泉水:
yutoriの採用・人事担当の泉水(せんずい)です。古着情報メディア『古着女子』をきっかけに生まれたyutoriは、設立時からインスタグラムを基盤としたビジネスを展開していています。
今回はそんなyutoriの中核であるインスタアカウントの運用を担当する「江渡伊毬(えといまり)」・「髙泉優加(たかいずみゆうか)」の二人とゆとり社長の対談機会を設けました。
インスタで数字を伸ばすために具体的にどのようなことを試行錯誤していたのか、赤裸々に語ってもらいます!
(左から:「ゆとり社長」・「江渡伊毬」・「髙泉優加」)
片石:
じゃあ自己紹介お願いします!まずはえとちゃんから、これまでの経歴と入社のきっかけを!
江渡:
江渡伊毬、22歳です!青森出身で高校までは地元にいました。高校卒業後、上京してきてファッション系専門学校であるバンタンデザイン研究所のファッションビジネススタイリスト学科に通学しました。専門学校卒業後は学生の頃からアルバイトをしていたイベント運営会社でそのまま働いていて、約1年間ショーの裏方のお手伝いなどをバリバリしていました。
裏方の仕事ではなく表立った仕事、中でもアパレルの仕事をしたいなと思い、Wantedlyで会社を探した時にyutoriが最初に出てきて、そのままエントリーして選考に進み、入社に至りました。
元々片石さんのTwitterやnoteを読んだりしていてyutoriのことは知っていました。その時からyutoriの空気感に惚れてたみたいなところがあり、Wantedlyでエントリーした時も何かをやりたいというよりは、携われたらなと思って応募したのがきっかけです!
片石:
OK!ユンスもお願いします!
髙泉:
髙泉優加です。あだ名はユンス、23歳です。学校は原宿にある東京デザイン専門学校に通学してました。昔から絵本がすごい好きで、卒業後は絵本のキャラクターの権利を借りてグッズを作っている株式会社ワタナベという会社に入社しました。
そこでは企画営業という役職で、キャラクターグッズの商品企画・デザイン作成をクライアントさんとコミュニケーションを取りながら行なうことをメインに2年8ヶ月ほど勤めてました。
yutoriとの出会いは本当に偶然で。何となく転職を考えていた時、雑誌の立ち読みでもしようとふらっと本屋に立ち寄った時にフルジョ本を見つけました。古着女子のことはずっとフォローしていたので知っていて、少し気になって読んでいたら、一番最後のページに「古着女子で一緒に働かない?」という求人の記載があり、直感ですぐに応募しました。
yutoriは”夢を目指している会社”って印象で、そこから面接を通じて本当に自分のやりたいことを実現できる会社だなって思い、入社を決めました。
(入社のきっかけとなった『フルジョ本』)
片石:
夢を目指している会社、完全感覚dreamerな会社って印象だったのね(笑)
ありがとう、yutoriで今やっていること仕事内容もそれぞれお願いします!
江渡:
2019年の3月、約1年前に入社したのですが、入社当初は古着女子のインスタ運用をしていました。現在は昨年12月にオープンした『nemne』のストアリーダーとしてインスタ運用はもちろんECストアの運営周りクリエイティブ作成やディレクションなど全てを担っていて、加えて2月末にオープンしたストア『m-flat』のインスタ運用やオリジナルアイテムの商品企画も担当しています。
髙泉:
私は古着女子のインスタ運用全般と、ECストア『spoon』のインスタ運用、オリジナルアイテムの商品企画とデザイン、販売商品の撮影なども担当してます。
片石:
二人とも入社してからインスタハックのノウハウを身に付けたって感じだよね。教わってインプットしたのもあると思うけど、自身で運用しながらアウトプットしていって学んだ部分もきっと大きいよね。
江渡:
そうですね、nemneも立ち上げ初期はそんなに伸びていたわけではなく、立ち上げてから1ヶ月くらい模索しながら運営していたら、デイリーで1000人フォロワーが増えるようにになりました。
片石:
えとちゃんの場合はどうやってノウハウやスキルを身に付けていったの?
江渡:
とにかく毎日インスタの発見の欄を行ったり来たりしてずっと眺めてて、あとハッシュタグ検索をめっちゃするようになりました。ハッシュタグ検索をするとインプレッションが高いものや保存数が多い投稿が上位表示されるので、それらの投稿を見てトレンドをキャッチアップしたりしました。具体的には発見の欄にイラストを使ったコーディネート紹介が上位に出るようになっていたので、nemneでも取り入れてみようと思って試行錯誤した結果、数字がぐんと伸びるようになりました。
四六時中インスタと触れ合うことになりましたが、インスタがそもそも好きだったから全く苦じゃなくて、移動中音楽聴きながらとか暇さえあればずっとインスタ見ているって感じでした!
片石:
yutoriに入社してから、好きで無意識に眺めていたインスタを、どういう投稿に数字が集まるのかって点を意識的に見て、どう自分の運用するインスタアカウントに展開できるか、を考えるようになったんだね。
江渡:
そうですね、完全にパクるのは違うからどうやってオリジナリティを出せるのかを考えてて。インスタだけでノウハウをインプットするだけでなく、雑誌やピンタレストでも画像のレイアウトを参考にしたりしていました。クリエイティブで気になったものを自分なりにフォルダ分けをしてストックしてました。
(nemneのイラストを使ったクリエイティブ投稿とそのインサイト)
片石:
spoonもオリジナリティあって”らしさが”出してきているよね、ユンスは運用するに当たってどういうこと意識してる?
髙泉:
他のアカウントと差別化するために、カラーを変えたりイラストも複数人が描いて様々なテイストのものを使ったり、置き画も縦にしたり横にしたり、コンテンツの幅を広げることを意識しています。変化をつけることで同じようなアカウントもなく、らしさが出ているのだと思います。
片石:
実際spoonだとどういう投稿が伸びているの?
髙泉:
抽象的な表現になりますが、ほんわかしているものは伸びやすいですね、「ラテコーデ」や「くすみカラーコーデ」など。あとは目玉焼きが服を着た目玉焼きくんのイラスト入れた投稿が伸びました!インスタライブでお絵かきをした時に目玉焼きのイラストをなんとなく描いたらユーザーさんからの受けがかなり良くて。他のインスタでもこういうのあまり見たことなかったし、自分が好きだった絵本の世界観のようなテイストでもあり、取りれてみました(笑)
(目玉焼きくんを取り入れたspoonのクリエイティブ投稿)
片石:
自分が好きな絵本のメルヘンな世界観がspoonでもハマったって部分もある感じか。前職の会社でやってきたことと、yutoriで求められていることをうまくミックス出来てるって感じでいいね。
二人ともインスタのコンテンツの中身はどうやって決めてるの?
江渡:
雑誌のタイトルとか、インスタグラマーの方のハッシュタグを参考にしたりしてます。雑誌は大きい見出しだけじゃなくて、小見出しとかも参考にしてます。「ピスタチオカラー」や「プチプラコーデ」、「体型カバー」などのコンテンツはそこから着想を得ました。
あとはユーザーさんから直接DMで「ダッフィコーデ」や「ライブ参戦コーデ」などを特集してほしいと希望をもらったりもして、実際に「ジャニオタコーデ編」で出したら保存数3000くらいいきました。
雑誌やインスタから大枠のトレンドやニーズをキャッチアップして、インスタの質問コーナーやDMからよりミクロなニーズまで深ぼって探ってます。
(ユーザーの意見を元に特集したnemneのクリエイティブ)
片石:
sponnはどうやってネタ出ししてるの?
髙泉:
私は古着女子とspoonとどちらのインスタも運用しているので、古着女子で伸びた投稿をspoonにも横展開しています。例えばGUのアイテムを取り入れたコーデとかラルフローレンのシャツとか。そういうネタをspoonでもイラストを用いてコンテンツ化したりすると、古着女子同様にspoonでも伸びるケースが多いです。
ただ、全く同じく横展している訳ではなくて、spoonは1枚のクリエイティブに詰めたい情報を多くいれるようにしていますが、逆に古着女子はユーザーの投稿のリポストなので、背景などによっては情報ごちゃごちゃしてしまうのでいれる情報はシンプルめにしています。なるべく短い文章で分かりやすい、かつ目に止まるようなものを意識しています。
(1枚目:「古着女子」・2枚目:「spoon」のクリエイティブ投稿)
片石:
自分たちで投稿していると、色とかイラストとか全体のインスタの投稿見ながらコントロールできるから、1枚のクリエイティブに情報量が多くても全体としてもまとまりがある感じになる。一方で古着女子のリポストだと服のテイストや背景もバラバラになるから1枚のクリエイティブの情報量が多いと全体的にうるさくなりすぎてしまうから、1枚目のクリエイティブをシンプルにしたり、複数枚投稿にしてるのね。
そういう数字を伸ばすためのノウハウを、yutoriではよく”勝ちパターン”って言葉で表現してて大事にしているけど、二人も入社してからそこを意識するようになって、体現できるようになったりしたよね。
江渡:
入社当初は、何を勝つというの?何が基準になるの?っていう点でかなりふわっとしてました(笑)何か成果が出ても自信が持てず不安でしたが、インスタ運用していくうちに数字で結果が出てきたりして、分析して仮説を持った行動を繰り返すことで伸ばすパターンを掴めてきて自信にも繋がるようになりました。
日常生活でも、電車に乗って「あの人はスーツだから新宿で降りるだろう」とかを瞬時に考えて座れる席を見極めたりするようになりました!w
片石:
数字の分析をして仮説を持った行動をするようになったことで、日常生活の小さなことでも仮説の精度を高くするための行動を意識していたってことか(笑)
ユンスはどう?ファンシーなキャラのユンスと”勝ちパターン”ってワードがかなり程遠い印象があるけど...。
髙泉:
えとちゃんと同じく”勝ちパターンとは?”みたいな感じで聞いたことないワードでした。ただ、私もインスタ運用をしていく中で数字が伸びるかどうか意識するようになり、自分のインスタでも勝ちパターンになり得るハッシュタグを取りれたりして、効果検証したりしてました。パターンを掴みに行くことが、癖になっていたかも?です。
片石:
なるほどね、具体的に数字的に成果が出て嬉しかったことでいうとどう?
江渡:
入社当初に古着女子の運用をやっていた時、当時フォロワーの月間増加が4~5000人程度だったのですが、自分が運用するようになってから月間1万人以上フォロワーが増えたこともあって嬉しくて「よっしゃ!」って感じでした(笑)
古着女子は元々ファッション初心者向けのメディアだったけれども、扱っているコンテンツが「ビスチェの着こなし方」とか中級・上級者向けなコンテンツが多くなってきていました。私が運用する時はインスタの質問コーナーで出たユーザーさんの意見をそのまま参考にしたり、古着女子のリアルイベントを開催した時に参加してくれたユーザーさんたちを実際に見て聞いてニーズに応えるようにしました。
実際の質問は、例えば「そもそもスウェットの色って何色がいいですか?」のような質問が来てたので「カラー別スウェットの着こなし方」っていう基礎的な特集を組んだりしました。それを続けていったらフォロワー数も増加してきて、嬉しかったです。
nemneでも販売商品をスタジオで撮影して投稿した投稿が保存数1万以上いったり、イラストコーデの投稿も6000以上だったりいったのは印象に残ってます。
(保存数1万以上のnemneの複数枚投稿)
髙泉:
私も入社当初はえとちゃんから引継ぎで古着女子のインスタ運用を担当していました。当時の古着女子はフォロワーの増加数も落ち着いてきていたので、ユーザーのリポストだけでなく、古着屋さん特集や喫茶店特集などもコンテンツに取り入れました。ユーザー目線に立った時に、古着以外にもそういった新しいコンテンツもあったら嬉しいかなと考えました。
中でも古着屋特集はユーザーさんからどの店がお気に入りか?のアンケートを取ったり、お店の人もストーリーズに上げてくれたりで周りを巻き込んだ結果、保存数も1万以上いってフォロワーも伸び始めた時は嬉しかったです。
(古着女子の古着屋特集投稿)
片石:
古着業界全体を巻き込んだって感じだね(笑)
ところでyutoriに入って驚いたこととかある?
江渡:
意外としっかりしているなって思いました(笑)メンバーみんな年齢層低いからわりとウェイ系かなと思ったら、月に1回締め会できちんと数字報告していたり、片石さんも熱く語っているなと..!
髙泉:
私も若い子が多いから、大学のサークルっぽい感じで飲み会とか遊びも頻繁にあるのかなって思ったけど、意外とみんな物静かで、人見知りが多いな印象。ただ、物静かなんだけど自分の内の中に熱い”好き”を持っていたり、個性が強いメンバーが多いなと思いました。
江渡:
わかる。ふわふわモチモチしているけど中に芯がある...一言でいうとタピオカみたいな?(笑)
確かに人見知りっぽい感じな人が多くてふわふわしてそうなんだけど、実際話してみたらしっかりしているっていうギャップがある人が多いな印象。
髙泉:
やっぱり”好き”を仕事にしている会社でもあるから服が好きな人はもちろん、音楽とか何かカルチャーに”好き”がクリアにある人が多い印象。自分も服が大好きで個人的にインスタもやったりしたりしていたけど、逆に周りから勉強になることもたくさんありました。
片石:
メンバーそれぞれ個性が強くても、違くても否定したりぶつかり合ったりするとかはないよね。服であれば服を通じて相対的に自分のキャラも確立されていく、けれども自己主張が強くなることなくそれぞれがいい感じにスッと溶け合っている感じ。
片石:
yutoriに入って一番変わったことは何かある?
江渡:
強くなったと思う!RPGでいうとスライムと戦っていたのがもうそろそろボス戦にまで来ている感じ(笑)インスタ運用もそうだし、ルミネエストで2週間POP-UPを開催するとなった時も、自分主導で前進させることが出来て、そういう実績が積み重なってきて成長を実感出来たなと思う!
振り返ってみると今までのアルバイトとかってあまり続かないものが多かったけど、やっぱり自分が好きな服とかインスタに携われて楽しさもあるからこそ、のめり込んで頑張れていると思う。成長したい・スキルを伸ばしたいと思って行動したっていうよりは、後からスキルがついてきて強くなったという感じ!
髙泉:
私は自分の意見を言えるようになったのは大きい変化だと思う。前職は30代,40代とかが多かったから、世代が違う分意見を言いにくかったり、否定されたら萎縮してしまったりしてた。yutoriでは年代が近いっていうのもそうだけど、意見を否定する人っていないなと思ってて、以前よりも自分を主張できるようになったなと思ってます!
片石:
確かに他のメンバーも意見を言えるようになったりしてたし、みんな根本シャイなのかな(笑)
あと二人とも3月から正社員になったよね、今後の意気込みでいうとどう?
江渡:
yutoriってかなり変化が激しい環境だなと思ってて、3ヶ月先どころか来月自分が何をしているかもまだわからなくて、けどそういう変化があるのがまた楽しいなって思う。今後の予想はつかないけど、来月の自分がワクワクしているように今をめいいっぱい頑張りたいなと思ってます!あとは個人がどうかってよりも、yutoriをより盛り上げたいなって思います。
髙泉:
yutoriにいる意味をさらに強めたいなと思う。自分が介入することで改善されたとか、数字が伸びたとか。直近だと、例えばspoonのインスタの月間でのフォロワー増加数がまだ1万人いってないから、例えば目標は高く1万5000人くらい月間で増加させる、とか!
片石:
いいね。じゃあ、最後に片石に一言物申して、終わろうか。
江渡:
良いですか?(笑)しゃちょー世間の新型コロナウイルスの件でテンション下がりすぎ!w もうなんだろ、見た目のオーラに出てる。もはやウイルスにかかっているかのような雰囲気?
髙泉:
かたぴさんが予防のためにお弁当屋さんの弁当食べるのまでもやめようって言い出して、その日ちょうどめっちゃ食べたかったのにしょげました...(笑)
片石:
「コロナ鬱だー。」って言いすぎたねw 変なオーラも出しちゃってごめんなさい。。気をつけます(笑)けど弁当はみんなのためを思ってだからね!w
泉水:
えとちゃんの発言にあったハッシュタグ検索や雑誌のコンテンツからトレンドのキャッチアップをしたり、実際のユーザーの声を反映させていくことが、インスタの数字を伸ばす重要なポイントなのだとしみじみ感じさせられる内容でした。
かつ、絵本好きのユンスがspoonのクリエイティブに目玉焼きくんのイラストを取り入れたように、ただ伸びている投稿と同じようなものにするのではなく、自身の好きも取り入れたちょっとばかしの自分本位が”らしさ”を生み出すポイントでもあると思います。
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