simpleshowには、伝えたいメッセージを視聴者に難なく理解してもらうための、さまざまなノウハウがあります。イラストの描き方やレイアウト、BGM、SEなど、1つの動画内にふんだんに仕掛けが施されているのです。
私の肩書きであるコンセプターは、お客様からのヒアリングを基にした脚本執筆を主に担います。脚本執筆段階でも”simpleshowノウハウ”はあるのですが、その仕掛けを施す対象は、イラストや音声とは違う「文章」という抽象性の高いものです。
今回はその一例である、ターゲット選びについて書いてみます。
(ちなみに、現在、コンセプターとして一緒に働いていただける方を募集中です。興味がある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。)
解説動画に具体性を持たせる
わかりやすい動画を作ろうとすると、つい「何をどう伝えるか」に意識が向きそうになるのですが、「誰に伝えるか」も同じくらいに重要。「誰に」が定まっていないと、いくら文章を磨き上げても、その輝きは今ひとつになってしまいます。
例えば、あなたの会社が、新商品のスポーツドリンクを発売するとしましょう。あなたはPR担当として、商品の特徴をわかりやすく解説し、魅力を訴求する必要があります。
しかし、商品の魅力といっても、結局は受け手が魅力的だと思わないと魅力としては機能しません。
ではどうするか。
「この人たちには何をどう伝えても商品の魅力は伝わらないだろう」という層が必ずいますよね。そうした層を、(少し冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが)想定視聴者からどんどん削ぎ落としていくのです。
こうした、ターゲットを絞り込む作業は考え方としてはそんなに難しくはないのですが、いざ実行しようとすると一筋縄ではいきません。というのも、「少しでも多くの人に魅力をわかってほしい」という思いがどうしても出てきてしまうのです。
これは商品を作った人としての性(さが)なので仕方がないことかもしれません。しかし、ターゲットの絞り込みをせず、「なるべく多くの人に」という思いが過度になると、その分、商品の特徴を具体的に解説することは難しくなり、漠然とした訴求の形になってしまうのです。
限界までターゲットを絞る
スポーツドリンクの場合、どのようなターゲットが考えられるでしょうか。simpleshowの解説ノウハウ的には、「スポーツを楽しむ人々」という絞り込みでは不十分です。
年齢だけとっても、
小学生、中学生、高校生、大学生、若手社会人、社会人スポーツ選手、体力づくりに励む定年後の人々など、多種多様なペルソナが考えられます。性別ももちろんさまざまです。
さらに、どんな競技をしている人か、どんな動機で運動しているのか、いつ運動しているのか、どんな悩みを抱えているのか、そもそも悩みはあるのか。可能な限り、訴求対象を詰めておくことが大切です。「何を解説するのか」はその後に考えましょう。
とは言っても、この作業を突き詰めていくと、究極的には訴求すべき相手が1人になってしまいます。それはさすがにやりすぎですが、ターゲットを可能な限り絞るということは、解説動画を制作する上でとても重要な考え方なのです。