誰よりも早く帰りながら、誰よりも早く取ったMVP――。
関西大学を首席で卒業後、関西大学大学院の総合情報学研究科 修士課程を修了。
新卒ではYahoo! JAPANに入社し、4年を過ごしました。
そして2021年の5月からは、BX(Brand Experience)プラットフォーム「BOTCHAN」を開発する、株式会社wevnal(ウェブナル)へジョインしています。
ということで今回は、wevnalにて「テクニカルプロダクトマネージャー」と「エンジニアリングマネージャー」という二足のわらじを履く、盛山 将広(もりやま ゆきひろ)さんにインタビュー。
転職の経緯や、入社から8ヶ月間の振り返り、そして目指す開発組織などを伺いました。
(聞き手:藤本健太郎)
入社理由は「描くキャリア」と「期待される役割」の合致
━━改めて、盛山さんのwevnalでの役割を教えてもらえますか?
盛山:2つの事業部に所属する形で、事業推進部では「テクニカルプロダクトマネージャー(以下:TPM)」、開発部では「エンジニアリングマネージャー(以下:EM)」として働いています。TPMとしては、BXプラットフォーム「BOTCHAN(ボッチャン)」内の「BOTCHAN Engagement」の開発ロードマップ作成やシステムアーキテクチャの検討、UX整理、クライアント折衝などが担当範囲です。EMとしては、全社開発組織の構築や人事評価などをやっていますね。
━━wevnalに転職したのは、どういうきっかけだったんですか?
盛山:Yahoo!で得た経験をもとに、より大きな挑戦をしてみたくなったんです。Yahoo!の人事制度は、全部で数十段階あるランク制のような形になっていて、半年ごとに昇降格があります。僕はそこで基本的には毎回飛び級で昇格して、テックリードやスクラムマスターなど本当にいろんな役割を経験させてもらいました。その過程で、少しずつ「自分の強み」が見えてきたんです。「自分の強みを活かした、次のキャリアは何だろうな?」と考えていたタイミングで、ちょうどwevnalからスカウトのメールをもらいました。
━━盛山さんが考えるご自身の「強み」とは、何ですか?
盛山:「コミュニケーションと情報編纂を繰り返しながら、チーム全員で成果を出す力」ですね。キャリアの方向性って、大きく「スペシャリスト」と「マネジメント」の2つあると思うんですけど、僕はエンジニアの「スペシャリスト」としては勝ち切れないなと思いました。もちろん「コードを書くこと」は好きですが、それ以上に僕は「人とのコミュニケーション」が好きだし得意だなと感じたんです。あと「ストレングスファインダー」という、177個の質問に答えて自分の強みを診断できるツールがあって、そこで出た僕の一番強い資質が「包含」でした。「包含」は「仲間外れを作らず、一人ひとりに居場所を与えられる」という資質です。
━━「包含」が盛山さんの一番強い資質というのは、すごく納得です。
盛山:自分のキャリアを「マネジメント」の方向に進めようと考えていたなかで、wevnalから期待してもらっていた役割が「PM」と「開発組織の構築」だったんですよね。「描いているキャリア」と「期待されている役割」がすごくマッチしていたので、wevnalで次の挑戦をすることにしました。
「残業はしない」が自分のポリシー
━━「TPM」と「EM」という2つの大役を担って多くの業務があるなかで、盛山さんは基本的に必ず「定時」で退社されますよね。
盛山:そうですね。前職も含めて一番残業したのは、月で20時間です(笑)
━━すごい!「働き方」に関して、意識されていることはありますか?
盛山:本来は定時内で終わらせるべき業務を残業してやっている時、自分の成長速度が遅くなってしまうという意識は前提として持っていますね。
━━成長速度を最大化するためには、どうすればいいですか?
盛山:僕は1週間を「ワークタイム」と「アフタータイム」、「ホリデータイム」の3つに分けています。「ワークタイム」は平日の日中で、日々の業務をする時間。「アフタータイム」は平日の終業後で、今後の業務につながりそう且つ、もう少しメタ的な知識のインプット時間。「ホリデータイム」は週末で、その時々で自分が興味を持っていることを勉強する時間というふうに区切っています。
━━「1週間を3種類の時間に分ける」という発想、すごくいいですね。
盛山:もちろんこれは僕個人の考え方なので、合う合わないはあります。すごく体力のある人は、夜遅くまで働いてたくさんの業務をして、夜中にインプットするってやり方もできると思うんですよね。僕は夜遅くまで活発に動けるタイプではないので、最大限の成長をするために、自分に合った時間の使い方を見つけていきました。
「コミュニケーション」の探求。1週間に14人との1on1
━━盛山さんの働き方で他に特徴的なのは、Slackの「timesチャンネル(※社内版Twitterのような仕組み)」も活発に動かされていますよね。
盛山:そうですね。僕のチャンネルの人数がどんどん増えて、全社員の8割以上が入るチャンネルとなっています(笑)なので、僕のチャンネルのトピックをこの前「もはや公式チャンネル」に変えました(笑)
━━timesを運用する際に、意識されていることはありますか?
盛山:「自分がその時に考えていること」や「仕事に対する考え方」などを、こまめに発信しておくことですね。そうすれば他のメンバーの方々と仕事をしていくにあたって、コミュニケーションがよりスムーズになります。あと意識しているのは、全社で「チャットコミュニケーションの文化」を浸透させていきたいなということ。僕が入社した頃のwevnalって、当時からチャットツールを使ってはいたものの、どちらかと言えば「口頭でのコミュニケーション文化」のほうが強かったと思うんですよね。
━━確かにそうかもしれないです。
盛山:コロナ禍といった外的環境も含めて、今後コミュニケーションの形が変わっていくなかで、チャットでうまくコミュニケーションを取れるようになることは重要です。僕が入社してからの変化を見ていると、この8ヶ月間で「チャットコミュニケーションのスキル」は、全社的に上がったのではないかなと思います。僕以外にもtimesを開設する人が増えて、チャットでの発信が活発になったので。とは言え、僕がtimesで積極的に発信しているのは、みんなとのコミュニケーションが純粋に楽しいからって理由もあるんですけどね(笑)
━━確かに盛山さんは、社内で一番いろんな人とコミュニケーションを取っている印象があります。「1on1」も、すごくいろんな方とされていますよね?
盛山:そうですね。今週は14人と1on1の予定が入っています(笑)。自分がマネジメントを担当しているエンジニアはもちろん、それ以外でも希望してくれた方とは1on1の時間を作るようにしていますね。エンジニアとは毎週30分、一緒に策定したOKRをベースに「障壁になっていることはある?それを取り除くためにどうすればいい?」という話をすることが多いです。僕からアジェンダを振り出すことも稀にありますが、基本的には「今あなたが話したいことは何ですか?」というスタンスで接していますね。
━━エンジニア以外の希望者との1on1は、どのように進めているんですか?
盛山:1回30分の、全3回で構成しています。1回目で「テーマの深堀り」と「ネクストアクションの決定」、2回目は「ネクストアクションの結果考察と再設定」、3回目が「全体の振り返り」という流れです。いろんな方と1on1をさせてもらうなかで「この人とあの人が抱えている課題は共通だな」と思えば、その課題にフォーカスしたワークショップをすることもありますね。この前は「具体と抽象の往復が課題です」という3名と一緒に「何のために会社は存在しているのか?」という、ものすごく抽象的なテーマで議論しました(笑)
初めて体験する、多角的な視点からの「プロダクト作り」
━━入社してからの役割や関わったプロジェクトなどを通じて、盛山さんが身についたなと感じるスキルや知見はありますか?
盛山:「プロダクト作り」の見識が広くなりました。前職も「チームでプロジェクトを進めていこう」という風土は強かったのですが、各職種の役割は比較的はっきりしていたんですよね。例えば「ビジネスモデルはどうするのか」は企画担当のメンバーが考えて、アーキテクチャを設計したりコードを書いたりするのはエンジニアという分担です。この進め方だと、プロダクトの全体像が見えにくくて「自分がどれくらい価値を出せているのか」の実感を、持ちづらいこともありました。
━━役割分担が明確なことのメリットはたくさんありますが、一方でそういった物足りなさを感じる人はいるかもしれないですね。
盛山:wevnalではTPMとして、ビジネス側の指標も見ています。あとは「こういうアイデアはどう?」という、ビジネス側からの提案に対して「それをシステムに落とし込んだ時に、ビジネスモデルとアーキテクチャは両立しているのか?」と考えることもありますね。「プロダクト作り」に対する多角的な視点を持ちながら、仕事ができるのは面白いです。
━━まさに盛山さんが入社時に求めていた「プロダクトマネジメント」の経験ですよね。「開発組織の構築」の観点で、印象に残っている経験はありますか?
盛山:「QA(Quality Assurance)チームの立ち上げ」の支援ですね。前職はテック企業だったこともあって「エンジニアはこれくらいの知識を持っているよね」というラインが、担保されていたんです。一方でwevnalのQAチーム立ち上げは、関わるメンバーの全員が大学で情報関係の専攻をしていたわけではないし、そもそもエンジニア出身ではない人もいます。なかには「サーバーの仕組みって何ですか?」とか「APIが分かりません」とかっていう子もいましたね。そこで相手の知識レベルに合わせてコミュニケーションを取りながら、全員に役割を持ってもらうようなチーム作りを経験できたのは、印象に残っています。
━━入社からの短い期間で、ものすごくたくさんのことをされてきたんですね。2021年の9月にあった11期下半期総会で、全社MVPを受賞するのは予想していましたか?
盛山:いや、全くですね。発表の時は「みんなすごいなー」って思いながら、呑気にジンジャエールを飲んでました(笑)
━━「入社から4ヶ月」のスピード感はもちろん、それ以外にも印象的なのが、wevnalの10年以上の歴史で「TPM」という、直接的には「売上の数字」を追わない役割の方が初めてMVPを取ったことです。
盛山:この受賞は、wevnalが変革していくひとつの「象徴」だと思っています。これまでの10年は「Webマーケティング事業」をメインにやってきました。スポットライトが当たりやすいのは、例えば「セールス」のような直接的に売上に貢献した人ですよね。それが今回「TPM」である僕を選んでいただきました。これは自社プロダクトの「BOTCHAN」を中心とした事業展開をしていくという組織変革の「象徴」であり、僕への「期待」としても受け取りましたね。その期待とは、TPMを担う「BOTCHAN Engagementの圧倒的なグロース」と、そしてwevnal初の「プロダクト志向組織」、その土壌になる「文化」を作っていくことです。
「ダイバーシティの精神」を持って、切磋琢磨できる組織を
━━では最後に、盛山さんが目指す開発組織について教えてください。
盛山:「ダイバーシティの精神」がある組織を作っていきたいです。僕たちの周りには「年齢」や「性別」、「国籍」などのあらゆる無意識バイアスが潜んでいますが、それらを取り除いたフラットなコミュニケーションが取れる状態ですね。そうすると、例えば自分より秀でた部分を持っている年下のメンバーがいた時に「この部分を自分にも取り入れよう」と素直に受け入れて、切磋琢磨することができます。
━━「自分」も「相手」もピュアに受け止めることが大切なんですね。
盛山:気をつけなければいけないのは、もしそこで「切磋琢磨」が過剰に働くと「足の引っ張り合い」が起きてしまうこともあります。もしくは「個別スキルの得意不得意」と「人間的な優劣」を、混同する人も出てきてしまうかもしれません。僕たちは「競争原理」を主とする社会に生きているので、その人の一部分を切り取った「何らかのスキル」が、誰かの作った「物差し」によって他者とよく比較されるんですよね。
━━確かにそうですね。
盛山:でもその「得意や不得意」は、その人自身の「人間的な優劣」とは全くの別物なんです。その人が得意なことや、能力を発揮できる役割は必ずあるから、他の人との違う部分は「あ、自分はこういうことが得意で、こういうことが不得意なのか」という結果だけを受け止めて欲しいなと思っています。その上で「自分はこういう能力を強化しよう」や「この課題の改善に向き合おう」といったような、健全に切磋琢磨できる組織を作っていきたいですね。
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