こんにちは、ルワンダメンバーの森本です。
ルワンダは乾季真っ只中、毎日暑い日が続いています。
日本は梅雨もじきに明けて夏に近づきますね。
国連でSDGsが採択されてからサスティナブルという言葉をよく耳にするようになりましたね。
皆さんはサスティナブルなモノというと、どのようなモノに関心がありますか?
また関心を持ったきっかけは何ですか?
私がサスティナブルなモノに関心を持ったきっかけは「マサイの人々の暮らし」
マサイの人々の、母なる大地で自然と共存する暮らしというものがとても好きでした。
例えば彼らの家。
彼らの家は木や牛糞で出来ているため、住まなくなった家は自然と朽ち完全に自然に戻るのです。
私は彼らの環境を壊すことなく自然と共に生きる姿にとても感動しました。
そして同時に環境に優しいモノを自身の生活にも取り入れてみようと思うようになりました。
そこで私が取り入れたものが、サスティナブルファッション。
私の場合は、廃棄されるはずの鍋や牛の角などを利用して作られたピアスやネックレスというようなアクセサリーでサスティナブルファッションを楽しんでいます。
今後は鞄や靴といったアイテムなども取り入れていきたいなと考えています。
さて、ルワンダにはスティナブルな商品づくりと女性や若者達の働く場所を作り続けているシューズブランドがあります。
『UZURI K&Y』
2013年に二人の女性起業家KevineとYsoldeによって設立されたシューズブランド。
このブランドの大きな特徴は「サスティナブルな商品づくり」
アフリカンテキスタイルがお洒落なサンダルですが、実はこのサンダルのソール部分にはリサイクルタイヤが使用されています。
KevineとYsoldeには、以前から使用済みタイヤがゴミとして廃棄され環境を壊している現状を変えたい、という想いがありました。
そこから生まれたのが、このリサイクルタイヤを使ったサンダル。
今まで単なるゴミとして扱われていた使用済みタイヤに新たな息を吹き込み、ファッショナブルなリサイクルタイヤサンダルとして生まれ変わらせました。
また彼女達のサスティナブルな商品づくりのこだわりは、使う材料だけではありません。
それはUZURI K&Yで働く人達です。
サンダルの製造工場では、約40人の女性・若者スタッフが働いています。
この数十年でルワンダの経済は急成長を遂げているというのも事実ですが、女性や若者達が働く場所や機会すら見つけることが出来ないという問題が残っているというのもまた事実です。
彼女達はまた、この就労についての問題も深く受け止めていました。
そして女性や若者達に働く場所や機会を作ることをミッションとして掲げ、設立以降多くの女性や若者を雇用し、靴づくりのスキルを習得できる機会を作りました。
なかにはここで習得したスキルを活かして、独立した人も大勢いるとのことです。
今回、キガリ市内に4店舗目となる新店にてお話を伺うことが出来ました。
木が基調のスタイリッシュな店内。
そこにはアフリカンテキスタイルが目を惹くお洒落なサンダルが綺麗に陳列されていました。
さっそくソール部分を見せてもらった時の私の第一声。
「これがリサイクルタイヤ?」
綺麗に研磨され丁寧に加工されたソールは、リサイクルタイヤと言われなければ分からないほどでした。
そしてやはり気になるのが履き心地、タイヤと聞くと少し硬そうなイメージですよね。
実際に試着させてもらったのですが、「これってリサイクルタイヤ?」と再度聞いてしまうほどクッションが効いていて、心地良い履き心地でビックリしました。
サンダル作りをする上で履き心地はやはり重要なポイントで、タイヤだけではとても硬くて履き心地が良くないので、中にクッションとなる素材を入れて履き心地のいいサンダル作りを実現しているとのこと。
デザインはもちろんのこと、履く人のことをしっかりと考えて作られているからこそ多くの人に愛されているんだろうなと思いました。
そしてモノづくりが好きな私がどうしても聞きたかった靴づくりの工程について。
今、私達が手に取る商品の多くは海外の工場で機械を使って大量生産されるものが大半を占めています。
ですが、UZURI K&Yのサンダルは違います。
なんとソールの細部形成と研磨以外の工程は、機械を使わずに全て手作業で作っているのです。
型取りや裁断、縫製(この作業はミシンを使います)、パーツの糊付けなど全て一つ一つ丁寧に手で作られていると想像した途端、何というか手にしている商品の重さが一層ずっしりとした気がしました。
この他にも、このブランドでは素晴らしい取り組みがされています。
それは自分達の出来る形でサポートしたいという想いから、靴を買えない子ども達のために、ブランド設立の2013年以降、毎年100人以上の小学生に靴を寄付しているということです。
今年はCovid-19の流行もあり、靴に加えてマスクも一緒に寄付したとのこと。
彼女達はこの取り組み今後もずっと続けていくと言っていました。
一度きりの寄付ではなく継続した寄付をするということは、決して簡単なことではないはずです。
ですが、それをやり遂げてしまう彼女達は本当に素晴らしいな思いました。
そして靴をもらった子ども達はどれだけ嬉しかっただろう、もしかしたら今まで靴をもらった子ども達の中には靴職人になりたいと思った子もいるかもしれないと、色んな想像を膨らませながらも、続けることの意味や大切さを改め考えさせられました。
今回UZURI K&Yで話を伺って、ただ環境に優しい商品づくりではなく、それに加えて作る人そして使う人にも優しい商品づくりこそが、本当の意味でのサスティナブルな商品づくりと言えると思いました。
そして、この環境にも人にも優しい循環の商品づくりがもっともっと世界で広がれば、これからの未来は少しずつ変わるだろうなと思いました。