こんにちは、WORK HERO株式会社広報チームです。私たちはスタートアップを対象としたクラウドバックオフィスサービス「WORK HERO」を開発しています。
スタートアップ経営者が、向き合うべき本質的な業務に集中できる体制作りを推進し、「すべての人・企業がユニークな価値の創造に熱中できる社会」の実現を目指しております。
この記事では弊社代表の大坪に、起業の背景やWORK HEROが目指すビジョンについてインタビューしました。
WORK HERO株式会社 代表取締役 大坪誠 プロフィール
埼玉県さいたま市生まれ。父の仕事で幼少期を米国バージニア州で過ごす。
東京大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。南米銅鉱山投資事業の予実管理、在英・在蘭特定目的子会社の記帳・会計を含む管理業務を担当したのち、金属資源本部の戦略企画に従事。
その後、大手医療系ベンチャーのエムスリーキャリアにて新規事業責任者に就任。
薬剤師人材派遣事業を、2年半でMRR(月次売上)4500万円から3億6000万円へ、組織規模も10名から40名超へ成長させる。
派遣薬剤師の給与計算、労働法・派遣法に関連した労務管理や営業事務部門も統括。
WORK HERO株式会社設立、代表に就任。
スタートアップのバックオフィス支援を行う。
趣味はジム、温泉、麻雀。プロ麻雀団体RMU所属。
世界が生んだ人間社会という美しいシステムに、自分のできる最大限の寄与をしてから死にたい
早速なんですが、ずばり!起業にかける想いを教えてください!!
少し答えにたどり着くまで話が長いのですが、まず、私は昔から「人間」が大好きでして。
ほかの動物と比べて人間がすごい、面白い、素晴らしい・・・!と僕が思う特長が2つあります。
1つ目は、世代を超えて有形無形の資産を残せること。
もしも私が自然の中で一人生まれていたら、パソコンを扱うことはおろか言葉も殆ど話せず、弱い動物として淘汰されていると思いますが、先人達が積み上げてきた資産のおかげで、暖かく便利な街の中で、豊かな言語を話してコミュニケーションを取り、インターネットのある世界でなんでもといっていいほど多くのことができるようになっています。
他の動物でここまで継続的に個体や世代を超えて資産を残せる存在はいないことでしょう。
2つ目は、個体の分散(個体差)が大きいほど群として強いこと。
たとえば首が短い分足が速いキリンが一体、キリンの群れにいても、群れの強さには大きく影響しないでしょう。一方で人間の場合は、力持ちだけの集団よりも、力持ちも手先が器用な人もいる集団のほうが、いろいろな道具を作ることが出来、生産性も圧倒的に高くなる。
結果として、同じ種族でありながらも、より違う個性と特性を持っている集団のほうが強くなる。平均値から逸脱した個性や特性が、社会全体にとってしばしばプラスになる。
この2つの特性のおかげで、今こうやって、電気も水も文化もあって、個人で自給しなくてもおいしいご飯も食べられる、こんなに豊かな生活を送らせてもらっていて.....それを想う度に人間って最高だし面白いなって思っています。笑
考えたこともなかったですが、言われてみれば確かにすごい!笑
あとはそもそも世界が「ある」って素晴らしいなと思っていて。
時系列がある限り、最初は何もなかったはずですよね。その何もなかったところから無機物が生まれ、有機物が生まれ、生物が生まれ、その過程を認知しようと思考する人間という存在までもが生まれ、劇的に進化のスピードが速まり、原始人のときの人間と比べたらすごい豊かで進んだ豊かな社会になってると思いませんか。
そういう、世界や人間の脈々と紡いできた歴史の積み重ねの上のとっても高くて景色の美しいところに居させてもらっている、という感覚がなぜか物心ついた頃からすごくあって。
この先世界がさらに進化を続けるその先に、どんなに素晴らしい世界が待っているんだろう、ということを考えると、いつだって胸の高鳴りが止まらないんです。
そのワクワクや世界観が起業につながってるんですね!
そうなんです。小さいときから、この高みに生きさせてもらっているような感覚がすごいあるんですよ。
ご先祖さま達だったり、人間生まれる前から世界が紡いできた、螺旋階段の上にいさせてもらってるイメージなんですけど、すごい遠くまで見えるというか、きれいな景色を見させてもらってるなという感覚があって、そこにいるからにはフリーライドしたくないなと。もうすごいきれいな景色を見させてもらっているので。
個人として楽しいなって思えることはもちろん個別に沢山あるんですけど、やっぱり、こんなに高みに生まれた時からいれることがすごすぎるしありがたすぎるって感じるので、全体からみたらすごく薄くても1枚、その階段に自分のできる限り最大の何か1つを積み上げて、次の世代に受け継ぐということをやりたいなということがあります。社会に対して自分がどう価値貢献できるかみたいなところがけっこう小さいときからもう自分の人生の中でのKGI、死ぬ時に達成していたら満足できること、になっていました。
今はこのKGIの達成手段として、最も有用そうなことが起業かなと思っていて、スタートアップをやっています。
普段はふざけてばかりなのに、そんなこと考えていたんですね!笑
はい、この話を急に話しはじめるとただの変な人なので、普段は胸の奥に締まっておりますが、そんなことを考えていました。
あと、私はいつでも真剣に仕事をしていますよ!?笑
WORK HEROにもこの想いがつながっているんでしょうか。
この事業を立ち上げるまでに、生の課題と優秀なビジネスモデルを見つける為の修行期間として、様々なスタートアップを含む会社をお手伝いしていた時期があります。
そこで関わる起業家だったり、組織としてのスタートアップって、圧倒的に個性が強いんですよね。だからこそ新しい価値を世の中に出せるのだと思いますし、この人間の特性こそ私が美しいなと思うところなので、その個性が強みになる領域だけに全振り・全集中してほしいなと思ったことがWORK HERO創業のきっかけの一つになっています。
バックオフィスの領域って特に初期は軽視されたり放置されがちで、そのことで後々、成長を妨げる要素になっているケースを沢山見て、とてももったいないなと思ったんです。こんなに綺麗な個性がある創業者と組織なのに、それを活かしきれていない。その経営者や組織の得意なこと・やりたいことに集中できていない、と。本当は人間の強みがもっと活かせるはずなのになと。
この発想をベースにしつつ、市場やタイミング、ビジネスモデル、過去の私の経験からの学びなどを考慮してWORK HEROを創っています。
三菱商事、医療系ベンチャーの新規事業責任者を経て起業へ
「過去の経験」が気になるのでもう少し詳しく!大学卒業後、新卒で三菱商事に入社をされていますね。どんなお仕事をされていたんですか。
海外銅鉱山への事業投資管理や、銅以外も含む金属鉱山の事業投資の戦略企画を担当していました。投資当時、国内の商社史上最大といわれる5000億円規模の投資金額の案件の管理をさせていただいたりと、商社ならではのスケールの大きい仕事に携わらせていただいていました。
その際の業務の一つに、子会社の記帳・会計・税務、為替予約を含む配当実務、取締役会や株主総会の実施などがあり、日本会計基準はもちろんUSGAAPからIFRSへの会計基準の変更も対応しており、会計や税務についてもかなり勉強させていただきました。上司が公認会計士だった時期もあります。
商社だと営業のイメージが強いですが、結構バックオフィス的なお仕事もされていたんですね!どうして転職を考えたんですか?
三菱商事ってすごくいい会社で、最強のビジネスモデルでもあると思っています。笑
他の総合商社もそうだと思いますが、強固な財務基盤とビジネス基盤、社会的な信用があり、優秀な人をほぼ無尽蔵に採用できるといっても過言ではないし、資源ビジネスはじめ規模が大きくプレーヤーが限られる領域でもプレゼンスを発揮できる。
ただ、先述の私の人生のKGIから見たときに、自分という1リソースが投下されたときの限界効用が最も高いところ、社会への貢献価値が最大化されるところに身をおきたい、という想いがあって、既に完成されたビジネスモデルがある三菱商事で自分のKGIを最大値で実現できるかは疑問でした。
さらに突き詰めると、結局人間は一人では何も出来ないので、大きな組織の中で、どのような関わり方であれば、自分というリソースが投下されたおかげで社会に価値が提供できた、と自分で納得できるのかと思った時に、自信を持てなかったんです。
そうであれば何が実現できていれば死ぬ時に満足かと考えた時に、0からの起業で社会に大きく貢献できていれば、多くの人の助けをもらうことにはなりつつも、少なくとも自分がいなければはじまらなかった、と言えるのではないか、そうすれば自分の貢献に納得感を持てるのではないかと考え、起業を決意しました。
周りから反対はなかったんですか?
両親も残念がっていましたし、当時は周りの友人もたしかに退職にネガティブな人が多かったです。3年目で辞めたんですが、私の代だと総合職175名中3人目の退職でしたね。今思っても良い会社でした。
長期的な目線で教育してくれる会社だったので、その投資に対して全くリターンをだせていない3年目で辞めてしまうことに、非常に申し訳ない感覚があって、最後本部長と面談したときには、はじめて業務に関連して涙しました。
いまでも「色々と会社のことも自分のことも考えて悩んだ結果のあなたの選択でしょうから、その気持ちを是とします」と言ってくれて救われた気分になったことを覚えています。
三菱商事に直接のリターンでお返しすることは叶わなそうなのですが、自分がしっかりと社会に成果を出して、その上で何かしらの形で必ずお返しできるようにしたいと思っています。
三菱商事を辞められるときには既に起業しようと思っていたのに、エムスリーキャリアに転職した理由は何だったんですか?
起業は決意したのですが、一方でまだ私にはその能力が全然足りていないなと素直に思ったんです。(笑
創業者として起業するときに一番必要なのは何かなと考えた時に、「組織マネジメント」だと答えを出しました。人間は一人では何もできないので、より多くの人に協力してもらって、ベクトルをあわせる必要がありますが、その経験が自分にはまだまだ足りていないし、本で学べるものでもないなと。
野球の理論書を読んで、全員がプロ野球選手になれるわけではないのと同じように、「組織マネジメント」も実際に訓練しなければ体得できない。そして創業者には必ず必要になるなと。
そこで、組織マネジメントが若くてして学べる裁量をお預けいただけ、さらに新規事業に近いことをお任せいただける会社を探しました。
加えて、その周辺の時期で身の回りの大事な家族や友人が健康を失ったり、自分自身もお酒の呑み過ぎで(笑)、一時的に食事制限が必要になったりして、どんなに優秀で人柄の良い人でも、健康を失ってはその特性を社会に発揮できないことを痛感したので、できれば医療関係の会社が良いなと思い、ご縁があってエムスリーキャリアにお世話になりました。
エムスリーキャリアではどんなことをされていたんですか?
「若いうちに裁量が欲しい」という希望を考慮してもらい、入社して3ヶ月で正式に新規事業である薬剤師人材派遣事業の責任者にしていただき、予算やPL責任も、人事考課に責任を持つメンバー10人も、早速任せていただきました。メンバーは全員年齢も社歴も先輩だったので、前職ではあり得ない世界ですね。
会社としては新規事業ではあるものの、ビジネスモデルとしては昔から証明されている事業を伸ばすことは、やるべきことが明確であり私も得意だったようで、淡々と施策を打って事業はかなり順調に成長しました。
最終的に会社の中でも売上規模ではトップレベルに、組織人員も50名弱までになったのですが、組織マネジメントは予想通り苦労をして良い失敗経験をさせてもらいました。
前後でぜんぜん違うビジネスと役割ですね!!!マネジメントで苦労されたというのはどんなことだったんですか?
自分はそれまで小さい頃に教わった「自分が人にやられて嫌なことはするな」をベースに人間関係を生きてきてたんですが、自分自身が人と感覚が違うことに恥ずかしながら本質的には気づいていませんでした。笑
なので、「人の気持ち」がわからない人間だったと思います。人は好きだったんですが、事業を伸ばす上だったり、その人自身が成長する上だったり、いずれにせよいつも「正論」を言う上司で、それが当然だと思っていました。うわ、改めて普通に嫌な上司だったな(笑)
当時のメンバーの方にはとても苦労とご迷惑をかけました。今でもたまに呑みに行ったりするんですが、その話はよく皆で酒のつまみにしてくれています。笑
事業は伸び続けるものの私が組織マネジメントが出来なくてメンバーが疲弊したので、一度降格して半年ほどチームマネジャーというメンバーを直接見れる立場をやらせてもらってたんですが、その時が個人的には一番楽しい時期でした。
それぞれの人が何を重きに置くのか、なぜ働くのか、人のため、家族のため、興味や好奇心を満たすため、お金のため、なんとなくとか、千差万別で。
このことに気づけたし、紐解いていくほどそれぞれの人の世界があってその世界はどれも綺麗で面白くて、やっぱり人間って素晴らしいなって改めて人間という存在に惚れ直しました。
その後は、一定組織マネジメントも感覚を掴めたおかげで、更に成長速度を上げて、最終的には2年半で売上8倍、組織規模も4倍強の急成長のなかでも、全社通して退職率も一番低く、勤務満足度も安定して高い部署となり、いい状態を保てるグループにできたので、業務実績の殆どない自分を早い段階で失敗をさせてもらえる成長機会において頂いて、ありがたかったなととても感謝しています。
そして当初の目的である組織マネジメントもできるようになった実感をもち、投資いただいた機会以上のリターンも達成したと個人的に思ったので、半年後に辞めたいと上司に相談して諸々引き継ぎの上退職しました。
最初の事業を1年で事業譲渡・サービスクローズ、1年半の「修行期間」を経てWORK HEROへ辿り着くまで
素晴らしい経験をさせてもらっていますね!話を聞いていると、起業は以前から決められていつつも、領域は決めていなかったと思うのですが、どのように事業を決められたのですか?
一番最初は、実はオフィスワーカー向けのランチデリバリーをやっていました!
え!?今までと全然違いますね!
はい。全然違います。笑
ただ、実は抽象度の高いところでやりたいことは同じだと思っていて、どちらも人間の本領が発揮される状態を目指しています。
エムスリーキャリアで勤務しているとき、自分の組織のメンバーにはなるべく健康で居てほしくて、メンバーの健康にめちゃくちゃ口出すうるさい人だったんですよ。
なので、自分のPLへの責任の範囲で他の部署の10倍以上の価格のヘッドセットを購入したり、目にちらつきにくい画面を購入したり、個人的によく効くビタミン剤を配ったり、みんなの手にアルコール消毒して回ったり(笑)してました。
その中で一番気になったのはやっぱり食事です。健康に与える影響度合いとして非常に大きいもので食事、睡眠、運動がありますが、そのうちの一つの食事で、みんなが忙しくて身近にあるカップラーメンなどを食べているのがかなり気になっていてなんとか解決できないかと思っていました。
そこで、忙しいオフィスワーカー向けに執務エリアに届いて、好きな時間にピックアップができて、その人にとって健康と嗜好の観点で月間で最適にメニューが調整されていく、というコンセプトでサービスをローンチしました。
素敵なコンセプトですね!どうして事業を転換されたんですか?
継続率や注文率は予想よりだいぶ良かったのですが、ランチデリバリーは元々損益分岐がかなり遠いビジネスで、損益分岐を超えるまでに必要な規模の金額を自分の当時の実力では投資してもらえなかったんです。
アメリカではシードで数億円の投資例もいくつもあったので安易にそのイメージでいたのですが、日本では過去にデリバリー領域の企業がいくつもピボットしたりサービスクローズしていることもあり、「日本ではコンビニが強いのでフードデリバリーは難しい」という見解を覆す説得が自分ではできませんでした。
必要な数億円規模の出資意向を集められず、雇用をして限界赤字で進むには厳しい状態だったので、ビジネス継続には損益分岐点を下げなければいけません。その場合、大きく分けて注文率を増やすために健康的でない食事も入れる方法と、単価を上げて健康意識も収入も高い人向けに絞って提供する方法があったのですが、自分自身が「世の中の健康度を上げる為」にはじめているので、前者は当然趣旨に合いません。後者も結局ユーザーの方々は既に健康的な食事をとっているので、少し便利になるくらいで社会的には大勢に影響がない。
ランチとか食事に興味があったというよりは、人を健康にする手段として事業をしていたのでその状態にそぐわない方向性で、事業を拡大しても続けられるイメージが沸かなかったんです。出資も受けずに、関わる人が増えて責任が拡大する前にちょうど1年で事業譲渡・サービスクローズを決定しました。
事業譲渡といっても、開発したアプリを知人に譲渡した程度で、殆どお金は入っていません。
あ、ちなみに、一度サービスクローズはしているのですが、改めてこの目的を叶える事業も、もっと自分を成長させた上で、人生のどこかで実現したいと思っています。
1つ目の事業をクローズした後はどうされていたんですか?
反省と学びとして、「自分の想いが具体的に強すぎる領域」は現在の自分の力量では失敗するなと感じました。
「人が(自分で気にしていなくても)自然に健康になる」というミッションを実現したかったのですが、そこへのこだわりが強いので、ビジネスとしてクールに損益分岐を下げたり他の施策を打ったり、出来ていなかったのが大きかったなと。
スタートアップビジネスとして重要な要素に、情熱があること、領域の理解が深いこと、市場とタイミングが適切なこと、ビジネスモデルが優秀なこと、などがよく言われると思うのですが、私のようなタイプの起業家はやはり自分の想いやこだわりが強いので、ただ儲かりそうな事業があっても、自分の想いにフィットしないとなんとなく気乗りしない。
であれば、次の事業は情熱以外の要素を冷静に判断した時にすべての要素がSクラスでフィットしているのかを確認した上で、最後に自分がやりたいビジネスなのかどうか、チェックするという手順を踏むこと、条件がすべてミラクルフィットする事業が見つかるまでは絶対に次のメインビジネスを始めない、と決めて修行期間に入りました。
結果的に、次のメインビジネスを見つけるまでに1年半もかかってしまいました(笑)
累積赤字ではあったのですが、会社は潰したくなかったので細々と人材紹介をして会社を存続させつつ、成功しているスタートアップのビジネスモデルを1個1個分析したり、様々なスタートアップをお手伝いさせていただいたりしてペインを探したりしていましたが、全ての条件がSクラスだと自信を持てるビジネスモデルを見出すのには時間がかかりましたね。
やることが決まっていない状態というはなかなか大変で、一時期は自分の弱い部分が出てゲームに逃げたりしていました。やりこみすぎてゲーム内ではワールドのクラン戦で1位とったりしてました(笑
そうだったんですね(笑) そんな大変な時期も経て、結果的に、WORK HEROにたどり着きましたね!
はい、WORK HEROに至った理由はいくつかあります。
1つ目は、課題の広さと深さです。私が関わった30社以上のスタートアップ全てで、必ずバックオフィスに何かしらの課題を持っていました。特にスタートアップでは構造的に、ペインが放置される領域になっています。
2つ目は、Founder(私)自身が課題を理解していたことです。自分自身が起業してから、色々なサービスを試したもののどれも合わず、結局3年ほど自分で自社の全バックオフィス業務をやらざるをえませんでしたが、とても面倒でストレスでした。また、自分ではあまり認識していなかったんですが、三菱商事やエムスリーキャリアでの経験で、自然と経理・会計・会社法や労務の知識を一定保有していました。
3つ目は、この領域に社会的な意義を過去の経験から感じていたことです。
三菱商事でやっていた会計関連業務も、エムスリーキャリアでも、どちらでも「もし社会全体で効率化を図ったなら」という視点で考えると、どこか一つの会社がまとめて会計業務や労務業務を対応していたほうが、自動化できる範囲も圧倒的に増えて効率的で、本来各社が本質的に集中すべき業務にリソースを注力できます。
長くなるので割愛しますが、この効果は思っている以上に大きいことを体感する経験が過去にあり、その機能があれば組織がもっとその特性を活かせて、より得意なことに注力できる実感がありました。
最後に、今まで勉強したビジネスモデルを当てはめたり、海外の類似先行事例などもいくつか分析し、初期のWORK HEROによって蓄積されるアセットを活用した将来的な成長余地なども何パターンか考慮し、これは前回の反省を経て自分で設定した全ての条件を満たしたという確信を得ました。
PoCの際に5社に提供させてもらったのですが、半年以内に5社全社に年間契約に変えていただけたのですよ。これで継続率・満足度が高いということが確認した上で、本リリースに至っています。
スタートアップの経営者・組織がバックオフィス業務のストレスから解放され、本来行うべき業務に集中できる世界を創り上げたい
今回、1.4億円の資金調達を行いました。今後のビジョンを教えてください!
我々WORK HEROは、「すべての人・企業がユニークな価値の創造に熱中できる社会を創る」をミッションに、スタートアップがその個性を生かして集中できる為のインフラになりたいと思っています。「バックオフィスのAWS(クラウドサーバー)」といわれるような存在になり、もうオンプレミスでバックオフィスのルーティンワークを構築・運用しなくてもいいんだという状態にまずは一歩社会を進めたい。
そのために、テクノロジーと組織の力を融合してしっかりと顧客に価値を提供出来る体制を構築し、属人性を排除してWORK HERO自身の拡張性を早期に強化するためにプロダクトに注力します。
また、前述は顧客向けのミッションなのですが、実はもう一つ、バックオフィスではたらく人達向けにもミッションを置いており、「減点方式でつまらないバックオフィス業務を、加点方式でワクワクするものに」していきたいと思っています。バックオフィスの経験がある経営者は割と少なく、あまり理解がないですし、「出来ていてあたりまえ、ミスがあるときは叱られる」のが一般的な領域ですが、バックオフィスがメイン事業であるWORK HEROの業界に対する使命として、組織としての仕組を設計して前向きに働ける方を増やしていきたいと考えています。
このミッションにおいても、やはりテクノロジーと組織の力を融合して、プロダクトに実装をしていくことを進めていきます。
では今後こういう人と一緒に働きたい!などありましたら教えてください。
このフェーズに入ってきてくれる人は全員創業メンバーです。シードで1.4億円の資金調達をしたものの、全方位で人が足りません。特にプロダクトとオペレーション設計周りですね。経営陣もまだ私1人で、共同創業者、経営陣候補も募集しています。
WORK HEROのミッションや「社会に対する貢献」に共感してくれて、コミットしてくれる仲間をお待ちしております。
大坪さん、ありがとうございました!
WORK HEROは今まさに急拡大の前章で、非常に面白いフェーズです。シード期からの創業メンバーとして共に社会インフラを創り上げてくれる優秀な仲間を大募集しています。
以下ポジションにご興味のある方は、ぜひ一度オフィスに遊びに来てください!
ご連絡お待ちしております!