新型コロナウイルスの流行がきっかけで社会のDXが急速に進み、ウエディング業界も変革を迫られている今。業界のDXを推進する事業に取り組んでいるのがDX本部です。 今回は、DX本部で営業を担当するふたりにDX本部の事業や組織について聞いてきました。
左:DX本部 営業責任者/Mさん 2018年にウエディングパークに新卒入社し「Wedding Park」の営業を担当したのち、2021年4月にDX本部に異動し営業を務める。現在はプレイングマネージャーとして営業+メンバーマネジメントを行う。ウエディングパークには、バイタリティ溢れるメンバーが多い所に魅力を感じ、入社を決意。 右:DX本部 シニアDXビジネスプランナー/Yさん 2011年に食品メーカーに新卒入社し営業職を経験。2017年にウエディングパークに中途入社し「Wedding Park」の営業として、主に関西、東海エリアの顧客を担当し、マーケティングパートナーとして集客を支援。2022年9月に、集客以外でも顧客に貢献したい想いから、DX本部に異動。 「結婚に関わるすべての人が、もっと幸せになる」ことを目指す、DX本部の事業 ーーまずは、DX本部の事業・サービスについて教えてください。
Mさん: DX本部は「デジタルの力で結婚の文化を守り、育てる」という意義目標(目指したいゴール)を掲げ、DXでウエディング企業の課題解決をする部署です。 事業としては、CX(顧客体験)やEX(従業員体験)の向上、企業の業績への貢献など、「結婚に関わるすべての人が、もっと幸せになる」ことを目指して企画開発、ブラッシュアップしています。
具体的には、3つのサービスを提供しています。
「AI Patroller」 …AI(人工知能)技術を活用した業務効率化支援ツール。日々のクリエイティブ自動保存や画像・テキストの比較、掲載画像のパトロールなど、毎日の業務をより簡単により高い成果につなげることを目指しています。 「 survox(サーヴォックス) 」 …多角的な視点から解決を支援するサーベイツール。カップル向けの満足度サーベイでニーズを見える化して、CX向上につなげることを目指しています。 「 D-Creative School 」 …デジタルスキル・クリエイティブスキルを動画で学べる、ウエディング業界向けオンライン学習サービス。リスキリングによってウエディング業界でより長く、より活躍するためのスキルアップを支援しています。 Mさん: 結婚や結婚式の本質的な魅力を感じている一方で、ウエディング業界はこのままではいけない、自分たちがやらないと変わらないという危機感や使命感があります。 特に「人材」や「デジタル」に関する課題は、業界全体で抱えながらも、どうしていいかわからないという方が多く、変わってこなかった領域でもあります。
Yさん: “デジタルの良さはわかるけど、変えない方が楽”といった声も多いですよね。
Mさん: ウエディングパークが「 デザイン経営 」を通じて未来に向けて新しいチャレンジを続けたりすることで、業界全体が挑戦する空気感をつくっていきたいです。
ーー顧客からは、各サービスにどんな価値を感じていただけているのでしょうか?
Mさん: 長年業界に特化したメディアを運営してきたウエディングパークが、今までなかったサービス、新しい価値を生み出していることにご期待いただいているように思います。
AI Patrollerだと、出稿しているクリエイティブの管理や分析・改善が簡単にできるようになり“今までこんなツールなかった”、“つくってくれてありがとうございます!”といった感謝の声をもらうことが多いです。 D-Creative Schoolだと、ウエディングに特化したスキルをオンラインで学べるという新しい価値に魅力を感じてもらえています。その場に講師がいなくても、全国どこでも好きな時に平等に受けられるというのはデジタルだからこそ打破した壁ですし、育休明けの方のオンボーディングで活用し、安心して戻ってこられたといった声も届いていて、ビジネスの根幹である人材に関する課題にアプローチできているのだと感じます。
Yさん: survoxだと、紙のアンケートを回収して集計して…という作業を自動化することで分析する時間を取れるようになり、デジタルの力に期待感を感じてもらえています。 また、カップルからのフィードバックが随時受けられることで、“モチベーションにつながった”、“自身の成長を実感できた”といった声をいただきますし、評価や表彰で活用いただく事例も出てきています。
DXは、業務効率化だけでなくCXやEXにもつながっていると実感します。ウエディングパークが掲げる中期ビジョン「結婚の幸せへ、まっすぐに進めるデジタルを。」をけん引できているとも感じますね。
事業や組織の未来に、それぞれの強みを活かして向かう ーーDX本部はどんな組織・チームですか?
Yさん: 同じ方向を目指して、各々が自立して責任を果たすプロフェッショナルな組織であり、開発メンバーも営業メンバーも、それぞれがオーナーシップをもっていると感じます。
また、それぞれが強みを活かせる組織だとも思います。 例えば、仕組み化が得意なメンバーに仕組み化ミッションをつくるとか、ストレングスファインダーの結果をもとにワークを実施するなど、みんなの強みを活かして引き出しながら目標に向かっています。
Mさん: 強みを活かせる組織、共感です!あとは、少人数のチームで、開発メンバーを含めて距離が近い一体感やチーム力も特徴だと思います。 例えば、目標達成を報告した時にSlackでコメントやスタンプがたくさんもらえて、メンバーみんなが自分ごととして喜んでくれる環境がありがたいです。
目標の達成に関するSlackの投稿とコメント ーーその中で、営業メンバーはどんな仕事をしているのでしょうか。
Mさん: 新規顧客の開拓と既存顧客のフォローアップをいずれも行っています。顧客は「Wedding Park」に掲載いただいている全国の結婚式場が中心なので、「Wedding Park」メディアを提案する営業メンバーとの連携も多いです。
ーーおふたりにとって、DX本部で営業するやりがいは何ですか?
Mさん: ひとつめは、「変革期のど真ん中にあるDXに携われること」です。DXにあたっての障壁は企業それぞれにあり、それを解決していけることがやりがいです。 1年以上DX商品の営業を担当する中で、顧客の反応やフェーズも変化してきている実感があります。
ふたつめは、目の前のお客さんの喜びを感じられることです。活用する顧客の反応をよりダイレクトに感じられていて、喜んでいる姿を見るのはやりがいにつながるなと改めて感じています。
Yさん: ひとつめは「開拓」です。新規事業で既存顧客はまだ少なく決まったやり方もありません。開拓方法、営業プロセスの構築を自分でしていけることが面白さです。まだ手付かずの広大な大地を開拓していく感覚ですね!
ふたつめは「共創」です。社内での、営業が顧客の声を吸い上げ、そのアイデアをもとに企画の上流から関わって改善を行い、それを顧客に価値提供する「創って、作って、売る※」。そしてサービスを活用して、どうやったら顧客を成功に導けるのか?一緒に成功事例を作れるのか?と考える「顧客との共創」も面白さです。
※「創って、作って、売る」…企画開発・製造・販売を分断するのではなく一気通貫させ、顧客の声を吸い上げ、開発し、それを市場に返すまでのサイクルをスピードよく回していくこと(参考:三枝匡著「 V字回復の経営 」)
サービスづくりも顧客とのコミュニケーションも「デザイン経営」がなくてはならないものに ーー会社として取り組んでいる「デザイン経営」。DX本部がしているアクションを教えてください。
Mさん: DX本部では「シュープロ」(シュート・プロトタイプの略)というプロトタイピング施策を行っています。サービスの改善や新機能の追加にあたって、目指すべき未来から逆算してプロトタイプを作成し、顧客にフィードバックをもらい、商品に昇華しています。 この取り組みはまさに「デザイン経営」だと感じます。「プロトタイピング」によって自信をもって開発に取り組めますし、なくてはならないものになっています。
▼「シュープロ」から生まれた機能の一例
また、顧客とのコミュニケーションも、現状を起点にするのではなく、どんな未来を実現したいのか?というゴールを起点に、「実現のためにこんな新しいチャレンジをしましょう」という会話をすることが多いです。
どの結婚式場も「業界をより良くしたい」という想いがあるので、ウエディングパークがどんな未来のためにどんな想いでつくっているのか、という背景を伝えると共感いただけることが多いですね。
Yさん: 僕も“目指す未来に向けて、一緒にチャレンジしませんか?”と会話することが多いです。
「デザイン経営」で大事なことのひとつは、社会的な視点やお客様の声を取り入れながらサービスをつくることだと思います。 僕は、survoxを活用しているプランナーさんにインタビューしてインサイトを探っています。普段は支配人など経営に近い立場の方との会話が多いのですが、よりカップルに近いプランナーさんとの会話で新しい気づきやインサイトも発見でき、そのアイデアをサービス改善のアクションにつなげられています。 顧客にも、この視点を取り入れていきましょう、と伝えています。
利用者の声を資料化し、導入検討企業にもシェア ーー最後に、今後に向けた意気込みを聞かせてください。
Mさん: ウエディングパークは、「失敗してもいいからチャレンジをしよう」という環境です。その中で、僕たちが業界の先頭に立ってチャレンジすること、「デザイン経営」をもとにアクションすることで、変わることがあると思います。それを伝播させて、業界の皆さんと「共創」して、結婚や結婚式をより良いものにしていきたいと思っています。
Yさん: 自分たちがやらないといけない!と強く感じています。 顧客と会話している中でも「人材」や「デジタル」の課題を感じている方は多いんです。でも、変えるための体制や人材もいないし…という話をよく聞きます。 そんな中、僕たちの想いや事業を伝えると、希望を感じて表情が明るくなっているのを感じます。僕たちには業界課題を解決するための組織や事業があるし、できることはまだまだたくさんあります。これからも業界をより良くしていくためにチームで頑張ります。