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「これからの女性は年収500万円を稼いでほしい」| 二児の母でもある不動産会社代表が今想うこと

みまさまこんにちは!
株式会社ウィル・ビーで代表をしております冨樫(とがし)と申します。
今回は、本音で創業ストーリーや今までの経験、想いなどを書いていきたいと思いますので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。

働くことを楽しんでいた末に出会った不動産業

今でこそ、悩みなんてひとつもないように見られがちな私ですが、小さい頃は引っ込み思案な子どもでした。それが今のようなオープンな性格へと変わっていったのは、思い返せば「働くこと」がきっかけだったように思います。

高校の頃から地元のおそば屋さんとお好み焼き屋さんとコンビニを掛け持ちするくらい、アルバイトに明け暮れていたのですが、短大に入って化粧品会社や携帯電話会社のテレアポなどをやり始めると、インセンティブも貰えちゃって…。

頑張れば頑張るほど時給やインセンティブも上がっていくから働くことが面白くなる一方だし、時には褒められたり、飲食店では看板娘なんて言われて重宝がられたり、それはそれは楽しいアルバイト三昧の毎日でした。

当時はお金を稼いではハワイ旅行に行くという暮らしを謳歌していたので、短大の2年間はあっという間に過ぎていきました。卒業が近づいても就職活動すらしていない私を心配した友人が、ある会社を紹介してくれたのをきっかけに、携帯電話の通信販売という仕事に出会うことになります。

最初はアルバイトとして時給で働いていたのですが、大学を卒業すると社員として月給で働くように会社から言われました。でも月給となると、どう考えてもアルバイトの時給に比べて大幅に手取りが減ってしまいます。仕方がないので「じゃあ私、1人でやるので部屋を貸してください」と言って、その会社の1室で個人事業として始めることにしました。まだ卒業から2ヶ月、弱冠20歳。これが起業のきっかけでした。

経営ノウハウなどありませんでしたが、時代の追い風もあって、事業はすぐに軌道に乗りました。携帯電話はどんどん売れるし、自分の名刺を持てたり、接待をされたりと、仕事ごっこみたいで楽しかったですね。取り込み詐欺に騙される憂き目も経験しながらも、事業はとんとん拍子に伸び続け、年商は7億円程度にまでなりました。

携帯電話を右から左に流して利ざやを稼ぐビジネスは、言ってしまえば楽にお金は貯まるし、自由な時間もありました。そうするとあまりに暇過ぎて、ビジョンも何もなく始めてしまった自分が、一体何をしているのかわからなくなりました。悩んだ挙句に、自分は経営者でありながら、経営について無知であったと省み、勢い余って青山学院大学の経営学部に編入してみたこともあります。

とはいえ、すでに経営者としての現場経験のある私には、座学は退屈極まりありませんでした。今考えれば、その頃の私は進むべき道を完全に見失っていたのでしょう。ある時、取引先の社長から「現場で学べ!」と叱咤されて目が覚め、新しいビジネスを探し始めたところ、不動産会社の知り合いから「冨樫さんには不動産が向いているのでは?」と勧められました。

不動産屋と聞くと怖いイメージもありましたが、携帯電話事業の将来性に不安もあり、不動産屋の2代目という男性との出会いをきっかけに、携帯電話のオフィスを二分して立ち上げたのがウィル・ビーでした。それが24歳の時です。

不動産業とは、お客様と一生涯お付き合いできる仕事

当社は現在、渋谷区・世田谷区・目黒区を中心とした不動産仲介・管理業を営んでいます。設立から現在に至るまでには、やはりいろいろな経験や苦労がありました。

なにしろ不動産業界の知識がまったくなかったので、給与制度も分かりません。不動産業界出身の創業メンバーからこの業界はほとんどが歩合制であることを教わり、かなり高めの歩合で人材を募集したところ、各業界の強者たちが集まってきました。

熱気を帯びた職場は、それはそれで楽しかったのですが、彼らのやり方は歩合給を得ることに熱心で、時には自分の手取りが増えるようにお客様を誘導してしまうこともありました。

お客様をだますような拝金主義では会社がだめになる…。ちょうど新卒を採用し始めた時期だったこともあり、私は思い切って会社の方針を改め、歩合制を完全に廃止しました。当然既存の社員たちは反発し、ほぼ全員が辞めていきました。結果として、業績は一気に赤字に転落しましたが、新人たちと再スタートを切った私は、清々しい気持ちでした。

自分の損得を考えず、ひたむきに頑張る社員たち。お客様はきちんとその姿を評価してくれます。爆発的な売上にはならなくても、堅実な対応が口コミでいい評判となって広がり、次第に業績も回復していきました。不器用でも、真摯に仕事に向き合っていれば、結果は必ず出るのだと実感しました。

仕事をする目的には大きく、お金を稼ぐこと、自分が成長することの二つがあると思いますが、当社は後者にこだわり、評価・教育制度を整備しています。ここでスキルアップしたら、不動産以外のどんな業界でも活躍ができる力を身に付けて貰いたいのです。

私が持続的な成長にこだわる背景には、「お客様と一生お付き合いする」という思いがあります。不動産屋さんといえば、一攫千金を狙う若手営業マンを抱えている会社と、高齢になっても頑張っているお爺さんお婆さんが家族経営していると会社に二分されるのですが、当社はその中間を狙いたい。20代の子もいれば、30代から50代くらいまで、生涯をかけてお客様の担当を続けているスタッフもいるような会社です。

今でも当社には10年以上勤務している社員がいて、何年も前に担当したお客様が、今度はお子様を連れてきてくれるといった嬉しい光景も見られます。なにしろ年間に1人で300人近いお客様を担当する仕事ですから、10年勤務すればのべ3000人もの繋がりと信頼関係を築くことになるわけです。

また、戦後75年の日本には、まだ築100年超の物件はそう多くはありませんが、建物の耐久年数からすればゆうにそれくらい持つわけです。命の次に大切ともいえる不動産を何十年、百年とお預かりする仕事である以上、継続することが大事なのです。

これからの時代、私たちも先達の方々以上に長生きするでしょう。自分の人生と仕事を両立させながら「70歳になっても働いていられる仕事って、楽しい! 」そう思える人たちが集まる会社でありたいと思います。


これからの女性は年収500万円を稼ぎましょう

「将来やりたいことが見つからない」「ビジョンがない」と悩む若い人がいますが、私の経験からすると、そんなものは別になくてもいいと思います。私自身はよく周りから「何でそんなに頑張れるの?」と不思議がられるのですが、昔から働くことが楽しかった。与えられた仕事や役割を頑張ることで、そのうち誰かに評価され、それが嬉しさや喜びにつながり、もっと頑張れる好循環が生まれるものです。

それから、未知の世界にビクビクして近付こうとしない姿勢はもったいないと思います。私なんか、初めてのテレアポでも好奇心のほうが上回って、断られても、ガチャ切りされてもひたすら電話をかけまくっていました。今でも全然動じない性格は、我ながら大きな強みだと思っています。

また、私自身が結婚して子ども2人を産み、育ててみて、妻であり、母親である女性が時短ワークをしながら生産性をいかに上げていくか…"女性のあるべき働き方"みたいなものが見えてきました。

こんなことを言うと私が社長だからと思われそうですが、誤解を恐れずに言えば、これからの女性は年収500万円を稼いでほしいと思います。

当社でも女性の転職希望者と面接をすると、300万円くらいの年収を希望する方もいてちょっと複雑な気持ちになります。

女性が仕事を続けていくうえで、もし結婚をするのであれば、旦那さんの協力は必要不可欠だと思います。それは私も実体験から痛感するところです。そのうえで、仮に500万円以上を稼いでいる奥さんであれば、それは旦那さんも辞めろとは言えないし、対等な関係が築けるはずです。でも奥さんの年収が200~300万円くらいだったら、「俺が頑張るから」と言われてしまうかもしれない。だから出来れば独身のうちに年収500万円を目指してほしいのです。

もちろん、キャリアを築こうと頑張っていても、ふとした時に「結婚して家庭に入るのもいいかな」という考えがちらつくこともあるでしょう。でも「女性だから」という理由だけで、自分自身の限界をつくってしまうのは、同じ女性としてもったいないと思います。限界をつくらず、可能性を試す、何かをとことんやってみる。逆に考えたら、女性には最終的には家庭に入るというオプションまで用意されているわけですから、ある意味、怖いものなしではないですか。

女性が限界をつくらず、長く働き続けるという意味では、不動産業界は非常にお勧めです。毎日が「自分のファンをつくるような仕事」です。10年も働けば3~4割は紹介やリピーターのお客様で占められ、電話とメールさえあれば、時短や在宅勤務でも十二分に仕事ができるようになります。

アメリカでは賃貸仲介はエージェント制で、その主役は女性なんです。ちなみにウチの会社で一番稼いでいるのも女性です。

当社ではそういう女性をどんどん輩出していきたいですし、私自身、歳を重ねるごとに、魅力があって、家族や周囲の人から頼られ必要とされる人間になりたいと思っています。


Profile

1976年、山形県生まれ。短大卒業後、携帯電話の卸売にて個人創業し、翌年に法人化。
2000年9月株式会社ウィル・ビー設立。現在は、池尻大橋と中目黒にて店舗を展開。
女性ならではの視点で、お客様と一生涯のおつきあいができる地域密着型の不動産会社を目指している。
長男・長女を持つ二児の母として、これからの女性の働き方を体現中。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
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