造的課題が顕在化。業務の一部が海外や北海道へ移管される中で、業績は急激に悪化しました。 この苦境を打開すべく、2代目の経営体制の下で再生トナーカートリッジ事業へ参入。時代の流れとともにこの新規事業が成長軌道に乗り、経営は安定に向かいました。 リスクから学び、持続可能な成長へ 現社長である三星勝氏(3代目)は、自社の過去の経験から「依存しない経営」への転換を志向。トナー市場の縮小や競争の激化を見据え、約10年前からバッテリーリサイクル事業を展開。さらに約7年前より本格的にM&A事業にも乗り出し、事業承継を通じたグループ経営へと舵を切りました。 MDSのM&Aモデルは、後継者不在に悩む技術力ある中小企業をグループに迎え入れ、その技術や人材を未来につなげるもの。現在では7社を傘下に持ち、売上高約50億円のグループ規模へと成長。2032年までに売上高100億円の達成を目指すという目標を掲げています。 数字で見る成長と信頼 日本の官報に掲載された決算公告によれば、MDSは2024年3月期において売上高20億3,600万円、純利益5,367万9千円を計上し、安定した収益基盤を構築しています。これは一過性の成果ではなく、戦略的な事業選定と投資の結果であると言えるでしょう。 現在では、MDSは電子部品分野での高精度なモノづくりを武器に、IT・エレクトロニクス業界の大手企業向けに部品を供給。一方で、同社の原点である「環境と技術の融合」の理念は変わらず、サステナビリティと経済性の両立を追求し続けています。 中小企業からグローバルへ――MDSのビジョン 三星社長は、「日本のプレゼンスを再び世界に示したい」という強い志のもと、企業単体ではなくグループとしての競争力で世界市場に挑戦するというビジョンを掲げています。事業承継とシナジー創出を軸に据えたこの経営モデルは、世界中の同業者にとっても重要な示唆となるでしょう。 このように、MDSの取り組みは単なる事業転換ではなく、「ものづくりの継承」「地域企業の未来創造」「グローバル市場での再挑戦」という、多層的な価値を内包しています。今後のさらなる成長が期待される企業です。

