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【代表インタビュー】SocialDog 創業ストーリー。SocialDogを通じて実現したい世界とは。

今回は、株式会社SocialDog創業者・CEOの小西 将史にインタビューを行いました。

半生を振り返りながら、小西が大切にしている価値観や考え方について聞きました。

プロフィール

2011年大学在学中にTwitter分析サービス「whotwi」をリリース。2012年早稲田大学人間科学部卒業。5人目の社員として創業期の株式会社エウレカに新卒で入社、エンジニアとして婚活マッチングサービス「Pairs」の立ち上げ、開発責任者、インフラ、グロースハック、サービス企画に携わる。

2015年退職。2016年7月、株式会社AutoScale(現 株式会社SocialDog)を創業。

落ちこぼれだった子供時代

──はじめに、幼少期や学生時代のお話から聞かせてください。

父の仕事の都合で3度の転居を経て、千葉県流山市で育ちました。

小学2年生のとき、父の仕事の都合で1年だけシンガポールに住んでいたことがあります。英語は全然できませんでしたが、これ以降海外への心理的な距離感が近くなったような気がします。

▲自宅にて

──どんな子どもでしたか?

小学生のときは、落ちこぼれという感じの子供でした。運動も勉強も苦手で、逆上がりができなかったり、テストの結果が悪くて居残りをさせられたりしていました。

唯一勉強だけは、中学校のとき一回だけ勉強を頑張ってみたら良い結果が出たことがあって。「勉強すればちゃんと結果がついてくる」ということを実感し、「努力して良い結果を得る」ということを覚えて、そこからなんとか巻き返していきました。

このときの成功体験は、テストで悪い点を取ったときでも母がいつも「君はやればできる」といつも言ってくれていたおかげでもあると思っていて、今ではとても感謝しています。

人の課題を解決し、使ってもらえるものを作る

──どんな学生生活でしたか?

小学生の頃からパソコンで遊んでいたこともあり、高校生になると将来は情報系の仕事をしたいと思うように。早稲田大学の情報系の学部に進学しました。

大学ではそれまでと違って、自分と同じように開発が好きな人がまわりにいたので、開発やウェブの話をしたり、学内の勉強会で発表したりすることができて世界が広がりました。今、その友人たちは有名なエンジニアになっていたり、ベンチャー企業の役員をしていたりと、多方面で活躍していて、とても良い刺激をもらっています。

──学生時代から開発していたんですね。

小学4年生のときに父が、当時発売したてのWindows 95のパソコンを買ってきて、はじめてパソコンやインターネットに触れました。好奇心でパソコンに入っているソフトを触ったりしているうちに、HTMLやJavaScriptで簡単なウェブサイトを作って遊びはじめました。とあるウェブサイトにあるgifアニメーションの画像を、imgタグで呼び出すことができたとき、とてもワクワクして感動したことを今でも覚えています。

自分の思い通りにウェブサイトを作れることがものすごく楽しく、魔法のように感じられました。当時まだSNSもなかったので、自分でCGI(Perlスクリプト)のゲームを探してきてレンタルサーバーに設置して友達と遊んだりしていました。今自分のキャリアを思い返すと、ウェブサービスの世界に進むことを選んだのは、このときの体験が大きかったように思います。

大学生になってからは自由な時間が増えたので、自然とウェブサービスを作るために必要なJavaScriptやPHPといった技術を学び始めました。ウェブサービスを作ること、実際に自分の作ったものをユーザーに使ってもらい、他の人の役に立つということがとても楽しく、やりがいを感じました。

そのあたりから、自分が作ったウェブサービスを多くの人に使ってほしいという気持ちが生まれました。開発する時にも、どうすればより多くのの人に使ってもらえるか?を強く意識するようにしました。例えば、当時プログラムの世界で日時を表すUnixtimeというものがあり、これを人間にわかる表現に変換するのはかなり手間がかかるという課題がありました。自身も不便に感じていたので、簡単にUnixtimeを変換できるツールを2008年に公開したんです。それがいまでも「unixtime」検索すると一位で表示され、多くの人に使ってもらっています。。プログラム自体は簡単に作れるものですが、課題を解決できるものは需要があり、多くの人に使ってもらえるんだな、と実感できた経験です。

──一番アクセスされたウェブサービスはなんですか?

大学4年生のときに公開した、Twitterでのやりとりを分析して、「仲良しの人」や投稿の傾向を表示するウェブサービス「whotwi」(フーツイ)です。whotwiには拡散する仕掛けとして、「仲良し度」の高いフォロワーをシェアできる機能を設けました。「仲良しの人」をツイートすると、仲良しの人」にメンションが飛び、その人がまたシェアをするとさらにアクセスが増えていきます。この仕掛けがうまく機能し、Twitter上で拡散されて継続的にアクセスがあるサービスになりました。リリース後3か月には毎日数千ツイートされるようになり、月間100万PVに達するウェブサービスになりました。

whotwiの作者である私のTwitterアカウントにはポジティブな感想が多く寄せられました。このとき、自分が作ったプロダクトを多くの人々に使ってもらい、喜んでもらえることが、こんなにも楽しくやりがいのあることなんだ、ということを知りました。whotwiはその後2016年にフルリニューアルをし、現在も月間1000万PVほどのアクセスがあります。

whotwiでは広告収入もありましたが、収益を得ることよりも、「多くの人に使ってもらえている、喜んでもらえている」という事実の方がはるかに嬉しいと感じていました。

迷ったときはわくわくする方を選ぶ

──学生時代のインターンについて教えてください。

大学入学からの3年間は趣味で開発をしていましたが、やはり一人でできることには限界があり、他の人とコラボレーションしてサービス開発をしてみたいと思っていました。

そこで大学4年生のとき、当時社員が3人くらいだったエウレカにインターンとしてジョインしました。

当時のエウレカには開発をしたい大学生のインターンが10名ほど在籍していました。彼らとプロダクトをいくつか作る中で、一人で開発するときには得られない多くの体験があり、コラボレーションの大切さを知りました。

エウレカでの仕事は、ベンチャーならではの大きな裁量とスピード感があり、僕にとって非常にエキサイティングでした。当時のエウレカは人数が少なかったので、自分の裁量が大きく、自分の作ったものがダイレクトに会社の業績に影響するという実感を持てました。また意思決定が非常に早く、やると決めたことはすぐにやるという体制になっていて、かなりスピード感がありました。

エウレカでのインターンを開始したときには、すでに就職活動が終わっていて、当時数百人規模のメガベンチャーに内定していたのですが、エウレカで働くことにやりがいを感じ夢中になっていたこともあり、内定を辞退して、新卒でエウレカに就職することにしました。

僕は一度しかない人生なので、何かを決めるときは、わくわくする方、直感的にやってみたい方を選ぶことにしています。今でもこのときはいい判断をしたと思っています。

たくさんの人々に喜んでもらえるようなプロダクトを作りたい

──エウレカでの仕事について教えてください。

エウレカに入社後は、いくつかの新規事業開発の経験を経て、婚活マッチングプラットフォーム「Pairs」の立ち上げに携わりました。Pairsの立ち上げ時は、社長直下にエンジニア2名とデザイナー1名、合計3名だけ、というチームだったので、システム構成の策定、インフラの管理、開発といったエンジニアとしての業務のほかにも、プロダクト企画・分析、問い合わせ対応など、サービス立ち上げと運営に必要なことは何でもやっていました。この時に「新サービスを立ち上げる」ことのリアリティ、大変さ、面白さを深く理解できた気がします。

Pairsはリリース当初からものすごい勢いで成長していました。ユーザー数の急増に伴って、数十万人の会員の中から最適な人を表示するために独自のアルゴリズムを作ったり、障害を知らせるアラートに対応してインフラを増強したりといった急成長に伴う種々の問題にも直面しました。当時とても大変でしたが、振り返ると、このときの「課題解決に真剣に取り組む」経験がエンジニアとして大きく成長できたと思います。

新卒入社から3年経ったときに、新規事業としてカップル専用アプリ「Couples」を立ち上げることになり、その10名強のチームで開発リーダーに抜擢されました。

私は開発はもちろん好きですが、多くの人々に喜んでもらえるようなプロダクトを作りたいと思っていたので、開発以外のマネジメントや職種を超えた連携、事業開発をはじめ、組織やプロダクトを俯瞰しながらチームづくりをしていくような経験できたのは非常に良かったですし、視座も上がったと思います。また、自分たちの仕事がユーザーの良い体験を作り、さらに売上にも貢献できることに、大きなやりがいを感じました。

──エウレカは3年半後に退職しましたね。

はい。エウレカはプロダクトが急成長していることから、社員もどんどん増えて、1年おきにオフィスを引っ越すほどでした。まさにベンチャー企業の急成長を目の当たりにしました。社員が増えるにつれて分業化が進み、当初のようなスタートアップ感は薄れていきました。

そういった中で、やはり自分で0からプロダクトを作るということをやってみたいという思いが強くなっていきました。そこで、新卒入社から3年半後にエウレカを退職しました。

仲間とともにSNSでのコミュニケーションをよりよくしていく

──なぜSNS管理ツールの事業を始めたのですか?

学生時代に作ったTwitter運用ツールwhotwiの運用を通じて、SNSのユーザー数の急激な増加、個人だけではなく企業も積極的に活用するようになっていることを目の当たりにしていました。このSNSの急成長ぶりを考えると、①SNSの管理に利用できる、②日本語に対応している、③企業でも安心して利用できる、この全てが揃っているツールが必要だと感じましたが、当時そんなツールは世の中に存在していませんでした。

ツールを使わないでSNS運用を行うと、様々な問題が発生します。例えば、人気アカウントの場合、膨大なフォロワーの管理にかなりの工数を要すること、企業でSNSを活用する場合、休日の投稿のために担当者が休日に出勤し投稿作業を行う必要があること、担当者がフォロワー数などのKPI把握のために毎日Excelにデータ入力をする必要があること、などがあります。この例はほんの一部で、他にも様々な課題があります。

SNSを活用する企業や個人が増え、SNSの運用の重要度が増しているにも関わらず、運用は非効率で成果が出にくい状態が続いていたのです。SNSを活用することで インターネット上での人や組織のつながり方が大きく変わり、コミュニケーションコストが下がって予算がなくても大きな成果を生み出すことができるようになったのにも関わらず、こういった非効率な業務が残っていることは非常にもったいないと感じていました。

同時に、これらの問題を解決できれば、企業と個人のSNSの活用によって、新たな機会と可能性を生み出すことに寄与できると感じました。

僕は、これらの課題を解決するためのプロダクトを、新たに作ることに決めました。

まずは、日本で一番使われているSNSのTwitterから進めることにしました。Twitterは自分自身も2017年からユーザーとして使っていたことから課題についてもよく理解していましたし、whotwiでの知見もあったので、参入する事業としてはとても適していると考えました。これが2016年6月のことです。

──SocialDogの創業について教えてください。

必要最小限の機能に対応した最初のバージョンを自分1人で1か月ほどで作りました。それをベータ版として公開したところ、1か月で5,000人以上の方に登録し使っていただくことができました。やはりこのプロダクトには需要があるということを確信したので、スタートアップとしてじっくりと取り組むことにしました。

当面の開発資金としてベンチャーキャピタルから出資をしてもらうことに決め、会社を作りました。会社を作ってから半年ほどはプロダクトの開発に専念するため一人で開発を続けました。

▲SocialDog代表小西(左)と、2019年1月にSocialDogに出資した、Reality Accelerator 代表パートナー郡さん(右)

そして2017年1月から仲間を探し、代々木にワンルームマンションのオフィスを借り業務を開始しました。

──その後も順調に成長していますね。

はい。SNS運用担当者のニーズが高い機能から順次実装することで、順調に成長し、2021年には国産SNS管理ツールではアカウント数シェアNo.1になり、2021年12月には登録アカウント数が80万を突破しています。

プロダクトの成長に合わせてメンバーも増えてきて、オフィスが手狭になったことから、2019年には西新宿に移転しました。2020年の冬頃から新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を推奨したところオフィスに誰も行かなくなりました。会社として、各メンバーが働きやすい環境を整備するため、オフィスを閉鎖してフルリモートワークに切り替えました。

ただ、フルリモートワークに移行してから2年が経過し、やはり対面でのコミュニュケーションも必要であると感じています。そこで2021年12月には対面での全社納会を実施し、2022年にはオフィスを新たに開設する予定です。オフィスを開設しても自由な働き方は維持したいと思っていて、オフィスはフルリモートでは得られない対面のコミュニケーションが必要なときに集まれる場所にしたいと思っています。

▲イベントでの登壇の様子

──現在のミッションについて教えてください。

私達は「SNSでのコミュニケーションを最適化する」ということをミッションに掲げています。目先はフォロワー管理や、予約投稿、分析といったSNS運用をサポートする機能を提供し、多くのSNSでのコミュニケーションの最適化に貢献していきます。新機能の開発に加え、今後はより多くの方の課題を解決するため、海外への展開を通じてさらに成長していきたいと考えています。

私たちの事業領域は、SNSに関連することすべてだと思っています。これまでは非効率な業務の効率化という課題に対する機能開発を中心に行ってきましたが、これからは新しいSNSの活用に関する機能開発を行い、SNSの新しい可能性を切り拓いていく存在になっていきたいです。例えば、SNS を使ったキャンペーンや来店促進、コマース、運用代行、炎上防止、カスタマーサポートといった課題についても今後取り組みたいと考えています。

「SNS 運用といえばSocialDog」というポジションを確立し、世界標準レベルのツールを作り、世界中の多くの人の役に立てる存在になりたいです。

仕事は幸せに生きていくための方法の一つ

──どんな会社にしたいですか

社会に対しては、SocialDogがSNSにまつわる課題を解決するためになくてはならないような会社にしていきたいと考えています。

働き方という面では、それぞれのメンバーが楽しく仕事し、やりがいを感じ、各メンバーの幸せにつながっていくような会社にしたいと思っています。

ミッションやビジョンを達成するための具体的な行動指針として、大切にしたい価値観を「バリュー」としてまとめています。User First、Speed、Ownership、Professional、Enjoy! の5つです。それぞれについて、簡単にご紹介します。

User Firstは、「ユーザーを喜ばせることを追求しよう」ということです。何よりもまず、ユーザーの課題を解決していくことがすべての基本だと思います。プロダクト開発ではユーザーの声を取り入れて、少しでもユーザーの課題を解決することを意識しています。

Speedは、「早さにこだわろう」ということです。インターネット業界は本当に動きが早いです。最適なタイミングで最適なクオリティのアウトプットを出すようにしています。

Ownershipは、「全員がオーナーシップを持とう」ということです。正解がわからない課題に対して、課題を自分なりに解釈して、仮説を立てて検証していける、オーナーシップを持てる人に多くの裁量を持ってもらうようにしています。

Professionalは、「プロとして最高を目指そう」ということです。世界最高のプロダクトを目指しているので、細かいことにもこだわります。そのために、各メンバーが成長していくことが不可欠です。書籍購入補助など、成長を支援する環境を整備しています。

Enjoy!は、「仕事を楽しもう」ということです。少なくない時間を仕事に費やすことになるので、どうせなら楽しい仕事の方がいいに決まっています!それに、まわりが楽しそうだと自分まで楽しくなるものです。私は仕事を楽しめる人と一緒に働きたいです。仕事を楽しむには、プライベートを充実させることも大切だと思っています。SocialDogでは仕事を定時の中で終わらせるカルチャーが根付いていて、残業はかなり少なくなっています。実際に1日の平均残業時間は平均10分ぐらいです。

2021年12月の納会の様子

──いいプロダクトを創るために意識していることはありますか?

いいプロダクトを創るために、プロダクトに関わるメンバー全員が「プロダクトをどうすれば改善できるか」を考える方が良いプロダクトにつながると思っているので、「いつでもだれでもバックログ」という制度を作っています。この制度は、文字通りいつでも誰でも改善アイディアを投稿することができるというものです。実際にこの制度で改善案が出てリリースされることも少なくありません。

関わるメンバー全員が幸せに働いていけるような環境を作りたいと思っています。働く環境は本人の成長にかなり影響します。成長しやすいようなカルチャー、仕組みを作ることをいつも意識しています。

例えば、事前承認不要で経費精算カードによるシームレスな書籍購入補助でスキルアップを推進したり、リモートワークやフレックスタイム制を導入して働き方の自由度をあげたり、エンジニアチームでは、PHPからGoへのリプレイスを決めたり、技術的負債を貯めないようなフローの整備したり、スクラム導入を導入したり...等、開発チームが技術的なチャレンジをしやすいようにしています。

──本日は、ありがとうございました

こちらこそ、ありがとうございました!

SocialDogでは、こういったミッションの実現に一緒に取り組む仲間を探しています。カジュアルな面談も実施していますので、ぜひお気軽にご連絡ください!

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