株式会社バニッシュ・スタンダード(以下、VS)は、主力事業「STAFF START」を通じて、店舗スタッフの価値最大化に挑戦し続けています。
このたび、プロダクトマネージャー(PdM)としてジョインした金子 晃久(以下、Akiさん)が、開発組織のマネージャーに就任しました。同時にVSでは、Product Strategy Office(事業開発、プロダクト戦略)とDev Unit(プロダクト開発)を統合するという、組織の大きな転換に踏み出しています。
なぜ、いま統合するのか。AIがコードを書くことが当たり前になった時代に、エンジニアの価値はどこに残るのか。「モノをつくる」から「コトを生み出す」へ。その問いを、Akiさんに聞きました。
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【社員インタビュー】魂が震える感動をつくるために、枠を超え続けるプロダクトマネージャーの終わりなき挑戦 | 株式会社バニッシュ・スタンダード
金子 晃久(かねこ あきひさ)
2004年ソニー株式会社入社。ソフトウェアエンジニアとして、カメラ開発やAndroidタブレット向けアプリ開発などに従事。その後、研究開発部門にて、新規事業開発、要素技術を活用したプロダクトコンセプト策定、ウェアラブルデバイスの音声UX改善プロジェクトなどを推進。2018年からクックパッド株式会社にて、事業責任者としてスマートキッチン事業や食のC2Cマーケット事業の立ち上げを牽引。2023年ポケトーク株式会社に入社、PdMとして、B2C/B2BプロダクトのGo-to-Marketを主導。2025年8月にバニッシュ・スタンダードに入社。
(聞き手:Corporate Design・横地 健)
なぜ今、開発組織のマネージャーなのか
ーーPdMとしてジョインされてから、開発組織を率いる立場になりました。ご自身の中で、どんな変化や意志があったのでしょうか。
Akiさん:もともと僕がVSに入ってきたのは、「好きを、諦めなくていい世の中を。」というプロダクトビジョンに惹かれたからです。開発チームと一緒に作ったプロダクトを世に届けることによって、そのビジョンを実現していきたい。 前回のインタビューでは、「作れる人が一番偉い」というエンジニアへのリスペクトについて話しました。その気持ちは今も変わっていません。
変わったのは、ビジョンとの距離感です。PdMとして仕事を進めるほど、このビジョンは事業開発側だけでは実現できない、開発チームと一体にならないと届かない、という実感が強くなっていきました。事業開発チームが考えて、開発チームが作る、という分担のままでは越えられない壁がある。それなら、自分がその壁を取り払う側に立とうと。それが、この役割を引き受けた一番の理由です。
ーー会社から期待されている役割を、ご自身の言葉ではどう捉えていますか。
Akiさん:個人として能力の高いエンジニアの力を、ビジョン実現のために最大限発揮できるようにすることです。これに尽きると思っています。
そのために必要なのが、プロダクトビジョンの共有です。
エンジニアのみんなは、カタチにすることのプロ、つまりHowのプロなんですよね。これまでは、ざっくりいうと、事業開発チームがWhyやWhatを考えて、開発チームがHowを実現する、という分担でした。
これからは、その手前のWhyからタイムリーかつ具体的に共有していきます。「なぜこれを作るのか」を、納得いくまで理解を深めて、腹落ちさせていく。Whyが本当に共有できていれば、「じゃあ何を作るべきか」というWhatは、開発チームの中から自ずと出てくるようになると思っています。
ーーこれまでの0→1の事業立ち上げ経験は、組織を率いる今、どう活きていますか。
Akiさん:「最初はうまくいかないことがあって当たり前」という前提に立てることですね。
ゼロイチって、自分の仮説はだいたい外れるところから始まるんです。だから、外したら終わりということではなくて、むしろそこを出発点として改善していく。このマインドが身についているのは大きいと思います。
その前提があるから、チーム内に新しい視点や意見があれば、柔軟に取り入れられるんです。自分と違う意見を言ってくれるメンバーがいるのは、正直すごくありがたいですし、発見もある。そこにおもしろさも感じています。
「モノ」を組み立てる組織から、「コト」を生み出す組織へ
ーーProduct Strategy OfficeとDev Unitを統合する。これは組織図上の変更以上の意味があると思います。その真意を教えてください。
Akiさん:一言で言えば、トライ&エラーの質・量・スピードのすべてを高めることです。
僕たちが目指したい世界を体現する「コト」づくりを磨くには、できるだけ具体的かつタイムリーに、お互いの持つ情報を共有し合うことが必要です。ユニットが分かれていたことで、共有のたびに翻訳や伝達のコストがかかり、どうしても距離と時間差が生まれてしまっていた。統合は、その距離をゼロに近づけるための選択です。
ーー「モノをつくる」と「コトに向き合う」は、現場の開発でどう違ってくるのでしょうか。
Akiさん:まず前提として、アウトプットの量やスピードは、AIによって圧倒的に加速しました。
一昔前は、これはVSに限らず一般論ですが、コンセプト、つまり未来をカタチにしていく過程で、何週間、何か月もかけて作ったものが「なんか違う」となることがありました。手戻りのコストが大きすぎて、試行錯誤の回数そのものが限られていたんです。
それが今は、AIを使えばコンセプトから動くプロトタイプまで一気に作れます。頭の中で想像するだけではなく、実際に触って、体験を通じて価値を確かめられる。「思っていたのと違う」と早く気づけますし、逆に「これは良い」と思った体験を、仲間同士ですぐ共有できるようになりました。
この変化が、コトづくりの起点の在り方も変えていきます。これまでは事業開発系のメンバーが起点になることが多かった。でもこれからは、事業開発もエンジニアも境界がなくなって、チームの誰もが起点となって未来を共有し合うようになっていくと思っています。
ーー機能をリリースしても、「顧客価値の完了」まで届ききらない。その壁はどこにあったと見ていますか。
Akiさん:壁の正体は、インプットです。アウトプットの量やスピードはAIで高められますが、質を決めるのはインプットなんです。これは、優れた開発チームであってもAIであっても変わりません。
どれだけ速く作れても、「解くべき課題」の定義が浅いと顧客の課題解決というゴールまでは届かない。逆に言えば、インプットの質を上げることが、壁を越える方法だと考えています。
ユニットの統合によって、経営ビジョン、現場の課題、プロダクトコンセプトといった情報を、これまで以上に密に共有していきます。インプットの質と量が変わることで「自分たちのサービスはなぜ必要とされるのか」「本当に顧客やユーザーの課題解決になっているのか」ということに頭と時間を使えるようになります。
ーー統合によって、エンジニアの仕事は何が変わりますか。
Akiさん:AIでプロトタイプを作るハードルは下がった、と言いました。ただ実際のところ、自分の手で作れるエンジニアほど、AIを使いこなすのもうまいんです。自分でも作れる力は、AI時代においてむしろ強みとして効いてきます。
その上で、これからのエンジニアの価値を分けるのは、WhatとWhyを行ったり来たりしながら、本当に使われる価値のあるサービスを生み出す領域にどれだけ踏み込めるかだと思っています。統合は、その領域への扉を開くための変化でもあります。そして、VSのエンジニアは既にそちらへ動き始めているんです。
AIがコードを書く時代に、エンジニアの価値はどこへ向かうのか
ーーAIがコードを書くのが当たり前になりつつある今、エンジニアの市場価値はどう変わると見ていますか。
Akiさん:一言で表現するなら、「画面の外側で起きていることを、どれだけ想像できるか」です。
どんな場所で、どんなシーンで、誰の、どんな課題を解決するのか。どんな価値を提供するのか。これらはすべて、画面の外側、つまり現場で起きていることなんです。コードを書く力がコモディティ化していく中で、現場を深く理解してユーザーの課題解決にこだわる。そのマインドがあるエンジニアの価値はこれからますます高まっていくと思います。
VSで輝くのは、どんなエンジニアか
ーーどんなスタンスの人が、VSの開発組織でfitすると思いますか。
Akiさん:キーワードは「越境」です。
自分で考えたコンセプトを、自分でカタチにできたら最高ですよね。でも実際に最高のユーザー体験を作ろうとすると、自分の担当範囲だけでは手が届かない場面が必ず出てきて、もどかしさを感じるはずです。そのときに「担当じゃないからやめておこう」ではなく、目的のためなら担当領域を超えていく。そういうマインドがある人が、VSにはフィットすると思います。
ーー逆に、VSでは活躍しづらいタイプがあるとしたら、どんな人でしょうか。
Akiさん:うちに限った話ではないと思いますが、機能を提供したら自分の役割は終わり、と考える人は難しいかもしれません。
VSが提供しているサービスは、BtoBtoEtoCという、登場人物も多く、最終的な消費者心理までが対象となる複雑な領域を対象としています。
だからこそ、「誰が、どんなシーンで、なぜ使うのか」「提供した機能で本当に課題を解決できているのか」まで追求できる方にとっては、活躍の幅がどんどん広がっていきます。VSには越境を歓迎する環境があるので、目的ドリブンで、どんどんはみ出ていってほしいです。
これから、どんなプロダクトをつくっていくのか
ーー今後のプロダクトロードマップを、ざっくり教えてください。
Akiさん:今年に入って、3つのサービスをリリースしました。リアル店舗での接客の質を高める「顧客カルテ」、お客様とのつながりをより強化する「スタッフCRM」、お客様からの感謝が届く「ありがとうポスト」です。今は、店舗スタッフやブランドのファンをもっと増やしていくために、これら3つのサービスの連携を強化しているところです。
その先も、主役は店舗スタッフであることは変わりません。
店舗スタッフにファンがついて、集客もできて、クロージングもできて、リピーターも増やせるようになる。これは、ブランディング、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスを一人で担っているようなものです。本来なら高度な専門知識が求められる仕事を、それを意識することなく誰もが実践できるようにしていきたいと考えています。
ーー複雑なデータ分析を、現場の「簡単さ」に転換する。エンジニアにとっての醍醐味はどこにあるのでしょうか。
Akiさん:前提として、現場の店舗スタッフは、とにかく忙しいんです。接客の合間に、複雑な画面を読み解いたり、データを分析したりする時間はありません。
だから、裏側でどれだけ膨大なデータを扱い、高度な分析をしていたとしても、使う側にはそれを一切意識させず、画面を開いた瞬間に「次に何をすべきか」が直感的にわかる。そのくらいシンプルに使いこなせる状態を作ることが必要だと考えています。
つまり、複雑さは僕たちが全部引き受けて、現場には簡単さだけを届ける。裏側が高度になればなるほど、表側はシンプルでなければいけない。この落差が大きいほど難しい仕事になりますが、その難しさこそ、エンジニアにとっての醍醐味だと思っています。
AI時代だからこそ、「人」の価値はより際立ってくるはずです。スタッフの力で世の中に感動を届ける、というチャレンジはこれからも続きます。
未来の仲間へ
ーー最後に、この記事を読んでいる未来の仲間へ、メッセージをお願いします。
Akiさん:みなさんにも、過去に受けた感動的な接客が、それぞれあると思います。
自分が出かけた先で出会ったスタッフさん。あるいは、友人や家族が感動の接客を受けているシーン。そういう場面を、少し思い浮かべてみてほしいんです。
どこに行くにも、会いたいと思えるスタッフがいてくれる世界。
そして実は、そのスタッフさんはSTAFF STARTを使っていて、そのSTAFF STARTを作っているのは自分たちだ。そう思えたら、最高に誇らしくないですか。
そんな未来を一緒に作っていきたい方に、ぜひジョインしていただきたいです。