写真:Resily 代表取締役 堀江 真弘
人事の業務において、テクノロジーを活用する「HR Tech」。
その領域は採用・育成・評価、給与管理、労務管理、福利厚生など多岐にわたりますが、「事業成長をするための組織づくり」に特化したOKRのプロダクトを展開しているのがResilyです。
HR Techの市場は、2015年度には77億円の規模だったものの、2017年度には約179億円まで成長、2018年度は250億円、2023年度には1,000億円に到達すると予測されていて、成長業界として注目されています。
そんな中でも、日本でOKRに特化したサービスを展開している企業はまだ数少ない。そこで、OKRの現状と今Resilyはどのような事業フェーズにいるのか、今後目指していることについて代表の堀江に話してもらいました。
効率化ではない新分野、これから市場をつくっていく
ーーHR Tech市場が伸びている中で、OKRの現状は?
HR Techの分野には俯瞰すると、育成・労務・評価・研修の4つの種類があります。
日本のHR Techでこれまで伸びてきているのは、この4つの業務プロセスの効率化の領域です。
OKRはこの4つの分野には当てはまらないですし、効率化だけではありません。効率化をベースに、新しい価値を創出していくというまったく新しい分野です。これまでにない新しい分野なので、OKRに特化したサービスを展開している企業もまだ5社程度というのが市場の現状です。
単なる効率化ではなく事業成長を核にしているため、他の企業やユーザーからは難易度が高い事業ですよね、と言われることもありますね。
難しいことに挑戦しているのは事実ですが、その分、OKRによる効果や我々の介在価値は非常に高いものだと考えています。
働き方改革は、OKR普及の鍵
OKRは事業を成長させるという明確なミッションがあり、結果的として本当の意味での従業員のエンゲージメント(モチベーション)をあげられるものなんです。
従業員のエンゲージメントをあげる要因は、事業に自身の強みがいきて貢献できているのを実感することだと言われています。給与や福利厚生、労働環境等は、実は引き算の要因で、直接的にモチベーションを高めることには繋がらないのです。
働き方改革がこれだけ叫ばれているなかで、日本が本気で改革に取り組むのであれば、OKRは絶対に必要なものだと思っています。
とはいっても、現状はまだそのポテンシャルが十分に世の中に広まっていないと考えています。OKRに特化した著書が今では何冊も出ていますが、ほとんどが2018年以降に出版されたもの。Resilyが盛り上げることで、働き方改革の次の一手から、当たり前のものになるのではないかとも考えています。
「絶対に口説く」と決めた5社
ーーResilyの具体的な達成目標はありますか?
今は規模や売り上げというよりは、絶対に受注を取ると決めた5社にOKRを導入してもらい、ITのメガベンチャーやスタートアップ企業にOKR導入のムーブメントを起こすことです。
それらの企業が導入し、効果をあげることがOKRを広める切り口となります。その先に、売り上げや企業規模の拡大があると思っていて、それは自ずと付いてくるものという感覚の方が近いかもしれません。もちろん明確な予算や数字もありますけどね。
5社導入を実現した後のストーリーとしては、5社共同宣言のリリースをうち、企業間を越えたイノベーションを起こしたいと考えています。
まだまだ実験フェーズ。確実におさえつつ、その先は挑戦
ーー目標の進捗は?課題はありますか?
5社のうち今3社はすでに導入してもらっています。UZABASE、Sansan、Yappliです。残りの2社もこの1年以内には必ず、導入を実現する予定です。
自信は・・ありますね(笑)創業してからの目標設定で一番自信があります。
目標が達成した後の最大の課題は、明確にPMF(プロダクトマーケットフィット)しているわけではないことです。
ターゲットとするメガベンチャー数社にフォーカスして、彼らに120%満足してもらえるプロダクトやサービスをつくっているので、まったく違う規模や分野の企業への導入にはコアの価値から派生した別の機能を追加していくことも必要です。
このように1つ1つの市場を今は順番に、少し先は並行しておさえていく活動の、今はまだ実験フェーズです。
マーケティングやプロダクト開発、カスタマーサクセス、いずれも未完成で、実験の繰り返しです。着実に伸びている、という現状を爆発させるPMFを目指しているという段階です。
出身業界はさまざま。各分野のスペシャリストが集まる
ーー現状のチーム体制や雰囲気は?
現在13名の正社員がいます。業務委託の方も合わせると、だいたい20名ほどのチームで成り立っています。開発が4名、マーケティングが3名、セールスが3名、カスタマーサクセスが3名という感じです。
メンバーの出身は、FOLIOでプロダクトマネージャーをしていた人だったり、総合商社の金融・新産業セクターの出身だったり、業界は幅広いです。特にHR業界出身ばかりというわけではありません。
まだまだプロダクトもつくり上げる段階なので、開発側もカスタマーサクセスとの連携が必要だったり、マーケターもセールスに同行したりと、社内は職種間の垣根なく、コミュニケーションは活発です。ただ、働き方は自由なのでリモートワークもOKですし、クライアント先に直行直帰することもよくあります。
それぞれ精神的にもスキル的にも自立しているメンバーが集まっている形ですね。正直、今は教育にリソースは割けないので、入社したら各分野で自走できるスペシャリストに集まってもらっています。
本当に意味があれば、ミッションさえも変えていく
ーーResilyが組織をつくる上で大切にしていることは?
これまでの経験で、チームを作るプロセスで価値観の統一がいかに大切なことなのかを痛感したことがあって、そこを一番に大事にしています。
人数が少ないうちは、社員が共通意識や目標を持っていて、私が言ったこと=決定事項でよかった可能性が高かったんですけど。人数が増える時に、背景や目的を説明しないといけないし、それをいかにチームのこととして落とし込むことができるか。
スタートアップだと、トップが引っ張っていくスタイルで成功することもあると思うんですけど、規模が拡大するにつれて、それでは通用しない。もちろん無理やり決め上げないといけない場面もあるのですが、メンバーが納得できるような進め方を意識しています。
なので、それぞれが自分の意見をはっきり言うし、私が提案した件でも却下されることもあります。
実は、今の会社のミッション私は決めてないですからね(笑)社員みんなで決めています。
正しくは、もともとあったミッションを提案されたものに変えました。目的や理由を聞いて、納得のいくものだったので。
そこに変なこだわりはなくて、会社が良くなることであればミッションでさえも変えていく可能性はある。Resilyで働く社員にはどんどん提案してもらいたいと思っています。
ーー最後に、Resilyで働くことに興味がある人にメッセージを。
私はResilyにジョインするなら、今が一番面白い時期だと思っています。今やっとプロダクトも組織も土台が固まりつつあり、2020年はその土台をもとに大きく事業をドライブさせる年です。
自ら提案したことが形になり、良い意味でも悪い意味でも、その効果を明確に見ることができるので、これまで積み上げた経験を活かして何かを成し遂げたい方にぜひジョインしていただきたいです。
私たちがOKRのサービスとしても自社の方針としても大切にしている「何のために働いているのか」「何を実現させたいのか」納得感を持ちながら前向きに働くことができます。
ぜひ一緒に、Resilyで世の中の組織をよくする新しいプロダクトを広めていきましょう。