「感情の衝突」はどう避ける? ミナジン取締役が実践する「個を消す組織改善」
「組織内での感情の衝突」に頭を悩ませる中小企業は多いはず。勤怠管理システムや給与計算アウトソーシングなどの人事労務サービスを提供する中小企業、株式会社ミナジンも同様の課題を抱えていました。そうした中、取締役の野崎さんはこの課題に向き合い「wevox」(※)の導入を契機に様々な施策にチャレンジし、一定の効果を出し続けています。中小企業が抱えやすい組織開発の課題に、経営者はどう向き合えばいいのか、野崎さんに伺いました。 ※企業の組織課題を独自のサーベイを用いて定量化及び特定し、働き方改革を促進するサービス 悪い意味で「他人のやるべきことについて熱心に話す」状態 − 昨年(2017年)から「wevox」を導入して、様々な組織改善の取り組みを行なっているミナジンさんですが、導入前の組織はどのような状況だったのでしょうか? 悪い意味で「他人のやるべきことについて熱心に話す」ことが多くなってしまっていると感じていました。つまり「自分がやろう」ではなくて、「あの人がやればいいのに」というネガティブな意見が多く出ていたのです。野球で例えると、ポテンヒットになった時に「なんでお前が取らないんだよ」といさかいが起きるような状態です。新たな取り組みのために柔軟性が求められる状況で「もう少し自分の役割を広くとらえられないか、他の人の仕事に敬意を払えないか」と感じることが多く、危機感を抱いていました。 − どうしてその様な状況に陥ってしまったのでしょうか? 「感情の衝突」が起きている状況とも言えるのですが、我々のような30年程度の社歴、50名程度の人数規模の中堅的な中小企業に特に多い問題ではないでしょうか。大企業は組織管理の仕組みができているので、個人間で問題が発生しても部門、職種単位の範囲内でシステマチックに解決することが多い。スタートアップであれば、仕組みができていなくても、ビジョンへの共感や勢いのあるサービスがエンジンとなって一体感が生まれやすい。だから、問題があっても前向きな形で解決できることが多いはずです。 − 確かに、ある程度の社歴がある中小企業が抱えやすい課題かもしれません。