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しくじり物語 ~自社サービス事業立ち上げ ~ #2

#1 はこちら
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技術者向けサイトの挑戦と苦悩

それでも、自社で作ったものを売る方法、売る場所がなかったので、この壁を打破するために、システム開発でなく、技術者が集まるようなサイト(自社で発信できる場)を作ろうとなりました。

ようやく、ただシステムを作るだけでなく、どう売るかを考え出したのは、自社サービスの提供へ前進したようでしたが、これが非常に大変でした。

エンジニアとして、新しい技術で、自分が良いと思うアプリやシステムを作るのは楽しかったのですが、技術者が集まるようなサイトということで、自分が既に持っている技術を文章に起こし、サイトを作っていくという作業がメインになったのですが、これは非常に苦痛でした。

将来的にこのサイトで集客でき、そこで新しいサービスなどを公開するという壮大な目的はあっても、目の前の作業が本当に大変で、今までは、家で楽しんで開発していましたが、家でやるのはつらくて、カフェや図書館など、色々な気分転換をしながら、サイト記事を作成しました。

2年くらいは、かなりの人数で記事を作ったこともあり、サイトも充実しましたが、その後は、作業が苦痛すぎて、更新も止まってしまい、当初の目的を果たせないまま終わってしましました。

サイトとしても一定の集客を集め、世の中の人に多少なりとも役には立ったかもしれませんが、売り上げなどにはつながらず、成果と言えば、ここで作成した記事などを、新入社員の研修などで利用したりするくらいに留まりました。

この作業が非常に苦痛だったこともあり、今まで第一の壁について、仕事終わった夜や土日祝日に作業で乗り越えていた気力がなくなり、この第一の壁を乗り越えられず、しばらく新しい活動をしない日々が続きました。

新たな挑戦でも

新しい活動をしなくなって3,4年が過ぎたころに、技術者として興味がわいた言語(flex)が登場し、この言語でまた何か作ってみたいと思い、勉強を始めました。

当時、長女が産まれる頃で、休日もあまり外出しなくなり、家でいることが多くなり、絵が下手な私と妻の二人で、絵だけを描いて「しりとり」をするゲームをしていたときに、flex 言語と相性が良さそうだったので、これをアプリ化してみようと思い作り始めました。

実際に動作するゲームは出来たのですが、システム会社が自社で作ったシステムを売るのも、色々な壁があるのに、ゲーム会社でないのに、ゲームを売るのはさらに高い壁があり、インターネット上で知り合いに声かけて、仲間内で使ってみたレベルで終わってしまいました。

中途半端に終わった理由は、この開発を通して、この言語の開発力があがり、もっとエクスウェアの事業にあった自社サービスを多くの人で作ろうとなり、技術的な興味とこんなゲーム作ってみたいという好奇心で、第一の壁を乗り越えましたが、このゲーム開発も頓挫してしまいました。

そして、その流れのまま、flex 言語を最大限に活用したシステムを開発し、多くの人が開発に携わり、開発規模としても今までで一番大きいシステムが完成しました。今までと異なり、このシステムを販売するために、初めて、ITの展示会(見本市)に出展することになりました。

初めての展示会では、ブースは小さかったですが、多くの人が訪れてくれ、作ったシステム(製品)に対して、「いいね」と言って、多くの方と名刺交換も出来ました。

本来であれば、交換した名刺に対して、営業がアプローチして、契約もしくは試しに利用してもらうなど、色々アプローチして、お客様を獲得していくべきなのですが、展示会に出展するところまでが精一杯だったので、アフタフォローは出来ず、継続した営業活動が出来ず、多くの人が関わったこのシステムも売れないまま、今まで通りフェードアウトしていってしまいました。

ここでも、また、自社サービスの事業化には至らなかったですが、この開発した製品を展示会で見せた会社などから、システム開発の力を認めてくれ、大規模開発を受注したり、本業の受託開発には大きく貢献しました。

体制変更しての挑戦

ここまで、入社して9年、作ったが売れない製品が9個になります。

第一の壁:SES事業、受託開発事業が会社の売上を支えている以上、成功しても売上が後にくる(しかも成功しなければ売上がゼロ)の自社サービス事業を立ち上げるのは難しい

第二の壁:自社サービスを売るには、システム開発だけでなく、システムの運用、営業、広報など、システム開発以外の立ち上げも必要となる

第三の壁:システム開発、運用、営業、広報を行っても、即売れるわけではないので、継続と改善が必要となる

の三つの壁に阻まれ、自社サービスの事業化には至らなかったですが、この翌年の2010年4月に会社として、今までの経験を踏まえ、大きなチャレンジをします。

会社の売上を支える唯一の受託開発事業から、私が異動し、自社サービス事業の専任担当で、リーダとなり、当時入社3年目のエンジニアを営業担当(もちろん営業未経験)、当時入社した新卒のエンジニアを開発担当とした自社サービス事業に専念する3人のチームが出来ました。

目の前の売上を確実に作る受託開発事業を辞め、売上目途がない自社サービス事業に専念できることは、長年、平日夜や土日祝日などに開発してたことを思うと、非常に大きなチャンスでした。

この事業の設立だけで、三つの壁を乗り換えましたが、継続の期間はそんなに長くはない、すぐに結果を出さないと、また、元に戻ってしまうというのは確実でした。

2010年4月に自社サービス事業の専任なったタイミングで、アメリカで iPad が発売されました。まだ、日本では発売されていませんでしたが、アメリカで販売されている iPad を購入し、まだ、iPad が日本で売られていない状態の中、アプリを開発を始めました。

開発を始めて、1か月後の2010年5月の日本で一番大きい IT の展示会に出展し、iPad でアンケートを取ると、即集計して、アンケート結果をPCで表示するシステムを展示したところ、まだ日本で発売されていない iPad 見たさに、多くの人が足を運んでくれました。特に、1か月後くらいに日本でも iPad が売れることになっている通信会社の営業の方が、注目してくれて、iPad を法人に売る際に、セットでこのアプリを紹介したいということで、タッグを組んで自社サービスが立ち上がっていきました。

リリース後も、まだ、日本で iPad が売られていない、売られ始めても中々手に入らない中、商談は多くても、売上につながる受注は少なかったですが、今までとは異なり、専任の担当が3人いて、それ以外でも色々な人の支援を受けながら、改善を繰り返し、徐々に売上があがっていき、専任担当も3人から徐々に増え、自社サービス事業も大きくなっていきました。

iPad の発売というタイミングとたまたまあったのも、この事業が立ち上がった大きな要素でしたが、今まで失敗し続けてきた経験も大きな糧になりました。

この自社サービス事業を通して、さらに自社でシステムを運用するノウハウが蓄積され、より多くの受託開発&開発後のシステム運用も受けられるようになり、元々の事業にも大きな好影響を与えることが出来ました。

この iPad でアンケートを取るサービスは、今でも、弊社の主力製品として、サービスをしています。

2010年の販売開始からもう、14年になります。

その間、お客様のニーズに答え、どんどん機能を増やしていますし、今でも機能を拡張しています。

また、このサービスの販売を通して、営業の体制も徐々に構築されてきました。これにより、次のサービスも今までとは異なり、立ち上げやすくなってきました。

それでも、新しいサービスを立ち上げるというのは、非常に難しいことです。失敗も多くなると思いますが、挑戦していきます!

自社サービスの開発実績

2001年:iアプリ ゴルフスコア管理
2001年:システムエンジニア体験 ロールプレイング型WEBシステム
2002年:e-learning システム
2002年:日報管理システム
2003年:Java フレームワーク
2004年:システム開発技術サイト
2006年:携帯アプリ 切符ゲーム
2009年:リッチクライアント システム開発ツール
2009年:SNSアプリ お絵描きしりとりゲーム
2010年:iPad アンケートアプリ
2010年:iPad 電子ブックアプリ
2011年:iPad 営業支援アプリ
2012年:高周波通信アプリ
2012年:iPad ファイルビューワーアプリ
2013年:iPad 見積・モバイル印刷アプリ
2014年:多言語メニューアプリ
2015年:Pepper プレゼンアプリ
2016年:AI 自動応答アプリ
2018年:顔認証 カオミル
    カオミルシリーズ:カオミルリモートワーク
    カオミルシリーズ:カオミルタイムカード

現在、販売している自社サービス
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