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自分の好きを強みに生かして、革製品と向き合う。私が見つけたお客さまと対話を深める方法

「自分だけのオリジナルレポートを書いて、接客しているスタッフがいるらしい」。そんな話題が社内で持ち上がりました。そのスタッフは、なんと新卒1年目。そこには、自分の好きを強みに生かして、革製品と向き合う店舗スタッフ・土井の姿がありました。彼女がなぜオリジナルのレポートを書き始めたのか、その理由をご紹介します。

社員プロフィール

土井 加音(どい かおん)2023年土屋鞄製造所に新卒で入社。コミュニケーション本部 店舗統括部 東日本第一エリアへ配属。西新井本店にて大人向け皮革製品の販売・接客を行う。

(※写真は取材当時に在籍していた横浜店のもの)

店舗スタッフとして日々お客さまの製品選びのお手伝いをしている、土井。
新卒で土屋鞄に入社した彼女は、ふとした疑問からオリジナルのレポートを書き始めたのだそう。そこには、自分の特技を生かしながら革製品と向き合う、丁寧な姿がありました。

ふとした疑問から始めた製品レポート

ー なぜ、製品についてのレポートを書こうと思ったのですか?

入社して間もない頃、「トーンオイルヌメ」が長く愛されているシリーズであることは分かっていましたが、見ているだけでは「なぜロングセラーになったのだろう」と、入社したばかりの自分には理解ができなかったんです。私は新卒でお金にそこまでの余裕はないので、いろいろな革製品をたくさん購入して比較するのは難しい。それに、革についての知識もまだ浅くて。だから、その答えを知りたくて、イラストを使ったレポート制作を始めました。

ー なぜ、イラストを使ったレポートに?

学生時代からイラストを描くのが好きでした。大学生の時、愛知に住んでいたことがありましたが、その時に家の周辺を散策して、自分だけのオリジナル地図をつくりました。目にしたものや感じたことを、自分の手で形に残すのが昔から好きなんです。

ー 地図まで?!それはすごいですね!レポートで取り上げる製品は、どのようにして決めているのですか?

このレポートで取り上げたのは、「トーンオイルヌメ ミディアムトート」です。先輩スタッフに、どの製品について書いてみるのが良いか相談したところ、「この鞄が、土井さんに似合いそう!」と、提案いただいて。それで、ミディアムトートに決めました。

※「トーンオイルヌメミディアムトート」は、現在販売が終了しております。

使い始めて気付く、製品の魅力

ー 実際に使ってみてから、レポートを作成されるそうですね。

はい。これまで4枚ほどレポートを書いてきましたが、全てある程度の期間お店が所有しているサンプルを使ってみてから、その時に感じたことをまとめています。

例えば、ポケットの数や持ち手の仕様など。実際に使ってみたからこそ分かる、製品の良さがありました。生活する上で必要なデザインが、この鞄に備わっている。そのことを自分の手でレポートとしてまとめたことで気付けたんです。

製品の良さを知っているからこそお客さまの「使い続ける」に寄り添える存在に

(経年変化する革の魅力を土屋鞄に入社してから知った土井。初任給は家族へ土屋鞄製品を贈った)

ー レポートを通じて、お客さまに何を伝えたいですか。

私は革にあまり馴染みのないお客さまと近い立場にいたと思っています。でも、このレポート活動もあって、革製品の魅力や、革そのものが持つ面白さを学ぶことができましたし、私自身、製品のことを大好きになりました。

製品について理解を深めるために始めたことですが、今ではお客さまに製品の魅力をお伝えする上での“幅”が広がったようにも感じています。また、一つ一つの良さを心から知っているからこそ、お客さまの「使い続ける」に、寄り添える存在に少しずつ近づけているようにも感じていて。

革製品を使って、その魅力を理解して、もっと好きになって、その思いを私の言葉でお伝えする。これが、お客さまの気持ちを少しでも汲み取れるようにするための、私なりの革製品との向き合い方です。

店舗を経験したからこそ得られたもの

ー 就職活動当時、土屋鞄に興味を持ったきっかけを教えてください。

学生時代、知人のお子さんが背負っているランドセルに一目惚れをしたことがありました。当時は、土屋鞄のことは知りませんでしたが、その「美しい佇まい」に目を奪われたのを今でもはっきり覚えています。その後就活中に偶然土屋鞄の説明会に参加したときに、「あのときのランドセルだ!」と一目で気づいたのがきっかけです。

企業選びの際に、私が大切にしていた判断軸があります。それは「そのブランドが生み出しているものに、自分が自信を持てるか」ということ。ランドセルの美しい造形や職人技、そして働いている方々が自信を持ってそれを紹介している姿が印象的で、気がつけば面接に臨んでいました。

ー 初めての接客という仕事。入社前に思い描いていた印象と変わった部分はありますか?

正直な話、入社前は、自分には接客は向いていないと思っていました。当時、接客未経験だった私は“販売スタッフ=売上のため”が働くモチベーションなのではないか、というイメージが先行してしまっていたのかもしれません。

実際、店舗に配属され、そのイメージはすぐ刷新されました。先輩スタッフから「『鞄を売る』というよりも、友達や家族など身近な人に『一緒に鞄を選んであげる』と思うといいよ」という言葉をいただいたことは衝撃的でしたし、そういうマインドの方たちと共に働けるのがとても嬉しいです。

ブランドを成長させるためには、売上は必要なことです。しかし、お店でお客さまに接するときに真っ先に大切にしたいのは、「売る」ことではなく、お客さまが何を必要としているのかを理解し、土屋鞄の魅力を丁寧に伝えるということそして、その先に、お客さまも私も心が温かくなるような「購入」があるのだと感じるようになりました。

(土井のおすすめ製品の情報をカードに手書きにしてお客さまにお渡しすることも。手書きにすることで伝わる気持ちがあるんだそう)

ー レポートを作成されることにより、一層レザーへの愛着が湧いたんですね。今後、お客さまと対話を深めるためにどんなことをしていきたいですか?

実は、就活で土屋鞄に出会うまで、私はレザーに興味がありませんでした。というよりも馴染みがなかったんです。そんな知識の無い私が働いても大丈夫なのかなと少し不安に思っていましたが、毎日触れるなかで知れば知るほど、使えば使うほど、奥深くて面白くてレザーが大好きになっていきます。その大好きという気持ちを可視化したものが、このレポートになっているのかもしれません。

(レザーが大好きという気持ちは、土井の接客を支える拠り所にもなっているんだそう)


ー 今後、お客さまと対話を深めるために、どんなスタッフになっていきたいですか?

お客さまの「使い続ける」に寄り添える人になりたいと思っています。
私の思う土屋鞄の接客の面白いところは、販売して終わりではないところです。お客さまとの関係をしっかりと築くことができると、数ヶ月後に革のお手入れサービスを利用しに戻ってきてくださって、実際に使い心地を教えていただいたり、傷が馴染み艶が出て革の魅力に気付いてくださったり…そんな対話を通じてお客さまのニーズを感じ取り、次に欲しい製品の紹介へとつながることもあります。

接客をしていると今日何を選んでもらうかに気持ちが向きがちですが、お客さまにとって「購入」はほんの始まりでしかありません。お店を退店して日常に戻られた後、土屋鞄との長い付き合いが続いていきます。「革の変化を楽しみながら、安心して使い続けられる」ということを、どれだけ想像しながら接客をできるかという視点を大切にしていきたいです。地道に愚直に、何よりも私自身楽しんで頑張っていきたいなと思っています。

(土井が現在在籍する西新井本店。工房併設の本店では、土屋鞄の原点である「ランドセル作り」がご覧いただけます)


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