こんにちは、株式会社誠勝の最上です。
この度、誠勝は「司書・学芸員雇用に関する5箇年ビジョン」を策定いたしました!
2025・2026年卒業見込みの司書・学芸員志望の大学生・大学院生には、ぜひ当社の「5箇年ビジョン」について知って頂き、このストーリーの最後には是非募集要項をのぞいていただけると大変光栄です。
それでは、当社の「5箇年ビジョン」について説明していきます!
◆5箇年ビジョンとは?
「司書・学芸員雇用5箇年ビジョン」は、当社奈良支店で司書・学芸員有資格者を雇用するための5ヶ年ビジョンを指します。
具体的には2024年度は司書・学芸員有資格者を当社奈良支店にて5名を雇用、本ビジョンに基づき5年後には20~30名規模を雇用する方針です。
◆5箇年ビジョン策定のワケ
そもそもなぜ当社が「5箇年ビジョン」と銘打って司書・学芸員有資格者を雇用することにしたのか、以下の順でご説明します。
- 司書・学芸員有資格者の雇用環境
- 司書・学芸員有資格者の専門性と誠勝の事業の親和性
- デジタルアーカイブ業界のとりまく環境
- 「三方よし」を目指して
【1】司書・学芸員有資格者の雇用環境
特別講義やインターンシップなどを通じて、司書・学芸員教育課程を持つ大学や学生と関わっていくにつれ、司書・学芸員としての雇用環境が大変厳しいものであると知りました。
例えば博物館施設への学芸員有資格者等の雇用環境でみると、1大学あたり平均で25人の資格取得者数に対し、就職者数は0.7人(※1)、また全国の公立図書館の職員の約76%は非正規採用というのが現状です。
こうした背景から、当社の事業に絡めて司書・学芸員有資格者の雇用を改善する方法はないか、と次第に考えるようになりました。
※1 参考:文化庁「令和元年度博物館の機能強化に関する調査報告概要」p.5.
【2】司書・学芸員有資格者の専門性と誠勝の事業の親和性
これまでの投稿でもお伝えしてきたように、2023年「改正博物館法」が施行、博物館は「博物館史資料のデジタルアーカイブ化」が求められ、今後その領域の重要性が増していくことが予想されます。それに伴い同法で規定される博物館で働く学芸員有資格者についても、デジタルアーカイブ関連のスキルが求められていくでしょう。
最近でも、文化庁が博物館にデジタルアーキビストを含む専門人材の派遣を開始するとの記事が出ているくらいです。
もちろん図書館はこの改正法の対象外ですが、デジタルアーカイブを運営する図書館は多数あり、同じように関連法(図書館法)で規定される司書有資格者にも、今後こういったスキルが求められていくでしょう。
こうした時勢や法改正によって、デジタルアーカイブの構築と利活用事業を営む誠勝の事業と、司書・学芸員有資格者の専門性と相関性があると考えています。
【3】デジタルアーカイブ業界の取り巻く環境
前述の通りデジタルアーカイブ化の機運は高まっているものの、一方で震災アーカイブをはじめ、近年デジタルアーカイブが次々と閉鎖や停止に追い込まれ、存続の危機にさらされています。
原因は、ひとえに「デジタルアーカイブの再投資につながる、利活用事例の不足」です。
デジタルアーカイブはこれまで、AR・VR、観光、学校教育などへ利活用されてきました。しかし「利活用したものの、実利がない」ということが多く、結果として維持管理の費用が賄えなくなるケースが相次いでいます。
もちろんデジタルアーカイブは文化的価値・学術的価値に資するものであり、文化の継承に実利を求めるのはいかがなものか、という声があるかと思います。
しかし「利活用の結果、実利を創る」ことは貴重資料や文化財を継承していくためには必要不可欠なのです。
そういった事例が生まれるには、まずはより多くの人にデジタルアーカイブへの継続的・自発的アクセスを促す仕組みづくりが必要です。
そして同時に、その「仕組み」を稼働させる存在も必要不可欠だと考えるに至りました。
【4】「三方よし」を目指して
そこで当社は、司書・学芸員有資格者を雇用し、彼らの知識や専門性を活かして、より多くの人に「自発的・継続的なデジタルアーカイブの利活用」を促す、いわば触媒的(きっかけとなる)存在となることを目指すことにしました。
その結果デジタルアーカイブの利活用が生まれ、持続的運営が可能になれば、その過程で活かされた彼らの知識や専門性は、図書館や博物館以外の新たな就職先・キャリア形成の選択肢を生み出すことにも繋がるからです。
そしてこの循環が機能した暁には、私たちの目指す「三方よし」(※2)を体現する「5箇年ビジョン」ができることを信じています。
※2参考:三方よし・・・『売り手によし、買い手によし、世間によし』を示す、近江商人の経営哲学。
◆最後に
図書館や博物館でなくても、司書・学芸員の専門性を活かしたキャリアの形成を可能にし、その過程で「文化の継承」も両立させる仕組みを、私たちはこれからつくっていきます。
そのためにはより多くの方に、自発的にデジタルアーカイブに触れてもらい、実利に繋がる利活用事例を増やす(=市場形成)プロセスを一緒につくっていける人が必要です。
今回の5箇年ビジョンに共感された方がいましたら、ぜひご応募いただけますと幸いです。
また少しでもご関心のある方は、まずはフォローをして頂くだけでも構いません。