『庭』
空を 雲が灰色に染め上げる 見上げた先から 雨が降り始める 空が静かに泣いている 誰かが落とした涙には 誰かが宿した意味がある 心の中に伝う雫がまた落ちて 触れる琴線の先に 何を奏でるのだろう 魂の末路はいつも心の中にしまわれている 何も見えず 何も聞こえない 全て幻想だと気付いた世界は 無を有したものだとさえ 蓋をしているかのように 何も見えず 何も聞こえない 木々が私を囲い始める 見上げた先から 雨を受け止めようと 佇むその姿さえ あなたは慈しめるのだろうか 木々のこずえは私に何を伝えよう 私は歩く、ただ歩く 何かを見て 何かを聞き 何かを言葉にしながら そこに意味があるのかわからないままに あなたは見て、あなたが耳を傾ける そしてあなたは何を言葉にするのだろう 私に何を伝えるのだろう 優しき君が代に 私はただ 晴れを待つ 『庭』 作詩:樫村 俊一 『我思フ、君ノ名ヲ、、』 作曲:樫村 俊一