REVISIO株式会社のビジネス本部担当役員、東野と申します。「テレビCMのその先の視聴者の本当の感情を繋げるCSチーム(前編)」に続き、弊社カスタマーサクセスチームのメンバー2名と、弊社のクリエイティブデータで、実際にお客様のどのような課題を解決できているのかをご紹介いたします。
REVISIOのクリエイティブデータは感情データ
テレビデータから人々の感情を読み取る。
お客様ととことん対話することで、ブレークスルーを引き出す!
東野:
それでは、福島さんにとって印象的なクリエイティブプロジェクトはいかがでしょうか?
福島さん:
はい、私は、大手消費財メーカーさんの案件が一番印象的でした。元々このプロジェクトは自分たちの業界に閉じずさまざまな業界の見られているCMを分析し、傾向をつかんで、それを改善に使っていくことを目的としていました。先方からの要望として、ノウハウを誰でも使えるように型化することが求められました。当初この案件に関わっていた先方のメンバーは4人でしたが、より広範囲のチームで使えるようにノウハウ化することが求められていました。
最初に、見られているCM/見られていないCMをランキングとして共有し、メタデータを付加しながら傾向を把握することから始め、何度も繰り返して定量化する方法を取り入れました。
東野:
メタデータとは?
福島:
CMには定性的な要素が含まれます。例えば、「タレントがいる」や「会話がある」などです。こうしたデータには含まれない要素を、一つ一つCMに加えていくことがメタデータづくりになります。そうして良いCMには、ナレーションの長さが何秒以内であるか、会話の形式が割合の何%であるかなどを定量化していきました。
このようなプロセスは以前から行われており、お客様も行っていましたが「このCMは機能性の高い生活用品を扱っているので、自社の製品の良さを伝える必要がある」といった固定観念が頭に残りやすい状態でした。これまでも強制視聴(※)などの調査を多く行っているため、その結果の印象が強く残っているからです。
※あるCMを調査のために視聴してもらい、その後のアンケート調査によって視聴者の反応や意見を集める手法のことです。
東野:
強制視聴で、どんな示唆がでているとお客様は考えていらっしゃったのですか?
福島:
あるCMでは、その商品の機能にスポットを当てたカットがあるんですけど、そこが強制視聴だと一番よく見られて、一番いい評価になっています。でも、自然視聴だと、そのカットは一番低い評価になっています。
東野:
全く逆の傾向が出ているのですね。
福島:
はい。やはり、強制視聴の時は伝えたい情報をよく見てもらえるのですが、自然視聴したときは、視聴者からすると既に知っている情報だったり、つまらない情報だったりすることがあります。そこには、伝え手と受け手のギャップがあるなと考えています。
東野:
お客様は強制視聴での調査結果が頭のベースにあった上で、弊社から分析結果を聞いている状況ってことなんですね。
福島:
そうですね、結構いろんな事例を紹介しても、それだけでは腹落ちしてもらえなく、アカウントエグゼクティブと一緒にディスカッションの進め方をどうするかで苦戦していました。
東野さん:
それをどうやってクリアにしていったのですか?
福島さん:
そこで、クイズを入れることを考えました。本当にフラットな目線で、「どっちのCMが見られていると思いますか?」といった2択クイズをたくさんやりました。それで、広告主側の感覚と視聴者の感覚がちがうということに気付いてもらうようにしました。インプットだけでなく、自分たちで考えた答えをアウトプットしていただき、回答として毎秒波形や注視度のデータを示すことで腹落ち感が強まり、弊社のデータに興味を持っていただけるようになりました。
東野さん:
強制視聴から、自然体で見る視聴者の視点に切り替えたということですね。
福島さん:
そうですね。そして、なぜこちらのほうが良いと思ったのですかと質問すると、出てくる言葉は「楽しそう!」とか「美味しそう!」といった感覚的なものばかりで、人間にとってはそこが重要ですねと実感いただきました。この同感を得ることで、ブレイクスルーをもたらしました。
しかし、現場で、クリエイティブの人たちが使えるデータになるためにはどうすればいいのかを考え、先方とワークショップをして頭を柔らかくしながらオリジナルのチェックシートを作成(右脳左脳マップ)しました。そのシートを各担当者が記入してみると、担当者ごとに結果が異なることが確認できました。つまり、あるシーンを楽しめる人と、そうでない人がいることがわかったのです。
また、よく見られているCMは色付けされる要素が一致しており、左脳のメッセージが揃っていました。対して、よく見られていないCMは何も右脳の要素がついていなかったり、左脳のメッセージがバラバラになっていました。そして、このバラつきはダメなことなのか?どうとらえたらいいのかを議論し、なんでこの人は面白いと思わなかったのかを聞いていくことで、面白い要素を突き止められるんじゃないかっていう話になっていって。ギャップを受け入れながらディスカッションして企画を深めるのをこのシートの役割にしようって。
右脳左脳マップ(初案)
東野:
つまり、バラつきがあることは問題ではなく、それを受け入れながらディスカッションすることがこのシートの役割になるということですね。
福島:
その通りです。例えば、年齢が上の男の人と、年齢の若い女の人で右脳で色が付く要素にバラつきがあったとして、ターゲットが女性の場合、女性の感覚を深掘りしていこうみたいな。同じターゲット層なのに伝わっているものがちがう場合は表現がわかりづらくなっているので修正しようみたいな。そうしてチェックシートを受けていただくところから、その結果に対するディスカッションに変わったっていうのが2個目のブレイクスルーです。
東野:
ここまで辿り着くのに、どれくらいの時間がかかりましたか?
福島:
3回ほどマクロ分析結果の報告するミーティングを重ねたのですが、強制視聴の固定観念から変わることが難しく、クイズを実施したところガラリと印象が変わりました。
東野:
福島さんの執念を感じますね。ここまで伴走したからこそ、お客様から信頼を得られたと思います。
お客様の本当の課題に向き合うことができるのは、信頼づくり・沢山のケーススタディ・データサイエンス・エンジニアリングが組み合わさったチームワークによって生まれる
東野:
それでは、これまでに二人に話していただいたクリエイティブ案件のお話は、お客様の課題解決での目線だったと思います。その一方で、こういったプロジェクトは、社内でのチームワークでも対応してきたと思います。One Teamで働けるのも、当社の醍醐味ですが、その辺りの紹介をお願いできますか?
福島:
そうですね、やはりお客様から信頼を得るには、アカウントエグゼクティブ(セールスチーム)の存在はとても大きいです。私たちマーケティングコンサルタント(カスタマーサクセスチーム)は納品物を作りますが、課題を聞き出すためにはお客様とのリレーションシップがとても大切です。アカウントエグゼクティブは沢山のお客様の課題に視野広く向き合っていますので、特定のメンバーが持っていない引き出しも持っています。また、データサイエンティストチームとも連携して、新しい軸でのデータや指標を考えたりしています。今後、もっと連携を深めていきたいと考えています。
武田:
事業がどんどん拡大している中、特に最近では広告会社的な動きをしていく中で、その道のプロフェッショナルが一緒に仕事に入ってくれて、一緒に仕事をするケースもあるので、元々放送業界に携わっていた自分としても、そういう新しい領域が広がっていくことが、自分にとってもプラスになると思っています。
また、一次データがあって、いろんな切り口があるので、多様な分析が可能なREVISIOのデータの魅力があります。それを実現してくれるデータサイエンティストやエンジニアがいるというのが大きくて、これが分かればこんなことが言える、というときにそれをしっかりと形にしてくれます。。そういうデータサイエンティストの人たちと話していると、こちらもなるほどとなることも沢山ありますし、提案もいただけたりするので、データに触る側としては非常に面白いです。プロの方々と言い合うことができるのは良い経験になると思います。
クリエイティブ分析を高めるための今後の課題は?
東野:
特に二人はクリエイティブ領域に興味が強い関心があると思うので、今後このクリエイティブ領域でどんなことがしたいのかっていうのはどうですかね。
武田:
自身のこれまでの経験も生かしてテレビ番組制作に関する分析にも注力していきたいと思っています。また、弊社のデータは単なるテレビデータだけでなく、マーケティングデータでもあるとおもいます。「注視=関心」という点に着目することで、生活者の関心事をとらえ商品企画のきっかけになるようなデータ提供も行っていきたいなと思っています。
福島:
そうですね、3つあるんですけど、
まずは1つめは、商品やブランドや企業の置かれている状況に応じて最適な改善提案が出せるようになりたいです。例えば、市場シェア50%以上のブランドだけど、最近競合がシェアを伸ばしてきている状況のときに、競合のクリエイティブ戦略を踏まえたうえで、どんなCMやっていくと効果的なのか?といった問いをいただくことがあります。もはや注視の域を超えているし、私たちは広告会社ではないけれど、「他社CMがどう見られているかわかる唯一の会社」なので、その立場としてなにか力になれないかなと思っています。
2つめは、メタの整備。クリエイティブに対してついているメタが少ないので、参考になる事例を探すのがすごく大変です。例えば、会話なのかプレゼンなのか、背景があるのかないのか、シリーズものなのか単発なのかなどのCMメタ情報を充実させたいと思っています。
3つめは、指標の整備。今は毎秒の注視率の波形がメインですが、もっと様々なクリエイティブに関するデータを出していっていろいろな軸でCMを見れるようにしたいとおもいます。例えば、注視秒数が長いCMはどんなCMだろうとか。
REVISIOへ転職を考えてくださってる皆様に
2人の今後のキャリアビジョンは?
東野:
ありがとうございます。これはちょっとまたうちとか置いといて、今後のキャリアとか、もうちょっと広い視点での考えを是非聞いてみたいなと。REVISIOでやりたいことを書く必要は無いと思ってます笑
武田:
一番最初にお話しした通り、テレビを通して視聴者の方々に喜んでもらいたい・役に立ちたいという思いは今も変わっていません。もう20年くらい変わっていませんけど笑。必ずしも、今後テレビだけがその役割を担っていくわけではないと思いますが、そういう映像コンテンツを通して視聴者の方の役に立つ心は変わらず持ち続けたいと思っています。REVISIOでは直接番組を作っているわけではありませんが、結果的に番組やCMを作るお手伝いをしています。そして、最終的に視聴者にどう届けるかというところをお手伝いさせていただいています。CMも番組も、視聴者に見てほしいという意図があると思いますが、視聴者にとっても、このCMに出会ってラッキーだとか、ハッピーだとか、こんな商品があることを知れて嬉しい、これ欲しいって思えることは幸せなことだと思います。REVISIOは、データを通して視聴者とコンテンツをマッチさせるお手伝いをしているので、今後もその役割を果たせるように頑張りたいと思います。
福島:
私、いまの事業と全然関係ないんですけど笑・・これまでは、自分が興味を持っている領域や、自分が好きなことに取り組んできました。ですので、だからこそ最近は、自分が培ってきたスキルを生かして、社会問題に対処する仕事に従事したいと思うようになりました。今は介護業界に関心があり、今後機会があればITやプロダクトの力で業界を少しでもよくするお手伝いができればと思っています。ファッション業界やテレビ業界では人々を幸せにすることができますが、次はより社会課題に近いところで困っている人がたくさんいる業界を支援できたらと思っています。
チームの雰囲気は?
〜それぞれ個々の得意領域を活かし、それぞれが独特の役割、活躍を担っている〜
東野:
ありがとうございます。チームの雰囲気はどうですか?ビジネス本部全体的に。
武田:
そうですね。みんな、異なるバックボーンと経験を持っているため、放送局にいた私のような人もいれば、マーケティングコンサルタントや調査会社出身の人もいて、実際に事業会社に勤めていた人もいます。そのため、持ち寄った知識や経験を共有し、お互いに利益を得ることができるのは非常に面白いことだと思います。みんなが協力的で、知識や経験の出し惜しみもしませんこのような環境は、私自身にとっても非常に有益だと感じています。
福島:
武田さんの話と共通する点がありますが、それぞれの強みが異なるため、新しい人が増えることで領域が広がり、重複しないように広がっていく感じがします。この点に関しては、番組ではたけさんに聞くこと、調査では川崎さんに聞くことなど、各人の専門分野に合わせた対応が明確になっており、チームとして強いと感じています。チーム内で否定的な点があることはほとんどなく、どうやって伝えるとより良くなるかを話し合うことが多いです。みんながデータをどう扱うかを考えながら話し合っています。
東野:
みんなデータが本当に好きよね。ありがとうございました。
REVISIOは、どんな方に合いそうですか?
〜お客様の課題、社内プロジェクト、何をしても壁にぶち当たると思う。それを楽しみながら乗り越えられる方〜
東野:
こういう人と働いてみたいとか、どうですか?こういう人と一緒に働きたい。逆にこういう人はもしかしたら向いてないみたいな。参考に
武田:
データに限定されたものではないのかな。調べたいという好奇心があって、深掘りしたいという人。なんでこうなってるんだっけ?という探求心があり、それを自分で進んで分析していける人が向いてそうです。
福島:
ん~~~…壁にぶち当たるので、絶対に。どうして分かってくれないんだろうみたいなのがあった時に面白がれる人。どうしたら分かってくれるかな、みたいな一緒に考えられる人かなって思ってます。
東野:
壁を楽しめるってことは、壁にぶち当たったことがある人ってことだもんね
福島:
そうかもしれないですね。それを自分で突き上げたというか、周りを動かした、壁を壊した(乗り越えた)という人はなんか魅力的だなって思います。あとはデジタル領域に強く、YouTube広告に詳しい方にジョインいただきたいです。もし見つかったら、嬉しいですね笑。
東野:
今CTVやってるけどまだCTVに詳しくないって部分が僕たち正直あるので、ぜひ、デジタル動画広告に強い方ぜひ、ご応募お待ちしております!!
武田:
そうですね!!。例え話になりますが、野球って、1人1人 の打順での役割とか守備位置が違うじゃないですか。弊社はそんな1人1人が異なるプロフェッショナルが集まっている感覚があります。組み合わせて初めてチームが出来るので、そういう僕らが持っていない物を持っている人が良いなって普通に思いますね笑。
東野:
そうですね。現時点でもみんなキャリアバラバラですもんね。キャリアの人が多くないから不安ではなく、だからこそ価値が出せるかもという思考をもってくれても全然ウェルカムですよね。
武田・福島:
そうですね!!ありがとうございました。私たちは、チームワークを大切に、むしろ楽しめる人たちが集まってきています。それは、スキルや経験の違いだけでなく、それぞれのライフステージ、将来の夢などもお互い思いやれるからだと思います。ぜひ私たちと一緒に働いてみませんか?ご検討をよろしくお願いいたします。