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チームラボ社内勉強会、新しい技術、新しい表現

「実験と革新」、新しい表現

チームラボは「実験と革新」をテーマにさまざまなプロジェクトをしています。受諾開発の形も、自分たちの作品として発表する形も、社内プロトタイプとして終わる形もありますが、どれも「実験と革新」の一部です。社内プロトタイプとして終わるものも、観客を想定したものも、どちらも実験です。
僕たちが表現したいことはコンセプトのページにまとまっています。
もともとチームラボは、創ること・そのプロセスの中から、新たな発見をし、その発見を、次の創ることにいかしていくことを、重要視してきました。また、言葉では表現できない価値を重視してきました。
新しい発見があったり、うまい説明する言葉が見つかるたびに、コンセプトのページの内容は追加や更新されます。これもプロセスの一部です。
共創というコンセプトは、社員が増え、チームが大きくなるに従って、より重視されるようになってきました。Body Immasiveはプロジェクションやセンシングといったデジタル技術の進化により、作品が身体全体で没入するような作品が多くなってきたことで重要性が増してきました。

この作品「花と人、たがいにコントロールできないけど、共に生きる」の花は鑑賞者の振る舞いによって咲き、散り、変化していきます。鑑賞者の振る舞いをどうセンシングするか、自律的に咲き散る花をどう表現できるかは、今も試行錯誤と進化を続けています。

プロジェクトがそれぞれ変化を続けているように、開発するメンバーが必要とされる知識も変化し続けています。新しいプロジェクトに取り組むことそのもので学ぶことも多いですが、ここ数年はプロジェクトから独立した勉強会も盛んに開かれるようになってきています。

デッサン・スケッチ会、機械学習勉強会、(エンジニアが)アートを見に行く会

2015年頃から、社内勉強会の種類や数が増えてきました。直近の案件で必要になることがよくあるツール類の勉強会はもともと行われていましたが、近年になるほどもう少し大きいテーマの勉強会が出てきています。


クロッキー会(デッサン・スケッチ)

※クロッキー会の一コマ@検証スペース。


 クロッキー会は社員をモデルに短時間で素描(スケッチ)を描く会です。美大で油絵を専攻していた社員が発起人となり、週1で行われています。参加しているのはもともと絵を描いていた社員が多い(ので、雰囲気的にガチ度が高い)ですが、試しにスケッチブックを手に取ってみたい社員の参加もあります。

※参加者のエンジニアが書いたスケッチ。4ヶ月後、こんなに上達しました。


アート展の感想をシェアする会


 こちらは社内で行われているのではなく、社外のアート展覧会を見に行くことについて、感想を社内でシェアすれば、展覧会のチケット代が補助される仕組みです。コンピュータグラフィックを専攻していた社員を発起人として行われています。
チームラボのアート作品は、純粋なビデオ作品を除いて、プログラムされたソフトウェアの映像と、参加者とのインタラクティブな関係で構成されてます。プログラムの多くがアート教育を受けていないシステムエンジニアや元ゲームプログラマによって開発されており、チームラボの作品はサイエンスの基礎の上に作られていると言えます。

しかし、技術的に美しかったり、論理的に完ぺきに整合しているからと言って、美しい作品になるとは限りません。逆にデザインと違って美しければアートになるという根拠はなく、汚く、矛盾した作品を作る必要があった場合にも、サイエンスが解決できる問題も多いはずです。サイエンスやエンジニアリングの人がアート作品に触れることから、新しいアートが生まれるかもしれません。

チームラボは400人規模の組織で、美大、芸大出身者も多いですが、その大半がアート制作には関わっていません。普段聞けない専門家の意見を知ることも貴重な経験になります。

組織で作っているのだからスケールアウト可能な制作工程があると思うかもしれませんが、各作品はおおむね少人数で制作されていて、現在は個人の技量に頼る部分が多いといえます。また、作品集に掲載されたアート作品だけでもすでに92作品ありますが今後はさらに数が増えるでしょう。そのため、天才でなくとも再現可能なアート制作プロトコルの導出も喫緊の課題です。そういった意味でも、他人の作品の製作工程を観察することも重要になっています。

※鑑賞した展示の感想をチャットグループ内でシェア。


機械学習勉強会


※最終発表では参加者が一人ずつプレゼンしていきます。


 こちらは世界的に進歩が著しい機械学習技術をキャッチアップするため、定期的に論文読みと手を動かすハンズオンを組み合わせた勉強会を行っています。パターン認識や信号処理を専攻していた社員らが発起人となり行われています。機械学習・人工知能分野は新しい知見がどんどん生まれている場で、社員だけでなく学生や他の企業のエンジニアと一緒に論文を読んだり手を動かしたりするコミュニティを作りながら知見を深めています。

※勉強会で使われたスライドの例


※Deep Learning 勉強&ハンズオン会の様子。

勉強会のプロセスも試行錯誤していく

それぞれの勉強会は、成り立ちも運営方法も違います。また、固定されたものではなく、たとえば機械学習勉強会については、ハッカソンやもくもく会(全員が同じ時間・場所に集まって作業するが、内容はそれぞれ別)なども行い、よりよい形を模索しています。

チームラボは専門性をもったメンバーの集団で、かつ互いに自分の役割を踏み越えて共創するプロセスを重視しています。それぞれの勉強会の活動だけでなく、参加してみようと思わせるための告知や、新しく参加する人がこれまでの流れを掴むためのレポートを含め、自分自身を超えて集団の知見をアップデートするためのプロセスの一部です。

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