こんにちは🌿 採用・広報担当の廣瀬です。
面談でよく「入社したら、最初にどんな研修があるんですか?」と聞かれます。ホテル経験者の方ほどこの質問をするのですが、前職での入り方を体感として知っているからだと思います。「配属先に連れて行かれて、いきなり現場に入った」「チェックインの手順を叩き込まれた」という経験をしてきた方には、7gardenの1日目は少し意外に映るかもしれません。
今回は、直近の2026年7月1日に実施した入社オンボーディングを、そのまま公開したいと思います。研修の内容だけでなく、「なぜこの順番で、なぜこの内容なのか」という7gardenの考え方も一緒にお伝えできたらと思っています。
この日のスケジュール
10:00〜11:00 IT・セキュリティ研修(担当:テックリード 井上)
11:00〜13:00 会社説明・ビジョン・コンプライアンス(担当:ホテルGM 橋本)
13:00〜14:00 昼食
14:00〜14:30 総務手続き(担当:バックオフィス 宮下)
14:30〜16:00 評価制度・OKR(担当:ホテルGM 橋本)
16:00〜18:00 ホテル基礎・CS研修(担当:ホテルSV 南沢)
「なぜホスピタリティの話から始めないのか」と思われるかもしれません。でもこの順番には意味があって、その意図が分かると7gardenという会社の輪郭が見えてきます。
10:00〜11:00 「一人でやってください」とは言わない
初日の最初はテックリードの井上と、PC設定、Google Workspace・Slack・Notionへのアカウント登録、ウイルス対策ソフトの導入まで、ツールの準備を一緒に進めていきます。
入社初日に「環境構築は自分でやっておいてください」という会社も珍しくないと思いますが、7gardenはそうではなく、テックリードが時間をとって隣に座り、一つひとつ確認しながら進めます。
Slackへの自己紹介投稿まで一緒にやるので、この日の午前中には全社員に名前が知れている状態になっています。最初から「一人じゃない」という感覚を持てるのは、小さいことながら嬉しいことだと思います。
セキュリティ研修もこの時間に行います。パスワードの管理、ファイル共有の設定、公共Wi-Fiでの業務を避けること、フィッシングメールの見分け方…内容自体は難しくありませんが、「知っているかどうか」がリスクに直結する項目ばかりです。ホテルという仕事は宿泊客の氏名・パスポート情報・決済情報・同行者情報といったプライベートな情報を日常的に扱うため、業務開始前にこの意識を持ってほしいというのが会社の考え方です。
11:00〜13:00 「この会社で何をするのか」を最初に全部話す
ホテルGM・橋本のパートでは、冒頭、こんな問いかけから始まります。「友人に『どんな会社で働いているの?』と聞かれたら、今どう答えますか?」
入社したばかりで答えに詰まるのは当然です。ただ、この問いには意図があります。7gardenのことを自分の言葉で語れるようになることは、現場に出てからも大切になる。だから初日に、会社の全体像を一通り伝えるというのが橋本のスタンスです。
▶︎ 「ホテル運営会社」だけでは伝わらないこと
7gardenは、不動産の選定・仕入れから、ホテルの企画・デザイン・開発ディレクション、オーナーへの提案・交渉、そして実際の運営まで、ひとつの会社が担っています。一般的なホテル運営会社が「運営」だけを請け負うのに対して、川上から川下まで一気通貫で関与する。これが7gardenの事業構造です。
清掃を自社でやっている理由もここに繋がります。外注すると「ドライヤーの置き方が毎回変わる」「ランプの向きがずれている」といった改善点が次の物件設計に届かない。自社でやることで、現場で気づいたことを企画開発に直接返せる体制を意図的に作っています。
この構造があるから、7gardenのホテルは「意匠性は高いが1人あたり単価は抑えられる」という、市場にほぼ存在しないポジションを取れています。4〜6名が泊まれる40㎡前後の客室で、インバウンドの家族・グループ客をターゲットにする。設計段階からコストコントロールに関与できるからこそ成り立つ戦略となっています。
▶︎ ホテル経験者が気になること : 現場の役割範囲
ホテル業界で働いてきた方からよく聞く言葉があります。「前職では支配人がレベニューマネジメントから人事まで全部抱えていた。現場なのに現場に集中できなかった」と。
7gardenはこの構造を意図的に変えています。OTA運用の最適化やプライシングは本部のマーケティングチームが一括して担います。現場スタッフはお客様との対話と拠点の運営品質に集中できる設計です。
「数字が読めなくてもいい。その分、サービスと人を育てることに長けている人に来てほしい」、これはホテル運営部の採用戦略の考え方です。これは採用の話だけでなく、入社後の現場で何に集中すればいいかを示しています。
▶︎ 迷ったときに立ち返れる Vision / Mission / Value
7gardenのビジョンは「誇れる『とき』をデザインする」。「これは標語ではなく、日常の判断基準として使うもの。迷ったとき、ここに書いてあることならやっていい。書いていないことは確認が必要。そのくらい実務に引きつけて使ってほしい」と伝えられます。
現場で判断に迷う瞬間は、誰にでも必ずあります。そのときに「上司に聞かないと何も決められない」のではなく、自分の軸を持って判断できる状態で立てるようにしておきたい、そういう考え方です。
私たちがデザインしようとしている「とき」とは、"お客様の時間"、"従業員の豊かな人生"、"ステークホルダーの実りある機会"の3つを指します。橋本が最も重要だと語るのは「従業員の豊かな人生」で、「働くメンバーが楽しく働けなければ、良いサービスは生まれない。だからここが一番最初にくる」という考え方です。
バリューは「制約にとらわれずチャレンジする」「高い当事者意識で最後までやり抜く」「知恵を結集し共創する」の3つ。「相手の思いや価値観、その背景にまで思いを馳せること。それが高い当事者意識の核にある」という言葉が添えられます。
▶︎ AIとどう向き合うか
「DXで未来をつくる」というミッションに込められたDXは3つの意味を持っています。Digital Transformation(業務の自動化・効率化)、Design of Experience(AIで空いた時間をお客様との対面に充てる)、Discovery and Exploration(ゼロベースで新しい価値を問い続ける姿勢)。
「AIとは本来は手段であるけど、今は触ること・使うこと自体を目的にしていいくらい、振り切って取り組んでほしい」というのが会社の方針です。AIで効率化した分を人員削減に使うのではなく、お客様と向き合う時間に充てる、これが7gardenのAI活用の前提です。
▶︎ 創業者が問い続けてきたこと
創業者・北野のFounder Storyは「私たちが創るのは、ホテルではない。大切な人と過ごす"場"だ」という言葉から始まります。「7garden」という名前には、「7」(七大陸・七海洋、地球そのもの)と「garden」(人が集い、大切な人と時間を過ごす余白のある場所)という意味が込められています。
コロナ禍では全ホテルを閉鎖し、フロア磨き機の販売など生き残りのために何でもやった時期があったといいます。その時間があったからこそ、「本当に、自分たちは何をつくりたいのか?」という問いを改めて深く問い直せたと語られます。
▶︎ コンプライアンスは「守らせるルール」ではない
会社説明に続いて、コンプライアンス研修では、「ホテルは、お客様にとって『安心』『安全』『快適』な場所である必要があり、コンプライアンスはその『安心・安全』を守るための大切な土台である。」という話をしています。
フロントでお客様の名前や部屋番号を大声で言わない、書類は離席時に引き出しにしまう、SNS投稿にお客様の顔が写り込んでいないか確認する、具体的な行動レベルまで落とし込んで伝えていきます。「少しでも『おかしいな』と感じたら一人で判断せず、上司に相談する」という言葉が研修の締めくくりです。ルールを押しつけるのではなく、「なぜそうするのか」を一緒に考える時間になっています。
14:00〜14:30 不明点をゼロにして現場に送り出す
この時間では、給与サイクルや賞与月など、労働条件通知書の内容を口頭で補足しながら確認します。振込口座の登録、交通費・営業経費の申請方法についても、実際の申請フローに沿って説明され、書類を渡して終わりではなく、運用上の注意点まで一緒に確認していきます。
「後から一人で調べなくていいこと」をこの時間でまとめてカバーするという意図です。手続きは複雑に感じる部分もあるかもしれませんが、わからないことがあれば都度聞いてもらえれるように、バックオフィスチームとの顔合わせも兼ねたオンボーディングの時間としています。
14:30〜16:00 「何が評価されるのか」を最初に伝える
「後から知るのではなく、最初から全部わかった上で働いてほしい。透明であることが、信頼の出発点だと思っている」評価制度の説明を入社初日に行う理由です。
▶︎ 給与の仕組み : 「ガーデナークラス」×「バッジ給」
月給は「ガーデナークラス」と「バッジ給」の二軸で構成されます。
ガーデナークラスは、会社全体に共通して求められる行動・姿勢の水準を4段階で定めたもの。Green Gardener・Zen Gardener・Master Gardener・Imperial Gardenerの4段階があり、それぞれに求められる人材像が言語化されています。たとえばGreen Gardenerは「7gardenパーソンとしての基本的な行動や姿勢を身につけている人材」、Master Gardenerは「施設やチームレベルで関係者との協働を通じ、品質や生産性の最大化に大きく貢献する人材」。1つのクラスの中にもレベルがあり、実現具合に応じて給与が細分化されています。
バッジ給は、担う業務の種類と難易度に応じてつくもの。同じ「支配人」でもブロンズ・シルバー・ゴールドの3段階があり、それぞれ給与が設定されています。年2回の賞与(業績による)も設けています。
評価制度の仕組みが初日に全部見えているということは、「何を積み上げればどこに向かえるか」が最初から見通せるということでもあります。
16:00〜18:00 私たちが届けたいホテルでのサービスの話
「これまで泊まった旅館やホテルで、もう一度行きたいと思うところはどこですか?」研修はこの問いかけで始まります。CSの定義を教える前に、自分自身の「また行きたい」体験を起点に置く。この順番に、南沢の考え方が表れています。
▶︎ 稼働率を目標にしない理由
「顧客満足度は稼働率の先行指標である」、最初に伝えられるのがこの考え方です。稼働率を目標として追いかけるのではなく、目の前のお客様の満足を積み重ねた先に稼働率がついてくる。良い口コミが広がり、リピーターが増え、それが次の予約につながる。逆に一度ついた悪い評判は、広告費をかけてもなかなか消えない。
現場に立つスタッフにとって、これは「数字を追うのではなく、目の前の人に向き合えばいい」というメッセージでもあります。
▶︎ 自分で判断していい、という文化
CS研修で紹介されるのが「逆ピラミッド型組織」という考え方です。一般的な組織図では経営陣が頂点に立ちますが、7gardenが目指すのはゲストを頂点に、現場スタッフがその次、経営陣やマネージャーは現場を「支援する」存在として下に位置する構造。現場スタッフが最高の判断を下せる状態をつくることが、マネジメントの仕事だという考え方です。
「お客様がスタッフと接触するあらゆる瞬間、わずか15秒であっても、そこでサービスの品質が決まる」(ヤン・カールソン著『真実の瞬間』より)。だからこそ、「指示を待つ人」ではなく「自分で考えて動ける人」が求められる、という話です。
ミスが起きた場合も「サービス・リカバリーの法則」として紹介されるように、迅速かつ誠実に対応することでむしろお客様の満足度が高くなるケースがあります。ミスを個人の責任に帰結させるのではなく、組織として同じミスを繰り返さない仕組みをつくる。現場で働く方にとって、安心できる文化だと感じています。
▶︎ 「20代カップル2名」でも、目的が違えば対応は変わる
研修の後半には、具体的なシーンを想定したワークが入ります。「20代カップル2名、お連れ様の誕生日旅行」と「20代カップル2名、マラソン大会の前泊」、属性は同じでも、目的が違えば最適な対応はまったく異なります。
誕生日旅行なら、チェックイン前から「お部屋の装飾はご希望ですか?」とヒアリングして客室にメッセージカードと花を用意する。マラソン前泊なら、早めに休めるよう静かな部屋を案内して翌朝のスタートに備えた環境を整える。「マニュアル通りの対応」ではなく、「目の前のゲストに何ができるかを自分で考える」のが7gardenの現場です。
▶︎ 「Wowはマニュアルの外側にある」
研修の最後に、7gardenのサービスポリシー「Fill Hearts / Design Journeys / Create Wow」が共有されます。
「Wowはマニュアルの外側にある」この言葉が引用されるように、7gardenのサービスはマニュアルを完璧に実行することを目標にしていません。チェックインで始まりチェックアウトで終わる、という発想でもなく、「タビマエからタビアトまで」、予約の瞬間からチェックアウト後の記憶までを含めてデザインするという考え方です。
Hotel Vintage 目黒不動前のサービスストーリーには、こんな一節があります。「チェックインは作業ではなく、その旅で交わされる最初の会話。ホテルで過ごす最初の時間です。」スタッフ手書きの地図を渡しながら近くの縁日の話をする。誕生日旅行の方には当日夜、ドアノブにドリップバッグとメッセージカードを添える。チェックアウトの1か月後、「あの旅はどうでしたか」という手紙を送る。
接客の言葉も決まっていません。「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」、夜に戻ってきたゲストには「おかえりなさい」。その人に合った言葉を、一人ひとりが選ぶのが7gardenのスタイルです。
入社初日に何を持って帰れるか(📚採用情報)
7gardenの初日を終えると、こういうものが手元に残ります。
使えるツールと、セキュリティの基礎知識。会社が何を目指していて、自分が何に集中すればいいかという方向感。給与の仕組みと、何が評価されるのかという基準。そして、迷ったときに立ち返れるビジョンとバリュー。
「ルールを覚える日」でも「業務を叩き込む日」でもなく、「この会社で働くとはどういうことか」を一緒に考える日、それが7gardenの1日目です。
研修の最後に、ホテルGM・橋本からこんな言葉が伝えられます。
「入りたての今、色眼鏡なしで感じる違和感が一番フラットで価値がある。気になることは飲み込まずに、どんどん発信してほしい。それが次のホテル企画に、必ずつながるから。」
私たちは、入社初日から、自分の意見が会社を動かす可能性がある。そういう環境で、一緒に働けることを楽しみに感じていただけるようなオンボーディングをこれからも実施、アップデートしていきたと考えています。
もし7gardenに少しでも興味を感じていただけたら、まずお気軽にお話しできればうれしいです🌼