「開発チームに直接お客様の生の声を届ける機会はこれまでなかった」
そう語るのはsustenキャピタル・マネジメント(以下、susten)でユーザーと日々直接向き合いつづけるカスタマーサポート(以下、CS)チームの太田 稔哉さんと石井 敬子さんです。
"User-First"をTech Valuesの1つに掲げ、ユーザーに最高の資産運用サービスを提供しようと挑戦を続けるsustenでは、どのようにして開発チームとCSチームが連携してサービスを改善しているのか。
CSチーム2名と開発チーム2名のグループインタビューで、sustenのチーム連携の実像に迫ります。
▼創業者取締役2名へのインタビューはこちらから
外資金融大手出身者が創業したFinTechスタートアップが"個人投資に一石を投じたいエンジニア"を募集中
▼sustenで働く他の仲間のインタビューはこちらから
きっかけは副業。元メガベンチャーマネージャーがFintechスタートアップで成し遂げたいこと
太田 稔哉(CSチーム)
永年の損害保険会社勤務を経て2020年10月にsustenキャピタル・マネジメント入社。前職では投資信託、確定拠出年金、外資系証券会社勤務(出向)等、主に金融商品販売・企画業務に従事。
石井 敬子(CSチーム)
2020年12月にsustenキャピタル・マネジメント入社。前職では外資系金融ベンダーでカスタマーサポートとして11年間勤務。新卒で入社した証券会社では営業職に従事。
益子 遼介 取締役(開発チーム)
創業メンバーで『SUSTEN』のシステム開発全般を担当。前職では株式会社ディー・エヌ・エーの機械学習エンジニアとしてタクシー配車サービスなどプロダクト領域での分散処理基盤設計や、機械学習モデル開発運用に従事。
中村 翔 取締役(開発チーム)
同じく創業メンバーで『SUSTEN』のシステム開発全般を担当。前職では楽天株式会社にて検索エンジンプラットフォームの内製開発、機械学習および自然言語処理を用いた検索精度改善を担当後、楽天技術研究所にて推薦システムの研究開発に従事。
開発チームとの連携が不可欠なCSの業務
ーー『SUSTEN』におけるCSチームの役割について教えてください。
▲(左から)太田 稔哉、石井 敬子
太田 稔哉(以下、太田):『SUSTEN』は最新理論に基いた、当社独自開発の投資システムによる資産運用を、日本初の完全成果報酬型で提供するサービスです。お申込みから運用状況の確認など、すべての手続きをオンラインで完結できるようお客様に提供しています。その見込み顧客を含めたすべてのお客様のあらゆる問い合わせの窓口となるのが私たちCSです。
私たちの役割はすべてのお客様が快適に当社のサービスを利用できるようにスムーズにサポートし、当社サービスへのお客様の満足度を高めていくこと。そのために、様々な部署と緊密な連携をとっています。
ーー1日の流れの中で、どういったコミュニケーションを部署間で交わしているのでしょうか?
太田:まず、CSチームの1日は朝一番の口座開設に関わる本人確認業務(KYC業務)、その後10時〜17時までお客様からの電話およびメールでのお問い合わせ対応、最後に1日の対応業務報告という流れで進みます。
このうち10〜17時の「お客様からのお問い合わせ対応」がCS業務の中心です。お客様からの問合せは、運用方法の詳細に関するものから、画面操作が上手くいかないといった内容まで多岐にわたります。正確・適切に対応するため、必要に応じて投資判断部、開発チーム、また法務コンプライアンス本部など関連部署にも相談、連携しています。
石井 敬子(以下、石井):在宅勤務も出社もどちらも可能ですが、やはり直接話せた方が細かな点まで伺いやすい部分はあります。そのため、週に2、3日は出社するようにしています。ただ、コミュニケーションのメインはやはりSlackです。
ーー開発チームとのコミュニケーション頻度はかなり多いのでしょうか?
太田:多いですね。先ほどもお話したとおり、お客様の手続きは『SUSTEN』上で完結します。そのプロダクトの開発業務を行うのは開発チームですから、プロダクトとサービスの品質向上には連携は不可欠です。
石井:開発チームの方はSlackでの報告にすぐ反応してくださるので、とても投げかけやすいですよね。
▲(左から)益子 遼介、中村 翔
中村 翔(以下、中村):開発チームとしてはお客様のお話を聞いてちょっとでも「おかしい」と感じたらすぐにSlack上でレイズしてくれるのがとてもありがたいんです。おかげでアプリの改善をテンポよく進められて、お客様に迷惑をかけずに解決させることにつながっていると思っています。
益子 遼介(以下、益子):リリース直後に「口座開設画面で銀行名が入れられずに進めない」という問題が発生したときも、石井さんの報告で素早く整備が進められましたね。
石井:あのときはSlackでのやりとりがものすごいスピードで進み「外部サーバーのダウンが原因だ」と原因をすぐに特定してくれたことが印象に残っています。どんな報告でも漏れなく拾ってくれるという安心感があることがCSとしては本当に大きいです。
お客様の生の声からはじまるCS×開発の改善事例
ーー開発チームとの連携で特に大事にしていることはなんですか?
太田:やはりお客様の声を個人やCSチーム内部で抱えこまず、開発チームなどの関連部署に即時情報連携することですね。さらに、その声を週次レポート・月次レポートという形でまとめて全社向けに情報発信することも大事にしています。
例えば「〇〇の画面操作に関して〇件のご質問がありました。」「従来の画面操作が〇〇の点でわかりにくかったので、開発チームと連携して機能改善を行い〇〇についての質問はほぼなくなりました」といった具合に。
ーーそうした週次・月次レポートからの具体的な改善例はありますか?
太田:お客様の金融商品購入に伴う画面反映までのタイムラグの改善ですね。
当社サービスでは、お客様から入金があると、自動的に金融商品の買付発注が行われますが、お客様が振込手続きをされてから、買付発注、画面上の資産残高への反映までどうしてもタイムラグが生じてしまうんです。
このタイムラグの最も大きいのが「積立」です。こちらはお客様の銀行口座から当社口座に積立分の引き落としが行われ、そこから当社で投資信託を買い付けて運用をします。そのため口座引き落としから画面上の資産残高反映までに当初は8営業日ほどかかっていたんです。
ーー銀行口座には引き落とし情報があるのにサービス画面上で入金情報が反映できていないと、心配になってしまいますよね。
太田:そうなんです。この入金から運用までのスケジュール、画面への反映タイミングに関してかなりの件数のお問い合わせがあって。スタートアップとして立ち上げたばかりでしたから、そのお金の行方を不安に思うのはなおさらだったと思います。
この件はCSチームと開発チームで相当緊密にコミュニケーションを取って対応を検討しましたよね。
益子:結果、お客様のダッシュボードに「入金履歴」をなるべく早く情報を表示するようにし、前倒しで買い付けできるように見直しました。
太田:CSではあわせてFAQの文章の更新にも取りかかりました。タイムラグの発生自体は避けられませんから、なるべく疑問と不安の生じない丁寧な説明になるように、開発チームをはじめとした社内各部署の皆さんとも相談しました。
益子:ここは免責事項の表現などCS側で細部まで確認をとってくださった記憶があります。
石井:社内では当たり前のようでも、お客様にとっては当たり前ではない繊細な部分でしたから。なるべくお客様に誤解を与えず、納得して受け取っていただけるようにしたかったんです。
太田:この一連の改善でタイムラグに関わる問い合わせ件数が大幅に減少したのは開発チームと連係した取り組みの成果として、月次レポートで社内にフィードバックしました。
ーーなるほど、お客様に不安を与えないように開発チームのシステム面とCSチームの表現面の両面で連携、改善していったのですね。
中村:FAQはお客様の声を元にCSチームが直接更新してくれています。おかげで内容がかなり充実してきていて、ホームページ上のより目立つ場所へ配置を変更しました。こうした細かい変更もCSからの意見が元になっていますね。
石井:私個人としては、お客様に疑問が生じたときWebサイトですぐに自己解決できて「問い合わせ」という一手間もいらない状態が理想だと思っているので、そこに近づけるようCSとしても積極的に改善、提案していきたいと思っています。
"User-First"につながるsustenのカルチャー
ーーCSのお二人が感じるsustenの特長はどんなところにありますか?
太田:部署間でのコミュニケーションの緊密さ、一人一人が気づいたことを即実行するスピード感ですね。私は前職で従業員規模が千倍ぐらいの組織にいましたから、組織内・組織間で意見調整をするプロセスを重視する文化に馴染みがあり、Slackで個人がチームをまたいで即座に応答することに最初は戸惑いました(笑)。
石井:私も部署間の距離の近さは特長だと思っています。前職でもSNSでコミュニケーションをとっていたので他部署と直接やりとりをする文化に慣れてはいましたが、やはり規模が大きかったので"開発チームに直接お客様の生の声を届ける"という機会はありませんでした。
顧客対応という点で、sustenの開発チームはレスポンスが本当に早くて。それだけお客様に早くフィードバックが返せます。
益子:確かに、大きな企業では"お客様の声を収集する部署"があって、対応の優先順位まで整理してから開発部門に伝えるので改善まではかなり時間がかかりますよね。
お客様が直接触れるプロダクトとCSチームのコミュニケーションは満足感に直結するもの。だから"User-First"を常に心がけて部署間のコミュニケーションを迅速に行う。そういう今のカルチャーは会社が大きくなっても維持したいですね。
ーーCSのお二人は距離を近づける工夫がどんなところにあると感じますか?
太田:オフィスの入ったところの卓球台がそうですよね。社員同士で頻繁にレクリエーションしていて、入社当時はびっくりしました。
▲オフィスにある卓球台。社員の懇親・雑談に使用されている。
中村:オフィスの半分ぐらいをラウンジスペースにするというのはGoogleさんなどのTech関係の会社で多く行われている工夫です。我々はFintech企業ですから、金融とテクノロジーの良い部分を融合して面白いものをつくりたいと思って取り入れています。
益子:創業当初から専用の卓球台を入れたかったんですよね。創業当時のオフィスには共有スペースに卓球台があり、ファウンダー4人の議論が煮詰まると、よく卓球をしていました。
石井:私はヘルプデスク(※)にも気遣いを感じますね。ITが苦手なので「なんでそんなこと聞くの?」ってことをヘルプデスクにいっぱい質問しています。内心ドキドキしながら聞いているんですが、そこを優しく受けとめてくれるのでありがたいですね。
※……誰に聞いてよいかわからないようなことを自由に質問し、わかる人がいれば回答する、slack上の助け合いチャンネル
益子:"User-First"でお客様にFintechサービスを提供するためには、金融の知識もテクノロジーの知識も必要です。だから「開発チームやCSチームで互いに持っている知識を持ち寄り"Fintech"を勉強し合い、教え合うような組織にしていきたい」と思い、設置しました。
中村:私たちの社員の年齢の構成比を見るとわかるんですが、30代と50代が多いんです。テクノロジーは若い人が勢いを持って作り、金融の基礎知識とか各種機関との対応には経験のあるプロの方が集まって対応してくれている。この融合がsustenの面白いところで、それを促す工夫を重要視しています。
sustenの未来をつくるエンジニアへ
ーー最後になりますが、CSチームのお二人はどんなエンジニアの方とsustenで一緒に働きたいと考えていますか?
太田:同じ土俵の上で、お客様の目線を大切にしていただける方と一緒に仕事をしていきたいと思っています。
長らく金融商品を取り扱ってきた身として、sustenのサービスは革命的と言っていいほど画期的な金融サービスだと感じています。日本では「貯蓄」という発想に慣れ、元本リスクを伴った「投資」には抵抗のある方も多いです。
ですが、当社のサービスは、お客様に長く続けていただければ価値を理解いただき、また喜んでいただけるものと考えています。今まで投資経験のない方々にも長期運用の考え方を広め、いずれは世の中の当たり前になる、そんなサービスの成長を一緒に支えてほしいですね。
石井:私もsustenのサービスは画期的だと思っています。営業時代に販売していた投資信託は高額な手数料の商品が多く、「手数料分を取り返すのに時間がかかりすぎる」と感じたことがキャリアの中で少なからずありました。SUSTENはそんな私が「自分でも使ってみたい」「自分が自信を持って薦められる」と感じたサービスです。
多くの人に知ってもらい、運用成績はもちろん、プロダクト・サービスをすべてひっくるめて「sustenっていいよね。良い会社だよね」と言ってもらいたいと思っています。こうした思いに共感してくださる方に、ぜひ来て頂けたらうれしいです!
執筆:北原泰幸、編集:榮田佳織