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従来アナログに行われていた情報収集を効率化するだけでなく、社内のイノベーションマインドの醸成にも効果を発揮する『Anews』は、大企業を中心に2000社以上に導入されています。
その『Anews』をいち早く導入し、数々の新規事業で業界を先導するのが株式会社セブン銀行。今回は専務執行役員の松橋正明さんをお招きし、ストックマーク代表の林、『Anews』セールスマネジャー青木と共に「大企業の変革」をテーマに語っていただきました。
外から見たストックマークの印象や、ストックマークで働くことに関するリアルな話も。この記事ではそのイベントの様子をお伝えします。
トークセッションは終始和やかなムードで進行。写真左からストックマーク林・青木・セブン銀行松橋さん・モデレーターを勤めたストックマーク森住
「全ての組織が進化する必要がある」大企業に外からアプローチするストックマークの役割
ストックマーク 代表取締役CEO 林達:2011年、東京大学部文学部宗教学科卒業後、同年に伊藤忠商事に入社。全社経営戦略策定業務や、投資先の経営管理・新規M&A推進業務に従事。2016年、独立しストックマーク株式会社を設立。現職に就任。
林:ストックマークの林です。私から会社概要を簡単にご説明します。
ストックマークはいわゆる「AIスタートアップ」と認識されていますが、AIには大きく3つの分野があります。1つ目は画像認識。2つ目は運動行動。3つ目は自然言語処理。私たちはこの中で最も難しい自然言語処理の分野に取り組んでいます。
よく驚かれるのは、スタートアップでありながら当社のメンバーは8割以上が大企業者で構成されていることです。入社時のメンバーの年齢は30代半ばであることが多いのですが、ちょうど大企業に10年近く勤めて社会人としての自我が芽生え「自分は社会にどんなバリューを発揮していきていこうか」と考え出す時期なんですよね。そのときに自分の今の働き方に疑問を感じ「大企業を変えたいけれど、中から変えていくのは難しい。それなら進化するテクノロジーの力を使って大企業を外から変えていこう」という志を持つにいたった人たちが集まっているのが特徴です。
林:現代は「VUCAの時代」と呼ばれるように、何が起きるかわからない時代です。テクノロジーが進化し、モバイル端末がほぼ全ての人々に行き渡ったことで、データ量が爆発的に増えています。第4次産業革命を支えるAIへの理解は必須で、全ての組織が進化しなくてはならない状況です。そんな中、私たちは自然言語処理とITの知見を組み合わせて、3つのSaaSサービス『Astrategy』『Anews』『Asales』を展開しています。
ストックマークがこれらのサービスで目指しているのは、「データ活用による顧客中心主義へのシフト」です。顧客価値に繋がらない業務は全てAIに任せ、人がクリエイティブな仕事に集中できる環境を作っていけるよう、私たちは日本の産業構造そのものを変えるチャレンジをしていきたいと思っています。
「銀行」のイメージにとらわれることなく、顧客目線で産業の再構成に挑むセブン銀行
株式会社セブン銀行 専務執行役員 松橋正明:第二創業を掲げ、自己変革を高速に推進しスタートアップ企業とのコラボを始めとした新たな手法に取り組んでいる。ストックマークのサービスを活用し「経営の意思決定スピード」を高め、出資や子会社設立も進めている。
松橋:セブン銀行の松橋と申します。私から会社紹介とこれまでのセブン銀行の取り組みについてお伝えします。
私たちセブン銀行は、「お客様の立場に立ったサービス・産業の再構成」に取り組んでいます。従来の産業が作り出したサービスは企業側の目線で作られたものが中心でしたが、これからはそれらのサービスをお客様目線で再構築する必要があると思っています。
セブン銀行の創業時は、そもそもコンビニATM自体が存在しませんでした。そんな状況下で誰もが気軽にATM、ひいては金融サービスにアクセスできるようにしたいとの想いで事業を展開してきたのです。コンビニATMの普及にに留まらず、外国人観光客の方が海外発行カードで日本円を引出せるサービスの提供や、国内在住外国人向けの送金サービスの取り扱い、そして車椅子のお客様を意識したバリアフリー化など、新しい施策に積極的に取り組み、「お客様中心のアプローチ」で社会課題を解決してきました。
そうしてATM事業は一定の成長率に達し、現在は第二創業期にあたります。銀行というと堅いイメージを持たれる方も多いと思いますが、私たちは既存の枠組みにとらわれることなく、ここ3~4年で新しいアプローチを進めてきました。
例えば、ATMでの電子マネーチャージも可能にしたり、キャッシュカードを持ち歩かない方が増えてきた現状に合わせて、スマホがあれば現金を引き出せるサービスとして「スマホATM」を開発したりしました。また融資ではなく出資をスタートアップに対して実施し連携強化もはかっています。
こうした新規事業を推進しているのが、R&D組織「セブンラボ」です。イノベーションを進めるにあたってフィンテック周りは非常に変化が早いため、私たちは社内情報のキュレーションを重視しています。そこでストックマークさんの『Anews』を情報収集に大いに活用しています。
セブン銀行と同じく常にチャレンジを続けているストックマークさんは、お客様の立場で変化を起こしていくために必要な素晴らしいパートナーだと思っています。
「外」から見たストックマーク
ーーここからはストックマークで『Anews』のセールスマネジャーを務める青木を交えてトークを始めたいと思います。青木さん自己紹介をお願いします。
青木:ストックマークの青木です。今年の5月にストックマークに入社する前は、Bloombergで金融情報のエンタープライズのセールスを9年間していました。キャリアの最後の方では事業法人のお客様専門チームのマネジャーとして、上場企業の財務部やIR担当の方にソリューション営業をしていました。
ストックマーク セールスマネジャー 青木亮:パース大学院(UK)卒業後、Bloomberg L.P.に入社。約6年、金融機関向けに金融情報端末やエンタープライズプロダクトのコンサルティングセールスに従事。グローバルでトップセールスの評価を受ける。2019年、ストックマークに移籍し現職。
ーーBloombergは相当待遇が良かったのではないかと思うのですが(笑)、なぜストックマークに入ろうと思ったのですか?
青木:事業法人のお客様と接する中で、お客様の業務改善に対する意識がテクノロジーの進化に追いついていないと感じていたんです。特に情報収集においては「キーワードを入れてサイトを見る」というプル型の古いやり方をしているお客様が非常に多くて。でもテクノロジーができることってもっと進んでいますよね。例えば、膨大な情報量にリーチするのは圧倒的に人工知能の方が得意です。
テクノロジーの進化に取り残された業務フローを目の当たりにして、「日本企業はこのままで大丈夫なのか?」と思うようになりました。「人間の脳を使うべき業務に使うために、情報収集や分析の業務をテクノロジーの力で180度変えられないか?」と考えていたときに、林さんに出会ってしまった(笑)。彼のビジョンにはとても共感できると感じましたね。
林:青木さんとは面接で初めてお会いしたのですが、すぐに意気投合して話は早かったです。
ーー松橋さんは、ストックマークの第一印象はいかがでしたか?
松橋:林さんとお会いしたときに、「熱い想いを持っている方だな」と感じました。やりたいことをやっている人の“巻き込む力”って本当にすごいんですよね。私自身がやりたいことをずっと追求してきていることもあり、林さんの熱意には共感しましたね。
テクノロジーはあくまで「手段」。文系・理系は関係なし
ーー特に技術を学んできたわけではない場合、「テクノロジーで社会を変えていけるんじゃないか?」という肌感覚をどのように養うのでしょうか。そもそも、林さんはド文系ですよね?
林:文学部宗教学科出身のド文系です。今は講演会でAIについて語っていますが、元々は全くAIの人ではありませんでした。僕はテクノロジーを手段だと捉えているんです。「AIで何かしたい」ではなく、「大企業の業務を変えるために、AIなどのテクノロジーが使えるのでは?」と考えています。
どうやってテクノロジーを使えばいいか具体的なイメージを持てるようになったのは、実はこのビジネスを始めた後です。創業当初は僕がこしらえたデータをCTOに渡して、AIの精度を高めていくという作業を繰り返しやっていました。すると次第に「AIは学習を経てこういう風に動くんだ」とわかるようになり、テクノロジーに対する恐怖感は自然となくなりました。「テクノロジーは人のために使えるものなんだ」と腹落ちしたんですね。
ーーテクノロジーを扱ってビジネスをするにあたって、文系・理系は関係ないですか?
林:関係ないです。だって皆さん、Google検索を抵抗なく使っているじゃないですか。それと一緒です。どんなにテクノロジーが進歩しても、その原理原則さえわかっていれば誰もが扱えるものだと思います。
ーー松橋さんは機械工学科のご出身で、以前電機メーカーに勤務されていたとのことですが、理系出身者としてテクノロジーをどのように捉えていらっしゃいますか?
松橋:林さんが言うように、私もテクノロジーは「手段」だと認識しています。今の事業部ではたまたまテクノロジーが必要なので使っていますが、テクノロジーを使うこと自体にこだわっているわけではありません。
私は以前、テクノロジーありきで開発するプロジェクトに携わったことがありますが、作りたいものではなく非常にストレスを感じましたし、結局そのプロジェクトはいい結果にならなかったんですね。やりたいことに到達するために使うのが、本来のテクノロジーとの付き合い方ですからね。
新規事業にチャレンジし続けられる組織とは?
ーー今はDXが流行していて、とにかくテクノロジーで何かやらなくてはという風潮があるように思います。青木さんは日々お客様と接する機会があると思いますが、そもそもお客様は自分たちのやりたいことを定義できているのでしょうか?
青木:セブン銀行さんのように上手くいっているケースは少ないと思います。会社が「新規事業開発室」のような部署を作って「DXをやりなさい」と号令を掛けているパターンが多い印象はありますね。
私から松橋さんにお伺いしたいのですが、銀行という組織はかなり保守的で、新しいことに消極的な傾向があると思っています。そんな中、セブン銀行がイノベーションマインドの実装に成功しているのは、なぜなのでしょうか?
松橋:元々自立性の高いメンバーが集まっていることは大きいですね。著名な方をお呼びして社内の空気作りをしたり、アイディアコンテストを開いたりして、チャレンジ精神を引き上げるような取り組みを地道に行っています。
ちなみに弊社で新規事業を担当するチームには、あえて違うスキルを持ったメンバーを集めています。判断基準の異なる、多様な価値観を持ったメンバーで構成された組織の方が良いものを作れるからです。そのために、外部からきた人をちゃんと受け容れられる、受容性の高い組織であることを大切にしています。
林:松橋さんはじめ、新規事業開発を担当する皆さんのモチベーションの源泉は何なのでしょうか? 大企業で新規事業を担当する方は、1年ぐらいは頑張れたとしても、社内コミュニケーションが壁となり次第に疲弊していく傾向があるように感じます。継続して新規事業を生み出せている源は何だと思いますか?
松橋:反対する人が現れるアイデアの方が、成功する確率の高いことを知っているからですかね。私は新規事業開発を30年担当していますが、新しいことをやろうとすると必ず敵が現れます。もしかすると、その敵を攻略することに喜びを感じているのかもしれません。
ーー最初は敵だった人を味方にしていくことにモチベーションを感じているのですね。ところで青木さんは、ストックマークで働くにあたり何がモチベーションの源泉になっていますか?
青木:「テクノロジーで大企業を変えていく」というビジネスそのもののやりがいに加えて、前向きなお客様と仕事ができることですね。「なんとか会社を変えていきたい」という熱い想いを持っている方や、未来を見据えて目がキラキラしている方とご一緒できるのはすごくいいなと思っています。
ストックマークは意思決定のスピードが圧倒的に早いですし、エンジニアとの距離も近いので、「いかにお客様をハッピーにできるか?」をピュアに追求することができます。社内調整で発生するような“雑音”が一切なく、ビジネスにフォーカスできる日々は本当に楽しいですね。
質疑応答タイムののち、トークセッションは終了。その後場所をストックマークの新しい執務スペースに移し、懇親会を開催。登壇者と参加者の活発な意見交換が行われた。
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