こんにちは!株式会社ワクトの採用担当です。今回は、取締役の星山さんと、エンジニアの羽田野さん・黒谷さんによる対談をお届けします。
黒谷さんは未経験で入社1年目、羽田野さんは新卒入社3年目。現在、AI駆動開発の前線で活躍しています。
- ワクトが考える「AI駆動人材」に求められる力
- AI駆動エンジニア育成の取り組み
- AI駆動開発を通して得られるスキルや成長
についてお話しします。AIを使いこなせるエンジニアとして次のステージを目指したい方、AI駆動開発に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
まずは自己紹介をお願いします
ー本日はよろしくお願いします。まずは、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。
星山:ワクト取締役の星山です。2014年の創業期からワクトに関わっており、営業や採用、組織づくりなど、さまざまな領域を手掛けてきました。本日は、ワクトがAI駆動開発に踏み切った経緯や背景に加えて、今後どのようなエンジニアを求めているのかについてもお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
黒谷:入社1年目の黒谷です。もともとは重工メーカーに勤めていましたが、Webエンジニアとして活躍したいという思いからワクトに入社しました。本日は、AI駆動開発のリアルな体験を共有できればと思っています。よろしくお願いします。
羽田野:新卒入社3年目の羽田野です。AI駆動開発を始めた当初は使い方も分からず手探りでしたが、今ではだいぶ使いこなせるようになった実感があります。現場の本当のところをお話しできるのを楽しみにしています。よろしくお願いします。
左から星山さん、羽田野さん、黒谷さん
AI駆動開発に舵を切った背景
―ワクトがAI駆動開発に舵を切った背景を教えてください。
星山:背景にあるのは、自分たちを取り巻く社会環境の急激な変化です。AIの台頭もありますが、大きいのは労働人口の減少です。2040年までに7,000万人の労働人口が必要だとされている一方で、実際には6,000万人を切るというデータも出ています。
そうした中で、AIの領域と人間の領域をどう使い分けていくのか。そこに早い段階から向き合っていく必要があると考えました。
そのため、ワクトでは成長戦略のひとつとして「AI駆動開発組織への進化」を掲げています。
―AIの領域と人間の領域には、どのような棲み分けがあると考えていますか?
星山:AIが得意なのは、データの処理や最適解の算出、効率化といった領域です。一方で、人間が担うのはそれ以外の領域だと考えています。ゼロから何かを生み出す創造、相手の状況や背景を汲み取る共感、そして「なぜそれをやるのか」という意味づけの部分です。
AIが正しさや効率を担保してくれるからこそ、人間はその先の「意味」を設計できます。たとえば、ゼロから一を生み出す着想は人間の役割です。一方で、一から九まで形にしていく作業の部分は、今後かなりAIに置き換わっていくはずです。
ただ、最後の九から十の部分は、また人間に戻ってくると考えています。出来上がったものに社会的な意味を与え、どう実装していくのかを考えるには、人間の視点が欠かせないからです。
だからこそ、人間とAIの協業モデルが大事になっていくと思っています。
―顧客課題にも変化はありますか?
星山:大きく変わってきています。2022,3年頃まで、お客様の課題は「作業者の確保」が中心でした。
ただ最近は、お客様が求めるものが「作業者」から「ビジネスエンジニア」へと変わってきています。「ビジネスエンジニア」は私が作った造語ですが、つまりお客様のプロダクトやサービスを理解し、事業者側の意図を汲み取ったうえで、システム開発やサービス構想にエンジニアリングの立場から関わることができるエンジニアを指しており、そのようなエンジニアが求められていると考えています。
AIエージェントの登場によって、この流れはさらに加速していると感じています。
ワクトが考える「AI駆動人材」に求められる力
―AIと協業していくうえで、どのような能力が必要になると考えていますか?
星山:AI時代に活躍する人に求められる力は、大きく2つあると考えています。
ひとつは、アーキテクチャ力。複雑な物事を構造化し、最適な仕組みを設計する力ですね。システムエンジニアが持っている論理的思考に近いものだと思います。
もうひとつは、ビジネス力。お客様のサービスを理解し、本質的な課題を見極めたうえで、エンジニア目線で提案する力です。
お客様から共有いただいた問題の解決策を並べるだけでは、本質的な提案にはなりません。問題の奥にある本質的な課題を捉え、可視化する力が必要です。
ワクトでは、この「アーキテクチャ力」と「ビジネス力」の両方を兼ね備えた人材の育成に力を入れてきました。その代表的な取り組みが、2016年から続けている「ワクラボ」です。
―「ワクラボ」とは、どのような取り組みでしょうか?
星山:「ワクラボ」は、ワクトならではの価値提供とは何かを考える中で始まった取り組みです。
社員同士のコミュニケーションの場をつくることに加え、エンジニアにも顧客接点や上流工程の視点を持ってほしいという思いから、10年以上続けてきた4種類の社内ワークです。
月に1度全社員が本社に集まり、5〜6名のチームでプロジェクトワークに取り組んでいます。ビジネスモデルの創造やPoC、最先端技術の検証などを通じて、エンジニア自身がビジネス視点を養う場になっています。
ワクトが昔から大切にしてきたこの考え方が、今のAI時代に求められるアーキテクチャ力やビジネス力の土台にもなっていると感じています。
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AI駆動エンジニア育成の取り組み
―AI駆動開発を推進するうえで、どのような組織を目指していますか?
星山:大きなビジョンは、単なる技術提供にとどまらず、AIを駆使して価値創造ができる企業へ進化することです。組織としても変化しながら、持続可能な企業を目指していきたいと考えています。
成果目標としては、3年以上のエンジニア経験を持つ社員の30%以上を、AI駆動開発エンジニアへ成長させることを掲げています。
そのために、AI駆動開発エンジニアの育成研修、これまで継続してきたビジネス力の強化、そして収益構造そのものの転換という、3つの取り組みを進めています。
―AI駆動エンジニアの育成研修では、どのようなことを行っていますか?
星山:5月から12月まで、座学、実務、ナレッジ共有を繰り返す研修を導入しました。対象者にはClaude Codeのアカウントを付与し、実際にAIを使いながら開発に取り組んでもらっています。
ポイントは、担当部署のメンバーとやり取りしながら、要件定義から進めることです。最終的には12月に評価とレベル分けを行い、AI駆動開発エンジニアとして認定します。
ーレベル分けは、どのように行うのでしょうか?
星山:スキルマトリックスを作成しています。10のカテゴリと34のスキル項目について、5段階で評価する仕組みです。
スキルレベルを可視化する狙いは2つあります。ひとつは、チーム全体の品質を安定させること。
もうひとつは、エンジニア一人ひとりが自分の現在地を把握し、次の目標を立てやすくすることです。数多くの技術に触れても、自分がいまどの位置にいるのかは分かりにくいものです。可視化することで、上を目指すための指針になると考えています。
AI駆動開発の体制と現場での進め方
―AI駆動開発の体制イメージを教えてください。
星山:私たちが目指しているのは、PMやSEの下にAIエージェントが入り、AIエージェントと協業しながら開発を進める体制です。
この体制では、AIを使いこなすだけでなく、何をつくるべきか、どう設計すべきかを考える力がより重要になります。
また、AIによって開発サイクルは短くなりますが、品質を担保するには、人間によるレビューやセキュリティ面の確認が欠かせません。AIに任せる部分と、人間が判断する部分を切り分けながら進めていくことが重要です。
星山:羽田野さんと黒谷さんは、AI駆動開発の2案件目に入っていますね。どうやって知見を培ってきましたか?
羽田野:最初は「AI駆動で進めたら早いよね」という話から始まり、DevinやCursorを使いながら、少しずつ進め方を試していきました。前の案件は10月から4か月間取り組み、実際に形にできたことで、「こう進めれば形になる」という知見が溜まっていきました。
実際に4ヶ月で開発できたことで、「こう進めれば形にできる」という知見が溜まっていった感覚があります。
黒谷:私は、参画した段階でAI駆動開発の試験的なフローがある程度定義されていました。まずはその流れに沿って、設計書づくりから進めました。
既存の画面デザインや要件定義をもとに、画面設計やAPI設計などについて、AIを使って設計書を作成していきました。
星山:設計書の作成からAIエージェントを活用すると、人間が書くより正確な部分もありそうですよね?
黒谷:そうですね。最初の網羅的な書き出しはAIが一瞬で作ってくれます。ただ、抜け漏れはあるので、最終的には人間のチェックが必要です。
AI駆動開発で生まれる変化と価値提供
ーAIを使うことで、開発の進め方に変化はありましたか?
羽田野:一番変わったのはスピードです。AIに考えた内容を渡せば、作業の部分はかなり任せられます。自分の思考を止めずに、スピード感を持って進められるようになったことは大きな変化です。
星山:そこは、チャット型AIと自律型AIの大きな違いですよね。開発のあり方が本当に変わっていくと、私も実感しています。
黒谷:私はAIを使わない開発を経験していないので、何が変わったかを比較するのは難しいのですが、エンジニアに求められる基礎は変わっていくと感じています。
これまではコーディングが基礎にあるイメージでしたが、今後はアーキテクチャの考え方や、どう設計するかといった部分が、より重要になっていくのではないかと思います。
星山:そうですよね。開発スピードが上がったぶん、実際にどんなことができるようになりましたか?
羽田野:お客様へのヒアリングやワークセッションの時間を、以前より広げられる感覚があります。
考えた内容をすぐAIで形にしてお客様に見せられます。話した内容が反映されていることが伝わるので、お客様の安心感につながると思いますね。
星山:打ち合わせ中に指示を出しておけば、終わる頃にはプロトタイプに近いものが見える。そういう世界観ですよね。
プロトタイプを見ながら会話できれば、お客様との認識のずれも減らせます。お客様のサービス理解や、本質的な課題を可視化する時間が増えることも、AI駆動開発の大きな価値だと感じますね。
ーAIを使ううえで、セキュリティ面はどのように考慮していますか?
黒谷:AI駆動開発では、システム上のセキュリティに穴がないかを確認することが重要です。
実際に、AIにコードを書かせる際には、セキュリティ上の問題がないかもあわせてレビューさせていました。また、実装時には「こういうことはしてはいけない」というルールを決めたうえで進めています。
ただ、設計やテスト結果を見ながら問題がないかを確認し、最終判断は人間が行う方針です。
ワクトだから挑戦できる、AI駆動開発の現場
星野:実際に取り組んでいる二人から見て、ワクトでAI駆動開発を進められる良さはどんなところにありますか?
黒谷:全社でAI駆動開発の研修を行っていて、自分のプロジェクト以外の知見も共有してもらえるのがありがたいです。Claude Codeのアカウントも会社から付与されるので、環境を整えてくれていることは大きいと感じています。
羽田野:実際の案件でAIを使って開発できることが一番大きいです。研修や個人で試すだけではなく、実務の中で「AIをどんどん使っていこう」という方針で進められているのは、すごく良い経験だと思っています。
最後に、未来の仲間へ
ーワクトへの入社を考えているエンジニアの方へ、お一人ずつメッセージをお願いします。
黒谷:もし不安があるなら、まずは来てみてほしいです。周りに教えてくれる先輩がいて、一人で抱え込むことはありません。未経験から入った私でも、AI駆動開発の現場で挑戦できています。
羽田野:「AIって面白い」と思える人なら、絶対に合うと思います。新しいものをどんどん試せる環境なので、その面白さを一緒に楽しめる方と働きたいです。ぜひ一緒にやりましょう。
星山:ワクトは成長戦略として、AI駆動開発組織への進化を掲げ、本気で注力しています。
私たちが目指しているのは、AIエージェントを使いこなすだけでなく、ビジネス要件を理解し、お客様と折衝できるエンジニア——いわば「ビジネスエンジニア」です。コードを書くだけでなく、技術とビジネスの両方を結びつけ、本質的な課題を発見して価値を創出できる。そうした人材を、ワクトで育てていきたいと思っています。
技術だけを突き詰めたいという方はもちろん、自分の中に新しい軸を身につけて、さらに高みを目指したいという方に、ぜひ来ていただきたいですね。
星山さん、羽田野さん、黒谷さん、ありがとうございました!