SQUEEZEのCEO舘林が、4月頭に行われた近畿大学大学院の入学式にて、新入生の皆さまへ向けて動画でメッセージをお送りする機会をいただきました!
近畿大学大学院とは、昨年から学生インターンシップにて連携を深めており、今回のメッセージ動画もSQUEEZEでインターンをしてくれていた学生が作成してくれました。
(そのことについては、また別記事で紹介させてください!)
本記事では、その動画からメッセージをお伝えしたいと思います。
(左から)SQUEEZE舘林、近畿大学大学院からのインターンシップ生 山内さん、近畿大学 浦上教授、インキュベイトファンド 本間代表パートナー
~以下、当日のスピーチ動画より~
皆さんこんにちは。
株式会社SQUEEZE代表取締役の舘林です。
この度は近畿大学大学院へのご入学誠におめでとうございます。
今日、皆さんにお伝えしたいことがひとつあります。
それは「全ては繋がる」ということです。
まず皆さんが今日という日に、この場に集まって、この日を迎えてること本当に素晴らしいんじゃないかなという風に思っています。振り返ればこの3年4年大変厳しい世の中だったと思いますし、とても大変な時期を皆さんに乗り越えて今があるのではないでしょうか。 そして今日、なぜ私がこのような機会を頂いてるかといいますと、昨年近畿大学の大学院で「実学社会起業イノベーション学位プログラム」という新しいプログラムが始まり、そこで長期インターンシップという取り組みがありました。インターンシップを企画している先生方とお話しし、ぜひSQUEEZEでも学生の皆さんを受け入れさせてくださいということになり、実際数名の方が当社でインターンシップを行ってくれました。 本来我々が仕事の機会や経験を提供する側であると思いますが、私含め会社全体がむしろ学生の方々から学ばせていただいたなと感じていますし、即戦力になってくれて実は今でも手伝ってもらっているという・・そんなきっかけで、今回このような機会をいただきました。本当にありがとうございます。
少しだけ当社SQUEEZEの紹介もさせてください。我々は宿泊・観光業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指して取り組んでるスタートアップ企業です。全国に約30施設のホテルを運営しながら、その基幹システムとなるオペレーションシステムを自社で開発し、システムを軸としたソリューションを業界のほかのプレーヤーにも提供していくというビジネスを行っています。 4年ほど前にはカンボジアのプノンペンに現地法人を立ち上げて、現地から日本全国のホテル・旅館に対して「クラウドコンシェルジュ」という形で、オンラインでホテルフロントの業務を提供するというサービスも展開しています。
そして私はいま、北海道日本ハムファイターズさんの新球場であるエスコンフィールドHOKKAIDOのレフトスタンド側にあるホテルの中にいるんですが、ここは実は世界初の取り組みで球場内のホテルと温泉サウナが一体となった施設です。こちらもSQUEEZEが運営のパートナーとして一緒に事業を推進させていただいています。
今日皆さんにお伝えしたいのは、「全ては繋がる」ということ。それは自分のすべての経験が、その時はこの場限りかな、と思うようなことであっても、必ず何かしらの形で将来まで繋がっていくということです。 例えば私自身、小さい頃1番熱中したことは野球です。本当に野球バカで、野球しか知らない野球小僧でした。四六時中、野球のことを考え、甲子園に行けるような野球部のある高校にはいり、とにかく練習に打ち込む毎日でした。でも、高校3年生の最後の夏に我々のチームは地区予選で敗退してしまい、甲子園には行けず、自分自身もまったく活躍できず、本当に最初に挫折を味わいました。その時に目指していた夢は叶わなかったですが、野球を通じて学んだことは数多くあります。チームプレーや、周りの人に感謝をする大切さ、目標に向かって走り続ける力、それらを野球を通して養うことができましたし、社会人になって起業した後も自分の基礎になっていると常々感じています。
高校野球部時代の舘林(左端は現北海道日本ハムファイターズの伏見寅威選手、左から3番目がCEO舘林)
その後、大学にはいり、次に熱中したことは海外でした。グローバルな取り組みに興味がわいたものの、当時はまったく英語ができなかったので、それまで野球に費やしてきたエネルギーをすべて向けて、英語を猛勉強しました。結果、海外の留学プログラムになんとか合格することができアメリカに留学をしました。帰国後は大学のあらゆる制度を活用してタイやバングラデシュ、ワシントンDCに行ったりと本当に様々な経験をさせてもらいました。この近畿大学、大学院にもたくさんの制度やプログラムがあると思いますので、ぜひこの数年間のあいだに皆さんにもフル活用して色々な経験をしていただくと良いのではないかなと思います。
ムハマドユヌス氏と
英語を身に着けたこと以外にもう1つ、学生時代の大きなターニングポイントとなったことがあります。皆さんはバングラデシュのグラミン銀行のムハマドユヌスさんという方をご存じでしょうか。ユヌスさんは貧困に苦しむ人々に向けたマイクロファイナンスの仕組みを作られ、2006年にノーベル平和賞を受賞された方です。私は大学生の時このマイクロファイナンスの研究をしていたんですが、ちょうどアメリカに留学している時に、このユヌスさんが基調講演でその留学先に訪問されて、実際に直接お話する機会に恵まれました。自分の中ではその体験が非常に刺激的で、思い立ったらすぐ行動!ということですぐにバングラデシュに行き、インターンシップをさせてもらえないかと交渉して、グラミン銀行でインターンシップをさせていただくような経験をしました。
グラミン銀行でのインターンシップにて
グラミン銀行のインターンシップでは、地方の農村に行って実際にこのマイクロファイナンスのお手伝いをさせてもらいました。農村に数週間滞在して、夜は電気も通っていなくてロウソクの生活なんかも体験しながら、でした。そんな環境でも、そこにいる子供たちや働く人たちの目はキラキラしていて、野心はあり、目標をしっかりもっていたんですよね。自分自身すごく刺激を受けて、もっとやれるな、と。その時の気持ちや、受けた刺激が起業にも繋がっているかもしれませんし、カンボジアで事業をやっていることにも繋がっているなという風に思います。
SQUEEZE Asiaのメンバーとともに
大学卒業後、運良くアメリカの投資銀行のゴールドマンサックスという会社に就職して、1年目にシンガポールに行くことになりました。外資系金融で海外で働くなんて格好良いじゃないかと思っていたところ、これまた思いっきり挫折を味わいました。そこにいる方々はみんな英語も中国語も使いこなし、自分より何倍も優秀な人たちばかりで、全然追いつけず、なんとか1年は続けましたが結果転職することになります。シンガポール内でトリップアドバイザーという会社に転職して、訪日旅行者のマーケティングに携わらせてもらうことになりました。
ここでの経験がまた、自分がスタートする事業に繋がっています。今でこそ知られている民泊やAirBnbというものが、当時は日本でまだ根付いておらず、その可能性に気づき、民泊運営を支援する会社を立ち上げようと考えたのが起業のきっかけとなり、いまのSQUEEZEの事業の原点となっています。
創業当時のオフィス
「人間万事塞翁が馬」という言葉がありますが、この言葉通り、私はラッキーだったなという風に思っています。例えば野球に夢中になったこととホテル運営をやってきたことが繋がり、いまこのように球場内ホテルの運営に携わることができ、サウナに入りながら試合観戦をするという世界初の試みやそのほかたくさんのユニークなアイデアを、色々な方々と形にするチャンスをいただいています。 これまでの経験の積み重ねによって、そして日本・海外で出会ったさまざまな仲間やいま事業をともに推進してくれているメンバーにも恵まれて、今の自分があるんじゃないかなと思います。
私から皆さんに伝えられる素敵なお話はあまりないかもしれませんが、「全ては繋がる」ということについて少しでもお伝えできていたら嬉しいです。
SQUEEZEも2020年~2021年頃はコロナウイルスの影響により、会社の危機に陥るような状況もありましたが、カンボジアで立ち上げたクラウドコンシェルジュ事業であったり、システムを開発してきたことが実を結び、また投資家の方々の引き続きの支援をいただけたことで、市場の回復とともにいまV字回復をし成長することができています。
何事もあきらめず、ポジティブに前を向いて進んでいくこと、これが本当に大事だなと感じていますし、「失敗」は次に繋がると思えばそれは「失敗」ではなく「経験」と私は思いますので、失敗を恐れずにどんどん経験を積み、その先に繋がるようなことにトライしてみてほしいなと思っています。
そして最後に、皆さんと日本の将来を盛り上げていきたいと思っています。日本の伝統技術や文化、ホスピタリティはどこをとっても世界に負けていないですし、日本の強みをさらに広げていけるようなことに挑戦して、ぜひオールジャパンで世界に打って出ていきましょうと。それが私からのエールです。
この入学式というDay1からいろいろなことに挑戦して、悔いのない、そして楽しい大学院生活を送って人生の貴重なフェーズにしていただきたいなと思います。 このような機会をいただき、大学の皆様には本当に感謝しております。 長くなりましたが、これをもって私のお祝いのメッセージとさせていただきます。 皆さん、この度はご入学本当におめでとうございます。
入学式、当日の会場の様子