【社員インタビュー】ただの支援では終わらない。店舗スタッフが輝く仕組みのど真ん中に切り込む、カスタマーサクセスの1日
株式会社バニッシュ・スタンダード(以下、VS)は、「STAFF START」を通じて店舗スタッフのエンパワーメントに挑戦し続けています。 今回ご登場いただくのは、カスタマーサクセス(CS)チームで活躍する栢木(かやき )碧(以下、栢木さん)。
彼女が語るCSの仕事は、一般的な「問い合わせ対応」や「ツールの使い方サポート」という枠には収まりません。時にはクライアントの人事制度にまで踏み込み、時にはシステム開発の要件定義にまで深く関与する──。 なぜ、そこまでやるのか? その原動力にある「スタッフが輝ける世界を作りたい」という熱い想いと、泥臭くも刺激的なCSのリアルな1日に迫りました。
栢木 碧(かやき みどり)
アパレル企業にて7年間、店長および店舗運営に従事。現場でのSNS施策やチームマネジメントを通じて店舗成長に貢献。その後、IT業界へ転じ、バックオフィスシステムのカスタマーサポートや営業企画としてBtoBビジネスの知見を深める。 2025年、株式会社バニッシュ・スタンダードに参画。小売現場の視点とIT領域の経験を融合させ、現在は「STAFF START」のカスタマーサクセスとして、クライアントの課題解決に向けた伴走支援に従事している。
(聞き手:Corporate Design・横地 健)
「売上」の先にある、「人」が輝く未来を見据えて
ーー まずは、栢木(かやき)さんが考えるVSのカスタマーサクセスの役割について教えてください。
栢木さん: 私たちのミッションは、単にクライアントのEC売上を上げることだけではありません。もちろん、数字としての成果は重要です。ただ、その先にあるものこそが本質だと考えています。
それは、クライアント企業の店舗スタッフが、生き生きと働ける環境をつくることです。
店頭に立っているスタッフの中には、私が直接お会いしたことのない方もたくさんいます。それでも、「STAFF START」を通じて自分のファンを増やし、その成果がきちんと評価され、給与や表彰といった形で報われていく。そんな状態をつくることが、私たちCSの役割だと思っています。
だからこそ、仕事の範囲はとても広いです。ツールの使い方をご説明するだけでは終わりません。クライアント企業のEC担当者様や店舗運営責任者様、場合によっては人事や経営層の方々とも議論を重ねながら、「どうすれば投稿が継続するのか」「どうすればその努力を正当に評価できるのか」といった仕組みそのものを一緒に設計していきます。
売上を上げることはゴールの一つですが、その先にいる「人」まで責任を持つこと。それが、VSのカスタマーサクセスだと考えています。
カオスも楽しむ。CSの「リアルな1日」
ーー 具体的に、どのようなスケジュールで動いているのでしょうか?CSの「リアルな1日」を教えてください。
栢木さん: 日によって動きは大きく変わりますが、スケジュールはこのような流れです。
【ある日のスケジュール】
09:30 出社・メール/Slack確認
クライアントからの連絡は最優先で確認します。誰がボールを持っているのかを明確にし、自分が対応すべきものはできるだけ早く処理する。必要があればすぐにエスカレーションするなど、初動のスピードを意識しています。
10:30 社内MTG(ナレッジ共有など)
担当案件の共有や、成功事例の横展開を行います。
11:00 重要プロジェクト定例MTG
開発・プロダクト・CSの3チームで、大規模リプレイス案件の進捗を確認します。タスク単位まで落とし込み、リリースに向けた課題を一つずつ整理していきます。
12:00 ランチ
13:00 クライアント定例会(オンライン/訪問)
運用状況の報告に加えて、現場で起きている課題をヒアリングします。数字だけでなく、その背景にある組織や体制の話まで踏み込むことも多いです。
15:00 突発対応・資料作成
問い合わせ対応や、改善提案に向けたデータ分析を行います。予定通りに進まないことも多いので、優先順位を都度見直しながら進めます。
17:00 社内連携・相談
エンジニアやセールスに顧客の要望を共有し、実現可能性をすり合わせます。案件によっては仕様の議論まで踏み込みます。
19:00 退社
ーー「重要プロジェクト定例MTG」というのは、毎日実施されているのですか?
栢木さん:はい。現在担当している大手クライアントのリプレイス案件が佳境に入っているため、関係者全員で毎日30分の定例ミーティングを行っています。
その場では、「今日進めるタスクは何か」「リリースまでに解消すべき論点は何か」を具体的なToDoレベルまで落とし込み、役割分担を明確にしています。スピード感が求められるフェーズなので、認識のズレをその日のうちに解消することを意識しています。
この案件は、単なるツール導入ではなく、システム開発を伴う大規模なプロジェクトです。そのため、CSだけで完結することはありません。プロダクトマネージャーやエンジニアと密に連携しながら、要件を正しく理解し、それを実際の業務フローにどう落とし込むかまで一緒に考えています。
機能として実装できるかどうかだけでなく、「現場で本当に運用できる形になっているか」まで責任を持つ。その視点を持ちながら、日々議論を重ねています。
ーー 業務の中で、「定常業務」と「突発業務」の割合はどのくらいですか?
時期や担当案件によって変わりますが、体感では定常業務が7〜8割、突発業務が2〜3割くらいです。
ただ、この「2〜3割」がなかなか大変で(笑)。
たとえば、「システムの挙動がおかしい」といった問い合わせから始まり、調査を進めるうちに改修が必要な案件だったり、バグが見つかったりすることもあります。関係者とのやり取りが重なり、メールが100件近くに及ぶことも珍しくありません。
定常業務では、「スタッフの参加率をどう上げるか」「評価制度をどう設計するか」といった本質的な課題に向き合い、ある程度中長期のストーリーを描きながら進めていきます。
一方で突発業務は、「ログインできない」「異動したスタッフのアカウントはどう扱うか」といった、緊急性の高い個別対応が中心です。規模は小さく見えても、現場にとっては今すぐ解決すべき重要な問題です。
こうした戦略設計と緊急対応を並行して進めるのが、VSのCSの難しさだと思います。野球で言えば、直球を待っていたら急に消える魔球が飛んでくるような(笑)。大きな構想を描きながら、同時に目の前の課題にも即応する。その切り替えの速さが求められる仕事ですね。
泥臭さの先にある信頼。ハイブランドの心を動かした「伴走」
ーー これまでの仕事で、特に印象に残っているプロジェクトはありますか?
栢木さん:ある世界的なハイブランドのクライアントを担当したプロジェクトは、今でも強く印象に残っています。本契約に至るまでに、約1年間のPoC期間がありました。その期間を乗り越えられるかどうかが、大きな分かれ目でした。
検証内容は、単に「ツールを導入して売上が上がるか」という話ではありませんでした。
ブランドの世界観に合ったクオリティの高いコンテンツが生まれるか。顧客の行動にどのような変化が起きるか。ABテストを重ねながら、定性・定量の両面で成果を示す必要がありました。
それに加えて、グローバル基準の厳しいセキュリティチェックへの対応や、英語での膨大な資料確認、法務・契約条件のすり合わせなど、想像以上に多くの論点がありました。CSの役割にとどまらない領域まで踏み込み、社内外の関係者を巻き込みながら一つずつ整理していった感覚です。
正直に言えば、簡単なプロジェクトではありませんでした。それでも、毎週の定例を重ねながら粘り強く向き合い続けたことが、最終的な本契約につながったのだと思います。
ーー 契約周りやセキュリティまでCSが担当するのですか?
栢木さん:はい。特に大手企業やグローバルブランドの場合、先方の要件がSaaSの一般的な契約範囲を超え、受託開発に近い内容になることもあります。
その際は、「パッケージサービスとしてどこまで対応できるのか」「どこはお受けできないのか」を一つずつ整理し、丁寧にすり合わせていきます。必要に応じて社内の法務や開発チームを巻き込みながら、現実的な落としどころを探っていきました。
正直なところ、何度も難しさを感じました。「これはCSの役割なのだろうか」と迷う瞬間もありました。ただ、毎週のように先方のプロジェクトオーナーやEC担当、リテール責任者の方々と議論を重ね、課題を一つずつ解消していくしかありませんでした。
その結果、PoCでは明確な成果を出すことができました。STAFF STARTを導入した店舗のほうが顧客の購入率が高く、スタッフのモチベーションも向上しているというデータを示すことができたのです。
最終的に本契約に至ったときは、大きな達成感がありました。世界的なブランドにサービスの価値を認めていただけたことは、今でも自信につながっています。
「人事制度」にまで切り込む理由
ーー お話を聞いていると、VSのCSはかなり深くクライアントに入り込んでいますね。
栢木さん:そうですね。特に重要だと考えているのが、人事評価制度やインセンティブ設計の部分です。
EC担当者の方は当然、「ECの売上を伸ばしたい」と考えています。ただ、実際にSTAFF STARTを活用するのは店舗スタッフの皆さんです。日々の業務で忙しい中、投稿を継続してもらうには、明確な動機づけが必要になります。
「やりたい人だけやってください」という形では、最初は盛り上がっても、異動や人員の入れ替わり、繁忙期などをきっかけに徐々に止まってしまうことが多いです。
だからこそ、投稿がきちんと評価につながる仕組みを整えることが重要だと考えています。たとえば、投稿経由の売上に応じてインセンティブが支給される、人事考課で加点対象になるといった制度があれば、業務として定着しやすくなりますし、スタッフのやりがいにも直結します。
制度まで踏み込んで初めて、ツールが本当に活きる状態をつくれると思っています。
ーー そこまで提案するのは、ハードルが高くないですか?
栢木さん:もちろん簡単ではありません。人事制度を変更するとなると、人事部や経営層の承認が必要ですし、予算の問題も出てきます。EC担当者の方だけでは意思決定できないケースがほとんどです。
だからこそ、私たちが間に入り、EC部門・店舗部門・人事部門をつなぐ役割を担います。関係者それぞれの立場や優先順位を理解しながら、同じ方向を向いてもらうための調整を重ねていきます。
その際には、「インセンティブ制度がある企業とない企業では、経由売上に約1.5倍の差が出ています」といった具体的なデータも提示します。感覚論ではなく、事実に基づいて議論を進めることが重要だと考えています。
私たちにとっての伴走とは、要望をそのまま受け止めることではありません。ときには、「このままでは成果につながりにくいかもしれません」と率直にお伝えすることもあります。本質的な課題に向き合い、成功に必要な打ち手を提案し続けること。それが、本当の意味での伴走だと思っています。
「分からない」と言える強さが、成長を加速させる
ーー 非常にレベルの高い業務内容ですが、未経験からでも活躍できるのでしょうか?
栢木さん:はい、活躍できると思います。実際に私も異業界からのチャレンジでした。
もちろん、簡単ではありません。VSのCSは、ECやアパレル、システム、法務など幅広い領域にまたがるため、最初からすべてを理解している人はいません。私自身も、現在のプロジェクトに入った当初は分からないことばかりでした。
ただ、その中で強く意識していたのは、「分からないことを、分からないと言うこと」です。知ったふりをせず、「ここが理解できていないので教えてください」と素直に伝える。そうやってプロジェクトリーダーやエンジニアに積極的に質問し、理解を積み重ねていきました。
社内には、SlackやConfluence(ナレッジマネジメントツール)にナレッジが蓄積されていますし、専門性の高いメンバーが多く在籍しています。自ら動き、周囲を巻き込みながら学ぼうとする姿勢があれば、成長のスピードは早い環境だと感じています。
経験の有無よりも、未知の領域に対して前向きに向き合えるかどうか。その姿勢があれば、十分に活躍できると思います。
ーー 逆に、どんな人が向いていないと思いますか?
栢木さん:あらかじめ決められたテンプレート通りの業務だけを行いたい方には、難しさを感じる場面が多いかもしれません。
私たちの仕事には、明確な正解があるわけではありません。クライアントごとに課題は異なりますし、状況も日々変化します。その都度、最適な打ち手を考え、関係者と調整しながら進めていく必要があります。
変化や不確実性をストレスと感じるか、それとも面白さと捉えられるか。その違いが大きいと思います。決まった型に沿って進めるよりも、状況に応じて考え続けることを楽しめる人のほうが、この仕事には向いていると感じます。
未来の仲間へのメッセージ
ーー 最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
栢木さん:私たちが目指しているのは、会社の成長そのものではありません。その先で、クライアント企業が成長し、店舗で働くスタッフ一人ひとりが正当に評価され、より良い人生を歩める状態をつくることです。
「店舗スタッフの給料を上げる」「スタッフが主役になれる環境をつくる」。そんなビジョンに共感し、心から実現したいと思える方であれば、スキルは後から身についていくと感じています。
誰かのために本気になれること。変化を前向きに受け止め、泥臭いプロセスも楽しめること。そうした姿勢を持つ方と、一緒に新しい価値を生み出していきたいと思っています。
決して楽な仕事ではありませんが、その分、得られる達成感は大きいです。少しでも「挑戦してみたい」と感じていただけたら、ぜひ一度お話ししましょう。お会いできることを楽しみにしています。
売上を上げることはゴールではなく、その先で働く人が報われることまで設計する。栢木(かやき)さんの言葉からは、そんな覚悟が伝わってきました。
正解のない環境で、考え続けることを楽しめる人。
誰かの成功を自分ごととして背負える人。
その一歩を踏み出したい方にとって、VSのカスタマーサクセスという仕事は、大きな挑戦の舞台になるはずです。
そんな想いを持つ未来の仲間と出会える日を、心から楽しみにしています!