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<役員インタビュー>代表取締役社長 熊谷嘉延

「変わらないものと変えていくべきもの」

熊谷 嘉延 / 代表取締役社長

2017年入社。2019年に常務取締役就任と同時に経営の再建に着手。

前職は三井物産株式会社にて貿易、事業投資、M&A、海外のJoint Ventureへの出向等、数々のプロジェクトを主導。

その中で、魅力的な強みを持ちながらも環境変化に即した変革ができずにいる数々の企業と出会い、この変革を進めることが日本再興の鍵になるとの信念のもと、現在は、会社や社員の強みを整理し、それらを活かす事業戦略の推進・社内変革を進めている。

Q : 三喜商事のこれからも変わらないこととは?

どんなに時代が変わろうとも、根底にあり続けるものは、会社のミッション・ビジョン。

私たちの事業を通じて、世の中を豊かにしていく、その人の人生に彩りをもたらすコトをやり続けていきたい。これはこの先ずっと変わらない概念。

Q : では、何を変えていくのか?

三喜商事がビジネスをスタートさせて67年目。" 生活を豊かにすること " の意味合いが全く変わりました。その環境変化の中で、私たちは、人々の生活を豊かにし続けていかなければならない。変化するニーズに対して、一つのいいプロダクトを開発したら終わりではなく、そこを起点に人々の欲求を常に満たし続けなければいけないのです。

これまでのファッション業界は、人の才能に依存したり、ヒットするかどうかやってみないとわからないような、ある種のギャンブル的な要素で成り立ってきた背景が少なからずあります。せっかく優秀な才能も、ギャンブル性が高いとそこに飛び込む人の流入も少なくなる。また、継続して取り組める事業環境がないと、いわゆる一発屋で終わってしまう。この業界で仕事をしている我々から見ると、一般には知られていないけれども、魅力的な歴史や特徴、こだわりをもったメーカーやブランドが世界中にたくさんあります。だからこそ、我々が変化していく消費者のニーズを捉えて、そういったパートナーの魅力を最大限活かせるように、彼らと一緒になってプロダクトやサービスをつくっていくことで、いつでも、何年後でも、その時代の欲する刺激を与え続けられる経済的な仕組みを構築することが最大のミッションだと考えています。

ー そのような背景が、"ライフスタイルに新しい夜明けを" に通ずるのですね?

ライフスタイルの多角化に取り組んでいますが、突如ファッションをやめて新しいことに飛びつくという発想ではありません。よりエンドユーザーのファッションの全体像を見える化し、人々のライフスタイルを掘り起こすこと。例えば、この洋服を着ている方は、こんなインテリアを使っているとか、こんな食を好む人は、こんなスキンケアにこだわっているなど、エンドユーザーの生活を360度を見渡す。そこから何ができるかを深掘りし、確度高く提供していきたいんです。

Q : なぜ今、そのチャレンジを志すのですか?

創業から67年目を迎えますが、67年間の振り返りが大きいです。

一つの事業で、これだけ長くやってこれた会社はいい意味で特異であり、誇りでもある。一方、市場環境の変化の中で生き残っていくためには、さらなる成長が不可欠です。三喜商事のDNAとは何か?我々が本当に良かった時代に提供できていた価値ってなんだっただろう?私が入社した5年前から繰り返し考え続けていることです。

Q : 5年前にジョインされたときは、なにから始められたのですか?

会社に入って思ったのは、お客様に喜んでいただきたい、お客様から「ありがとう」の感謝の言葉をいただくことがモチベーションになるといった " 商売人気質 " が根付いた会社であること。今のビジネスで、成功したい、活躍したい、世の中に貢献したいというマインドをものすごく感じました。その気持ちを大切にしながら、お客様への感謝の気持ち、ありがとうからの自己成長と自己変革をどう促すか、筋道をたてて説明をする。伴走する。何をすると成長実感を得てもらえるのか?ひたすら考えてきました。決して私発信ではなく、社員のみなさんの中にあった強みや魅力を引き出して整理しながら正しいコースを作っていくということに注力してきましたね。


Q : これだけ歴史のある会社が方向転換をするって、社内から戸惑いの声はありませんでした?

相当ありました。その方向じゃないんじゃないか?などの意見も、沢山いただきましたし、何度も何度もやりとりを重ねて…。もともとトップダウンが浸透していたこともあり、もっと指示をしてほしい。と、よく言われました。トップダウンが悪いというつもりはありません。だからこそ現場力・機動力は非常に強い会社。そこは会社の強みだし、絶対的に失いたくない部分でもある。

その絶対的な強みに、どういうステップで、どこを目指すか "ビジョン形成 " や " 戦略" を社員自身の手で作ることができたら、もっと強い会社になる。社員ひとりひとりが、どんな価値を作るか?生み出すか?を考えるほうがワクワクしてもらえるんじゃないかと。そのために、あなたは何をしたいのか?を問い続けましたし、変わってもらうまで徹底的に求め続け、諦めませんでした。

Q : 状況を打破するために、具体的に実践されたことは?

生え抜き社員の多い会社だったので、第三者の目で世の中でのポジショニングを知ることから始めました。外部からのインプットや、異業種、他社様を含めて客観的な立ち位置で弊社を見てもらうこと、中途採用もそのうちの一つの手法です。パートナー企業やブランドの魅力を客観視して最大限活かすためには、そのビジネスを提供する我々が、まずは我々自身のことを360度見渡し、認識することから始めました。あらゆる角度からのアプローチは今も継続しています。

Q : ズバリ、今後活躍人材に必要な要素とは?

言葉で表現すると " 主体性 " が必要。自分からアクションを起こすことなんですが、会社と社員という関係性の中では、無意識に仕事をこなしてしまう、方針に流されてしまうことがあるんです。

では、自分が責任者として、ある案件について自分が一番よく知っており、誰に対しても自分が一番説明できる、これなら100%いける、と確信しながら仕事していたらどうだろう?見える景色はまったく違うはず。会社は組織なので、当然、会社の方針があり、会社の意思決定フローも存在している。だからって、どうせ自分では決められない!と嘆くのではなく、相手をどう説得したら前に進むのか?決裁者である役員はどのように会社を動かそうとしているのか?を掘り下げてみる。最終的な決裁権はなくとも、一社員が会社を動かすことはできます。工夫しながらやるかどうかの差でしかありません。

主体性とはこういうものだと思います。

でもね。こんなことを言っている私ですが、社会人生活最初の何年かは、70点くらいの社会人でしたし、その上を目指そうとも思っていませんでした。大きな失敗をせずに、このままやっていったら同期の中でそこそこやれるよな…という働き方をしてまして。

ー 今の熊谷さんからは想像できないのですが!?

後輩ができて、仕事を教えなきゃいけないと。仕事の目的やその先のビジョンを説明していく過程で、果たしてこういう目的でよかったんだろうか?後輩にとってココロ踊るビジョンになっているんだろうか?…そして、人を惹きつけられる話ができない自分ってつまんない先輩だな…と。そんな日々の中、ふと、この働き方って楽しいんだっけ?と。

相手に何かを教える経験が、自分自身を振り返り、相手を通して、結果的に自己成長を促す機会となっていたんです

こんな出来事をきっかけに、自分で工夫をして商売を作りにいったときのこと。結果的にその商売をスタートさせるには至りませんでしたが、そのプロジェクトの取引先の大先輩に「あなたの会社の中で、うちの会社のこと、この商品について、こんなにも詳しく理解しているのはあなたしかいない」と言われたことがありました。他の取引先や社内の上役の方、業界中に噂が広まり、声をかけられるようになった。人の見る目って変わっていくんだなぁ…と。同時に、これってひとつの価値を生み出すということなんだ!と。私が、自分で何かを作っていくことのおもしろさを知ってしまった瞬間です。

「あ、70点の働き方はやめよう」って(笑)

ー 人生の中で価値観が大きく変わった瞬間だったんですね。

一度しかない人生の中で、人生の時間の大半を仕事に費やさなければならない。そこをやり過ごそうとか、こなそうとか、すごくネガティブな時間の使い方をするのはすごくもったいない。仕事の時間を、ワクワクやりがいを感じながら、人生の時間をこれに費やしてよかったと思えるものにしてほしい。それがモチベーションの源泉。自分にはこれしかできないからと自分の幅を自分で閉じてしまうのではなく、チャレンジしてよかったな、つらかったけどやりがいあるなという時間の使い方をしてほしいです。

Q : 三喜商事を志望するみなさんへ、一言!

会社は「こういう世界を作ろうよ」を拠り所に人が集う場所で、やりたいことができるかできないかはあなた次第。役員・上司・関係部署の人たちを説得して、あなたの案件にお金を預けます。と言わせなければいけない。会社・上司は、どのポイントを見て投資の可否を決定するのか、そして、その評価軸がどのポイントであれば自分が一番やりやすいか、活きるのか、という点も見極めなきゃいけない。

ビジネスマンの利点は、自分の良さを評価してくれる場所を選べるところ。自分の良さが活きないポイントが評価軸なのだとしたら、その環境は選ばないほうがいいと、私は思っています。

好きなことややりたいことを実現したいのならば、魅了する戦略・提案をしっかり組み立てて、私を説得してください。説得してくれたら、私は全力で味方になります。ビジョンをしっかり描いて勝負しにきてほしいです!

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