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「カルチャーを作ること」は、開発組織においてとても重要です。企業のアーリーフェーズで時間をかけてカルチャーを定義しておくことで、将来的な組織の崩壊や亀裂を避けることができます。また、メンバーが自らの強みを発揮して活躍するチームを構築できます。
そこで私たちX Mile(クロスマイル)株式会社では、より良い開発体制の実現に向けて「エンジニアチームのカルチャー」を定義するためのディスカッションを行いました。メンバーが互いの思いを口にし、X Mileのエンジニアが目指すべき方向性を議論したのです。
今回は社員の蝦名 潤さんと白石 愛輝さん、業務委託の星野 優さんが実施したディスカッションの模様をレポートしました。“より良いチーム”を構築するための取り組みをご覧ください。
蝦名:みなさん、よろしくお願いします! 今回のミーティングでは、エンジニアチームのカルチャーを議論したいです。カルチャーを定義する意図として「X Mileに所属するエンジニアが目指す指針を決める」「どういった思想の人がX Mileに集まっているのかを表す」などの狙いがあります。私が叩き台として考えていた内容が6つあるので、それぞれ説明させてください。
まず1つ目からです。某大手Web系企業では「全員ソフトウェアエンジニア」という目標を掲げて、すべての技術領域をすべてのエンジニアが担当できることを前提にしているらしいです。X Mileでも、そうありたいと考えています。
「○○さんはインフラ専任」とか「私はフロントエンドしかやらない」といったように、特定のエンジニアが特定の技術領域だけにこだわってしまう状態は避けたいです。とはいえ、もちろん幅広い技術を扱いながら、何かの領域を深堀りしてスペシャリストを目指すのは大歓迎です。
2つ目が組織の運営です。役職や職種に関係なく、どのポジションの人でも議論ベースで意思決定できる文化にしたいです。特定のレイヤーの人が決めたことを「こうしろ!」とトップダウンで指示して、みんながそれに従うだけという状況は避けたいですね。この体制を実現するためにも、メンバー同士が積極的に情報共有する仕組みが必要だと考えています。
3つ目は学習についてです。各々が技術やビジネスの情報をキャッチアップしつつ、それをチーム内に還元して、お互いに学び合える体制にしたいと思っています。一方、手厚い研修で誰かから教えてもらいたいというスタンスは避けたいです。そのスタンスだと、スタートアップの環境で働くのは厳しい感じがします。
4つ目は思考パターンについて。より影響度の高いことを考えるのを大切にしたいです。私たちX Mileは、ノンデスク産業全体の課題解決を目指しています。だからこそエンジニアも、目先の小さな課題を解決するとか、エンジニアにとって都合のいいものを作るとかではなくて、ユーザーや業界全体に視野を広げてものごとを考えるようにしたいです。
5つ目は学び方のスタンスです。アンラーニングして、小さな学びでも大事にしましょう。それから技術マウントを取る人は絶対にダメだと考えています。そういった人がチームにいると、後輩が育たなくなって、意見も出なくなります。採用面接でそういった人をフィルタリングするだけではなくて、そういった人が自然発生しないチームの文化を固めたいです。
6つ目がアウトカムを重視することです。私たちは顧客の業務を改善するのが仕事なので、「どれだけたくさんの機能を作ったか」ではなく「どれだけたくさんの価値を提供できたか」を念頭に置いて、ものづくりをしたいと考えています。
白石:蝦名さんの言ったことはすごく良いと思っていて、全体的に同意です。特に、技術マウントを取る人は避けたいです。そういったメンバーがチームにいると辛いですよね(笑)。それから、学んだことをチーム内に還元するのも積極的にやっていきたいです。よく他社が勉強会などを開催していますが、そういうことも今後取り組めたらと思います。
蝦名:補足したいことなどはありますか?
白石:個人的には、今後もしマネージャーになったとしても、コードを書ける人でいたいと思っています。私は前職でSIerにいたんですけど、管理職になるとコードを一切書けないとか、読めないのが当たり前だったんですよね。エンジニアとして生きていくうえで、それは避けたいですね。
蝦名:ありがとうございます。星野さんもお願いします。
星野:身内ノリで盛り上がっているようなチームになるのは避けたいです。そうなると、徐々に組織が縮小していくんですよね。私は普段から意識的に、そういう空気のチームにならないように気をつけています。それを踏まえて、取り入れたい文化のなかに「アンラーニングして」というフレーズが入っているのが私はすごくいいなと思っています。
ここで言うアンラーニングは、知識としてのアンラーニングもそうだし、価値観のアンラーニングでもあると思うんですよね。要するに、自分自身に無意識のバイアスがかかっているかもしれないと疑って、悪い習慣や考えをアンラーニングすることを大切にしたいです。
蝦名:なるほどー、確かにその通りですね。似たような人ばかり集まると、組織全体の雰囲気が凝り固まってしまうのかなと感じました。多種多様な価値観を受け入れるチームにしていきたいですね。
蝦名:避けたい要素についてもっとアイデアを出したいんですけど、白石さんが前職で嫌だった文化は何かありますか?
白石:そうだなあ。前職で嫌だったのは、同じチームで働いているのに他のメンバーが何をしているか全然わからなかったことですね。各々が別々のプロジェクトを担当していて、横の連携がありませんでした。だからこそX Mileでは他のメンバーが取り組んでいることを把握して、協力できるようにしていきたいです。
蝦名:お互いが何をしているかわからなかったのは、日々のコミュニケーションがそもそも少なかったんですかね?
白石:それもあります。それから、各社員が大量の仕事を抱えていて、他の人の状況まで手が回らなかったんじゃないかな。自分のことで精一杯という状況になっていたからだと思います。
蝦名:コミュニケーションを取るような余白を、意識的に確保する文化があると良さそうですね。
星野:基本的に、人間って「自分が損をするような行動」を無意識に避けるじゃないですか。横のつながりがない組織は、何かのデメリットがあるからこそ、コミュニケーションをしなくなるんだと思います。白石さんの前職で、横のつながりを作ることで生まれていたデメリットって何だと思いますか?
白石:デメリットがあったというより、「連携をとってもメリットがなかった」のかもしれないです。私が前職で担当していたのは各自治体の消防救急領域のシステムだったんですけど、社員1人が特定の自治体を担当して、別の社員は他の自治体を担当していました。隣で働いている人のプロジェクトを知ったところで、お客さんも違うしメリットがないんですよ。あえてコミュニケーションを取る意味が薄かったのかもしれないですね。
蝦名:逆に言えば「社員が横のつながりを作って情報連携をすると、みんなが得をするような仕組み作り」が必要なんですかね。勉強会の開催なども、そこに結びつくのかもしれないです。
星野:空気を読むことを重視する文化って、「誰かの顔色を伺っているチーム」だと思うんですよ。要するに、会社としてのビジョンやミッションよりも、“自分より偉い人”に従っている状態というか。そう考えると、今回のディスカッションで出てきたエンジニアチームのカルチャーのように、自分たちが取るべき行動や考え方が明文化されていると、空気を読まなくていい文化につながるのかなと思いました。
蝦名:なるほど! きれいにまとまりましたね。ではそろそろまとめに入りたいと思いますが、今回議論したなかで「これがまだ理解し切れていない」と感じるものはありますか?
白石:大丈夫そうです。「より影響度の高いことを考える」は特に大事だなと思いました。
蝦名:これは個人的な志向も入っているんですけれど星野:私個人の意見としては、空気の読めない人にも優しい組織であってほしいです(笑)。
蝦名:なるほど(笑)。“優しい組織”をもっとかみ砕くと、どんな状態ですかね?
星野:スタートアップで働く人たちは大なり小なり“夢”を持っているわけじゃないですか。ならば、きちんと自分の夢を語れる人がいいですよね。要するに、既存のビジネスの延長線上で手堅いことだけを考えるんじゃなくて、もっと非連続的に事業や業界を成長させられることを考えたいです。
ある程度、エンジニアチームのカルチャーの方向性が定まってきましたね。今後の流れはどうしましょうか。最終的には他のIT企業が掲げているような、シンプルでわかりやすい標語に落とし込みたいですけど、今回のミーティングでその状態まで持っていくのは難しいですよね。
白石:まずは、今回出てきた言葉をそのままの状態で、私たちのカルチャーとしてチーム内で活用してみてもいいんじゃないですか。運用してみて、変えたい点なども出てくるかもしれないですし。
蝦名:確かに、いったんこのまま使ってみましょうか。しばらく運用を続けて、数カ月くらい経った段階であらためて見直しをしましょう。
星野:今後、仕事をしていく過程で失敗したり、何かトラブルに見舞われたりしたときに、エンジニアがこのカルチャーと自分の考えや行動とを照らし合わせて、いつでも立ち戻れるようにしたいですね。
白石:アジャイル開発におけるKPTのフレームワークみたいに、これらのカルチャーの要素を軸にして、週次の振り返りをしてもいいかもしれないです。
蝦名:そうですね。定期的に見返す過程で、これらの要素も洗練されていくと思います。今回はこちらで終了としますか。ありがとうございました!
白石・星野:ありがとうございました!
X Mileの開発組織では「エンジニアがより活躍できる環境」を目指して、日々の体制改善を続けています。今回定義したエンジニアチームのカルチャーも、その一貫です。「より良い組織を自主的に作っていきたい」「裁量の大きいスタートアップで活躍したい」と思われた読者の方がいらっしゃれば、ぜひ気軽に私たちにお問い合わせください。
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