noteより転載
2024年9月にSIVAグループを創業しました。そして、約1年間で計4社・100億円を超えるM&Aを行いました。
■時系列
- 2016年10月:Squad社創業
- 2020年7月:Squad beyond(デジタル広告運用SaaS)をリリース
- 2024年9月:Squad社売却
- 2024年10月:SIVAグループ組成(売却益を100%出資*)・Squad社をグループ化
- 2025年3月:VERTICE社をグループ化(中古車ディーラー向け基幹ソフトウェア)
- 2025年5月:ビジネスブレーン社をグループ化(ホテル向け基幹ソフトウェア)
- 2025年12月:menu magazine社をグループ化(ネットスーパー構築SaaS)
- 2026年1~3月:追加3社のM&Aを実行予定
これだけ書くと、大型資金を集めて買収でデカくなって大型EXIT目指す!
というお金の話だけに聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
健全でポジティブな世代交代と、スタートアップの新たな成長モデルの確立を通し、すべての業界のすべての現場をエンパワーメントする
というビジョンを掲げています。
もちろん、投資を受けている以上伝説級のリターンを目指しますが、それは事例を作り後続を生み出すためでもあり、我々のビジョンの達成度合いと世の中に対して出した良い影響を測るバロメータとしての数値であるべきと認識しています。
具体的にどんな事を目指すのか書いていきます。
健全でポジティブな世代交代とは
前任者をリスペクトし、これまでの功績に見合うリターンとともに納得した形で道を譲ってもらうことです。下の世代が上の世代を追い出すのでなく、また上の世代が下の世代にしかたなく譲るのでなく、
・「この」次の世代の人達がいるならば自分は安心して道を委ねたい。
・「自分の世代よりも良いものを、残った社員たちに与えてもらえる」
と実感しながらバトンタッチしていただくことです。
M&Aというと大企業や歴史の長い企業が新興企業を傘下に収める事例の方が多いと思われますが、我々は自社よりも大きい会社も歴史の長い会社も対象とします。
M&Aを通し経営のモダン化やM&A後の再成長を実現する流れが一般的になれば、前任の功労者は納得して次の時代に託せ、次の世代にはチャンスが訪れることが増え、成長の勢いを生み出すことができるのではないかと考えています。
自分達よりも前の世代の起業家や創業オーナーのEXITと残った社員の成長。そして自社の成長の三方良しを目指すイメージ。
「人生で大切なのは何を得たかではなく何を与えたか」というのは割と好きな考え方なのですが、それを全方位(つまり前任者にも)実現したうえで、経済的なリターンもちゃんと最大化しよう。といった考えです。
スタートアップの新たな成長モデルとは
前でも少し触れましたが、自分達よりも前の世代の起業家や創業オーナーのEXITを支援することをきっかけに自社の非連続な成長を目指します。
スタートアップの出口戦略としてのM&Aでなく、より大きなインパクトを生み出す入口としてPEファンドと組んでM&Aを実行します。
この取り組み自体がVC中心のこれまでのスタートアップ環境ではあまりない事例であると捉えています。
また、我々が今日に至るまでに実行した起業プロセスもこれまででは珍しいものであったと考えています。
「これまで+これから」の双方を指して、新たな成長モデルと定義しています。
私は2016年に前身の会社を創業してから今日のSIVAグループに至るまで、下記の創業経緯をたどりました。
- 10万円の自己資金で個人事業主開業
- 300万円の自己資金のみで創業・成長
- コンサル業から3回のピボット・SaaSリリース
- SaaSプロダクトのみで、95%プロダクトのリカーリング収益(サービス売上をほぼ作らない)で収益化
- 高利益体質
- SaaSの顧客数・売上60ヶ月以上連続成長
- JGIA(PEファンド)に100%売却
- 売却益を全額再投資しJGIAと組んでグループを組成
- 自社よりも歴史の長いまたはサイズの大きい企業も含めたM&A
- 元々培った事業開発スキルで他業界へ進出し、モダン化と再成長を実現
という、多くのスタートアップが取らないであろう手段を選択しています。
さらにその先には
- 大型のIPO
- IPO後の企業価値向上
を見据えます。
創業から自社のプロダクトを拡大させる経験・スキル、ファンドとの交渉や再投資の経験、M&Aの実行と、どれをとってもあまり聞かない内容です。
ここまで来るのにたくさんの幸運に恵まれましたが、2016年の創業当初から明確なビジョンと方針を持ち、目標と戦略を立ててここまで来ました。
ここに至る私の考えや困難、失敗、成功、意思決定と背景。
あまり見かけないスキームでの成功が実現することで、それらが新たな「モデル」として残り、研究・改善され新たな挑戦の後続者を生み出すことになりその後続者が続けば日本の再成長が実現できるのではと考えています。
平たく言えば、次に挑戦する人が
「そんなやり方あったんだ!それなら自分でもできそう!」
とやる気になって後続をたくさん生み出してくれれば良いなと思っています。
すべての業界のすべての現場をエンパワーメントするとは
この1年間で行ったM&AとPMI(経営統合)から学んだことの一つは
「M&Aは会社や株主だけの話でなく、売り手買い手双方の従業員にとっても成長チャンスである」
ということです。
M&Aによる会社のモダン化・効率化を通して、ソフトウェアを利用する顧客だけでなく、開発し提供する会社の現場までもエンパワーメントできる。ということを実感する機会が何度もありました。
弊グループに、ホテル業務向け基幹システムを提供する会社があります。
M&Aと同タイミングでの創業者の引退により、現在私がCEOを務めています。この会社は創業38年目で、1987年生まれの私と同い年です。
私が着任した当時、社内システムは古く分断された情報と業務で効率が良いとは言えませんでした。しかし、現場メンバーの仕事に対する真摯な姿勢や前向きさは際立っていました。そして、結果的に効率は悪くても利益を出している会社でした。
そこから半年間、業務ツールの改革、ルール作り、最低限必要なマインドセット転換を中心に行いました。そこで見たものは、今までよりも楽しんで仕事をし、自ら課題を見つけてチャレンジするようになった姿です。
「この会社に20年いるけど今が一番楽しい」
「一つのことができるようになると、あれもこれもできるように感じてきて、やりたくなる」
「過去10年できなかった業務改善が、1ヶ月で実現した」
そんな言葉と共に、次々と成長と成果を実現してくれました。
実際に、バックオフィス業務では数千枚の請求書やそれに紐づく業務を削減し、不要な電話対応をなくし、資料作成の自動化等を行い本業に集中できる環境が生まれています。
そして現在彼らは、全社的に新たなプロジェクトに邁進しています。
それは、オンプレ主流商品のクラウド化(SaaS化)です。
プロジェクト開始から4ヶ月で、すでにARR1億円以上の成果を上げています。
スタート前は「売れる気がしない」と言っていたメンバーが、社内がクラウド化・AI化していくのを見て実体験として顧客に語り成果を上げ今では「まだまだ行ける!」という状態になりどんどん成果を上げています。
顧客からも「明らかに変わった」という言葉とともにどんどん要望が出てくるようになり明らかに前進しています。
M&Aから1年たったころ、メンバーが引退した創業者との飲み会をした際
「俺の37年間での経営の中での一番の仕事はSIVAとJGIAに会社を託したこと」
という言葉があったこともこのビジョンやゴールをより強く持つきっかけになっています。
もちろん、良いことばかりなわけではなく大変なことや辛いことも相応にあります。未熟なことも自戒しなければならないこともたくさん、いやその方が圧倒的に多いです。
しかし、それを超えて会社も個人も成長できるという実感が、私含め会社にあります。
このような会社を取り巻く「すべての現場」のエンパワーメントを、業界特化型ソフトウェア企業を通じ、すべての業界で実現していきたいと考えています。
売却と再投資の意思決定背景
2016年の創業から
・我々の市場(当時デジタルマーケSaaS×国内)は資金調達いらない
・もし会社としてするなら時価総額1000億円以上になるとき
・まずはビジネスがちゃんとできる堅実なチームカルチャーと利益
・株主は少ない方が良い
という考えでずっとやってきて、資金調達や売却をしない前提でやってきました。
しかし、2023年ごろから市場の変化や会社の変化、何より自分の年齢やステージ(当時35歳)も重なり、
「一生このままいちオーナー企業の社長で生きていくのだろうか」
「自分の意見が通らない相手を避けてわがままなだけのおじさんになってしまわないだろうか」
「挑戦・成長してない自分を見て自分の子供(いないけど)に将来カッコイイと言ってもらえるんだろうか」
「上場を目指す・上場をする・上場後の成長。その過程で出会う優秀な人や偉大な他社と仕事をする世界線をもっと見てみたい」
なにより
自分が将来死ぬ時「あのときもし調達や上場する道を選んでいたら」と思ってしまわないだろうか。
と考えるようになっていきました。
そんなとき様々な出会いや奇跡的な偶然が重なって世代を超えた心の友である、株式会社ファイナンスプロデュース松井さんに出会い、JGIAを紹介いただき数々のディスカッションを経て少しずつ未来が見え始め、確信に近いものを感じられるようになり、今に至ります。
当然ですが良い提案とお互いのビジョン・メリットの一致があってのことですので、このあたりの調整の時間にお付き合いいただいたファンドやFA、関係者の皆さんにはとても感謝しています。
※FAの松井さんと夜10時から朝4時頃までの強烈なミーティングもありました。良い思い出です(笑)
※このあたりのストーリーも後にnote化していこうと思ってます。
今後
引き続き、M&Aを中心にグループを拡大します。
また、M&Aだけでの単なる規模の拡大でなく新規事業やグループ内起業も行いながらM&A後の各社の成長にコミットします。
折を見て海外への拡大も狙います。
2026年、早い段階で更に3社ほどの追加M&Aを実行予定で最終段階に入っています。このペースを更に加速させ、数年内に数千億円規模でのIPOを実現し、IPO後のさらなる成長を実現させます。
これを言うと山っ気が出てしまうかもしれませんが、我々(当然ファンドであるJGIAも一緒)の合言葉は「追うのは金より伝説」です。金銭以外で、世に語り継がれる功績を残すと言う意味です。(金銭はその結果としてついてくる)
これからもたくさん失敗するでしょうしたくさんの困難はあるでしょうが、ダサいことをせず伝説級の成果を追い続けていきます。