これまでのご経験は。
社会人は大手商社系企業でスタートし、海外でのインフラ関係の事業やサプライチェーン事業などを担当していました。海外出張や駐在を経験、特にインドでの駐在時は困難なこともたくさんありましたが、学びも多く、貴重な時間を過ごせたと思います。その後、さらなる成長を求め、ドイツのサプライチェーン関連の企業へ転職し、海外の大学院を経てWHILLに入社しました。
WHILLを知った経緯や入社した経緯はどのようなものだったのでしょうか?
朝の情報番組を見て、以前からWHILLという会社があることは知っていました。こういう製品があるんだな、すごいなと。社会的に意義のある事業をしているWHILLのことが気にはなっていました。
一方、長期間海外で仕事をした経験から、少子高齢化、内向き志向で経済が活発にならないなど、日本の競争力が相対的に落ちていると感じることも多くありました。また、高齢者や障害者を含むすべての人がもっと自由に、外に出て人生を楽しめるような仕組みを作ることで、人々のQOLを高めるだけではなく、結果として経済へ良い循環をもたらすのではないか、そんな事業ができたらと常々考えていました。
そんなとき、たまたまWHILLの求人をみつけて応募しました。杉江さん(代表取締役兼CEO)と話をすると、自分のやりたいビジョンとまさにマッチしていましたし、今後、海外マーケットにも展開したいという方向性を聞き、自分の強みを生かせるだろうと思い、入社を決めました。
代表取締役兼CEOの杉江 理と
現在のメインのお仕事を教えて下さい。
空港におけるMaaS事業(自動運転機能などを搭載したWHILLを実際に空港に導入する事業)を担当しています。国内外の複数の空港での導入に向けて日々充実した時間を過ごしています。月の半分ほど日本にいないこともあります。
WHILLは、ハードウェアに参入する、グローバルに展開するなどの取り組みを創業時から行っています。実は、これらの取り組みは事業化することがチャレンジングすぎて、ベンチャーとして「やってはいけない」とされることもあります。そんなWHILLが、今日を迎えられているのはどのような力があるからだと思いますか?
やはり、車椅子に対する従来からあるネガティブな認識をポジティブに変えた点、イノベーションを起こすことで、弱みを強みに変え、この業界の常識を変えて大きな社会的インパクトを与えた点だと思います。また利用者様の見えない心の障壁を壊し、より自由に外出を楽しむことをテーマにしたソリューションを提供していることは、とても大きな意味を持つと思います。無論、まだまだ数々の困難があると考えてはおりますが、、少なくとも世の中からはこの「やってはいけない」ことをやる事業が求められていたのではないでしょうか。
これまでのWHILLでの体験でもっともチャレンジだったのは?
全てがチャレンジングだったようにも思いますが、幸いにも今はまだ、物珍しい、他社でやってない、イノベイティブだからと、お客さまは話を聞いて下さっています。これからの本当の試練は、実際にどのようにして空港や病院等の公共施設にサービスを導入し、安定的なオペレーションを提供していくか、というところだと考えています。
社内で苦労したことはビジネスマインドの醸成です。当初MaaS事業部を受け持った時は、「MaaS企画部」という名称で、どちらかというと事業企画をする事が最大のミッションという姿勢が強く、具体的にどのようにしてビジネスに結びつけていくか、という意識が部門内に足りないように思いました。そこで、まず「MaaS事業部」へと名称を変え、「ビジネスにする」という意識を根付かせることから始めました。また当時は、特定の空港案件の獲得のみに全力を尽くしていましたが、万が一失注した場合のプランBの視点が欠けがちでしたので、メンバーには、常にプランBやCを持つように働きかけました。皆、まだまだ成長途上ですが、数々の経験を積む事でビジネスパーソンとして大きく成長していると思います。
入社後のギャップは何かありましたか。
メンバーが私より若い人ばかりなので、コミュニケーションの方法、例えば会議資料などは紙ではなく、チャットでリンクを貼り付けるだけのこともあり驚きました。とはいえ、大企業と違い、自由で前例に縛られず、自分の裁量で仕事ができることは大きな魅力です。また、服装は、今まではスーツで働いていたので、なんでもOKと言われ戸惑いました。
今後、目指したい将来のビジョンを教えて下さい。
MaaSの事業を海外展開して、WHILLの中核事業にすることです。正直なところ、現在海外展開を進めている「WHILL自動運転サービス」のみで、MaaS事業部がサスティナブルに成長していくとは思っていません。これから厳しい競争があるでしょうし、当然ながらコスト競争にさらされると考えています。従って、自動運転サービスのその次を常に模索し続ける必要があると考えています。例えば空港のデータマイニングからオペレーション改善の提案をしたり、Fleet Management Systemと空港基幹システムとの統合を行い、よりシームレスかつ高いサービス稼働率を可能とするような、幅広い事業展開を実現させる必要があると思います。
WHILLは、まさしく、これまでになかったすべての人のための移動手段。全世界で、多岐にわたるビジネスに広げていければと考えています。
羽田空港での実証実験の様子
◆とある一日のスケジュール◆
8:00-9:00 海外取引先とWEB会議
10:00-12:00 経営会議
12:00-13:00 チームメンバーとランチ
13:00-14:00 エンジニアチームとの定例会議
14:00-15:00 今後の製品開発について関係者と打ち合わせ
15:00-16:30 プロジェクト予算の管理
16:30-17:00 技術的な取引先説明内容についてエンジニアと打ち合わせ
19:00 退社