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SUPER STUDIOでは、社内表彰制度「SUPER STUDIO AWARD」を実施しています。全10回に渡り、2023年度の受賞者インタビューを紹介します。
最後にご紹介するのは、2023年度MVT(Most Valuable Team)のプロジェクト部門を受賞した、エンタープライズプロジェクトです。プロジェクトを代表して、7名の方にお話を伺いました。インタビュアーは人事戦略室 室長の吉田が務めました。
今回は、MVT受賞の決め手になったポイントや受賞に至った背景、部署間でのコミュニケーションで意識したことなどについてお話を伺いました。
■エンタープライズプロジェクト
・プロダクトマネジメントグループ/プロダクトマネジメントユニット ユニットマネージャー 平子 喜大さん
・カスタマー本部執行役員 兼 プロダクトマーケティングマネジメントグループ グループマネージャー 吉村 一哉さん
・エンタープライズマネジメントグループ/エンタープライズマネジメントユニット 稲垣 知徹さん
・エンタープライズマネジメントグループ グループマネージャー 橋爪 聡史さん
・エンタープライズセールスグループ グループマネージャー 赤木 俊介さん
・ソフトウェアデベロップメントグループ/エンタープライズ開発ユニット 国枝 桂亮さん
・ビッグデータグループ/データ基盤開発ユニット 宮下 裕志さん
ーエンタープライズプロジェクトが大きな成果を出せた理由をお聞かせください。
吉村:エンタープライズ企業におけるシステム移行の戦略が打ち出され、各自がプロジェクトの重要性を意識して緊張感を持って取り組んだことがこの結果につながったと感じています。同じ目標を持って各部署がお互いに協力し合い、業務範囲の枠を超えて商談・開発・移行の各フェーズで新しいことにチャレンジしてきました。
APIを活用した移行やecforce data transferを活用しての移行、移行元のカートシステムのバリエーションの拡張も実現できました。提案方法においても、デモ環境で先行開発を行ったのちにお客様から計画書をいただいて受注するなど、スピード感を持って提案できたと感じています。
また、外部のプロジェクトマネージャーを起用したり、商談フェーズでパフォーマンス検証を行ったりと、これまでにない取り組みを行いました。また、移行後のローンチに至るまで営業メンバーと伴走しながら議論を重ね、お客様と密にコミュニケーションを取り続けたことも成功の一因だと思います。
ーこれまでの取り組みの中で特に良かったと感じる点を教えてください。
吉村:私自身、プロダクトマーケティングマネージャーとしていろいろなプロジェクトに参画し、現場の生の声を収集できたことが非常に有益でした。商談に同席し、お客様のニーズや課題、現場の温度感をプロジェクトメンバーに共有したことで、チームとしての連携が取れたように思います。
稲垣:もともとチーム一丸となって動ける体制が整っていたからこそ、エンタープライズなどの大型な案件で急な依頼を受けた際も、柔軟に対応できたと思います。
橋爪:ある案件で、難易度の高い開発要望を多くいただいたことがありました。その際、先方の期待値が高い開発に対して上記と同様に予めデモ画面を用意したことがありました。その案件ではecforceを導入いただくことはできなかったのですが、このやり方を他の案件でも踏襲したことで早期にお客様と要望内容のすりあわせができ、ecforceの導入に至ったこともありました。
吉村:その一例として、他社カートシステムからの移行を検討されているお客様がいました。理由としては、顧客要望を元に開発された機能に齟齬があったためでした。そのため、事前に開発されたものが見れないと信用できないとのことでした。
そこで、その不安を解消するために先行開発を行い、契約前にデモ環境に実装して認識合わせを行いました。そうすることで、要件通りの開発が実現し、先方の信頼を勝ち取ることができました。そして無事にecforceを導入契約していただくことができました。
ーセールスはお客様にecforceを導入いただくまでのフェーズを担いますが、商談から契約、その後の連携でどんなことを意識されましたか?
赤木:エンタープライズ企業の場合、SaaSのECシステムに馴染みがない方も多くいらっしゃいます。スクラッチで構築したECシステムから上手くSaaSに移行できるのかといったご心配の声も、よくいただきます。そこでセールスとしては、まずSaaSのECシステムを利用するメリットや、システム移行における作業の進め方を丁寧にお伝えするように心がけています。
また、我々のようなスタートアップ企業に本当に任せていいのかと不安に思われる方もいらっしゃるので、これまでの導入実績や事例など様々なケースをご紹介しながら、少しずつ信頼関係を構築するよう努めました。
過去には、システムの設計から開発、導入後の保守・運用までご希望されるケースもありました。
SUPER STUDIOのエンジニアですべての領域をカバーするのは困難であったため、双方にとってベストな方法を社内のメンバーと協議しながら折衷案を考えていきました。
その結果、先述のデモ環境を先にお渡しする方法が発案されたんです。会社としての新たな挑戦にプレッシャーもありましたが、非常にやりがいを感じました。
ーそれぞれの部署間でフラットかつ柔軟に対応されていますが、普段のコミュニケーションで意識されていることはありますか。
赤木:セールスとしてはお客様と同じ目線で、社内のメンバーとコミュニケーションを取ることを意識しています。SUPER STUDIOのメインプロダクトであるecforceは、SaaSだからこその良さがあると思っています。このサービス形態を崩してしまうとecforceの優位性が薄れてしまうので、メリットを保ちながらいかにエンタープライズ企業に提供できるクオリティを担保するかを重視しています。
橋爪:SUPER STUDIOで働く方たちは自分の組織を守ろうとするのではなく、お客様の事業成長や成功を考えて、健全な対応ができる人が多いと感じています。商談後にはプロジェクトマネージャーとセールスマネージャーが集まり、案件の特徴やお客様の温度感などを共有し合った上で、どういうアクションをとるべきかを話し合うように心がけました。
それぞれの持っている知識を共有しながらRFP(提案依頼書)を見直したり、LPでの販売方法を工夫したりするなど、日々新たなアウトプットが生まれました。それによって提案の質が上がっていき、エンタープライズ企業向けに提案できるバリエーションも増えたと思います。
吉村:SUPER STUDIOのエンジニアは、案件の目的やお客様のニーズまでを理解し、積極的に提案してくれるところがあります。また、お客様からの要望に対して「それは難しいですね」と断るのではなく、「こういう対応なら可能ですが、いかがでしょうか」と前向きな提案をしてくれるので、非常に頼りになります。
国枝:ビジネスサイドと連携する際は、開発のリソースをあまり意識させないようにしています。開発リソースが不足していることが原因で、諦めてほしくはないからです。
基本的に、いただいた案件の開発には、何でも取り組むようにしています。そういうスタンスでプロジェクトに取り組んだ結果、契約には至っていないものの、先行開発によってお客様と良好な関係が築けている案件もあります。また、LPでのセット販売を先行開発により実現したことでecforceの導入に繋がったケースもあり、結果的にビジネスサイドに寄与することができています。
またシステムローンチ後も、ビジネスサイドのメンバーがお客様に販売促進の方法をヒアリングしてくれるので、私たちも「それならこの機能も使えると思います」と新たな提案ができています。
平子:私は常に三方良しの実現を意識しています。立場が違うとゴールが異なると思います。ビジネスサイドであればお客様の要望を極力叶えたいですし、プロダクトサイドとしては現状に即した実装を行いたいと考えます。そのような環境下で、それぞれが納得できる落とし所を見つけるように心がけています。
また、お客様が本当に必要なものが何かを整理して言語化し、今ある機能で代替できるのであればその内容を提案するように意識しています。
また、開発をする際は、何を開発すべきかをきちんと吟味し、意見を押し付けるのではなく、「こんな機能を開発するのはどうですか」と相談ベースで提案するように心がけています。
あとは、担当する領域にあわせた言葉を選ぶようにしています。ビジネスサイドには技術的な内容を噛み砕いて伝えたり、エンジニアには具体的な例を用いて機能の実装方法を伝えたりしています。
ー大型案件の際はどんな準備をして臨まれていますか?ビジネスサイドとプロダクトサイドの連携で意識していることも教えてください。
稲垣:規模の大小を問わず、移行案件の際はコスト面の意識は怠らないようにしています。エンタープライズ企業の場合は特にステークホルダーが多いので、ビジネスサイドとプロダクトサイドで連携しながら、相手がどのような温度感なのか、なぜこの対応をする必要があるのか共通認識を持つようにしています。お客様からお話をいただいた背景や現状の運営体制、キーパーソンなどを分析しながら、いつ、誰が、何をしたかといった6W2Hを意識して情報を共有しています。
また、メンバーに依頼や相談をする際は、感謝を忘れず伝えるようにしています。私の立場上、急な対応を求められる場面があるのですが、そのような場面でもSUPER STUDIOのエンジニアの皆さんはスピーディかつ丁寧に対応してくれるので、本当に頼もしく感じています。
吉村:その時々でお客様側はミーティングに出席される方が変わるので、プロジェクトの背景やSaaSに移行するメリットなど、毎回基本的な説明を怠らないよう意識していました。
宮下:エンジニアとしては、データの不備を早めに検知するためにデータベースを大幅に拡張し、事前に何度も検証を繰り返した上で欠損データがない状態で移行作業に臨みました。
また、データをインポートするタイミングが一度のみだと、移行当日に不具合が生じた際、スケジュールが後ろ倒しになってしまう可能性があります。そのため、事前にインフラのスペックを調整した上で作業を3回に分け、2~3時間ほどでインポートを完了できるように準備しました。事前準備を念入りに行ってから移行作業に臨んだので、当日の作業をスムーズに行えるようになりました。
また、作業の属人化の解消にも取り組みました。数年前まではプロジェクトマネージャーと移行担当のエンジニアがペアで1つの案件に対応していましたが、移行担当のエンジニアが1名のみだと当日緊急対応があった場合に時間がかかったり、対応できなくなったりする可能性もあります。
そのため、複数人で1案件を担当するように運用を変えました。さらに昨年は、ecforce data transferを活用したことで作業効率もアップしました。今までは案件ごとにスクリプトを書いていたのですが、ecforce data transferを使うことでデータ加工とインポートを分けられるようになり、作業スピードが格段に上がりました。移行業務自体をシステム化したことでお客様とやり取りする回数が減り、コミュニケーションコストも大幅に下がりました。
稲垣:ecforce data transferを使うようになり、これまで10~15営業日かかっていた作業が5営業日ほどに縮まりました。それにより次のステップの検証に移るまでの時間が短くなり、全体のスケジュールが組みやすくなったのは大きなメリットですね。
ー最後に、昨年の振り返りとチームの今後の展望について教えていただけますか。
赤木・吉村:エンタープライズ案件をきっかけに各部署の業務の質が向上しましたし、プロジェクトの基盤が構築されたことで全員が同じ方向を向いて活動できたと思います。
それにより、セールスのトークや提案資料の作成など、一人ひとりのスキルが格段に上がりました。結果、これまで半年かかった成約件数を単月で達成するなど、チームとして大きく成長できたと実感しています。これからもさらにプロジェクトメンバー一丸となって、新たな取り組みにチャレンジしていきたいと思います。
橋爪:まずはエンタープライズ企業の皆さまに、ecforceをはじめとした私たちのプロダクトを導入してもらえるよう積極的に営業していきたいです。エンタープライズ企業はシステムをカスタマイズしていくことが多いため、様々なケースの導入実績を増やしていけるように注力していきたいです。
赤木:他社はお客様の要望通りにすべてシステムをカスタマイズする傾向にあるのですが、長期的に見ると課題解決に至っていないケースも見受けられます。一方で、私たちは個別のカスタマイズをしないため、EC業界では非常にチャレンジングな取り組みをしています。
この方針を貫きながら数多くのお客様に支持していただけているのは、評価いただけるポイントだと自負しています。これを業界内のスタンダードにできるよう、これからも実績を増やし、今年度もSUPER STUDIO AWARDで表彰してもらえるよう尽力していきます。
MVTを受賞したエンタープライズプロジェクトの皆さんのインタビューをご紹介しました。エンタープライズ案件という高いハードルを乗り越えるため、ビジネスサイドとプロダクトサイド間で密にコミュニケーションを取りながら、お客様にとっての最善策を模索し続けたことが今回の受賞につながりました。
各部署が同じ視座でお互いに協力し合い、それぞれの立場でより良いパフォーマンスを生み出せるように努力するなど、チーム力を高めるために重要なノウハウも教えていただきました。皆さんもぜひ参考にしてみてください。