KEISUKE SHIMIZU

真っ白なスタジオに置かれた1本のマイクの前で、一発撮りのパフォーマンス。2019年から現在まで、さまざまなキャリアのアーティストがこの試みに挑み、多くの作品を残してきた。これまで聴いたことがある曲が、このスタジオで「たった一回きり」という緊張感のもと歌われることで、アップデートされていく。これは聴き手にとっても、おそらくアーティストにとっても新鮮な体験となったのではないだろうか。いたってシンプルな試みだが、「THE FIRST TAKE」は私たちにライブの高揚感、そして音楽の力を改めて思い起こさせてくれた。そして、その瞬間のアーティストをとらえたドキュメンタリー映像として、今後貴重なアーカイブとなっていくだろう。 受賞コメント 「THE FIRST TAKE」をスタートしたのは、国内で新型コロナウイルスが確認される2ヶ月前の2019年11月でした。 企画段階から大切にしたのは、“新しさ”のある音楽コンテンツということです。 新しさといっても、最先端テクノロジーを用いるような類のものではなく、皆さんの経験や心のどこかに既に存在する、まだ認識できていない感覚を“新しさ”と考えました。 真っ白なスタジオに定点カメラが置かれ、アーティスト以外、誰もいない状態での一発撮り。 これはそんな“新しさ”を生み出すための装置です。 アーティスト、視聴者、運営・制作スタッフ、関わるすべての人のたくさんの音楽愛で「THE FIRST TAKE」はできています。 これからも“アーティストの今”を文化として、記録・アーカイブ出来ることに感謝をし、1つ1つのコンテンツをより丁寧に制作をしていきたいと思います。 今後とも、「THE FIRST TAKE」をよろしくお願いいたします。