先日に引き続き、「働き方改革先進企業」Warisに入社してみて、働き方の点で驚いたことを書いていきたいと思います。
個人情報を扱う会社ではリモートワークはできない!?
前職の会社では、カウンセリングサービスが商材の一つだったのですが、リモートワークをできるようにしてほしいと何人かの同僚が上長に訴えていました。その時、決まり文句的に言われていたのが「うちは個人情報を扱うから無理でしょ」という言葉。確かに個人情報漏洩のリスクは企業一つを吹っ飛ばすくらいに大きなものです。
でもある時、同業他社から転職してきた同僚が「前の会社ではリモートで仕事やれてたよ」と。そして、Warisも当然ながら、人材紹介事業を行なっていますので個人情報は大量に扱っています。それでも、全員がリモートワークを行なっています。
それはやはり、セキュリティ面をきちんと考えたシステムや機器を選び、ポリシーや仕組みを作り、教育をしてくれる情シス担当者がいるから可能となっているのです。情報はG-SuiteやSalesForce、自社システム内に入っていますが、某大手クラウドセキュリティサービスを使い、情報の漏洩がないようしっかり守っています。もちろんハード面でも、覗き見防止シートをPC用もスマホ用も支給されますし、カフェで仕事をするときは細かな推奨環境ルールがあり、トイレに行くときもPCを持って行けと指導されます。
そんな環境で仕事をしてみて、私は「リモートワークができるかどうかは、その会社がどの程度本気でリモートワークを取り入れようと思っているか次第なんだ」と感じました。例えば個人情報を漏らしたくないなら、どうやったら漏洩が起こらない仕組みづくりができるか?考え抜けばいいし、それが社内で難しい場合には、優秀な外部ベンダーやサービスを利用したり、業務委託を活用すればいいのです。
ちなみに…リモートワーク企業Warisが使っているITツール一覧
リモートワークを全社で取り入れているWarisは、こんなITツールを使っています。
・ChatWark:日頃のコミュニケーションや簡単な業務連絡はChatWorkで行なっています。タスクを立てて仕事の依頼も抜け漏れがないようにやっています。(タスク機能とっても便利!といつも思います。)
・G-Suite:Googleのビジネス系パッケージ、G Suite。これもベンチャー企業ではおなじみでしょう。ただ、オールドな風土の企業から来た私にはかなり衝撃でした。まず、社内資料はGoogleドライブにすべて格納し、どこでも誰でも見られるようになっています。(前職では社内資料はイントラ内の共有フォルダにあったのでオフィスに来なければ見られませんでした。)Googleスプレッッドシートなどに会議のアジェンダは全て記載されており、議事録を取りながら全員で編集しながら会議に参加。スケジュールはGoogleカレンダーで全て共有されており、打ち合わせもGoogleカレンダー上でセッティング。WEB会議の時でも、Googleカレンダー上の「ハングアウトMEET」のリンクをぽちっと押すだけで会議に入れます。……なんて便利なんだ!もう全企業G Suite入れればいいよ!!
・SalesForce:営業商談等はSFで管理。商談内容などもSFに入力して分析もしています。もちろんスマホからも入力・閲覧可能です。勤怠管理などもSalesForce上で行なっています。
・MoneyFoward経費精算:経費精算はMoneyFowardで領収書をパシャリ。月ごとにスマホから精算しています。これも便利すぎて最初びっくりしました。今まで勤めた会社は全部エクセルに書いて印刷してハンコ押して提出してました…。
そういえば弊社に来てから印鑑というものを全く使わなくなりました。前職では顧客に提出するレポートも、経費や交通費も、稟議も、その他もろもろのいろんなものが、印鑑必須で、印鑑のインクが薄くなってくると管理部門の人に「そろそろインク入れてください」と文句言われたりしていたのに……。信じられない……。
リモートワークだとコミュニケーションが減る!?
日々のコミュニケーションはチャットとメールと時々電話、会議はウェブ会議が中心。そして記事前編で書いたようにリモートワークをする人が非常に多く15時ごろには会社に人がいなくなる環境。そのため、入社するときにも「自分からコミュニケーション取れる人でないとうちでは厳しいかも…」と人事担当からアドバイスを受けていました。
ですが、Warisに入ってから2ヶ月が経った今、全くコミュニケーションに問題を感じたことがありません。私が、文字コミュニケーションが好きな方だから、ということもあります。Twitterもブログも複数アカウント持っていますので。ですが、そのほかに二つ大きなコミュニケーションがうまくいっている要因があるように感じています。
リモートワーク企業でのコミュニケーションのポイント1:WEB会議を気軽に開催
これも入社して驚いたことの一つなのですが、めちゃめちゃ気軽にWEB会議をしまくるんですね、Warisって。共同代表の一人が福岡、もう一人がベトナムにいるという事情もあるのですが、都内勤務の社員も、会議に外出先近くのカフェから入ったり、自宅から入ったりすることが日常茶飯事なんです。全員がオフィスに集合して打ち合わせができることってかなり少ない。常に誰かしらが、WEBで画面の向こうで参加しています。
やってみて思ったのですが、顔がみられてタイムラグあまりなく普通に会話ができれば、かなりリアルに近いコミュニケーションができるんですよね。
もちろん、リアルに会うのと、そうでない場合と、少しは違いがありますよ。画面に向き合っているということがある種のプレッシャーになるので、無駄なことを話すことを遠慮したり、呼吸が読めないのでなんとなく話を遮って言い出しにくかったりして「この話題は次会うときに話せばいっか」と思うこともあったりします。それでも、WEB会議をしているだけでも結構「毎日会ってる感」は出るなーと思ったりもします。(このあたりの違い、いずれ細かく考えてみたい。)
だから、離れていることでコミュニケーション取りにくい、みたいなことは、WEB会議の仕組みを全員が日常使いすることでかなり軽減できるんだなと思いました。
リモートワーク企業でのコミュニケーションのポイント2:対面で話すための仕組みづくり
とはいえ、やっぱり対面の方が話しやすいことがあったり、たわいもない話でちょっとほっとできる、みたいなこともあるわけです。
そのため、Warisでは1 on 1をカフェでやったときなどに経費が支給されたり、ランダムランチと言って、隔月でランダムに組み合わせられたメンバーとランチに行き、所属チームやアサイン、契約形態が異なり仕事上の交流がないメンバーとのコミュニケーションが図れます。また、年1回の合宿や家族参加のアウティングイベントなどもあります。
オフィスも、集中席と会話しながら働ける大テーブルがあって、大テーブルの真ん中にお菓子がいつも置いてあったりして、その時オフィスにいた人とよくおしゃべりや業務上の気軽な相談などをしています。
育成の仕組みも丁寧すぎてびっくりしたのですが、今は新人に対して先輩がほぼ毎日1on1をしてくれています。
そんなコミュニケーションを促進するあれやこれやの施策に助けられて、滞りなくうまくコミュニケーションが取れています。
リモートワークを体験して2ヶ月間。もう元には戻れない。
こういう環境で初めて働いてみて、最初はリモートワークをすること自体に緊張しましたが、今では「もう元の環境で働ける気がしない」と感じています。
今まではノートパソコンすら支給されていない会社にいたので、アポとアポの間、早く着いてしまうとその分事務仕事ができないからと、超ぎりぎりまで仕事をしてから走ってオフィスを飛び出し、1分前に取引先に着き、終わったらダッシュで会社に戻って事務仕事をしまくる、みたいなことがとても多くて、その移動だけでも疲弊していました。朝と夕方にアポが入ってしまうといったん会社に戻ったり…。体力的にも大変でしたし無駄な時間や移動がとても多かったと思います。
リモートワークを取り入れると仕事の密度がぐっと高まるので別の意味で疲れるのですが、ぎゅっと仕事をして早く帰りたい派の私としては本当にありがたいです。100時間を超える長時間労働をしていた頃もあったのですが、やっぱりああいう働き方は、長くは続けられません。体力的にはもちろんのこと、インプットができなくなるので、自分が薄っぺらくなっていくような感覚も辛かった……。サステナブルに仕事をするためには、こういう働き方は本当に必要だと思います。
世間でも言われているように、今後は、働き方の柔軟性が企業の競争力の源泉になっていくのではないでしょうか。
効率よくぎゅっと働き、その他の時間で勉強したりやりたいことをやることで、また仕事に良い影響が与えられます。
また、例えば東京に本社のある企業さんが、地方に住んでいるけれどすっごくいい人に出会ってしまったときに「東京本社に来られないから採用できない」というのはとてももったいないことです。いわずもがなですが、育児や介護、家族の転勤などの理由により優秀な社員が辞めざるを得なくなる、というのも大きな損失です。
もっともっと、リモートワークが普通にできるような社会になっていって、本当の意味でのダイバーシティが実現されていくといいなと思います。一人一人が、仕事にも仕事以外のやりたいことにも時間を割くことができ、自分の好きな場所で自分らしく生きられる、そういう社会になったらいいな!