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社員インタビュー:書籍編集者

ゲームプログラマから編集者への転職

― 入社のきっかけについて、教えていただけますか?

新卒で某大手ゲーム会社に入社し、ゲームプログラマとして働いていました。子どもが生まれたことをきっかけに、本当に好きなことを仕事にしている姿が見せたくなり、転職を決めました。ゲームのことも好きでしたが、書籍のこともそれ以上に好きだったんです。

プログラマとして働いていたので、編集職をやるなら技術書に携わりたいと思っていました。それがきっかけです。

― プログラマだったということは、翔泳社の書籍は身近だったのでしょうか?

私は、小学生高学年からプログラミングをはじめました。翔泳社を知ったのは、書籍で勉強をするようになった中学生の頃です。中でも、『DirectX7 for Visual Basic』という書籍が印象に残っています。プログラマになった後も翔泳社の書籍を読んではいましたが、他の出版社との違いは知らないし、意識をしたこともないというような状態でした。


印象深い『DirectX7 for Visual Basic』(藤田伸二著/翔泳社/1999年:画像左)。山本が最近手がけた書籍は偶然にも『DirectX 12の魔導書』(川野竜一著/翔泳社/2020年:画像右)。

― 大企業からの転職とのことですが、入社後にギャップはありましたか?

そもそも出版業界のことを何も知らなかったので、ギャップはあまり感じませんでした。

ただ、1つの部署に数百人いるような会社から、全員で100人ほど(当時)の会社に来たので、カルチャーショックはありました。以前は、同じ部署でも話したことのない人が数多くいました。そこから、役員と廊下ですれちがった時に「最近どう?」と声がかかる環境に移ったわけです。縦にも横にもつながりがあるようで、風通しのよさを感じました。

出版社の責務は人類の知識を残すこと

― 現在担当しているお仕事について教えてください。

今は、コンピュータ技術書の編集部で、プログラマやエンジニア向けの書籍の編集をしています。なかには入門書もありますが、実際にアプリケーションを作ったり、現場で困ったことを解決したりするような、コードを書きこなしている人に向けた比較的高度なテーマの書籍を作ることが多いです。

― 編集者としてやりがいを感じる時はどのような時でしょうか?

自分が読みたい書籍を作ることができるのが、編集者の醍醐味です。編集者は最初の読者でもあるので、原稿が来た時は嬉しいです。ほかにも、前職で一緒に働いていた方に書籍が届いた時はやりがいを感じます。

個人的にですが、出版社の責務は「文化を残す」ことだと思っています。出版された書籍は国立国会図書館で永遠に残るので、恥ずかしいものは作れません。また特に技術書は、過去の書籍からたどることで、技術の変遷がわかります。人類の知識の集積に微力ながら一役買っているのは誇りです。

コンピュータやプログラミングの知識がなくても技術書の編集はできる

― 技術書を作るにあたって、意識していることはありますか?

「この書籍は誰が読むのだろう」ということです。それに尽きます。「困っている人がいるから」、「新しい技術を求めている人がいるから」など、書籍にはそれぞれ目的があります。それをかたちにするのが編集者の仕事です。コンテンツの種類によっては、より広いユーザーに届ける必要がありますが、書籍は少ない部数でも成り立ちます。そこが面白いところです。

― 高度な技術書を作ることは難しそうです。編集にあたって、やはり元プログラマとしての知識がいきているのでしょうか?

書籍を書くのは著者なので、編集は知識がなくてもできる仕事だと思っています。高度な技術書であっても、どうやったら読者に手にとってもらえるかを考えられることの方が重要です。コンピュータやプログラミングの知識は、あくまで著者と話す時のツールのひとつなのではないでしょうか。


山本は、「プログラマよりも編集者の方が幅広い知識が求められる」と語る。大切なのは、すでに持っている知識でなく、知識を柔軟に取り込む姿勢。

勇気を出して一歩踏み出すことが重要!

― どのような人が編集者に向いていると思いますか?

編集者として私が憧れるのは、色々なことに興味を持っていて、そこを起点に自分で味付けをして、ターゲットに届けることができる人です。世間の人が思っているほど、書籍編集は大変な仕事ではないです。でも、楽な仕事でもありません。仕事に対する楽しさを見つけられる人が向いていると思います。

他には、人と話をすることに抵抗がないことも重要です。著者と信頼関係を作り、時にはこちらの提案を伝えることも必要だからです。

― このような人と働きたいというイメージがあれば教えてください。

新型コロナウイルスの影響により、働き方も変化しています。オンラインでのコミュニケーションが中心となり、月に1回しか直接会わないケースもあります。その時に意思疎通がしやすい人は、編集者として著者とも付き合っていけると思います。少し悪い言い方ですが、「人たらし」のような、魅力がある人と働きたいですね。

自戒も込めて言うと、考え込むよりも動いた方がよいです。合否はありますが、やりたいと思ったらめげずに、すぐに挑戦することが大切だと思います。私自身、一歩踏み出したから今があります。知識や編集のスキルがはじめから必要なわけではありません。迷っているのであれば、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか。

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