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私たちは、プロモーション×IT×ビジネスの3つの事業で、顧客ビジネスを支援する会社です。「創発による新たな調和の創造」をミッションに、“予定調和でない「無調音楽 Atonality」のような問題解決”に取り組む姿勢を大切にしています。
今回はCTOの高桑さんにインタビューを実施。ミッション・ビジョンに込めた思いや、今後の事業展開などを伺いました。
【プロフィール】
高桑 克幸:IT企業の執行役員を経て、2016年にトライビートにジョイン。現在はCTOとして、各メンバーが付加価値の高い仕事をしていくための組織づくりに邁進している。
組織づくりを通じて社内のマインドや風土の醸成に尽力
――高桑さんがトライビートにジョインしたきっかけは?
前職はとあるIT企業に16年ほど勤務し、受託開発部門の執行役員を務めていました。2016年に、当時のメンバー20名程度を連れてトライビートにジョイン。当社代表の佐藤は、かつて私が音楽関連の仕事をしていたときの知り合いで、その縁で入社しました。
当時のトライビートは、映像制作やPR・マーケティング関係の企画・制作の事業が中心でしたが、Webサイトやシステムの構築の依頼がどんどん増えてきているタイミングでした。まさにIT事業をドメインに加えていくフェーズでしたので、自分の経験やリソースを活かせるのではと考えました。
――入社当初の組織と現在の組織とで、変化はありますか?
ジョインした当初は、良い部分も悪い部分も含め、前の会社の文化を引きずっていたと思います。メンバー同士の関係性は十分に築くことができていましたが、シビアな考え方が不足していたり、事業を停滞させてしまう良くない部分も露呈しはじめていたのです。数年かけて改革に取り組むなかで、だいぶ筋肉質な組織に生まれ変わりました。現在は、上を目指して果敢にチャレンジしていく風土が醸成され、組織の雰囲気もがらっと変わったと感じます。
――CTOとしての役割を教えてください。
入社時から、エンジニアとしてシステムデザインを設計する仕事を続けてきました。お客様から事業上の課題を聞き、そのためにどんなIT投資やアーキテクチャが必要かを考え、提案する業務がメインです。当社は特に、一般的な受託開発ベンダーが関与したがらない、ハードルの高い案件を請け負うケースが多い傾向があります。それゆえに、技術力も必要ですが、お客様と対峙する際のコミュニケーションがたいへん重要になります。"普通に"開発業務をこなしているだけでは経験できない局面も多いため、最近は特に、メンバーにもその場に一緒に入ってもらい、どのように議論や問題を収束させていくか、そのプロセスを体験してもらったり、面倒な調整ごとにチャレンジしてもらったりしています。
同時に、組織上の課題解決に向けた取り組みを検討することも私の仕事です。マインド面での変革や、文化醸成なども含めて、組織づくりや仕組みづくりに尽力しています。
付加価値を追い求めてきたからこそ、効率よく成果を創出できる
――現在の事業の特徴について教えてください。
事業の構成比率としては、「IT事業」は会社全体の半分を占めます。
なかでもIT事業部のお客様は、年商数百億規模の会社が多いという特徴があります。決して小さな規模の会社ではないのですが、CTOといった役割の人がおらず、会社としてITをうまくコントロールできていないケースも多く、内製化も困難、かといって大手SIerに頼むと運用まで十分に関与してもらえず、小規模な開発会社ではリソース不足でそもそも対応が難しい、といった状況は珍しくありません。一方でそのような状況であっても、ITをうまく使って事業を伸長、飛躍させていかなければならない、といった課題を持たれている企業がほとんどです。当社はそのようなお客様に対し、伴走しながら支援できる点が大きな特徴です。
――なぜそのような伴走支援が実現できるのでしょうか?
言語化するのが難しいのですが、当社に根付く「人と同じことをしたくない」「面白いことをしたい」という仕事観が大きいのではないかと思います。もちろん売上や契約数といった要素も必要ですが、当社はそれだけを追い求めていません。むしろ、仕事においては、お客様に対してどれだけ「付加価値」を提供できるかが重要だと考えています。
やったことのない技術、難しい課題の解決、混乱した状況の打開などを面白いと感じることができれば、可能性も拡がりますし、新たな挑戦ができますよね。逆に言うと、課題が山積した成長過程におけるそういったチャレンジをしなければ、お客様の要求には応えられないということだと思います。人材採用においても、組織づくりにおいても、そのようなマインドセットを大切にしてきたため、今のような成果を生み出せているのだと思います。
――売上や契約数を追わないという話がありましたが、一方でトライビートは社員数から考えると一般的な会社の倍以上の売上を生み出しています。効率よくパフォーマンスを上げることができる理由は?
マインド的な部分と、技術的な部分の両面があると思います。マインド面では、やはり自分たちがどれだけ付加価値を上増しできているかという観点で仕事に臨むスタンスは大きいと思います。技術面では、クラウドをはじめとする技術の変遷が大きいですね。当社はエンジニアの数が限られているからこそ、クラウドのメリットを最大限に享受するポリシーを持ち、お客様に提案してきました。人に依存するようなシステムをなるべく作らないという方針が、効率的なビジネスにつながっていると感じます。
「創発」と「調和」でイノベーションを生み出していく
――トライビートでは「創発による新たな調和の創造」というミッションを掲げています。このミッションに関して、高桑さんとしてはどのように解釈していますか?
「創発」は、まさに代表の佐藤や私が、この会社で実現したいことなんです。
というのも、以前音楽をやっていたとき、ある意味独りよがりな“超尖った”楽曲づくりをしていたんですよね。メジャーデビューもして、2年間ほどアーティストとして活動していたのですが、出来上がった作品を聴いたときに、まるで「自意識の塊」を見せつけられているような、何とも言えない恥ずかしさに襲われたんです。
そこからがらっと意識が変わり、音楽の作り方自体も変わっていきました。そしてその変化の過程において、“世の中にあるもの”と“自分のなかにあるもの”を組み合わせて、思いもよらないアイデアを生み出すことができることに気づきました。まさに「創発」が生まれた瞬間であり、実体験として創発していくことの楽しさを感じることができたのです。
その後ITの仕事に就きましたが、ITもまさに同じなんですよね。自分の考えと他人の考え、自分の技術と他人の技術を組み合わせていくことで、面白いものを作り上げることができる。そのような創発、新たな調和が生まれると、自分自身も気持ちが良いですし、自分以外の人たちにとっても気持ちが良いものです。そんな調和の素晴らしさを、当社のメンバーにも経験してほしいという思いがあります。
――ビジョンには「予測や計画・意図を越えイノベーションを生み出す」「予定調和から逸脱する勇気を持って挑戦し続ける」という言葉がありますが、創発や調和を実現した先に、新たなアイデアが生まれるということなのですね。
そうですね。特に現代に生きる私たちは、自分が話したい人とだけ話し、見たいものだけ見ていれば生活が成り立ってしまいます。便利で効率的な一方で、人と人との深い繋がりやぶつかり合いなどが生まれづらい状況で、創発や新たな調和を生み出すにはデメリットが大きい環境だといえるのではないでしょうか。
さらに、多くの物事は「計算可能性(こうしたらこうなる)」の中で考え、捉えたほうが効率がよくリスクも少ないですが、それを続けているだけでは予想されたこと以上のことは起きませんし、成長も飛躍もしません。計算可能性の枠組みを外し、自由でフラットな発想を持つことで、本当の意味での価値が生まれてくるのではないかと思うのです。
――ミッション・ビジョンはどのように現場に浸透させているのですか?
組織づくりに長けている事業部長が主導し、現場への浸透に尽力しています。たとえば1on1の定着がその1つです。上司と部下とのコミュニケーションのなかで、当社の一員としてのマインドや行動を確認する機会があり、全社的に価値観が浸透してきている印象を受けます。1on1は各メンバーと上司間で、最低、月1回は実施されています。
クリエイティブ×デジタルの融合でトライビートらしさを打ち出したい
――今後の事業展開を教えてください。
現在のIT事業とPR事業を軸に、今後はもっと両者を融合させていきたいと考えています。実際に、経営・マーケティング領域とIT領域は密接な関係にありますし、クリエイティブ×デジタルで価値を生み出せる会社として、世の中にリーチしていくことが目標です。
また、IT領域に関しては、当社の強みである「他のベンダーが積極的にやりたがらない領域に対応する」姿勢を大切にしつつ、社員一人ひとりが今以上に“ワクワクする仕事”を用意する必要があると考えています。形にはこだわらず、ダイナミックなものづくりを経験できる仕事を作り出していきたいですね。
――そのような展望を踏まえ、トライビートではどんな人材を求めていますか?
トライビートへの入社を機に、これまでの常識や固定観念を打破したいという気概を持った人に来ていただけたら嬉しいですね。
私自身も数多くの採用面接に携わってきましたが、面接ではレジュメから外れた話をどれだけできるかが大切だと考えています。そのために、応募者の方がおそらく想定していないであろう変化球の質問もたくさん投げかけます。もちろん技術や実績についてもお聞きしますが、それだけではその方の"人となり"やポテンシャルを知ることができないため、各応募者の方が熱く語ってくれるポイントを探し出して深掘りするようにしています。内に秘めた本音やその人らしさを重視していますので、面接では飾らないありのままの姿を見せていただければと思います。