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西麻布に「串羊 羊SUNRISE」オープン!新業態プロデュースで得たチームづくりの妙とは

コロナ禍で飲食業界への逆風が吹き続ける中、羊SUNRISEは西麻布に羊串という新業態で新たなお店をプロデュースしました。困難にも揺らぐことのない羊SURNSIEらしさとは何か。「串羊 羊サンライズ」のオープンまでの経緯と成功に導くためのチーム運営について関澤社長にインタビューしました。

中華料理の羊串(ヤンロウ)からインスピレーションを得た

-なぜ羊串という業態にしようと思ったのでしょう

神楽坂店で羊串を提供することになって、串という料理形態に大きな可能性を感じたことが一つ。ラムバサダーの福田浩二さんにメニューを監修してもらったことで、ミシュランを取れるレベルだと感じたのが大きいです。

もう一つは羊SUNRISEが「羊を丸ごと使う」という理念を実現する上で理にかなっていると思ったから。西洋料理で羊を調理すると大きな塊を贅沢に使うことが多く、いらない部分は惜しげもなく捨てます。いわば羊肉を洗練して使うという感じです。これに対して中華料理では部位関係なくブツ切りにしていく。全てを口に入る大きさにして食べやすくして提供します。この方法だと肉を無駄にすることなく全部食べることが可能です。

西洋の羊肉料理はいわゆる上流階級の料理として洗練されたもの。中華の羊肉料理は市場で一頭丸ごと捌いて集まった人みんなで気取らない宴会料理やファーストフードとして食べるもの。それくらいの違いがあります。どちらがいいということではなく、羊SUNRISEとしては中華料理の羊肉の使い方に相性の良さを感じた。中華で羊料理といえば羊串(ヤンロウ)です。

ラムバサダーの宮川順子さんがおっしゃっていた言葉で「人間が一番味を正確に判断できるのは親指くらいの大きさ」というのがあって。このサイズだと硬い筋があっても食感がいいという判断になります。串形式であれば口に入る羊肉の大きさはちょうど親指くらい。羊の美味しさを知ってもらうという入り口という意味でも羊串は適していると思いました。

接客を大切にするのが羊SUNRISEらしさ

-開店までの流れを教えてください

今回は羊SUNRISEはプロデュースという関わり方なので、スタッフは全員運営元の会社の社員やアルバイトです。彼らに羊SUNRISEで3ヶ月間働いてもらい研修をしました。研修後は西麻布の店舗内でのロープレを徹底的に行い、その後3日間のレセプションを経て開店という流れです。

-プロデュースするにあたって大切にしたことはなんでしょうか

羊SUNRISEらしさを理解し実践してもらうことです。羊SUNRISEらしさはお客様と積極的に会話をする接客、それこそが羊SUNRISEという店名を見て来店いただくお客様が期待しています。

ただおいしいものを提供するだけなら、別に羊SUNRISEに来店する必然がありません。研修中には会話を通じた接客の重要性を伝え続けました。

今回はっきり理解したのは、羊SUNRISEが大切にしている「らしさ」は、一般的な飲食業界人からするとやはり異色なんだなということ。調理するだけ、サーブするだけが飲食店のスタッフの仕事だと思っている人が多い。羊SUNRISEが目指すのは接客が大きな価値を発揮するお店なので、「接客を大事にするという羊SUNRISEらしさ」がメンバーに伝わっているのかどうかもどかしく感じることはありました。

直営である麻布十番や神楽坂はほとんどのメンバーが飲食未経験からのスタートでしたが、西麻布のメンバーはそれぞれが飲食業界で実績を持っていました。これまでの研修にない難しさがありましたね。

-どのようにしてメンバーの意識が変わっていったのでしょう

一つのきっかけは自分が客役でチェックをしたロープレでした。もともと1万円のコースを設定していたのですが、接客の質も料理の質も当初想定していたものより大幅に下回った。「これで1万円は取れないから、7000円くらいに値下げしよう」と提案したんです。

するといろいろな事情でそれはできないということだったので「じゃあ質を上げるしかないよね」と。その辺りから特にシェフたちの意識が変わったと感じました。「羊SUNRISEらしさ」を実現するために協力的な空気が生まれたと思います。

もう一つはレセプションの3日を通したフロアスタッフの成長ですね。研修ではできているように感じた「お客様と会話して接客する」という動きが、いざレセプションで現実のお客様を目の前にすると全くできなくなってしまいました。サーブがなければフロアに出ずに裏に引っ込んでしまっている。これにはかなりきつく叱咤しました。

3日目の最後の辺りでは「これならもう自分がいなくても大丈夫」と感じられるまでになりました。実際に羊SUNRISEとしてのサービスを現場で提供する中で理解を深めてもらえたと感じています。

チームをゴールに導くために必要なこと

-今回チームづくりという面では今までにない困難があったと思います。設定したゴールに到達するために、何が必要だとお考えですか

店長によく話したのは「多数決で負けてはいけない」ということ。ゴールに向かっていくメンバーよりも、そうでないメンバーが多ければ多数決で引きずられるのでチームが前進できない。自分と思いを共有して前に進んでくれるメンバーが常に過半数になることが、ゴールにたどり着くためには必要だと考えています。

今回のゴールは羊SUNRISEらしいお店を実現するということでした。そのためにはもちろんチームの過半数を取るという政治的な動きだけでなく、私自身がメンバーに熱意を持って「羊SUNRISEらしい接客」を伝え続けることは欠かせません。僕自身の羊や羊SUNRISEに対する思いを常に熱く燃やしていなければならないと思います。

今回のプロデュースで経験したことを活かして、今年新規オープンするお店でも羊 SUNRISEらしさを実現するいいチームづくりをしていきます。

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