株式会社バニッシュ・スタンダード(以下、VS)は、「STAFF START」を通じて店舗スタッフのエンパワーメントに挑戦し続けています。今回登場するのは、2026年にセールス責任者として参画した今井昭寛(いまい あきひろ)さん。
アパレル小売の販売員からキャリアを始め、本社のマーケティング、LINEでのプラットフォームビジネス、EC事業責任者まで、常に「現場」を軸に駆け抜けてきました。そんな今井さんが見据えるのは、目先の数字ではありません。「VSのセールスは、本来もっと深いところで戦えるはず」と語る彼に、その言葉の真意と、新任責任者としてのリアルな挑戦を聞きました。
今井昭寛・いまいあきひろ 株式会社ライトオンにて、販売員として9年間店頭に立ったのち、本社でマーケティング・販売促進・PRを統括する担当役員に就任。2019年、LINE(現・LINEヤフー)へ転じ、LINE Payのエンタープライズ向けカスタマーサクセス、LINEミニアプリ/DX事業の立ち上げ、LINE公式アカウントの売上責任者を歴任。その後、アパレル企業でのEC事業責任者を経て、2026年に株式会社バニッシュ・スタンダードに参画。小売現場の感覚とプラットフォームビジネスの知見を融合させ、現在は「STAFF START」のセールス責任者として、組織と事業の成長を牽引している。
(聞き手:Corporate Design・横地 健)
役員になっても、店頭に立ち続けた理由
ーーまずは、これまでのキャリアを教えてください。
今井さん:キャリアのスタートは、ジーンズショップの「ライトオン」の販売員でした。9年ほど店頭に立った後、本社へ異動してマーケティングや販売促進、PRを担当し、最終的にはその領域の担当役員を任せていただきました。ちょうど時代が、折込チラシやDMといった「紙」の手法から、メルマガやLINEなどの「デジタル」へ移り変わる過渡期で、その両方を現場で泥臭く経験できたことは大きな財産になっています。
ーー店舗から一気に本社役員まで駆け上がったのですね。そこからなぜ転職を?
今井さん:会社の内側からだけでなく、「外側からアパレル・小売業界全体に貢献できる道はないか」と考えるようになったんです。そんな折に声をかけていただき、2019年にLINE(現・LINEヤフー)へ転職しました。
最初はLINE Payのエンタープライズ向けカスタマーサクセスとして、セブン-イレブンさんをはじめとする超大手クライアントとの共同キャンペーンなどを担当しました。その後、LINE公式アカウントの売上責任者や、アパレルEC企業の事業責任者を経て、2026年にVSへとたどり着きました。
ーー キャリアを重ねる中で、一貫して大切にしてきた軸は何ですか?
今井さん: 「現場感覚を、絶対に手放さないこと」。これに尽きます。 肌触りのある商売をずっとやってきたので、いちばん大事なのは、その先にいるお客さまだと思っているんです。
販売員時代は、役員になってからも日曜日は必ず店頭に立たせてもらいました。朝のオープンから夕方まで、本当に一販売員として。そうしないと、現場の感覚が分からなくなってしまう気がして、これは役員時代も長く続けましたね。
LINEに移ってからも、クライアントさんのお店や事業所には必ず足を運んで、自分で体験するようにしていました。これは部下にも徹底させていました。やっぱり、すべては現場から始まると思っているので。
逆に、直前のEC企業では、少しその感覚が足りなくなる怖さを感じていました。数字やデータは驚くほど詳細に見えるんです。「17歳女性で、購入導線はこう」というように。でも、お客さまの「顔」が思い浮かばない。データは出ているのに、です。そこに、少しだけ物足りなさを感じていたのかもしれません。
ふと立ち止まった先で、たどり着いた「本当にやりたいこと」
ーー 多くの選択肢がある中で、なぜVSを選んだのですか?
今井さん:きっかけは、LINE時代に一緒に仕事をしていた旧友との何気ない食事でした。彼に「お金とか関係なしに、本当は何がやりたいんだ」と問われたんです。そのとき素直に答えたのが、「いろんな優秀な人と、いろんな仕組みをつくって、一緒に世の中をよくしていきたい」ということでした。それはまさに、LINE時代にアプリを通じて多くの企業さんとやってきた、あのワクワクすることだったんですよね。
しかも僕は、やっぱりアパレルや小売が好きなんです。だったら、クライアントのブランドや顧客体験をよくする「支援する側」にもう一度立ちたい。そう話したら、彼が言ったんです。「それ、VSじゃないの?」と。確かにそうだ、と。すごくシンプルに腑に落ちました。
ーー 実際にVSの話を聞いて、どう感じましたか?
今井さん: 想像していた以上に、面白かったんです。
単にスタッフのコーディネート投稿を載せるツールで終わるのではなく、購入の瞬間を超えて、スタッフ一人ひとりのファンを増やし、その輪を広げていく。そんな深い世界観に、ものすごく共感したんです。
しかも、これはアパレルだけの話ではない。スーパーマーケットやコンビニといった、これまであまり接点のなかったあらゆる業界の現場にも広げていける。そう想像したらワクワクが止まらなくなって、「好きを諦めなくていい世の中をつくる」という彼らの思想を、もっと多くの場所に届けたいと本気で思えたんです。
VSの強さは「世界観」にある。だからこそ、そこで勝負したい
ーー 入社前のイメージと、実際に働いてみてのギャップはありましたか?
今井さん: ひとつは、人の雰囲気ですね。以前のVSは「ファッションが好きな人が集まっている会社」というイメージがありました。微細な変化ですが、今はファッションやおしゃれが好きというより、「この会社のカルチャーが好き」で入っている人が多い気がします。いい意味で、等身大の感覚を持った人たちが、ちゃんといるんです。これは新鮮な発見でした。
ーー セールス組織については、どう感じましたか?
今井さん:いちばん強く思ったのは、VSのセールスの本質は「機能を売ること」ではないということです。お客さまの課題に深く入り込んで、一緒に解決策を描いていく。ソリューションセールス、もっと言えばコンサルティングに近いと思っているんですよ。CSも同じです。
それが競合の出現などもあって、いつの間にか「投稿ツールの機能合戦や価格の話」に巻き込まれそうになっていた。でも、VSの本当の強さは世界観にあります。「スタッフを輝かせたい」「好きを諦めなくていい世の中をつくりたい」。そういうビジョンがあって、それを実現する手段としてサービスがある。「こんな世界を一緒につくりませんか」と問いかけられること。それこそが、他にはないVSの武器なんですよ。
だからこそ、僕はそこで勝負したい。新しい世界観をもう一度ちゃんと語れる状態になってきた今だからこそ、VSらしいセールスを取り戻して、もっと前に進めると確信しています。
ーー その「世界観で勝負する」を、入社後に実感した瞬間はありましたか?
今井さん:ありました。僕が昔から大好きで、ゴルフの時も普段着も愛用しているアパレルブランドの案件と、スーパーマーケット業界の案件を、入社して間もなく受注できたんです。
もう、天国でした(笑)。
機能の説明で勝ち取った契約ではなく、「一緒にこういう世界をつくりましょう」と語り合えるパートナーになれたんです。世界観で戦うって、こういうことなんだなと。早い段階でこの手応えを得られたことが、「ここでやっていける」という自信に繋がりました。
ーー LINE側からVSを見ていた頃は、どう映っていましたか?
今井さん: 半分、羨ましかったですね。アパレルのスタッフさんという領域に、サービスとしてグイッと深く入り込んでいる。きっと、すごく手触り感を持って仕事ができているんだろうな、と思っていました。
実際、当時のVSのセールスやCSの方々は、クライアントと本当に深い関係を築いていたんです。LINEの巨大な組織では、なかなかそこまでの距離感は持てなかったので、率直に羨ましく感じていました。その距離の近さこそが、VSの一番の財産だと思います。
「組織」になる前に、戦略から逆算して人を動かす
ーー 現状、セールス組織の課題はどう捉えていますか?
今井さん: 少し乱暴な言い方をすると、まだ50人規模の会社ですし、綺麗な「組織」と呼ぶほどの規模じゃないんです。だからこそ、一人ひとりの得意・不得意がはっきり見えます。気になっているのは、それぞれが本当に自分の得意な領域で力を発揮できているか、ということです。そこには、まだ伸びしろがあると感じています。
ーー どうすべきだと考えていますか?
今井さん: いちばん大事なのは、会社としての成長戦略を、どう描くかです。 たとえば「新規のMRR(月次経常収益)を伸ばす」と会社として決めたなら、種を蒔く時期、刈り取る時期、育てる時期で、必要なリソース配分はまったく違うはずです。だったら、その時々でチーム編成を変えてしまっていい。
今は新規獲得がいちばん必要だと決めたなら、新規を獲るための布陣にもっと寄せていいんです。でも、ある時期まではここに集中して、それ以降は刈り取りと、導入済みのお客さまを育てる方へ人を振り直す。そういう戦略的な動かし方ができるはずなんですよ。個人の強みを見極めながら、そうした動かし方ができるチームにしていきたいですね。
「人だけで終わらない」からこそ、面白い
ーー STAFF STARTは関わる人が多く、EC部門だけでなく店舗部門の理解も必要です。この「部門横断の合意形成」の難しさを、どう捉えていますか?
今井さん: 実は僕、「むしろ、それでいい」と思っているんです。 普通のデジタル広告って、運用している本人にしか効果が分からないことが多いんですよ。周りの人は「まあ、効果があるんだね」くらいの理解で終わってしまう。
でも、僕らのサービスは違います。経営層も、EC部門も、店舗のスタッフ部門も、みんなが「このサービスは、お店でこんな効果を出してくれているんだ」と認識してくれる。そんなサービス、そうそうないんです。だったら、多くの人を巻き込む手間は、むしろ喜んでかけようよ、と。関わる人が多いのは、それだけコアな部分に入り込めている証拠なんですから。
ーー「導入したいが、店舗スタッフのリソースが足りない」という声には、どう向き合いますか?
今井さん: 僕のやり方は、シンプルです。「ぜひ、店舗の方と直接話させてください」とお願いするんです。「現場が手一杯で無理」という声は、たいてい本部の方の想像で語られていることが多いんですよ。だから、実際に現場の方と話して、実態を確かめます。
それに、これは僕がこれから伝えていきたいことなんですが、STAFF STARTは、ECだけでなく店舗の売上にも大きく貢献しているはずなんです。日本のアパレルや小売のEC化率は、まだ2〜3割ほど。残りの大半は店舗の売上です。
だとしたら、店舗への貢献のほうが、ただ「見えていないだけ」で、本当は大きいはずなんですよ。来店客数の増加や、サイト内での指名検索の増加。そうした店舗への効果を、もっと見えるかたちで伝えていきたいですね。
目指すのは、「VSと組めば、絶対うまくいく」と言われる集団
ーー 今後、セールス組織や会社をどうしていきたいですか?
今井さん:クライアントさんから信頼され、期待され続けるメンバーを、とにかくたくさん育てたいです。 「VSと一緒にやれば、最初うまくいかなくても、絶対うまくいくようになる」「ちゃんとこちらのことを考えてくれている」。そう言ってもらえるメンバーを揃えたいんですよ。
僕が考えるVSのセールスって、本来こういうものなんです。まず、クライアントさんが自分の顧客に「どんなカスタマージャーニーを体験させたいか」をちゃんと把握する。そして、現状のお客さま体験との「ギャップ」がどこにあるのかを整理して、どうすれば改善できるのか、僕らが助けられる部分はあるのかを一緒に考えていくんです。
これこそが重要なポイントで、「投稿、やりませんか」ではなく、クライアントが描きたい顧客体験そのものを一緒に語り合えるところまでいく。そこまでやりきらないと、本当の意味で僕らのサービスは活きないんです。
ーー それは、サービスで世の中に届けたい思想そのものですね。
今井さん: そうなんです。頑張っている人を、しっかり評価する。これって、STAFF STARTというサービスの根幹そのものなんですよね。スタッフさんの頑張りを可視化して、正当に評価するためのサービスなんですから。
だとしたら、まず僕らVS自身が、それを体現していなきゃいけないと思っています。社内で頑張っている人が、ちゃんと報われる会社であること。「VSにおける頑張りとは何か」を、みんなが納得できるかたちで言語化して、実現していきたいんです。サービスで世の中に届けたいことを、まず自分たちの中で叶える。そこは、強くこだわりたいところですね。
「自分の強み」を、誰よりも自分が知っていてほしい
ーー 最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
今井さん:僕がずっと大切にしているのは、「自分の強みをしっかり知って、それを最も発揮できる場所で全力を尽くすこと」です。
自分の弱みには気づきやすく、誰かに助けてもらうこともできますが、強みは意外と自分では気づけないものです。VSの仲間になるなら、ぜひ一度、ご自身の強みを徹底的に見つめ直してみてください。その強みが活きる場所が、きっとここにあります。
機能ではなく、世界観で売る。今井さんが取り戻そうとしているのは、お客さまの課題に深く入り込み、その先の体験まで一緒に描いていくセールスのかたちなのだと思います。
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